もしもかぐやに滅茶苦茶強力な恋敵がいたら・・・   作:ゾキラファス

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 今回は完全なネタ回。書いてて楽しかったです。


生徒会と女子会

 

 

 

 

 

 生徒会室

 

「女子会がしたいです」

 

「どうした急に」

 

 生徒会室で皆が業務をしていると、突然藤原が立ち上がってそんな事を言い出した。

 

「私の家、明後日誰もいないんですよー!寂しいです!だから生徒会の皆で女子会しましょう!!」

 

 そして少し涙目になりながら、自分の欲望をさらけ出す。

 

「お父様とお母様は揃って仕事でいませんし、姉さまも大学のサークルでいませんし、妹の萌葉も圭ちゃんと泊りで遊びに行くって言ってるんです!その結果、明後日は私しかいないんですよーー!寂しいです!!だから女子会してワイワイ騒ぎましょう!!」

 

 実際、普段いる家族がいないというのは寂しい。ふとした拍子に泣きそうになったりもするし、

なんかちょっと怖い。最近は何かと物騒だし、不安にもなる。だったら家に友人を呼んで遊べば、その寂しさも無くなるだろう。だから藤原は駄々をこねるようにかぐやたちにお願いをしたのだ。

 

「まぁ、私は予定無いしいいけど」

 

「私も大丈夫ですね」

 

「あ!私も大丈夫です!!」

 

 その願いが通じたのか、生徒会室女子は全員参加を表明。別に藤原が可哀そうとかじゃない。思えば、この面子でお泊りなんてしていなかった。ならばこの機会に、泊って女子会をするのもありだろう。

 

「決まりですね!じゃあ早速準備ですよー!!」

 

「具体的に何をだ?」

 

「鍋パしたいので、お鍋の具材を用意します!皆さんもそれぞれ何か具材を持ってきてください!!」

 

「わかった」

 

「家に食材ならいくらでもありますし、いいですよ」

 

「わかりました!美味しい食材を持って行きますね!!」

 

「わーい!」

 

 藤原は大はしゃぎだ。これなら、楽しい夜になりそうである。

 

「ついでに早坂も誘うか。いいかな藤原」

 

「勿論です大歓迎ですよー!」

 

「なら私の方から愛さんに連絡しておきます」

 

 そして京佳は、どうせならと思い早坂も誘う事にした。その後、かぐやから連絡を受けた早坂は了承。こうして、女子5人による女子会が決定したのであった。

 

「なぁ、石上」

 

「何ですか?」

 

「実はな、明後日俺の家も誰もいないんだ」

 

「え?」

 

「さっき藤原が言っていた通り、妹の圭ちゃんは藤原の妹とどっかに泊りで遊びに行くし、親父は仕事だし」

 

 そんなはしゃいでいる女子を横目に見ながら、白銀は石上に提案する。

 

「向こうが女子会なら、こっちは男子会しないか?もうこんな機会、無いだろうし」

 

「是非!!」

 

 白銀からのお誘い。これを受けないという選択肢は、石上の中に存在しない。そして男子2人は、白銀の家で男子会をする運びとなった。

 

 

 

 藤原家

 

「ようこそですーー!待ってましたよー!!」

 

 四宮家に比べるとかなり小さいが、それでも豪邸と言って差し支えない広々とした一軒家。そこに今日、お呼ばれした4人は来ていた。

 

「大っきい家だな…」

 

「初めて藤原先輩の家来ましたけど、凄いです…」

 

「私は久しぶりですね」

 

「私は初めてだよー」

 

 京佳と伊井野は藤原家をキョロキョロと見渡し、かぐやは少し懐かしみ、早坂は楽しげだ。しかし、流石名門政治家一門の家。渋谷の1等地に庭付き一戸建てを建てられるくらいの財力はあるらしい。普段の態度からはまるで想像も出来ないが、こうして見ると藤原も良家のお嬢様というのがよくわかる。

 

「お手伝いさんも既に帰っているので、今日は女子5人でワイワイ騒いで過ごしましょう!」

 

 そう言いながら、藤原は4人を家の中に招く。

 

「わん」

 

「ん?犬?」

 

「はい!ペスっていいます!」

 

 玄関に入ると、1匹の大型犬がいた。名前をペス。藤原家で長年飼っている犬である。

 

「目つき悪くないか?」

 

「よく言われます」

 

 しかし、その目つきが何だか鋭いというか死んでいるように見える。正直、そこまで可愛くは無い。

 

「ペスー。後でお菓子あげますから、今日は大人しくしててねー?」

 

「わん」

 

 そう言われたペスあ、そのまま奥の部屋へと入っていく。多分、寝るのだろう。

 

「さぁさぁ!こっちですよー!」

 

 4人はそのまま靴を脱いで、藤原に案内されるままにキッチンに向う。

 

「おお。ネットでしか見た事無いようなキッチンだ」

 

「凄い…バーカウンターみたいなものまであります…」

 

 藤原家のキッチンは所謂対面型のペニシュラキッチンというものだが、その広さは普通じゃない。大人3人が自由に調理できるくらいは広いし、冷蔵庫もかなり大型だ。直ぐ横にはバーカウンターのようなものも設置されており、テレビまである。

 

「こうして見ると、藤原もお金持ちなんだってわかるな…」

 

「ですね立花先輩…」

 

 伊井野は京佳に同意するが、彼女も京佳よりずっと裕福な家の子なのであまり説得力が無い。これに本当の意味で同意出来るのは、白銀くらいだろう。

 

「それでは皆さん!さっそく手を洗ったらお料理をしましょう!!」

 

 藤原の号令と共に、4人は手を洗って調理準備を始める。先ずは、それぞれが持ってきた食材を出すところからだ。

 

「私は、まぁ無難に野菜をいくつか」

 

「お!どれもお鍋に入れたら美味しそうですねー!」

 

 京佳が持ってきたのは、ネギや白菜といった野菜類。何時も通っているスーパーで購入したものだ。別に高級な食材ではないが、こういうのは値段じゃない。そもそも藤原も、そんな事気にしない。皆でわいわい鍋パできたら、それでいいのだから。

 

「私はこれです!1万円する豆腐です!

 

「え?」

 

 次に伊井野が食材を取り出したが、京佳とは打って変わって高級品を出していた。

 

「伊井野。豆腐はいいんだけど、どうしてそんなに高いのを?」

 

「え、えっと、こういうお泊りってこばちゃんの家以外だと初めてでしたので、失礼の無いように高い物をと思って」

 

「あー。うん。ごめん」

 

 一応、伊井野なりに考えた結果である。藤原のお金持ちの家の子。かぐや程では無いだろうが、普段から良い物を沢山食べている筈。そこで伊井野は、藤原に失礼の無いようにこんな物を用意したのだ。それが何で高級豆腐なのかはちょっと疑問だが。

 

「ありがとうございますねミコちゃん!絶対に美味しいですよこれも!!」

 

「え、えへへ。喜んでくれたみたいで嬉しいです…」

 

 その伊井野の気持ちを藤原は全力で受け止める。だってこれは、ただの好意だからだ。悪意なんてひとつもないし、普通にこの豆腐に興味がある。鍋に入れて、皆で美味しく食べたい。伊井野は少し恥ずかしそうにしながら嬉しがる。

 

 後の伊井野のこの経験が、藤原の誕生日でちょっとだけ微妙な出来事になる事を藤原はまだ知らない。

 

「私はこれを持ってきました」

 

「「A5ランクの牛肉!?」」

 

 次はかぐやだが、彼女が取り出したものは誰もが知っているであろう超高級和牛。それの最高ランク品だ。

 

「どうせ貰い物ですし、ちょっと沢山持ってきちゃいました。好きに食べて下さい」

 

「ありがとうございますかぐやさん!これは俄然今日のお鍋が楽しみになってきましたよー!!」

 

「あ、あの…私もいいんですよね?」

 

「勿論よ伊井野さん。好きなだけ食べていいわよ?」

 

「は、はい!!」

 

 普段中々食べる事の出来ない高級牛肉。これはテンションがあがる。

 

「私はこれだよー」

 

「あ、ジュースか。具材じゃ無いだな」

 

「なんか私まで具材持ってきても食べきれるか不安だったしね。あ、あとシュークリームもあるよ」

 

 早坂が持ってきたのは、瓶に入ったジュースやデザートだった。沢山食材を持ってきて余ったら困ると思い持ってきたのだが、多分その心配はない。なんせここには、伊井野がいるのだから。彼女なら例え食材が今の倍あっても、平気で食べきれるだろう。

 

「じゃあ最後!私はこれです!!」

 

 最期に藤原が、発泡スチロールに入っているお肉を取り出して皆に見せる。

 

「藤原。その肉なんだ?」

 

「これですか?アラスカに住んでる親戚の百之助おじさんが空輸してくれたんです」

 

「アラスカ?」

 

「はい。何年も前にこっちの生活が嫌になってお仕事辞めて、その後世界中旅をしていたんですよ。で、詳しくはわからないんですけどアラスカで色々あって、そして現地の人と結婚してそこに永住する事にしたそうです。そして今じゃアラスカで猟師してますよ。このお肉は自分で取ったって手紙に書いてましたー」

 

「へぇ。もしかするとトドとかシカかな?」

 

「いえ、ラッコです」

 

『ラッコ!?』

 

 その肉の正体がラッコと聞いて、藤原以外の全員が驚く。

 

「あ、あの藤原先輩!ラッコってあのラッコですか!?お腹の上で貝を石で叩いて割るあの!!」

 

「そうですよ。アラスカじゃ珍味扱いされてるみたいです」

 

「ラッコって、食べれるのか…」

 

「まぁ、大抵の動物は煮るか焼けば食べれるでしょうし…」

 

 ラッコ。

 北アメリカ大陸から、千島列島沿岸に住んでいる哺乳類。お腹に貝を置いて、それを石で叩いて割って食べる姿が有名だ。古来から毛皮の材料として乱獲されており、現在日本ではほぼ絶命状態にいる。そのお肉が、これだ。

 

「私、ちょっと勇気いるかも…」

 

「まぁまぁ!手紙ではちょっとクセはあるけど美味しいって書いてましたし、皆で食べましょう!!」

 

「で、でも…」

 

「ね?ミコちゃん?」

 

「ふ、藤原先輩がそこまでいうなら…」

 

 伊井野はあのぬいぐるみにもなっている可愛い動物のラッコと聞いて、食べるのを少し躊躇する。しかし藤原に押され、結局は普通に食べる事にした。

 

 だがこの時、藤原はとあるミスを犯していた。実は手紙には、いくつか注意事項が書かれていたのだ。

 

『絶対に換気しながら少しづつ食べて下さい』

 

『大勢で食べないで下さい』

 

『夫婦で食べる時は、子供達が寝静まった後に食べて下さい』

 

 その注意事項を、藤原は見落としていた。ラッコ肉という珍しい食べ物を見て、テンションを上げていたせいである。そしてその結果、この後かなり大変な事態になるのであった。

 

 

 

 

 

「ラッコ鍋って、なんだか独特な匂いするな」

 

「ですねー京佳さん。でも食べられるって書いてましたし、大丈夫と思いますよー」

 

 皆ですき焼き風の鍋を作り終えて、今はリビングの机の上に置いていざ実食という時なのだが、かなり妙な匂いがする。臭いとかキツイとかじゃなくて、なんか妙な匂いなのだ。

 

「あ、私食べる前にちょっとトイレ行ってくるね」

 

「廊下出て左ですよー」

 

「ありがとー」

 

 早足は1度部屋の外に出る。このまま食べるのは申し訳ないので、戻って来るまで待つことにした。

 

(なんか変ね…)

 

 だがそうして待っていると、かぐやに変化が現れだした。

 

(どう見ても、藤原さんが、色っぽぉぉい…)

 

 何故か、藤原が凄く色っぽく見えるのだ。普段は可愛らしい藤原が、凄く大人の色気を出しているように見えてしまう。メタ的に言うと、赤坂ア〇作画から野田サ〇ル作画になっているような感じである。

 

(一体どうしたのかしら私…藤原さんがそんな風に見えるだなんて…)

 

 何だか頭は少しクラクラするし、体も熱い気がする。あと何故か、へその下あたりが変な感じだ。まるで、風邪をひいたみたいである。

 

「四宮、大丈夫か?」

 

 そんなかぐやの様子に気が付いたのか、京佳がかぐやに声をかける。

 

 パチン

 

「あ」

 

 だがその時、京佳の服の胸元のボタンが突然飛んでしまった。ボタンはそのまま床に落ちて、コロコロと転がる。

 

「おっと、ボタンが…最近また胸大きくなったみたいだしな…」

 

 京佳はいそいそと胸元を隠すが、その豊満の胸の谷間がバッチリ見えてしまっていた。

 

(この同級生、スケベすぎる…!!)

 

 そんな状態の京佳を見た藤原は、熱くなっている体を押さえながらそう思った。よくよく見れば顔も綺麗系で、胸も大きい京佳。

 更に服の下の体は、同性から見ても目を奪われそうになる。もし藤原が男だったら、絶対にそれを見たいと邪な思いを持っていただろう。

 

「な、何だか私…少し気分が…」

 

 その時、伊井野が顔を赤くしながら手を額に当てる。確かに気分が悪そうに見える。これはいけない。

 

「大丈夫ですか!?ミコちゃん!!」

 

「横になりましょう!今すぐ!!」

 

「っ!!」

 

 そして藤原とかぐや、更に京佳も伊井野をソファに寝かせた。

 

「胸元を開けて楽しにした方がいいな!!」

 

「いっそ下も脱がせましょう!!いや全部です!!」

 

 伊井野は随分苦しそうに見える。こういう時は、楽な恰好にさせるべきだ。だからこのまま伊井野の服を脱がせるのは、何も可笑しい事では無い。言ってしまえばこれは、治療行為なのだから。

 

「いったー…足思いっきりぶつけちゃったよー」

 

 そうしていると、リビングの扉が開いて早坂がトイレから戻って来た。

 

「あれー?どうかしたの、皆?」

 

 今日は何時もより少し薄着の早坂。それが何故か、とてもエロくみえる。

 

「早坂」

 

「愛さん」

 

「早坂さん」

 

「「「ごくりっ…」」」

 

 そんな早坂を見て、3人は生唾を飲み込むのであった。

 

 

 

 

 

 白銀家

 

「「かんぱーーい!!」」

 

 同時刻、白銀は石上と麦茶で乾杯をしていた。こちらも、女子会と一緒でご飯はすき焼きである。因みにお肉は、田舎のじいちゃんが福引で沢山のお肉を当ててしまい処理に困っていたのを、送ってもらっているので実質タダで手に入ったようなものである。

 因みに野菜は傷が入っている訳アリ野菜なので、通常の半額以下の値段で買っているので、これもお得だ。

 

「あ、めっちゃ美味しいですのこのお肉」

 

「そうだな。しかし、すき焼きだなんて本当に久しぶりだよ」

 

 小鉢の中で卵を解いて、その中にお肉を入れて食べる2人。流石男子高校生というべきか、どんどん鍋の中の食材が消えていく。

 

「会長。食べ終わったらゲームしませんか?僕今日、色々な対戦ゲーム持ってきたんです」

 

「いいぞ。今日は無礼講みたいなものだからな。近所迷惑にならなかったら大丈夫だ」

 

「わかりました」

 

 男2人ですき焼きを食べるだけ。しかし、普通に楽しい。

 

「僕、ちょっと憧れてたんです。こうやって誰かの家でご飯食べるの」

 

「そうなのか?」

 

「はい。友達の家に泊まった事とかなくて、だから」

 

「そうか。それはよかった」

 

 あの事件以来、石上はずっと大勢の人から距離を取られ続けていた。だから、こういった誰かの家で泊まりで事を一緒にするなんて出来ずにいたのである。

 でも今日、その夢が叶った。おまけに相手は自分が心から敬愛する白銀。もうこれで、心残りは無い。

 

「よし!先ずはとことん食え!この牛肉は全部貰い物だしな!腹いっぱい食え!!」

 

「はい!いただきます!!」

 

 その後2人は、本当に沢山食べながら楽しく過ごした。一緒に洗い物をして、一緒に布団を敷いて、一緒に肩を並べながらゲームをして盛り上がった。最期は睡魔に勝てずに、そのまま並んで同じ布団で寝てしまったくらいである。

 しかしこうして見ると、本当に石上が男で良かった。もし石上が女だったら、かぐやも京佳も勝てなかったかもしれないのだから。

 

 

 

「あー美味しかったー。ラッコなんて初めて食べたけど、結構イケてたね」

 

「ですねぇ。あ、このシュークリームも凄く美味しいです」

 

「それは良かったよ」

 

「……」

 

「四宮。伊井野は大丈夫か?」

 

「先ほどまで普通に美味しそうに食べてましたし、多分大丈夫と思いますよ?」

 

 場所は変わって藤原家。皆で鍋を食べ終えて、今は食後のデザートとして早坂が持っていたジュースとシュークリームを食べている最中であった。

 そして伊井野は、現在ソファで横になっている。少し食べすぎたのと、未だに頭がクラクラするからだ。因みに残念ながら、服はちゃんと着ている。

 

「それにしても、ねぇかぐや?貴方最近、すっごく良い女になったみたいね」

 

 早坂が持ってきたジュースを飲みながら過ごしていると、早坂がかぐやを見ながらそう言う。失恋したせいなのか、今日のかぐやは随分と良い女に見えるんのだ。

 

「よしてください。照れるじゃないですか」

 

(((可愛い)))

 

 照れながらそう言うかぐやに、藤原、早坂、京佳は全く同じ事を思う。

 

「そ、そういう早坂さんも、前より何だか良い体になってませんか?」

 

 このままではかぐやを襲ってしまいそうになっているので、藤原は視線を早坂に移す。しかし、その早坂もとっても良い。クォーターの美少女なんて、エロくて当たり前なのだ。

 

「そう?どうかな京佳?」

 

「んん゛」

 

 早坂はそう言いながら、両腕で胸を寄せて上げる。おかげで早坂の大きな胸が、随分とエロくなった気がする。その姿に、京佳は視線をとっさに反らす。直視したらどうにかなりそうだからだ。

 

(何なんだこの感情は!抑えきれない!!)

 

 体が熱っぽくて疼く。今気を抜くと、勢いのまま早坂を襲いそうだ。勿論、性的な意味で。でもそれは色々と問題しかないので、京佳は必死に耐える。

 

(こんな気持ち、初めてです…!どうやって発散させればいいんですか!!)

 

 それは、藤原も同じだった。どういう訳か今自分達はおかしくなっているが、もうそんなのどうでもいいと考えそうになる。しかし辛うじで理性の糸を繋いで、その気持ちを抑え込んでいた。

 

「……」

 

 そして伊井野は、天井をじっと見つめていた。

 

「なんだか私、変です…どうにかなりそうです…!」

 

 ここでかぐやが、そろそろ限界だと言い出す。

 

「体熱いし、服脱いでもいいですか?」

 

『!?』

 

 そしてここで、服を脱ごうと言い出した。

 

「い、いんじゃないか?熱いなら」

 

「そ、そうですね?熱いなら仕方ないですって。あ、かぐやさん。手伝いましょうか?」

 

「い、いいえ。流石に1人で脱げますから…」

 

 京佳と藤原は、それに同意。そのままかぐやが服を脱ぐの見る為、瞬きせず直視し続ける。

 

「じゃあ、お先に…」

 

 2人に言われ、かぐやは服を脱ごうと両手を動かす。そして来ているトップスに手をかけた瞬間、

 

 

 

「ってストーーーーップ!!これ絶対に何かおかしいから!!」

 

 

 

 早坂の大声で、3人ははっと我に返った。残念である。

 

「書記ちゃん!ちょっとスマホで調べさせて!!」

 

「は、はい…」

 

 早坂はスマホを取り出して、今の可笑しい事態を調べ出す。早坂がこうして我に返れたのは、四宮家従者として様々な訓練を受けてきたおかげである。もし彼女が普通の家に生まれてこの場に居たら、もう誰も止める事なんて出来なかっただろう。

 

「えーっとね、ラッコのお肉って、食べるとかなり欲情するんだって…」

 

「「「!?」」」

 

 早坂がスマホで調べた情報を聞いて、3人ははっとする。要するに今自分達は、えっちな気分になっているのだ。その原因は、食べきったラッコ肉。

 

「とりあえず換気!先ずは換気して!!」

 

「は、はい!!」

 

「わかった!!」

 

「わかりました!!」

 

 ソファで横になっている伊井野以外で面々で、部屋の窓という窓を開ける。これで少しは何とかなったが、まだまだこの気持ちを抑えるまでには至らない。

 

「どうしますこれ?正直、寝れそうにないんですけど…」

 

「だな…体が熱くて、全然ダメだ…」

 

「頭もクラクラしますし…今変に横になったらマズイかもですね…」

 

「……」

 

 未だに体は熱く、頭はクラクラして、へその下あたりが変な感じになる。どうあっても、このまま寝るなんて不可能だ。何とかして、この気持ちを発散しないと。

 

「散歩とか、してみます?」

 

「いや、ここはランニングの方がよくないか?」

 

「ですね。どうせなら遠くまで走ってみましょう」

 

「ちょっと落ちついて3人共。もうこんな時間だし、伊井野ちゃんが横になったままでしょ?走るのは辞めとこ?」

 

「……」

 

「あのミコちゃん?生きてますか?」

 

 早坂の言う通りで、既に時刻は夜の21時。最近は何かと物騒だし、こんな時間に女の子だけで外に出るのは危険だ。何より伊井野を、このままほっとけない。

 

「じゃあ、どうするんだ早坂?」

 

 しかし、このままの状態はもっとキツイ。下手すると、全員でRー18な展開になるかもしれない。それだけは避けたいが、そのためにはこの気持ちを発散しないと。

 

「こうなったら、体を思いっきり動かして発散するしかない!!」

 

『!?』

 

「よし皆…」

 

そして早坂は、全員にある提案をした。

 

 

 

 

 

 1時間後。

 

『さぁさぁ!次はもも上げ運動ですよ!!それワンツー!ワンツー!!』

 

「はぁはぁ!きっつ…!!」

 

「あ、あと1セットですから、頑張りましょう!!」

 

「わ、私もう、足が限界なんですけど…!」

 

「頑張って書記ちゃん!私もキツイけど、頑張ってるんだし!!」

 

「……」

 

 伊井野以外の4人は、動きやすい恰好のスポーツウェアに着替えて、リビングのテレビに映し出されているエクササイズ動画を見ながらエクササイズをしていた。かなり動きが激しい物で、4人とも全身汗だくになっている。

 

 これが、早坂の提案である。要は、すっごくキツイ運動をして気持ちを発散させようというものだ。因みにこのエクササイズ動画は、早坂がネットで探したものを、リビングのテレビで流している状態である。流石に偶然、エクササイズのDVDは手元に無かったので仕方が無い。

 

 でもそのおかげか、今4人はかなりスッキリしている。やはり、汗をかくほどの激しい運動は効果があるようだ。でもまだまだ念の為に、最後までしっかりとこのエクササイズをしようと考えてた。なのでこうして、まだまだ運動をしている。中には2人一緒になってやるものもあったが、それも4人は妙な気分になりながらも何とか頑張ってやり切っている。

 

「あ、あと少し…あと少しで終わりだ…」

 

「というかこれ、本当にきついんですけど…」

 

「まぁ、ガチダイエット用の超キツイやつだからね…」

 

「私、これで痩せれますかね…」

 

「……」

 

 その後も4人は、あらゆるエクササイズを最後までやり切るために頑張った。全ては、間違いが起きない為に。

 

 「……」

 

 その様子を見てしまった藤原家の愛犬ペスは、自分は何も見なかったと思う事にして、もう寝る事にしたのであった。どうせもうおやつはもらえないし、ここは寝るのが1番と思ったからである。

 

 

 

 翌朝

 

「朝日が眩しいですねぇ、かぐやさん…」

 

「そうですね、藤原さん…」

 

「京佳…なんか、昨日は妙に盛り上がっちゃったね…」

 

「そうだな早坂…」

 

「先輩方…大丈夫ですか?」

 

 4人は、庭に出て朝日を浴びていた。あの後、結局4人は1時間以上エクササイズをして、そしてそのまま疲れてリビングで寝てしまったのである。当然汗だくのスポーツウェアはそのままで着替えてしないし、風呂にも入っていない。おかげで何だか、事後みたいな光景になっていた。

 最初その光景を見た伊井野は、昨日自分が寝た後に何が起こったかわからず、本気で恐怖した。そこで4人を起こして事情を聴き、今に至る。

 

『……』

 

 気まずい。ラッコ肉を食べたせいとはいえ、気まずい。思えば昨日の自分達は、本気でどうかしていた。体を動かして発散するにしても、なんであんな動きの激しいエクササイズを選んだのか。でもそのおかげもあって、間違いは起こらなかったので一応成功ではあるのだが。

 

「あの、この近くに朝食の美味しいホテルがあるんですけど、今からそこで朝ごはん食べませんか?」

 

 ここで藤原が、皆にそんな提案をしてきた、

 

「そうですね。お腹が空きましたし、食べに行きましょうか」

 

「だ、だねー!腹が減ってはなんとやらっていうし!」

 

「そ、そうだな!先ずは食べよう!」

 

 その提案を、2年生は受け入れる。ここで心機一転しないと、また変な考えに至りそうだからだ。

 

「あの先輩方!その前にお風呂入って着替えて来て下さい!!」

 

『あ、はい』

 

 でもその前、伊井野の言う通りシャワーを浴びて着替えるとしよう。

 

「昨日の事は、誰にも言わないでおかないか?」

 

『異議なし』

 

 同時に、昨日の事は生涯誰にも言わないでおこうと決める。ていうかこんな事、誰にも言える訳無い。

 

 そして5人は、ホテルで朝食を食べた後、そのまま渋谷でウィンドウショッピングをして遊ぶのであった。何だかかんだで楽しい日ではあったが、もう2度とラッコ肉は食べたくない。

 

 でも京佳だけ、白銀とならいつか一緒に食べてもいいかもと内心思っていたりする。

 

 

 

 

 




 かぐや=杉元
 藤原=白石
 京佳=谷垣
 伊井野=尾形
 早坂=キロランケ

 配役はこんな感じです。最初は相撲させようと思っていたのですが、流石にこの子らがパンイチで相撲取るのは色々と絵面がヤバイと思ったので、こんな感じにしました。その光景が見たい人は、是非自分の脳内で補完してください。

 因みにもし白銀と石上がラッコ鍋食べてたら、部屋でパンイチで相撲してました。そしてご近所さんから怒られるまでがセット。

 次回は誕生日回。その後から石上のつばめ先輩関係になると思います。それじゃ、またね。

石上とつばめ先輩は

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