もしもかぐやに滅茶苦茶強力な恋敵がいたら・・・   作:ゾキラファス

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 あと1話か2話くらいで旅行編は終わりです。書きたいように書いたらこんなに長く… 正直、ここまで長くなるとは思ってなかったです。もう少しきちんと予定建てないとなぁ…

 連載って難しい。




生徒会メンバーと小旅行(その8)

 

 

 

「では、次はかぐや様と圭様です。いってらっしゃいませ」

 

「では、行きましょうか白銀さん」

 

「は、はい。よろしくお願いします四宮先輩」

 

 石上と藤原姉妹の班が出発してから数分後、メイドの志賀に言われたかぐやと圭の2人は、並んで昼間歩いた散歩道を歩き出した。因みに懐中電灯は1人1つずつ持っている。

 

「「……」」

 

 道中、2人の間に会話は無い。ただ黙って夜の散歩道を歩いているだけだ。

 

(さて、このまま妹さんと何も喋らないなんて事はあり得ませんし、どうしましょう…)

 

 かぐやはこれではいけないと思い、考えを巡らせる。このまま、全く会話をしない状態で肝試しが終われば、せっかく圭と一緒になれたのに進展なんて皆無だ。それはいけない。何としてでも、この機会に圭との仲を進展させなければ、白銀から告白させる時に協力を得られない。同時に、もし白銀と恋人になれたとしても、圭からの印象が悪ければその後の関係にヒビが入るかもしれない。

 だからこそ、何としてでもこの肝試しを行っている最中に、圭と仲良くなりたい。あわよくば『お姉さん』と呼ばれたい。しかし、何を話せばいいかわからない。

 

(一体どうしましょう…時間はあまり無いというのに…)

 

 そんな時、圭の方からかぐやに話しかけてきた。

 

「あの、四宮先輩」

 

「あ!はい!何ですか妹さん!?」

 

「妹さん?」

 

「ああ!ごめんなさい!何て呼べばいいでしょう。お兄さんと同じ白銀ですし」

 

「えっと、圭でいいですよ?千花ねぇや京佳さんもそう呼びますし」

 

「そ、それじゃあ、圭さん」

 

「圭です」

 

「えっと…圭ちゃん」

 

「圭」

 

「……圭」

 

「はい」

 

 そして一気に名前呼びをするまでに至った。圭の押しに負けた結果である。

 

「そ、それで、どうしました?」

 

「いえ、ひとつ聞きたい事があって…この肝試しって、本当に何も仕掛けてないんですよね?」

 

「はい?」

 

 名前呼びに喜んでいるのもつかの間、圭が心配そうな顔でかぐやに質問をしてきた。

 

(もしかして、圭も幽霊が苦手なのかしら?)

 

 かぐやは、圭も京佳と同じで幽霊が苦手なのではと思った。

 

(ここは、頼れる女を示すチャンス!!)

 

 そして同時に、自分にチャンスが巡ってきたとも思う。

 

「ええ、勿論。本当に何も驚かすような仕掛けはありませんよ?藤原さんは何かひとつくらい仕掛けをした方が面白そうとは言ってましたが、時間もありませんでしたし、本当にただこの夜の散歩道を歩くだけです」

 

「そうですか…」

 

「心配しなくても大丈夫ですよ圭。万が一、藤原さんが何か仕掛けをしていても、私が守ってあげますから」

 

(よし!決まった!)

 

 もし万が一、藤原が突発的に何かを仕掛けてきても、かぐやは十分に対処できる自身があった。そして『私が守ってあげる』という台詞。これを口にすれば、より自分が圭から『頼りがいのある女性』に見えると思っていた。以上の事から、かぐやは圭の不安を取り除く事に成功したと確信したのだった。

 

「あ、いえ。私は別にそういうの怖くないんで大丈夫です」

 

「え?」

 

 しかし、かぐやの思いとは裏腹に、圭は全く別の事を心配しているようである。

 

「えっと、それじゃあ何で…?」

 

「いえ、もし何か仕掛けてあったら、京佳さん大丈夫かなって…」

 

「はい?」

 

「京佳さん、幽霊が本当にダメで…泣いちゃわないかなーって…」

 

 圭が心配している事。それは京佳の事だ。圭は京佳が幽霊が大の苦手だと言う事を知っている。だから当初、京佳が肝試しに参加することが不安だった。京佳が『大丈夫』と言ったとはいえ、心配なものは心配である。

 

(くっ!やはり立花さんの方が圭との距離は近いですか!何て羨ましい…!)

 

 かぐやは、圭が京佳の事を心配している事に嫉妬を覚えた。夏休み初日の遊園地でもそうだったが、圭と京佳はかなり仲が良い。見た目こそ似てないが、まるで本当の姉妹に見える程に。

 

「いくら何でも、泣く事は無いと思いますよ?仮に何かあっても、少し驚くくらいじゃないでしょうか?」

 

「だといいんですけど…」

 

 流石に泣く事は無いだろうと言うかぐやだが、圭の表情は京佳を心配しているままだ。

 

(ここは1度、情報を集めるべきね…)

 

 現状、かぐやは圭と京佳の関係をはっきりとは知らない。戦いでは、より多くの情報を持っている者が勝利する。だからかぐやは、ひとまず2人の関係をはっきりと知る事にした。そうすれば、対策も考えやすいものである。

 

「そういえば気になっていたのですが、圭は立花さんと仲が良いのかしら?」

 

「は、はい。私と兄が秀知院に入学してからの仲って感じです。うちで一緒にご飯を食べた事もありましたし」

 

「え?」

 

「あと、一緒に買い物に行ったり、料理を教わったり、お泊りしたり…」

 

 そして後悔した。圭の口から聞いた事実。それはかぐやの予想を大きく上回るものだったからだ。

 

(嘘でしょ!?立花さんはそこまで進んでいたっていうの!?)

 

 焦りだすかぐや。圭は藤原とも仲が良いが、京佳はその更に先を行っている様に聞こえる。つまりこれは、現状、圭との関係は自分が一番遅れているという事に他ならない。

 

(マズイ…!これはマズイわ…!何としてでもこの機会に何とかしなければ…!)

 

 何とか打開策を模索するかぐや。そんな時、圭がある一言を放った。

 

「お姉ちゃんって、あんな感じかもしれませんね…」

 

 その言葉を聞いたかぐやは時が止まった様な感覚になった。それだけ圭の言葉が衝撃だったのだ。

 

「あ。あれってハーサカさんですよね?」

 

 そうこうしているうちに、いつの間にか2人は電気ランタンを持っているハーサカが待機している場所に来ていた。

 

「お待ちしておりました。そのまま足元に気を付けて道を真っすぐ歩いてくださいね」

 

「はい、ありがとうございます」

 

 ハーサカの注意にきちんと耳を貸し、あいさつをして、ハーサカの前を通り過ぎる圭。そしてかぐやもハーサカの前を落ち込んだ様子で通り過ぎて行った。

 

(かぐや様、大丈夫かなぁ…?)

 

 ハーサカは自分の主人の心配をした。何か変な事をしでかさないで欲しいとも願った。

 

 

 

 

 

(うう…何で立花さんと藤原さんはそんな関係を築けているのよぉ…!私だって圭にお姉さんって言われたいのに…!)

 

 圭のすぐ隣を歩くかぐやは、内心泣きそうになっていた。かぐやは家族愛に飢えている。それはかぐやの家庭環境が原因なのだが、この場では省略する。それゆえ、圭が藤原と京佳を姉の様に慕っているのが羨ましくてしょうがないのだ。

 

「えっと、四宮先輩。いいですか?」

 

「え?何ですか圭?」

 

 かぐやが内心泣きそうになっている時、圭がかぐやに話しかけてきた。

 

「あの、今日は本当にありがとうございます」

 

「え?」

 

 突然、圭から感謝を述べられたかぐやは面食らった。

 

「私の家って貧乏だから、こういう旅行に行く事が無かったんです。だから…」

 

 圭は一息ついた後、

 

「この旅行に連れてきてくれて、本当にありがとうございます。私、すっごく楽しいです」

 

 頭を下げて、かぐやに再び感謝の言葉を言った。

 

 白銀家は貧乏である。故にこうした旅行に行くことなど全く無い。普段はそういった事を我慢している圭だが、彼女もまだ中学生。まだまだ友達と遊びに行ったりしたい年ごろだ。だから圭は、この小旅行が本当に楽しみだった。

 そして圭の言葉を聞いたかぐやは―――

 

「いえいえそんな。先輩として当然の事をしただけですよ」

 

 満面の笑みで謙遜した。少なくとも、これで少しは圭との距離が縮まったと感じたからだ。

 

「それと…」

 

「はい?」

 

「えっとですね、千花ねぇや京佳さんは名前呼びなのに、四宮先輩だけ先輩呼びなのって、仲間外れみたいで嫌なので、かぐやさんって呼んでもいいですか?」

 

「はい勿論!全然構いませんよ!」

 

 かぐやはテンションを上げて、心の中でガッツポーズをした。名前呼びは双方の距離がそれなりに近くないと決してしない。圭に名前を呼ばれたという事は、一気に距離が縮まったという事だ。嬉しく無い訳が無い。

 

(やった!やった!!名前で呼ばれた!もうこれは私が圭の姉と言う事は確定的に明らかね!!)

 

 テンションが上がりすぎたせいなのか、またトンチンカンな事を思うかぐや。そんな時だった。

 

 

『みぎゃあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!?』

 

 

 夜の森の中から女性と思わしき叫ぶ声が響いたのは。

 

「え?何かしら?今の空を引き裂くような叫び声は…」

 

「……今の多分、京佳さんです」

 

「今のが!?」

 

 圭の言葉に驚くかぐや。それも仕方ない。今の叫び声と普段の京佳とが全く一致しないのだ。

 

「かぐやさん、急ぎましょう。もしかしたらもしかするかもしれませんし」

 

「は、はい…」

 

 圭とかぐやは速足で散歩道を歩き出す。途中、待機していた執事の高橋と合流し、別荘に向かうのだった。

 

 そして別荘にたどり着くとそこには―――

 

「ひぐ…えぐ…ひっぐ…」

 

「きょ、京佳さん?もう大丈夫ですよ?ここにお化けなんていませんからね?あ!そうだ!部屋に戻ってゲームしましょう!絶対に楽しいですよ!」

 

「そ、そうですよ立花先輩!僕、家からゲーム機持ってきたんですよ!皆でパーティゲームやりましょう!」

 

「そうそう!皆で遊べば絶対に楽しいよ京佳先輩!」

 

 京佳が泣きながら地面にぺたんと座り、藤原と石上と萌葉の3人が必死で泣いている京佳を慰めている。

 

「……」

 

 そしてハーサカが無言で頭を下げていた。その傍にはメイドの志賀もいる。

 

「え?何あれ?」

 

「えっと、会長…一体何が…?」

 

「あー…あれはだな…」

 

 白銀はかぐやと圭に説明を始めた。

 

 時間は数分前にさかのぼる。

 

 

 

 

 

「それでは、時間となりましたので、御行様、京佳様。どうぞいってらっしゃいませ」

 

 それまでと同じように、メイドの志賀は白銀と京佳にスタートの合図を出した。

 

「えっと立花、大丈夫か?」

 

「…………ダイジョウブダ」

 

 だがそれまでと違い、京佳だけは開始前からお通夜状態である。白銀は心配そうに京佳に話すが、京佳は大丈夫と言う。

 

(まぁ、本人が大丈夫って言っているから大丈夫だろう……大丈夫だよな?)

 

 どうみても大丈夫そうには見えないのだが、白銀は京佳の発言を信じて肝試しを行う事にした。そして、いざ肝試しを行おうとした時である。

 

「し、しろがね…」

 

「何だ?」

 

「頼みがある…手を握ってくれないか…?頼む…」

 

 京佳が小さく震えながら、白銀に手を握って欲しいと言い出した。

 

「わかった。ほら」

 

 白銀は京佳の頼みを聞き入れ、京佳に手を差し出した。

 

「ありがとう……」

 

 京佳は白銀の手を自身の両手で取った。そして2人はそのまま手を繋いだ状態で歩き出し、肝試しを開始した。

 

「「……」」

 

 夜の散歩道を歩く2人の間に会話は無い。白銀は懐中電灯を前に照らしながら歩き、京佳は少し俯きながら白銀の手を両手でしっかりと握って歩いている。

 

(立花の手って、柔らかいなぁ。それに温かい。いやいやそうじゃないだろ。このまま無言なのはないかんな…何か話をした方がいいんだろうが、こういう時って何を話せばいいんだ?)

 

 京佳の手の感触を感じながら、何とか会話を開始する入口を見つけたい白銀。しかし中々それが思い浮かばない。そもそも白銀に、女子が気にいるような会話をする技量などあまり無いのだ。

 

(怖い怖い怖い怖い怖い怖い…)

 

 そして京佳はひたすらに怖がっていた。今の彼女には、白銀の手のぬくもりを感じる余裕すらない。かぐやであれば、この機会にわざとらしく怖がって白銀を陥落さようとしただろうが、京佳にそんな事は出来ない。なんせ肝試しが怖いから。

 因みにだが、京佳がここまで怖がっているのは、直前に怪談を聞いたせいでもある。京佳は、夜テレビで心霊番組を見たら1人で簡単にはトイレに行けないタイプの子なのだ。なので、テレビで心霊番組をやっていたら即座にチャンネルを変える。

 

 そんな白銀と京佳が一言も喋らない状態で歩いている時である。

 

 フッ

 

 突然、白銀が手にしていた懐中電灯の灯が消えたのだ。

 

「ひぃ!?」

 

「落ち着け立花!多分懐中電灯の電池の接触が悪いだけだ!」

 

「ほ、ほんとか?なんかこう、幽霊的なものが消したとかじゃないのか…?」

 

「大丈夫だ!そんなものじゃない!安心しろ!」

 

 白銀はそう言うと、持っている懐中電灯を何度か上下に降ったり、懐中電灯そのものを叩いたりした。すると、すぐに懐中電灯は再び光を灯した。どうやら本当に接触不良だったようだ。

 

「ほら見ろ!ちゃんとついただろ!?」

 

 そう言い、再び光を灯した懐中電灯を前に照らす白銀。

 

 そんな時、懐中電灯の光に何かが照らされた。

 

 それは金色の髪をした女性だった。手には灯が点いていないランタンの様なものを手にしている。そして、それを見た京佳は血の気が引いてのを感じ、確信した。

 

 目の前の女性こそ、かぐやが話していた『今も森の中で夫を探している妻』だと。

 

 

「みぎゃあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!?」

 

 

 こうして京佳は絶叫したのだった。そして白銀の腕に抱き着き、パニックを起こした。

 

「あ゙ーー!あ゙あ゙ーーー!?」

 

「おい落ち着け立花ぁぁ!!当たってる!てか挟まってるからぁぁぁ!?」

 

「落ち着いてください京佳様!私です!メイドのハーサカです!」

 

「あ゙あ゙あ゙ーーー!?あ゙あ゙あ゙ーーーーー!?」

 

「ダメです!これ完全にパニックですよ!?」

 

「本当に正気に戻ってくれ立花ぁぁーー!?」

 

 勿論、白銀と京佳の前に現れたのは幽霊ではない。その正体はハーサカである。2人が来るほんの少し前。十分な充電を行っていなかったのか、ハーサカの持っている電気ランタンが消えたのだ。何度スイッチを入れ直してもランタンはつかず、どうしようか悩んでいた時に、自分に近づいてくる懐中電灯の光が見えた。恐らく、次に来るであろう白銀と京佳であろうと思い、説明をする為、その場で待機する事にした。

 しかし、突然こちらに近づいてきた懐中電灯の光が消えてしまった。何があったのかと思い、灯が消えた方に近づくハーサカ。と、直ぐにまたハーサカの目の前で灯が点いた。

 

 そして京佳の叫び声が響いたのだ。

 

 白銀の腕に抱き着き叫んでいる京佳。白銀とハーサカの2人は何とかパニックになっている京佳の正気を取り戻そうとした。

 

 因みにだが、白銀の腕は現在、京佳の胸の間に挟まっており、白銀はその豊満な感触を腕を通してひしひしと感じている。

 

(頼むから立花!早く正気に戻ってくれーー!?そうじゃないと俺が色々と危ないんだぁぁーー!?)

 

 そして白銀も割と限界が近かった。ナニがとは言えないが。

 

「あ……」

 

 そんな時突然、京佳がその場にペタンと座ったのだ。

 

「だ、大丈夫か立花…?」

 

「京佳様?」

 

 心配そうに京佳に声をかける白銀とハーサカの2人。すると―――

 

「う…」

 

「「う?」」

 

「うわぁぁぁぁぁぁん!」

 

((泣き出したぁぁぁーー!?))

 

 京佳、ガチ泣きである。演技ゼロのガチである。肝試しを始める前に聞いた怪談。いきなり消えた懐中電灯。そして、突然目の前に現れたハーサカ等。こういった様々な出来事がつもり重なった結果、京佳は限界を迎えてしまい、その結果、遂に子供みたいに泣き出してしまったのだ。

 

「どどど、どうしましょうハーサカさん!?」

 

「落ち着いてください御行様。とりあえず、来た道を戻りましょう。その方が別荘に近いですし」

 

「わ、わかりました」

 

「それと、私だと京佳様を運べそうにないので手伝って貰っていいですか?」

 

「勿論です。どうすれば?」

 

「では、京佳様を背負って下さい。その方が安全ですから。私は懐中電灯で前を照らしますので」

 

「背負うんですか?肩を貸して歩いたほうがいいのでは?」

 

「あの運び方って結構コツがいるんですよ。背中に背負った方がてっとり早いのでどうかお願いします」

 

「はい!わかりました!」

 

 ハーサカと白銀は協力して、京佳を運ぶことにした。そして、何とか泣いている京佳を白銀が背負い、ハーサカが懐中電灯で道を照らしながら来た道を戻ったのだ。

 

(うっわ…背中にもの凄く大きくて柔らかい感触が…っていかんいかん!今は緊急事態だろうが!俺は何を考えているんだ!?)

 

 白銀は束の間の幸せを感じていたが、直ぐに頭を切り替えて煩悩を退散させた。

 

「ひっぐ…ひぐ…」

 

 一方、白銀に背負われている京佳は未だに泣いていた。平常であれば、好きな男に背負われているので嬉しいと思う所だろうが、今の京佳のそんな事を思う余裕なんてない。

 

 

 

 

 

「って感じでな。今は少し落ち着きを取り戻しているが、まだあんな状態で…」

 

「そんな事が…」

 

「…私ちょっと京佳さんの所行ってくる」

 

「俺も一緒に行くよ圭ちゃん。もう1回ちゃんと話をしときたい…」

 

 かぐやと圭に説明を終えた白銀。因みに要点だけを掻い摘んで説明しているので、胸が当たっていたとかその辺の話は全部省いている。話を聞き終えた圭は、京佳の所に向かった。白銀もその後を追った。

 そして説明を聞いたかぐやは、ある事に気づいた。

 

(あれ?これ私のせいじゃ…?)

 

 この肝試し、発案したのはかぐやである。しかも、京佳が幽霊が苦手と知っていながら。

 

(だ、だってあそこまで苦手だなんて思わなかったし…!それにまさか泣くなんて…!!)

 

 必死で言い訳をするかぐや。そんなかぐやに執事の高橋が話しかける。

 

「かぐや様」

 

「な、何かしら?高橋?」

 

「謝りましょう?」

 

 眼が笑っていない。おまけに真顔。そんな高橋を見たかぐやは確信した。

 

(あ、これ本気で怒ってる…)

 

 珍しく、高橋が本気で怒っていることに。

 

「待ちなさい高橋。少し待ちなさい」

 

「この肝試しを考えたのかぐや様ですよね?」

 

「違うの高橋。あのちょっとまって…」

 

「しかも、京佳様が幽霊がダメだと知っていましたよね?」

 

「まって。ほんとにまって」

 

「私は反対しましたよね?肝試しが苦手という人がいるのならやめた方がいいと。人が嫌がる事はしないほうがいいと」

 

「あ、あのね…?」

 

「結果、京佳様はあんなに泣いてしまったんですよ?わかってますか?」

 

「……」

 

「謝りましょう?四宮家の人間が、自分の非を認めないなんてしてはいけませんよ?」

 

「はい…」

 

 この後、かぐやは京佳に滅茶苦茶謝り、白銀はかぐやが何度も何度も頭を下げて謝っているのを見て驚いた。

 

 その後、京佳が元に戻るまで1時間を要するのだった。

 

 

 

 

 




 圭ちゃんの生徒会メンバーへの印象

 かぐや 憧れの先輩。
 藤原  友達の姉。
 石上  陰キャぽいけど良い人
 京佳  お義姉ちゃんになるかもしれない人

 外堀は既に埋めているのが京佳さん。その辺の話はいずれ書きます。


 それと次回はお風呂回の予定です。
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