もしもかぐやに滅茶苦茶強力な恋敵がいたら・・・ 作:ゾキラファス
こんなお話が、1番書いてて楽しい。
それと本編には全く関係無いけど、とあるゲームの好きな台詞。
『デッキ崩落!馬尾が落ちた!』
なんかあの台詞、好きなのよね。
白銀家
「おはよう圭ちゃん」
「あれ?おにぃまだ家にいたの?そろそろ出ないと、京佳さん待たせる事になるけど」
「京佳は日直当番なんだ。だから既に出てる。故に俺は今日1人で登校だ」
「そう」
何時もなら京佳と一緒に登校する為に早めに家を出ている白銀が、今日はまだ家にいる。しかし理由を聞くと、京佳が日直で早めに登校しているかららしい。
もしも普通に寝坊だったら京佳を待たせる事になるので蹴り飛ばしてでも家から出しているが、それなら仕方がない。
『続いて、今日の占いのコーナーです』
「お、丁度始まったか」
「おにぃ本当に占い好きだよね。まぁ、私も好きだけどさ」
身支度を整えながら朝のニュース番組を見ていると、占いのコーナーになった。白銀は、結構こういった占いを気にする子なので、割と真剣に占いを見る。
『本日の運勢1番は、乙女座の人です!ラッキーアイテムは腕時計!それを装着するだけで、今日はとっても素敵な1日になるでしょう!!』
「ふむ、腕時計か」
それなら丁度、去年の誕生日の京佳から貰った腕時計がある。それをつけていけば、何か良いことがあるようなので、忘れずに腕につけていこう。
「あ、ところでおにぃ」
「何だ?」
そんな事を思っていると、圭が突然何かを思い出したかのように話しかけてきた。
「明日土曜日だけど、もしかして京佳さんの家に今日泊まったりするの?」
「え?いやそんな予定無いけど、何で?」
確かに本日は花の金曜日で、明日は土曜日。泊まるのなら、格好の日になるだろう。だが今は、特にそんな予定は無い。
そもそも彼女の家に突然泊まるなんて、結構勇気がいる行動だし、京佳にも色々と予定がある筈だ。いきなりそんな事を言っても、困るだろう。
しかし、元々そんな予定は無いのに、どうして圭はそんな事を聞いてきたのか。
「だってさ、おにぃと京佳さん、この前うちで…だからその…」
「待って圭ちゃん!あれはマジで反省してるから!!だからそういう事言わないで!!」
その理由は、まぁそういう意味である。思春期の恋人であれば、そういう事も普通にするだろう。実際白銀は、この家で京佳とそういうをした。
ならば、京佳の家でしても不思議は無い。折角明日は土曜日なのだ。この機会を使うのは、普通だろうと圭は思ったのである。
だって圭も、思春期真っ只中の女の子なのだから。そんな事を考えても、おかしいことは全く無い。
「いや別にいいし…そもそも2人は恋人なんだし、しない方がおかしいじゃん…でもまぁ、せめて連絡入れてよね。ご飯が無駄になるから…」
「そんな気を使わんでいいから…」
なんだか、申し訳無い気持ちになる。というか自分は、そんな節操無い感じに見えているのだろうか。そしてもう少しだけ、節度ある付き合いをしようと白銀は決めたのであった。
しかしその決意は、先ほど占いで言っていた『とっても素晴らしい1日』とやらで崩れ去る事となるのを、彼はまだ知らない。
秀知院学園 駐輪場
久しぶりに自転車に乗って登校し、自分の自転車を校内の駐輪場に置いた白銀は、そのまま自分のクラスへ向かう。
すると、直ぐ前に龍珠がいた。どうせ同じクラスだし、偶には一緒にクラスまで行くとしようと思い、白銀は龍珠に声をかける。
「おーす、龍珠…」
だがその瞬間、突然突風が吹いたのだ。そしてそのまま、龍珠の短いスカートが思いっきり捲れる。その結果、龍珠のサクランボ柄の少し子供っぽい下着が丸見えとなってしまう。
「っ!?」
龍珠が慌ててスカートを押さえるが、少し遅かった。なんせ白銀は、今バッチリと龍珠のパンチラを見てしまったのだから。
「……」
そして後ろにいた白銀に気がついた龍珠は、頬を紅くしながら振り返る。いや、正確に言うと振り返って白銀を睨みつけていた。
「……白銀。お前今、見たよな?」
「……すまん」
ここで下手に誤魔化しても、どうせバレると思った白銀は、素直に非を認めながら謝罪をする。そして龍珠は、白銀に近づいてきて足を蹴り始めた。それも主に脛を狙って。
「痛!痛いって!蹴るなって!!」
「うるせぇ!人のもん見たんだから、これくらい駄賃として受け取っておけ!!」
「どんな理屈だ!!あとマジで不可抗力なんだって!!あ!ちょ!痛い!本当に痛いからやめてぇ!!」
別に自分からスカートめくりをした訳じゃなく、突然の風で見えてしまったので、マジで不可抗力である。
でも、それは見られた方には関係が無い。こうして恥ずかしさを晴らさないと、気が済まないのである。
「朝から酷い目にあった…」
足が少し痛みながらも、白銀は教室へ向かう。出来れば保健室で湿布でも貰いたいが、この程度で保険医を煩わせるのも気が引けるので、我慢する事にした。そもそも、そこまで激痛がするという訳でも無いし。
「あ、会長。おはようございます~!」
「藤原か。おはよう」
廊下を歩いていると、藤原が声をかけてきた。本日も、何も考えてなさそうで元気に見える。
「相変わらず、朝から元気だなお前は」
「えへへー。元気なのが私の最大の取り柄ですからね」
実際、藤原のこの明るい笑顔を見ると、割と元気が出る。仮に藤原が凄く泣きそうな顔をしていたら、多分生徒会はパニックになるだろう。それだけ、彼女が明るき元気な事は重要なのだ。
まぁ、偶にやるゲームで負けて自業自得で泣くのはカウントしないが。
「今日も良い天気ですねー。こんな日には自転車を走らせがいがありますよー」
「え?お前サイクリングの趣味とかあったか?」
「実は最近初めました!」
因みに理由は、ダイエットする為である。尚その結果は、サイクリング後にラーメンを食べるのでむしろ少し太ったりしている。本末転倒とは、まさにこの事だろう。
「今日も良い1日になればいいですねー」
そう口にしながら、藤原はスキップで白銀の前を歩く。
「んみ!?」
しかしその時、うっかり足をくじいてしまったのだ。そしてそのまま、顔面から前のめりにこけてしまう。
「おい大丈夫か藤原…あ」
助けようとした白銀であったが、その動きを止めてしまう。なんせ今白銀の眼の前には、尻を上に突き上げたような状態で転んだ藤原がいる。
それも、スカートが思いっきり捲られているあられもない姿で。
おかげで白銀には、藤原の白とピンクの如何にもな縞模様の下着がばっちりと見えてしまっている。紳士的には直ぐに目を逸らすべきなのだろうが、中々それが出来ない。だって白銀も、男の子なんだもん。
「っ!?」
そして自分のかなりあられもない状態に気がついた藤原は、直ぐに立ち上がって制服を直す。しかし、色々と遅かった。藤原は顔を真っ赤にした状態で、白銀をやや涙目で見る。そんな藤原から、白銀は顔を逸らす。
「会長のバカー!普通もっと早く目を逸らすか目をつぶるとかしません!?何普通に見てるんですかー!?」
「マジでごめん…」
本当その通りなのだが、やはりそう簡単には出来ない。多分、石上や田沼、そして小島だって同じだろう。だって思春期の男子高校生なんて、皆そんなもんだからだ。男の性ってやつだね。
「うわあああん!!京佳さんに言いつけてやりますからーー!!」
「待って!!本当に待って!!お願いだからそれだけはやめて!!」
藤原は泣きながらダッシュでその場から去る。白銀は必死で後を追う事にしたかったが、無理やり追って怪我させたりしたら大変なので、追うのをやめてその場に立ち尽くす。そしてふと、朝の占いを思い出した。
(あれ?まさか素晴らしい日って、こういう事か?)
占いで言っていた素晴らしい1日。最初はなんかふわっとした感じで嬉しいと思っていたが、もしその内容がこんな事であれば話しが変わる。確かに嬉しくはあるのだが、もしこんな事ばかりが起こるとなるとそれは被害にあった女子に悪い。
誰かにとってのラッキースケベは、誰かにとってアンラッキースケベである。
下手すると、その子に深いトラウマを植え付ける可能性もあるのだ。それに、自分には恋人である京佳がいる。こんな事ばかり起こると、それは京佳に対する裏切りになるかもしれない。
(今日は、マジで気をつけて過ごそう…)
なので白銀は、今日1日もうこんな事が起こらないよう最大の注意を払う事にした。
「痛っ!?ちょっと!床にワックスかけたのならちゃんと注意書きしときなさいよ!!」
でもそう思った矢先、階段の上がった先の廊下で眞妃が尻もちをついて、本日3度目となるパンチラを目撃してしまう白銀。眞妃がこちらに気がついていない事が、唯一の救いだろう。因みに色は白だったぞ。
(マジで気をつけよう…ほんとマジで)
更にそう決意を固める白銀。
尤も、残念ながらそれは全部あまり意味を成さないのだが。
教室
「おはよう御行」
「ああ、おはよう京佳」
教室に付くと、さっそく京佳が挨拶をしてきた。どうやら、藤原は京佳に何も言っていないようだ。とりあえずは、一安心である。
「御行、何かあった?」
「え?何でだ?」
「なんだか、少し思い詰めた?ような顔をしてるから」
流石京佳、鋭い。しかし、同級生のパンチラを見たとか流石に言えない。
「あー、まぁちょっとな。でもあまり気にしないでいいよ。大したことじゃないから」
「そう?わかったよ。でも助けて欲しい事があったら、遠慮無く言ってね」
「その時は頼む」
なので白銀は、とりあえず言葉を濁した。まぁ、この事を素直に言える人は多分いないので仕方が無いが。
「……」
「藤原さん?どうかしましたか?」
「いえ…何も」
尚、藤原がずっとこちらを何か言いたそうな顔で見てきたが、無視する事にした。下手に反応すると、それだけで騒がれそうだし。
朝のホームルームを終えると、白銀のクラスは移動を開始する。今日の1限目が科学だからだ。
「そういえば御行。もうバイトはしていないのか?」
「いや、数こそ減らしたが、まだいくつかしてる。まぁ、夏に入る前にはもうそんな時間も無くなるから、全部やめるだろうけどな」
移動中、白銀は京佳と並んで話しながら歩く。因みに、クラスの中ではかなり遅れて移動している。あんまり人混みの中を移動しても、今朝のような事があってはいけないと思ったからだ。
これなら、何かが起こって誰かを巻き込むことは無いだろう。仮にあったとしても、それは今隣にいる京佳だけだ。別に京佳だから良いとかでは無いが、とりあえずはこれでいい。
「うわっ!?」
「きゃ!?」
そして階段を降りようと角を曲がった瞬間、白銀は誰かとぶつかった。更のその衝撃で、そのぶつかってきた誰かと一緒に廊下に倒れてしまう。
「いてて…あ!大丈夫…か…?」
直ぐに白銀が相手の安否を確認しようとしたが、異変に気がつく。
何やら、右手に柔らかい感触があるのだ。最近こんな柔らかい物を好きなだけ触った気がする、そんな感触。恐る恐る白銀が確認すると、
「あ、あっと…あの…んふっ!?」
そこには、まるで自分が押し倒しているような形で、早坂がいた。それも、白銀が右手ががっつり早坂の胸を鷲掴みにしている状態で。何だったら、少しだけ揉んでたりもする。
補足すると、これは早坂が教室に忘れ物を取りに行こうとした結果である。移動教室の途中、彼女は忘れ物を思い出し、1人で教室へ戻ったのだ。
なのでこの場には、かぐやや藤原もいない。いるのは今早坂を押し倒して胸を掴んでいる白銀と、押し倒されて胸を掴まれている早坂。
そして、その様子をじっと見ている京佳の3人である。
(え、すっげー柔らかい…京佳も凄く柔らかいけど、これも中々…)
「御行?何してるの?」
「っ!?」
うっかり早坂の胸のレビューをしてしまった白銀だったが、京佳の声ではっとして、直ぐに早坂から離れる。そしてそのまま直ぐに、早坂に謝罪を開始した。
「すまん早坂!!本当にすまん!!」
「い、いえ…まぁ態とじゃ無い事故だし…あまり気にしてないから…」
そう言っている早坂だが、気にしてないは絶対に嘘である。だって今、凄く顔が赤いし、両手で胸を隠しているからだ。でも今はそれより、他にするべき事がある。
「えっと、だから京佳?あんまり会長の事、怒らないであげて?これは、完全に事故だからさ?」
それは、京佳への説明とお願いだ。いくら事故とはいえ、他の女の子にこんな事をすれば、恋人であれば怒るもの。かぐやだったら、抹殺対象にしているくらいにはブチ切れるだろう。
だからここでしっかりと、京佳へ説明をする。そうすれば、京佳から白銀へ何かしらの被害が及ぶ事も無いだろう。
「…わかった。まぁ、事故だしね。別に怒るとかないから、大丈夫だよ」
(絶対嘘だ…さっきの声色、怒ってたし…)
明らかに嘘だが、態々そこを追求はしない。だって誰も、好きで虎穴に入ろうとはしないからだ。
「えっとじゃあ、私1度教室に戻るね!忘れ物しててさ!」
「お、おう!わかった!じゃあな!!」
そう言うと早坂は、足早にその場から立ち去る。
「…すまん京佳。でも、マジで態とじゃないんだ。そこは、信じてくれ」
「…いいよ。態とじゃないことくらいわかってるしね」
流石に、今のが態とじゃないことくらい京佳もわかっている。それはそれとして、色々と言いたい事はあるのだが。
「でももし、次もまた同じような事があったら、直ぐにどくようにしてね?」
「わかってる」
とりあえず、白銀に一応釘を刺す京佳。白銀も、もう2度とあんな風に堪能するような真似はしないと誓う。
因みに科学の授業中、早坂はずっと白銀から目を背けていた。
昼休み
(これ、素敵な1日って言えるか?いやまぁ、男としては嬉しいけど…)
なんやかんやで昼休み。白銀は、割ともう疲れていた。確かに男としては嬉しいかもしれない出来事があったが、自分は彼女持ちである。なのに他の女の子にそういう事が起こるのは、ちょっといただけない。どうせなら、京佳と起こってほしいもんである。
「御行」
「ん?何だ?」
「お昼、行かないか?」
「喜んで」
そんな事を思っていると、京佳に声をかけられる。そして2人は、教室を出て移動をする。向かうのは、屋上だ。あそこなら殆ど邪魔は入らないし、今日はこんなに良い天気なのだ。気分よく、お昼を食べられるだろう。
「今日はね、肉巻きおにぎりを作ってみたんだ。気にいってくれるといいけど」
「マジか。あれ作るの大変じゃないか?」
「そこまでじゃないよ。ただ、ちょっと大きいけど、大丈夫かな?」
「安心しろ。京佳の作ってくれた物を残すなんて絶対にしないからな」
「そっか。嬉しいな」
肉巻きおにぎりという、食いでのありそうなお昼も魅力的だ。これは良いお昼になりそうだ。
「ん?」
そして屋上へ向かおうとしていると、階段の上に伊井野がいた。その手には、何かの資料らしきものが見える。風紀委員の仕事中かなにかだろう。
(少し距離を取っておこう。あと、話しかけるのもやめとこう)
何が原因で、またラッキースケベが起こるかわからない。なので今は、伊井野から少し距離を取っておくとしよう。そうすれば、早々何かが起こる事も無い筈だ。
しかしラブコメの神様は、時に理不尽にイベントを起こすものである。
「え!?蜂!?ってきゃあああ!?」
突然、伊井野の眼の前を蜂が思いっきり横切ったのだ。それに驚いた伊井野は、そのままバランスを崩して後ろに倒れる。
「伊井野!!」
このままでは、伊井野が怪我をしてしまう。そう思った白銀は、急いで伊井野の元へかける。なんとか受け止めて、伊井野を助けないといけないと思った彼の優しさからだ。
だが、かけるのがほんの少しだけ早かった。
「ぶっ!?」
白銀は伊井野を両腕で助けようとしたのだが、タイミングがズレて、伊井野の尻が白銀の顔面に直撃したのだ。そしてそのまま、2人は階段の踊り場へ倒れてしまう。
「いたたた…え?」
伊井野が下を確認すると、そこには白銀がまるで絨毯のように倒れていた。そして自分は、そんな白銀の顔の上に座っている。
「きゃああああ!?何してるんですか白銀会長ーー!?」
伊井野は悲鳴を上げて、両手で尻を隠しながらその場から離れる。
「い、伊井野…大丈夫か?」
一方、伊井野の尻の直撃を顔面に食らった白銀は、鼻を抑えて伊井野の安否を確認。やはり、こういうところが白銀の人の良さである。
「あ!白銀会長!大丈夫ですか!?」
「あ、うん…ちょっと痛いけど、別に怪我はしてないし」
「す、すみません…私、折角助けて貰ったのにあんな態度を…」
「いやいいよ。女子だったら悲鳴上げて当然だしな…」
状況を理解した伊井野が、直ぐに白銀に謝罪。助けて貰って、この態度はあんまりだ。
「2人共、無事か?」
「あ、はい。得に怪我はしてません」
「俺も、大丈夫だ」
「そうか。それならよかった」
そして京佳も、今ので嫉妬なんて事はしない。下手すると、伊井野が大怪我をしていたかもしれないのだ。ここで嫉妬すると、ただの最低な女になってしまう。それ以前に、2人が心配だからというのが大きいが。
「本当にすみません…あの、白銀会長大丈夫ですか?」
「問題無い。別に鼻血も出てないしな」
「良かったです…」
「御行、念のため保健室行くか?」
「いや、大丈夫だって。マジでなんともないから」
怪我も無いようだし、一安心だ。
「じゃあ私、これを風紀委員に持っていかないといけないので、ここで失礼します。あの、本当にありがとうございました」
「気にするな。仕事、頑張れよ」
「はい。失礼します」
そう言うと伊井野は、風紀委員の仕事へ戻っていった。
「御行、本当に怪我は無いんだよね?」
「ああ。本当に大丈夫だ」
「そうか。じゃあ、屋上に行こうか」
「わかった」
伊井野を見送った2人も、屋上へ向かう。
「はい御行。肉巻きおにぎりだよ」
「さんきゅ。いただきます」
そして屋上で、楽しいお昼を過ごすのであった。
(にしても、なんか凄かったな…)
「今何か、変な事考えたりした?」
「いいや!?何にも!?あ!このおにぎりマジでうまいなー!!」
放課後
「あ、会長」
「四宮か」
その日の全ての授業が終わり、京佳が日直の仕事をしている頃、白銀は生徒会室へ向かっていた。そんな時、両手で箱を抱えたかぐやが現れる。
「それは、何だ?」
「これですか?今度の部活予算審査委員会で使う資料です」
「重くないかそれ?」
「まぁ、これくらいならなんとか」
「…いや、俺も持つのを手伝うよ」
「よろしいですか?」
「女の子1人に、重い物を持たせる訳にはいかないだろ」
「では、お願いします」
流石に1人で、重たそうな資料を持たせるのは気が引ける。それに、このまま転んだら大変だ。ここは、2人で持った方が安全だろう。
「じゃ、こっち側を持つ」
「お願いしますね」
そして2人で、資料の入った箱を持ちながら、階段を上がって、生徒会室へと向かう。
(いや、結構重くない?四宮、これをここまで1人で運んだの?)
それにしても、2人で持っても結構な重さである。かぐやはこれを、ここまで1人で持ったきたのだろうが、普通に凄い。流石初代マッスルクイーンだ。
2人はそのまま、生徒会室まで荷物を運ぶ。その間、特に何も無かった。そう、運んでいる間は。
「よし、これで安心だな」
「ありがとうございます、会長」
生徒会室について、荷物を置こうとした瞬間だ。
「ぬあ!?」
「きゃあ!?」
なんと、2人揃って足をくじいたのだ。ラブコメの神様、マジで何してるんだろうね。
そしてそのまま、2人揃って生徒会室に倒れた。
「いたた…会長、大丈夫です…か?」
一足先にかぐやが気がついて、白銀に声をかける。しかし、自分の状態を見て、かぐやは言葉を失った。
なんせかぐやは今、床に倒れた白銀の胸に座り、足を大きく広げているからだ。おかげで、白銀の目前にかぐやの白い下着がある。正に、鼻先数センチといったところだ。
「し、しのみ」
「きゃあああああああ!?」
「ぐへっ!?」
「会長のばかーー!!えっちーー!!」
かぐやは白銀を思いっきりビンタして、その場から涙ながらに走り去っていく。こういう事に全然耐性の無いかぐやにとって、このようなラッキースケベは耐えきれないものなのだ。
「……まぁ、普通はこうなるよな」
未だ床に倒れた白銀は、そのビンタを拒むことなく受け入れる。このビンタは、今日1日の報いとして、しっかりと受け入れよう。そしてゆっくりと立ち上がり、散らばった資料を纏めようと思った。
「ねぇ、御行」
「あ」
だがそうする前に、扉に立っていた京佳を見て、動きを止めてしまう。
(マズイかも…)
生徒会室の入口に立っている京佳は、明らかに雰囲気がいつものと違う。そして京佳は、おもむろに生徒会室の扉を閉めて、鍵をかける。そして生徒会室のカーテンを、全て閉めていく。まるで監禁された気分だ。
「えっとだな京佳。今のは事故というか…」
「1日でそう何度もあんな事故が起こるのか?」
(ご尤も!でもマジで事故なんだよ!!)
生徒会室の真ん中で、白銀は床に正座しながらまるで死刑判決を待つ囚人のような気分になっていた。どう言い訳したらいいかわからない。ここはもういっそのこと、土下座でもして謝るしか無いかもしれない。
「御行」
「はい」
そして白銀が覚悟を決めて土下座をしようとした時、京佳が自分の眼の前にまで来て、とんでもない行動を起こした。
「んっ」
「……は?」
なんと京佳は、白銀の眼の前で自分の制服のスカートをたくしあげて、今日履いている黒い下着を白銀に見せつけてきたのだ
「み、御行が他の子に態とあんな事する人じゃ無い事は、わかってる…でも、私だったらいつでも見せてあげるし、触らせてもあげるから、もう他の子に、あんな事したりされても、興奮しないで…私で、興奮して…」
京佳も、白銀が欲望のままに、態と女の子にあんな不埒な真似をする人じゃ無い事はちゃんと理解している。でも、事故とはいえ他の女の子とあんな事になるのは、やはりちょっと嫉妬してしまう。自分であれば、いつでもいくらでも色んな事してあげるのに、と。
「……」
そんな京佳の言葉を聞いた白銀は、嬉しいと同時に、ヤバイと思った。こんな誘惑されて、何も出来ない男なんていない。このままでは、欲望のままに京佳を襲ってしまう。
「……京佳、わかったから、今直ぐスカートを下ろしてくれ…じゃないと俺、我慢出来ないかもしれないから…」
「……しなくていいのに」
「流石に学校では無理だ!!だから下ろしてくれ!!」
「わかった…」
そう思った白銀は、京佳に懇願する。でもこれでは、ただ悶々としているだけだ。なんとかしないければ。
「ただ、その…」
「ん?」
「明日土曜日だし、学校終わったら京佳の家に行っても、いいかな?」
なので白銀は、京佳にそういう意味でのお誘いをしてみた。正直、めっちゃ恥ずかしい。でも、言わない訳にはいかなかった。だってそういう気持ちになったんだから。それに京佳も、先ほどいつでも良いといっていたし。
「うん。いいよ。実はね、今日母さんが仕事でいないから、私家で1人だったんだ」
「マジで?」
「マジで」
「……じゃあその、仕事終わったら行ってもいいか?」
「うん」
(帰りに、コンビニいくか)
とりあえず、今日の生徒会の仕事をさっさと終わらせて、コンビニやドラックストアで、色々と揃えてから京佳の家に行く事にしよう。
こうして白銀は、その日京佳の家に泊まった。
その後の事は、察して欲しい。
おまけ その後の圭ちゃんとのやり取り
「もしもし圭ちゃん?」
『何おにぃ?』
「あー、実はな。京佳が今夜親がいなくて色々と大変らしいから、俺今日は京佳の家に泊まる事にした。だから、夕飯はいらないよ」
『……あっそ。わかった。京佳さんによろしくね』
「言っておくよ。それと、明日には帰るから」
『別にいいって。でもさ』
「ん?」
『私、この年でまだ叔母さんにはなりたくないから、その辺は気をつけてよね?』
「そんな心配はしなくていいから!!つーかその辺はちゃんと節度持ってるわ!!」
『どうだか…だっておにぃだし』
「それどういう意味だよ圭ちゃん!?」
『あのさ、念を押しておくけど、マジのマジでやめてよね?おにぃも留学取り消しになるだろうし、何より京佳さんに迷惑かかるし』
「だからそんな心配はしなくていいから!!」
原作の会長は、むしろかぐや様としなさすぎな気がする。普通は割とするもんよ。まぁ、描写されてないだけで、かなりしてる可能性もあるけど。あの2人、揃ってドスケベだし。
今年中に書ければ、成人向けのお話も書きます。最近色々と忙しいから、ちょっと約束出来ないけど。
次回は、龍珠と小島のデート回の予定。それでは、また次回。またね。