もしもかぐやに滅茶苦茶強力な恋敵がいたら・・・   作:ゾキラファス

202 / 203
 本日はパンツの日らしいので、頭の悪いお話を書きました。それにしても、酷いタイトル。


白銀御行と壁尻

 

 

 

 

 

 体育倉庫

 

「なんだか、懐かしいな」

 

「そうだな。3人で閉じ込められたのも、もう半年も前か」

 

 体操服姿の白銀と京佳は、2人で古い体育倉庫で用具整理をしていた。今現在2人がいるのは、以前体育祭の前に白銀、京佳、かぐやの3人で閉じ込められた古い体育倉庫である。

 以前そのような事があったのと、そもそもが既に古かったので、学校側も新築の体育倉庫を建造する事を決定。そして少し前に、ようやく新しい体育倉庫が完成したので、ここはもう直ぐ取り壊しになる予定だ。

 

「しかし、なんで私らがこんな仕事を…」

 

「だよなぁ…最後までちゃんと運動部の連中にやらせればいいものを…」

 

 そして2人は現在、この古い体育倉庫の用具整理をしている最中である。といっても、殆どの体操用具は既に運動部の部活生によって運び出されているので、2人が運ぶのはそう多くない。

 

 因みに全部運び出せていない理由は、その運動部の部活生が体育倉庫の隅にあった器具や用具を見落としていたせいだ。流石にこれだけの数の為に、また用具整理をさせる訳にもいかないので、こうして生徒会でやっている。

 

(ま、2人きりだからいいけど…)

 

 正直面倒ではあるが、それはそれとして白銀と2人きりというのは嬉しいもの。

 

 かぐやと藤原は家の用事で既に帰宅しており、石上はつばめ先輩と放課後デート。伊井野は来る予定だが、風紀委員の仕事でまだこれていない。結果として、こうして2人きりで用具整理をしているのだ。

 

(甘い空気とは無いけどね…)

 

 しかし、いつもの甘ったるい空気はどこにも無い。単純に、仕事中で忙しいからである。でもこれが終われば、あとは着替えて帰るだけ。そうなれば、そのまま放課後デートと洒落込もう。

 

「よいしょっ…え?

 

 放課後の事を楽しみにしながら、京佳が倉庫内にあった立て看板を運ぼうとした時、凄く妙な物を見つけてしまった。

 

「どうかしたか?」

 

「御行、これ…」

 

「え、なんだコレ?」

 

 それは、穴である。体育倉庫の壁に、大きな穴が空いていたのだ。

 

「なんで、こんな穴が?」

 

 白銀が穴の周辺を観察。すると、ボロボロのコンクリートの破片がいくつも落ちていた。誰かが意図的に壊したのか、それとも単なる経年劣化なのか。今はそれ以上の事はわからない。

 

「これ、私のせいかな?」

 

「いやいや!大丈夫だって京佳!そのそもここはもうかなり古い倉庫なんだ!これもきっと老朽化が原因だって!」

 

「それならいいんだけど…」

 

 京佳は、自分が看板をどかしたせいでそれまでギリギリなんとかなっていた壁にトドメを刺してしまったのかと思ったが、流石にそれは考えすぎ。白銀の言う通り、これは老朽化によるものだろう。

 

「とりあえず、用具の整理が終わったら学園長に報告だな」

 

 既に取り壊す予定だが、流石にこの事を言わない訳にはいかない。報・連・相は、どんな時も大事なのだ。

 

「じゃあ、俺はこの立て看板とポールを運ぶから、京佳は最後の倉庫内を箒で掃除しておいれくれ」

 

「わかった」

 

 白銀は最後の荷物である立て看板と棒高跳び用のポールを運び出し、京佳は残って倉庫内の掃除をする。

 

「あ、御行」

 

「ん?」

 

 だがその前に、京佳は白銀に話しかける。

 

「えっとね、掃除が終わったら、2人で放課後デートとか、行かない?」

 

 それは、デートのお誘い。今日はこの体育倉庫の仕事以外、生徒会は特に仕事が無い。要するに、暇なのだ。ならば、これが終わったらデートをするのも悪くない。実際石上は今日、つばめ先輩と放課後デートを行っているし。

 

「ああ。勿論良いぞ」

 

「ふふ、ありがとう。じゃ、さっさと終わらせようか」

 

「ああ」

 

 当然白銀は、この提案を受け入れる。断る理由なんてどこにも無いし、そもそも自分も今日はデートをしたいと思っていたからだ。まさに、渡りに船である。

 

「そんじゃ、これ運んでくる」

 

「うん、怪我しないように気をつけてね」

 

「わかってる」

 

 そう言うと白銀は、ポールと立て看板を持って体育倉庫から出ていった。1人残った京佳は、そのまま掃除を再開する。

 

(これが終わったら、御行と放課後デート…ふふ、楽しみだな。どこにいこう?そうだな。最近ネットで見つけたパンケーキの美味しいカフェとか行こうかな?)

 

 掃除をしながら、京佳はこの後の事に胸を踊らせる。

 

 夏休みの後半には、白銀はアメリカに行ってしまう。これはもう、変える事の出来ない未来だ。勿論京佳だって、出来ればこのまま白銀と日本で過ごしたい。やはり、遠距離恋愛は大半だし、とっても寂しいだろうから。

 

 しかし、白銀の夢を諦めてなんてとても言えない。そんな事だけは、絶対に言えない。だから変わりに、白銀がアメリカに行くまでの間、兎に角沢山の思い出を作ろうと決めたのだ。

 一緒に学校でお昼ご飯を食べたり、一緒に登下校したり、休日にはどこかにデートに行く。そんな目一杯の沢山の思い出を作れば、それを糧に生きていけるので寂しくは無いだろう。思い出というのは、それだけ大切な物なのだ。この放課後デートだって、そんな大切な思い出になるだろう。

 

「……」

 

 そうやってわくわくしながら掃除をしていた京佳だったが、ふと壁に空いた穴を見る。割と大きな穴で、人間1人くらいなら通れそうな気がする。更に今、この場に白銀はいない。

 

「……」

 

 そして京佳は、箒を置いてとある行動に出たのであった。

 

 

 

「ふぅ…なんとか運び終わったな。後少しだ」

 

 荷物を運び終えた白銀は、古い体育倉庫に戻っていた。後は、倉庫内を掃除すれば終わり。

 

(倉庫の掃除が終わったら、京佳とデートか…映画は、ちょっと時間かかるし、ここはカフェとかいいかもしれんな)

 

 そして放課後のデートについて、白銀も妄想を膨らませる。アメリカに行くまで、もう半年も無い。それまで、1秒でも多くの思い出を京佳と作りたい。その想いは、白銀も同じである。さっさと掃除を終わらせて、デートに行くとしよう。

 

「……え?」

 

 しかし、体育倉庫に戻ってきた白銀は、ついあっけに取られてしまう。なんというか、とてもおかしな物が見えているからだ。

 

 なんせ今、白銀の視線の先では、何故か壁から女子の下半身が生えていたからだ。まるでえっちな漫画とかで見る、壁尻のようなものが。

 

「え、えっと、京佳、だよな?」

 

「見ないでくれ御行!こんな情けない姿の私を、見ないでくれぇぇぇ!!」

 

 その正体は、なんでか上半身を壁に空いた穴に突っ込んでいる京佳である。一体、何がどうしてこんな事になっているのか。先ずは状況の確認からしよう。

 

「なんで、そんな状態に?」

 

「その、戻ってきた御行を穴から顔だけ出して驚かせようと思って、穴をくぐったんだ…」

 

「それなら態々穴から外にでなくても、入口から出て周りこめばよかっただろ…」

 

「思ったよ。本当に、私は何をしてるんだろうな?なんで態々穴をくぐろうとしたのか、今となっては私もわからない…」

 

 要するに、京佳は戻ってきた白銀に、穴から「わっ」と言って驚かせようとしただけだ。しかし、その時に壁に空いた穴を通ろうとしたのが大間違い。結果として、今京佳は完全に穴にハマってしまっているのだ。

 

「……」

 

 白銀はじっと、京佳の尻を凝視してしまう。今の京佳は、禄に動くことが出来ない。今なら、何をしても抵抗されないだろう。おまけにここは、校舎から結構離れた体育倉庫。

 更に今は、この場には1人しかいない。これらな、例えナニをしても簡単にはバレない。

 

「ふんっ!!」

 

「何だ!?どうしたんだ御行!?」

 

「いや!ちょっとな!別に大した事はないから心配しなくていいぞ!!」

 

 だが白銀、その邪な考えを自分で自分を殴る事で消した。

 

(いかんいかん。何を考えてるんだ俺は)

 

 正直そういった気持ちが無い訳じゃないが、こんな場所でする事では無い。そういう事は、もっと別の場所でするべきだろう。今は、京佳の救出が最優先だ。

 

「で、全く動けないのか?」

 

「うん、全然だ。うんともすんともしない」

 

「じゃあとりあえず、引っ張ってみるか」

 

「頼む」

 

 白銀は、京佳を助けるべき動き出す。先ずは、普通に引っぱってみよう。

 

「えっと、腰掴むぞ?」

 

「う、うん…」

 

 京佳にしっかりと断りを入れて、白銀は京佳の腰を両手で掴む。

 

「ひゃん」

 

「そ、そんな声出さないでくれ…!」

 

「す、すまない…でもくすぐったくて…」

 

 腰を掴んだ瞬間、京佳からなんかいやらしい声が出る。頼むから、今はそんな声を出さないでほしい。なんか、我慢できそうになくなるから。

 

「ふぅーーーー。い、行くぞ」

 

「うん」

 

 白銀は1度深呼吸をして、京佳を思いっきり引っ張ってみる。

 

「いだだだだだ!?」

 

 しかし、やはり簡単には抜けない。京佳の胸が、穴に引っかかっているせいだ。

 

「すまん!大丈夫か!?」

 

「だ、大丈夫だよ。だから、このままもう1度してくれ」

 

「いいのか?痛いと思うが」

 

「いいよ。他に方法無いだろうし」

 

「じゃあ」

 

 京佳に言われ、白銀はもう1度思いっきり引っ張る事にする。

 

「ぐっ!?」

 

「我慢してくれ京佳!」

 

「わ、わかってるよ!」

 

 今度はもう少し力を入れて京佳を引っ張る白銀。先程より自分の腰が京佳の腰に近づいてしまい、旗から見ればいたしているようにしかみえない構図となっている。しかし、ここに誰か来るなんて無いだろうから、変な誤解を受ける事は無いだろう。

 

「すみません。委員会の仕事で遅く…」

 

 だがそこに、伊井野が送れてやってきた。そして伊井野が見た光景は、白銀が京佳のを腰思いっきりつかんで、お互いの腰が密着しているという構図。

 

 まさに、体育倉庫でガッツリそういう事をしている光景であった。

 

『……』

 

 時間が、止まったような気がした。

 

「え?もしかして、伊井野がきたのか?ち、違うんだ伊井野!これは別にそういう訳じゃっ!!」

 

「な、何を、ナニをしているんですかーー!?いくら恋人だからといっても、学校でそんな事をして言い訳ないでしょーー!!」

 

「落ち着け伊井野!一旦俺の話しを聞け!!」

 

「ひっ!近づかないでください!このけだもの!!大声出して警備員呼びますよ!?」

 

「だから待て!そんなんじゃないから!むしろ伊井野にも手伝って欲しい事なんだ!!」

 

3ぴっ!?わ、私をどうしようって言うんですか!?立花先輩だけじゃなくて私にまで手を出そうっていうんですか!?」

 

「お願いだから話しを聞いてくれーー!!というかいつかもやったなこんな流れ!!」

 

 その後、暴走する伊井野の説得に数分を要するのであった。

 

 

 

「す、すみませんでした先輩方…私、とんでもない早とちりを…」

 

「いやいいって。つーか、あんなの誰だって勘違いするしな…」

 

 なんとか落ちつた伊井野に、状況を説明。その間も、京佳は壁の穴にはまったままである。

 

「あの、立花先輩は大丈夫ですか?」

 

「まだ大丈夫だよ。今日は結構涼しいし、熱中症にはならんだろう」

 

 これがもし夏だったら一大事になるが、今はまだ少し肌寒い春。これなら、寒いだけで命の危険は早々無いだろう。

 

「という訳で、伊井野にも手伝ってほしんだ。いいか?」

 

「わかりました。でも、どうせならもっと人を呼んだ方がいいのでは?」

 

「いやその、流石にこんな姿をあまり大勢には見られたくないから…」

 

「あ、すみません…その辺考えていませんでした…」

 

 こんな姿、一生物の恥だ。もしも龍珠あたりに見られたら、この先ずっと笑いの種にされるだろう。白銀も、出来れば自分の彼女のこんな姿を、これ以上誰にも見られたくない。

 なのでできれば、この場にいる人だけで解決したいのだ。無論、本当にどうしようも無い時は流石に人を呼ぶつもりだが。

 

「あ、じゃあ私と白銀会長が、それぞれ立花先輩の足を掴んで引っ張るのはどうですか?」

 

「絵面が酷いことになるな」

 

「いや御行、そうかもしれないが、そうでもしないと抜けないから、やってみれくれ」

 

 先ほどは白銀1人で引っ張っていたから、単純にパワー不足だったかもしれない。しかし、ここの伊井野が加われば、もしかすると抜けるかもしれない。ものは試しだ。やってみようと3人は考える。

 

「じゃあ、俺が右足を持つよ」

 

「私は左足を」

 

「本当にすまない…」

 

 白銀と伊井野は、京佳の足の膝下辺りを掴んで、踏ん張る。

 

「「せーのっ」」

 

 そして、力いっぱい引っ張ってみた。

 

「あだだだだだ!?もげる!足がもげるーーー!?」

 

 しかしそれでも、京佳は抜けない。やはり、胸が邪魔をしているせいだ。これがスレンダーなかぐやだったら、これで抜けていたかもしれない。

 まぁかぐやは、最近少しだけ胸が大きくなったので、一概にそうだとは言えないが。

 

「あっ」

 

 ここで白銀、力を緩めてゆっくりと京佳の足を地面に下ろす。それを見ていた伊井野も、同じように下ろす。

 

「全然抜ける気配が無いし、このまま無理に引っ張り続けると、怪我するかもしれん。こっちから引っ張るのは、もうやめておこう」

 

「そうですね」

 

 白銀に発言に、伊井野は納得。しかし、それだけが理由じゃない。

 

(白、だった…)

 

 実は、京佳の体操服の隙間から、白い下着がチラっと見えてしまっていたのだ。なので力が入らず、自分の方が怪我するかもしれない。だから白銀は、足を引っ張るのをやめたのである。

 

「なら今度は、私と白銀会長の2人で、外から立花先輩を引っ張るっていうのはどうでえすか?」

 

「そうだな。今度はそれでいこう」

 

 現状、いくら後ろから引っ張っても全然動かない。何より、京佳が痛そうにしているのがいただけない。なので、反対側から京佳を引っ張ろう。多分、今よりは痛くない筈だ。

 

「それじゃ、一旦外に出るか」

 

「はい」

 

「本当にすまない2人共…」

 

「いえいえ。困った時はお互い様ですから」

 

 白銀と伊井野は、体育倉庫を出て、外から京佳の方に廻る。

 

「うう…見ないでぇ…」

 

「いやそう言われても…」

 

 京佳は、顔を真っ赤にしながら、涙目で訴える。だってこんな姿、本当に恥ずかしい。何でこんな真似をしたのか、自分でも疑問だ。タイムマシンがあるのなら、今直ぐ使ってこんなバカな真似をしようとした自分を殴ってでも止めたいと強く思う。

 

「えっとじゃあ、両手を引っ張るぞ?」

 

「うん」

 

「あ、私は左手を」

 

「じゃあ俺は右手を」

 

 白銀と伊井野は、それぞれ京佳の腕を掴んで、引っ張り出す準備をする。

 

「行くぞ京佳」

 

「うん、頼むよ」

 

「「せーの」」

 

 そして息をあわせて、京佳を引っ張るのだった。

 

「いだだだだだだだ!?」

 

「やっぱり痛いのか!?」

 

「さ、さっきよりはマシだから、このまま引っ張ってくれ!私がストップと言っても、そのまま続けてくれ!!」

 

「わかった!」

 

「わかりました!」

 

 先ほどよりは痛く無いが、それでも少し痛い。でもここでずっと泣き言を言っていたら、いつまでたっても穴から抜け出せないだろう。なので痛みは我慢して、京佳は2人にこのまま引っ張るようお願いをする。

 

「あ!動いた!今動きました!!」

 

「よし!やはり後ろからよりはずっといけそうだな!」

 

 そのおかげなのか、少しだけ京佳の体が動いた。これなら、今度こそ穴から抜け出せそうだ。

 

「っ!ちょ、ちょっと待ってくれ2人共!一旦ストップだ!」

 

「安心しろ京佳!もう直ぐ抜ける!」

 

「いや違う!そうじゃない!そうじゃないんだ!!今はちょっとマズイ…!!」

 

 だがその途中、京佳が慌てだす。しかし2人は、先ほど京佳が言ったようにそれを無視して京佳を引っ張り続ける。

 

 そして、

 

「うわっ!?」

 

「きゃあ!?」

 

 遂に、京佳は穴から抜け出せて、そのまま2人の方へ倒れこむ。その衝撃で、白銀と伊井野は尻もちをついてしまった。

 

「いたた…あ!京佳!大丈…夫…か…」

 

 直ぐに京佳の心配をする白銀。しかし、一瞬で動きを止めてしまった。そして、目の前の光景をじっと凝視してしまう。

 

 なんせ今の京佳は、履いていた体操服が完全に脱げた状態になっており、パンツ丸出しの状態になっていたのだから。

 

「あっ!」

 

 京佳は直ぐに両手を使い、上に着ている体操服の裾で下着を隠す。しかし、それでも完全には隠れておらず、僅かに白い下着が見えたりして、とてもえっちな姿になっている。

 特にその眩しい太腿が丸見えなのが、実にえっちだ。更に顔を真っ赤にして、純白の下着を必死で隠している京佳の姿も、とてもイイ。

 まるで1枚の肖像画のような美しさとエロスを持ち合わせている。多分絵画にしたら、50年後くらいには100億くらいの値が付くだろう。

 

「す!すまん京佳!本当にすまん!!」

 

 数秒間京佳の下着を凝視していた白銀だが、直ぐに顔を反対側に向けて、視線を逸らす。

 

「た、た、立花先輩!大丈夫ですか!?」

 

「だ、だいじょばない…」

 

「あ!私直ぐに変えの体操服を持ってきます!!」

 

「落ち着け伊井野!今直ぐ校舎に戻るんじゃなくて、京佳の脱げてしまった体操服を回収して渡した方が早い!そうしよう!!」

 

「あ!そうですね!直ちに!!」

 

 伊井野は直ぐに、体育倉庫内に落ちてしまった京佳の体操服を回収に走る。

 

「京佳!少し汗臭いかもしれんが、一先ずこれで隠しておけ!!」

 

 そして白銀は、上に着ていた体操服を京佳に渡す。おかげで白銀は上半身裸になったが、こんなの安いものだ。

 

「お、俺は周囲を警戒してくる!京佳のこんな姿、誰にも見せる訳にはいかないからな!!」

 

「う、うん…」

 

 京佳に体操服を渡した白銀は、その場から立ち上がり、体育倉庫周りの見回りをする。京佳のこんなあられもない姿、他の男子になんて見せてたまるか。もし見てしまった男子がいたら、そいつの記憶が消えるまで殴るとしよう。

 

 

 

 

 

 放課後

 

「「……」」

 

 あれから伊井野が、京佳に脱げてしまった体操服を回収して履かせ、なんとか事なきを得た。幸い周囲には誰もいなかったし、とりあえず京佳のあられもない姿が拡散される事も無いだろう。あの姿を見たのは、白銀と伊井野の2人だけ。一先ずは、安心である。

 そして今は体育倉庫での仕事も終わったので、こうして2人は手を繋いで帰宅している。約束していた、放課後デートをするためだ。

 

「「……」」

 

 しかし、白銀と京佳の間に会話は無い。なんというか、なんて言えばいいかわからないのだ。

 

(今俺、マジですっげー悶々としてる…)

 

 なんせ今白銀は、凄く悶々としているから。先程見てしまった、京佳の下着姿。既にそういう姿は見ているとはいえ、それでも刺激が強い。あんな光景、忘れるなんて出来ない。それくらいの衝撃があった。

 そして京佳のあられもない姿を見た結果、白銀はすっごく悶々としてしまっていのだ。正直今、京佳と手を繋いでいる事のさえ、その悶々とした気分を高めている。

 

(落ち着け俺!こういう時こそ冷静になれ!確かに既に1回はそういう事しているけど、だからと言ってまたしていい訳じゃないだろ!今日は普通にデートする予定なんだ!だからそういうのはダメだろ!!)

 

 白銀とて、出来ればこの気持ちを思いっきり発散させたい。しかし今日は、普通のデートの約束をしている。その約束を保護にしてまで、発散するべきでは無いだろう。

 

(でもなぁ、俺これ我慢できるかな…?つーかパンツみただけでこんなに悶々とするとか、俺まだ全然童貞みたいじゃねーか…でもしょうがないじゃん!自分の好きな女の子のパンツなんだもん!男は皆、パンツ見たらそういう感じになるって!石上だってなるって!!)

 

 でも正直、不安だ。1度気持ちを冷やす為にも、どこかで冷水でも浴びたほうがいいかもしれない。ここは、どこかのカフェで冷たい物でも食べるとしよう。

 

「えーーとだな京佳。この後なんだが「御行」え?」

 

 そして白銀が話そうとした時、京佳が手を少し強く握って話しかけてきた。

 

「えっとね、今日私の家、母さん凄く遅くなるって言ってたから、暫く1人なんだ…」

 

「……」

 

 それは、白銀の理性の糸が切れそうになる言葉であった。そしてそう口にする京佳は、どこか期待するような、不安そうな、そして真っ赤な顔で続ける。

 

「だからね、今日はこのまま、私の家で、お家デートしない?」

 

 実は京佳も、白銀と同じでかなり悶々としていたのだ。先ほどの出来事で、スイッチが入ってしまったとでも言うのだろうか。

 兎に角こんな気持じゃ、もうこのまま普通のデートなんて無理だ。ここは思いっきり、この気持ちをどうにかしないと、今日は眠れそうに無い。だからこその、お家デートである。

 

「喜んで行かせていただきます」

 

「じゃ、いこ?」

 

 当然だが、白銀はこの京佳の提案を受け入れる。そして2人は、放課後デートの予定をキャンセルする。放課後デートは、またの機会にしよう。

 

 

 その後、白銀は京佳の家でお家デートをした。白銀が帰宅したのは、それから2時間は経過してからであった。

 

 

 

 圭曰く、なんかツヤツヤして帰ってきていたとの事。

 

 

 

 

 




 ラッキースケベは書いてて楽しい。にしても京佳さん、すっかりお色気担当だよね。もしも原作にいたら、普通にパンチラとかあったキャラだと思う。原作かぐや様、そんなシーン無いけど。

 そんでお家デートのシーンは、そのうち書きます。

 では、また次回。
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