もしもかぐやに滅茶苦茶強力な恋敵がいたら・・・ 作:ゾキラファス
本当に毎日投稿出来てる人ってすごいと思う。
「会長!突然ですが問題です!」
「ど、どうした急に?」
放課後の生徒会室、突然藤原が本を持った状態で白銀に質問をし始める。
「貴方の目の前に動物用の檻があります。その中に猫は何匹入っていますか?」
「いやだから何なんだ一体…?」
「心理テストですよ!さっき図書館で借りてきたんです~」
藤原は、にへらとした笑顔で答える。その手には『恋の心理テスト』と書かれた本があった。
「さぁ!答えてください!檻の中に猫は何匹いますか!?」
そして白銀に再び問いかける。
「えーっと……9匹、かな?」
少しだけ考えた後、藤原の質問に9匹と白銀は答えた。それを聞いた藤原は、
「『それはあなたが欲しい子供の数を表しています』ですって!会長、9人だなんて、子沢山ですね~」
フヘーという感じの顔で質問の答えを口にした。
「ドンピシャで当たっているだと…!?」
「え?会長、そうなんですか?」
「あぁ、確かに子供は9人くらいは欲しいって思っているが…」
白銀は驚愕した。彼はもし自分が結婚をして、何時の日か子供を授かるなら野球チームができるくらいは欲しいと思っている。それを猫の数を言うだけで言い当てられたのだ。質問をされた時こそくだらないと思っていた白銀だったが、答えを聞いた今はもうそんな風に思えないでいた。
(9人!?そんなに!?ど、どうしよう…?)
白銀の答えを聞いたかぐやは少しだけ頬を赤らめてそわそわしだした。未だ性知識が浅いかぐやでも、すでに子供の作り方は知っている。今後、白銀が自分に告白してきて、いずれ結婚する事になると、自分は9人の子持ちになるかもと思ったのだ。かぐやは家に帰ったら新しい本で性知識を勉強しようと心に決めた。
(9人か…もし白銀と結ばれたら、夜は頑張らないとな…ふふふ)
一方で、京佳も割とピンクな事を考えてた。クールで真面目な京佳だが、彼女とてお年頃。好きになった男と結ばれたら、何時の日かそういう事をしたいと思うのは当たり前である。男の方が、子供が欲しいと言ってきたら猶更だろう。京佳は性に関する知識も含めて、今後も努力を怠らないと改めて決意した。
「じゃあ、次はこの問題をみんなでやりましょう!」
そんな脳内ピンクな2人の事など知らない藤原は、手にしていた本の新しいページを開き、今度はみんなで心理テストをしようと言う。それを聞いた生徒会メンバーは、特に反対する事も無く、藤原の心理テストに参加する事にした。
「それじゃあ行きますよ~。『あなたはうす暗い道を歩いています。すると後ろから肩を叩かれました。その人は誰ですか?』」
藤原からの心理テストに頭を悩ませる一同。
「何かヒントくれないか?」
「会長?これはクイズじゃないんですよ?ヒントなんてありません」
白銀がヒントを貰おうとしたが、藤原により却下される。
「何かを暗示しているんでしょうけど、一体なんでしょうか?」
かぐやも頭を悩ませていた。
(来ましたね!47Pの2問目の心理テスト!)
否。悩ませている風を装っているだけだった。
実はこの心理テスト、かぐやの仕込みである。中等部の頃から藤原と付き合いのあるかぐやにとって、藤原の行動パターンは翌日の天気より読みやすい。今、藤原が手にしている心理テストの本が図書館に入荷されていると知った時から、藤原がその本を手にすることは予想していた。
そしてその本をかぐやは隅々までチェック済み。故に危険な答えを口にすることを避けられるのだ。因みに、本の内容をチェックする時、早坂に手伝って貰ったのだが、そのせいで早坂は本日寝不足である。
「私は藤原さんですね」
「え!?私ですか!?えへへへ…」
かぐやは危険ではない答えを口にし、それを聞いた藤原は顔をほころばせた。
「ぼ、僕は…四宮先輩です…」
(え!?石上くんそうなの!?)
一方、石上は振るえながらかぐやと答えた。今、彼の頭の中では、まるでファミパンを食らわせてきそうな中年男性が住んでいる洋館の前でかぐやに肩を掴まれるというシチュエーションが出来上がっていた。
そして石上の答えを聞いたかぐやは驚いていた。まさか同じ生徒会メンバーの後輩からそんな思いを向けられているとは思わなかったからである。
(でもごめんなさいね石上くん。私、あなたの事はミジンコくらいにしか思えないの…)
かぐやは石上をフった。
(まぁ、今の問題は会長です。誰が会長の好きな人なのか、ここにいるみんなの前で言って貰いましょうか…!最も、私以外の名前を口にする訳ないでしょうがね…!)
石上をフったかぐやは、白銀を見て自信満々にそう思っていた。一方、この心理テストがかぐやによって仕込まれているとは知らない白銀は頭の中で思い浮かべていた。
『かぐや、暗いの怖いのぉ…会長…一緒に居て?』
何故かぶりっこみたいな反応をして、白銀の背中に抱き着こうとしているかぐやの姿を。
「ふむ、成程。そうだな、俺は…」
四宮だ、と答えようとした時、白銀は藤原が凄くニヤニヤとしているのを見た。そしてとたんに不安を感じた。
(待て待て!落ち着け!あの恋愛脳の藤原書記だぞ!?絶対にロクな心理テストじゃない!!)
白銀は直ぐに考えを改めた。藤原は日常のあらゆる恋愛話に自ら首を突っ込む恋愛大好きな恋愛脳である。そんな彼女がここで普通の心理テストを出すかといえば、それはありえない。
(もし、万が一この心理テストの答えが『自分の好きな人』とかで、そしてここで四宮の名前を出したら…!)
―――――
『え?会長、深層心理では四宮先輩の事が好きなんですか?』
『そうか、白銀は四宮の事が…』
『へぇ~!会長ってそうなんですね~!!』
『あら、会長、深層心理では私の事が好きなんですか?お可愛い事』
―――――
(もうそれは告白じゃないか!!)
瞬時に最悪の事態を脳内でシュミレートした白銀は口を閉じた。そして、ここで口にしても問題の無い人物を考えて、その人物の名前を口にした。
「う、うちの妹の圭ちゃんかな?」
「「…」」
かぐやと藤原の2人は白けた顔をした。かぐやは自分の名前が出てこなかったから。藤原はイジリがい無い答えを聞いたからである。
が、そんな時、
「私は白銀だな」
『!?』
突如、京佳が心理テストの答えに白銀の名前を口にしたのだ、そしてそれを聞いたかぐや、藤原、白銀は驚愕した。因みに石上は未だに震えている。
「え、えっとですね!『肩を叩いた人は好きな人を表しています』です!えっと京佳さん!それはつまり…!」
藤原が心理テストの答えを言いながら京佳の方を見た。その目は輝いている様に見える。
「ああ、私は白銀の事が好きだぞ?」
『!?!?』
そして京佳は、あっけらかんとそう答えた。
「は…え?」
そしてそれを聞いた白銀は頬を少し赤らめて固まった。その目は真っすぐに京佳を見ているが、表情は完全に石化している。
(な、何で立花さんはそんな風に堂々と言えるのよ!?ていうか、もうこれ完全に告白…!?)
かぐやは焦りだした。今、京佳による白銀への告白が目の前で行われている。もしこのまま、白銀が京佳の告白を了承してしまうと、全てが終わってしまう。焦らない方が無理である。
「きょ、京佳さん…!そ、そ、そ、それって、そういう事ですか!?」
かぐやが内心焦っている時、藤原が京佳に詰め寄りながら質問をした。その目はランランと輝いていた。恋愛脳の彼女が求めていた答えを聞いたのだから、ここで追及しないなどありえない。
そんな藤原に対して京佳は、
「何をそんなに驚いている?ここにいる全員、白銀の事は好きだろう?」
落ち着いた表情でそんな事を口にした。京佳の言葉を聞いた生徒会メンバーの皆は、
「あー、そういう意味ですか!勿論です!私も会長の事好きですよー!」
「僕も会長の事は好きです」
京佳の質問に答える形で、自分も白銀の事が好きだと言った。人は、親愛という意味での好きであれば、簡単に口にできるものである。一方、京佳の答えを聞いて固まっていた白銀は、石化が解けたように動き出し、かぐやの方を向いて口を開いた。
「し、四宮は…どうなんだ…?」
恐る恐るかぐやに質問をする白銀。この時、白銀には少しだけ願望があった。かぐやの口から『好き』と言われることである。例え、恋愛的な意味の好きで無くても、かぐやの口から好きと言われてみたい。そんな思いだった。そして白銀から質問されたかぐやは、
「ま、まぁ、皆さんの言う通り、嫌いではありませんよ?」
他のみんなと同じように『好き』とは言わず『嫌いではない』と答えた。こういう場でも、かぐやはヘタレるのだ。早坂がこの場に居たら、絶対にため息を付いている事だろう。
「……そうか」
白銀は少しへこんだ。
(あれ?ってことは僕は四宮先輩の事が…!?)
一方、石上は再び震えていた。そして自分のなかで自問自答したが、これは恋では無く恐怖の感情だと思い、帰り支度を始めた。
「会長…ストックホルム症候群かもしれないので今日はもう帰ります…」
「お、おう。お大事にな?」
白銀に断りを入れ、石上は帰路に着いた。
(なんとかごまかせた…)
石上が帰ろうとしている時、京佳は安堵していた。先ほどの藤原からの心理テストに、京佳は素直に答えたのだ。それ故、あわや自分の気持ちが白銀に露見するという事態に陥ってしまった。
現状、例え本当に告白をしても、白銀に告白を受け入れてもらえる可能性は非常に低い。だから京佳は、先ほどの様に自分の答えをごまかしたのだ。おかげで、皆が見ている前でフラれるという最悪の事態は避ける事ができた。
(でもまぁ、怪我の功名になったかもな…)
しかし収穫もあった。先ほど、京佳が『好き』と言った時、白銀は少しだけ頬を赤くした。それはつまり、少しは自分に意識を向けていたという事になる。本当に小さな一歩だが、間違いなく前進でもあった。そして、今後も白銀を振り向かせてみせる為、奮起しようと決意を新たにするのだった。
(ところで、何でさっき四宮は好きって言わなかったんだ?いやまぁ、好きと言ってそのまま白銀に告白されても困るんだが…)
京佳の中に疑問がひとつだけ残った。
「私もやりたくなっちゃいましたね。そうだ!ネットで探そーっと」
(しまった!本に載っていない問題じゃ答えがわからない!)
石上が帰ってすぐ、藤原が自分も参加するため生徒会室にあるパソコンで心理テストを検索しだした。かぐやは、本に書かれている心理テストならばわかるが、藤原がネットで検索した心理テストは答えがわからない。このままでは、思わず恥ずかしい答えを言ってしまうかもしれない。故に少し焦りだした。
「あ、これ面白そうですね。えっと『恋人があなたのために料理を作ってくれました。そのメニューは次のうちどれでしょう?1、生姜焼き。2、親子丼。3、カレーライス。4、スパゲッティのどれかから選んでください』ですって」
そうこうしているうちに、藤原がネットで検索した心理テストを言い出した。
「私は、カレーライスでしょうか?誰でも作れますし」
「私もカレーライスだな。好きだし」
「私は親子丼ですね~」
かぐや、京佳、藤原がそれぞれ答える。そしてかぐやは、思わず素直に答えてしまった事を失敗と思っていた。もしかすると、これがとんでもない答えのある心理テストかもしれないからだ。
(まぁ、別に名指しするやつでも無いし、普通に好きなものを選ぶか)
「俺は4のスパゲッティだな。その中の選択肢では一番好きなものだし」
白銀はあまり悩んではいなかった。先ほど、藤原が出した心理テストは誰かを答えるものだったが、今度は食べ物を答えるものだ。しかも選択肢がある。大した心理テストじゃないと判断し、他の皆と同じように素直に答えた。
「ところで会長はどんなスパゲッティが好きですか?ミート?」
「いや、この間バイトの賄いで食べたキノコスパゲッティが1番好きだな。勿論ミートも好きだが」
「私はナポリタンが1番好きだな。子供のころよく母親に作ってもらったし」
3人がスパゲッティ談義をしている時、かぐやは静かにパソコンの所まで静かに歩み寄ってた。
(一体答えは何なのかしら…?)
そして答えを一足先に見てみた。
『貴方の「性に対する貪欲さ」がわかります。1は淡泊な人。2は普通の人。3はかなりの性欲がある人。4はドスケベです』
ボンッ!!
答えを見たかぐやは、思わず頭が爆発するかと思った。よりによって、かぐやが最も苦手とする性に関する心理テストだった為である。最近は早坂のおかげもあって、それなりに性知識は覚えたかぐやではあるが、それでもこの手の話題は苦手である。
「かぐやさん、答え何でしたかー?」
「えっと、今日食べたいと思っている…夕飯…ですよ…?」
「えー!?私今日はオムライスの気分なんですよー!?納得できませんー!!」
かぐやは答えをごまかした。とてもではないが、これを自分の口から言う事などできない。そしてかぐやから答えをきいた藤原は納得できずにいた。
「全く、くだらん」
「夕飯か、今日は豆腐ハンバーグの予定なんだがな」
白銀と京佳もそんな事を口にして、その日はお開きとなった。
因みに、その日からかぐやが再び性知識を早坂を巻き込む形で学び始めたせいで、早坂はその後暫くの間寝不足になるのだった。
京佳さんがムッツリみたいになってしまった。
次回は、圭ちゃん登場回すっとばして1学期終業式の予定です。仕事が忙しいので遅れるかもしれませんが、頑張ります。何より自分が書ききりたいって思ってるし。