もしもかぐやに滅茶苦茶強力な恋敵がいたら・・・   作:ゾキラファス

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 宣言通りお風呂回。相も変わらずノリの勢いで書いてますが、どうぞ。





 そして今回、ある事が判明します。

 追記・少し加筆しました


生徒会メンバーと小旅行(その9)

 肝試しの後、皆の必死の協力のおかげで、京佳は何とか何時もの京佳に戻った。そしてひと段落した後、旅行参加者は全員で風呂に入る事にした。(混浴では無い)バーベキューや肝試し等を行ったため、皆それなりに汗をかいているからである。ここで1度、風呂に入ってさっぱりしたと思い、旅行参加者は全員風呂場へと向かった。

 

 男湯

 

「あー。やっぱ大きい風呂はいいなぁ…」

 

「ですねぇ…脚を思いっきり伸ばせるってのがいいですよ…」

 

「しっかし、遊園地だけじゃなくてこんな旅行まで行けるとは。今年の夏休みは凄く充実しているな」

 

「ほんとそうっすね。少なくとも1年前の僕なら考えられません」

 

 白銀と石上は、2人並んで湯船に浸りながら話していた。その顔はリラックスしている。そんな時―――

 

「そういや会長」

 

「何だ石上?」

 

「ギャルゲーだとよくあるんですよ。こういうお風呂場には隣の女湯を覗ける穴があって、その穴で女湯を覗くってイベントが」

 

「……何故突然そんな話をした?」

 

「なんか思い浮かんだからです」

 

 大きなお風呂に入って気が緩んだのか、石上がそんな話をしてきた。

 

(覗き穴…仮にそんなものがあって、それを覗いたその先には…)

 

 そして白銀は想像する。一糸纏わぬ姿の女子達を。

 

「…………………うむ」

 

「え?会長、何ですかその台詞は?」

 

「あ、いや。なんでもない」

 

 慌てて自分が想像、もとい妄想したものを消し去る白銀。しかしその顔は少し紅い。

 

「ま、仮にそんなものがあっても覗くなんてしないがな。犯罪だし」

 

「ですね。現実はゲームみたいに少し怒られるだけじゃ済みませんし」

 

 このままこの話をすれば、再びあらぬ妄想をして、白銀の白銀が白銀しそうなので白銀は話を終える事にした。しかし―――

 

「でもやっぱ、男としては女湯を覗いてみたいって気持ちはありますけどね」

 

 石上が再びその話題をし始める。

 

「え?いや石上?」

 

「会長、僕だって男なんですよ?そういった欲求くらいありますよ。うちの生徒会メンバーの女子って皆スタイルいいし顔も整ってるし。男として1度は拝んでみたいと思いますよ」

 

「だ、だがな石上?」

 

「会長はそういうの無いんですか?」

 

「……」

 

 石上は真っすぐ白銀を見て質問する。質問された白銀は口を閉じた。このまま石上の質問に答えて、同調するのは簡単だ。別にこの話を女子達が耳にしている訳ではない。それに健全な男子高校生ならこういった話をするのも当然である。

 

(んなもん見てみたいに決まっているだろう…!俺だって男なんだ!1度くらいこの目で生の女体も見てみたいさ!特に四宮とか!)

 

 実際、白銀は石上と似たような事を思っていた。普段の学校生活ではわからないだろうが、彼はド助平なのだ。そういった妄想をした事も、1度や2度では無い。

 

(だが、ここで石上に同調してそんな話をして、そしてもしそれが四宮にでも知られれば…!)

 

 終わる。

 間違いなく終わる。男子同士ならば、そういった話をしていた事がバレても大した問題にはならないだろうが、その話が万が一女子にバレるとなるとマズイ。下手をしなくても軽蔑されるだろう。

 

「お、俺は特にそういうのは無いな。そういうのを考えるくらいなら勉強するし」

 

「マジっすか?流石会長ですね。やっぱ僕は欲に塗れているんですね」

 

「ははは。そんな事ないぞ石上。男なら当然だ。決して悪いことじゃないさ」

 

 なので白銀は嘘をつく事にした。万が一にも女子にバレない為に。

 

(すまん石上。本当なら俺も男だし、もう少しそういった話をしたいんだが、お前は前に女子に気づかずブレーキを踏まないでそういった話をしていた過去があるから…)

 

 石上は1学期に、生徒会室で女性の胸について話していた事があった。

 

 後ろにいたかぐや、藤原、京佳に気づかずに。

 

 その後、後ろの3人に気づいたが時すでに遅し。藤原からは頭をハリセンで沢山叩かれ、かぐやと京佳からは脅された。そういった事例があるため、白銀はこの話題に参加する事をやめたのである。

 

(あ。でもそういえば、前に裸じゃないが立花のパンツは見た事が…)

 

 しかしそんな話題を聞いていたせいか、白銀は1学期に京佳のパンチラを見た事を思い出してしまった。

 

「……すまん石上。ちょっと冷水浴びてくる」

 

「あ、はい。もしかしてのぼせました?」

 

「まぁ、そんな所だ」

 

(うおぉぉぉ!?折角忘れていたのにまた柄まで鮮明に思い出してきたぁぁぁ!?煩悩退散煩悩退散!!)

 

 そしてそそくさと湯船から出て頭から冷水でシャワーを浴び始めた。

 

(何かシャワーの勢い凄いけど、会長風邪ひかないかなあれ…)

 

 そんな白銀を石上は湯船に浸かりながら眺めていた。

 

 

 

 

 

 女湯

 

 男湯がそんな事になっている時、女子はと言うと―――

 

「「「「…………」」」」

 

「な、何だ皆?」

 

 まだ風呂に入らず、未だに脱衣所にいた。全員もれなく下着姿で。そして全員が、黒い下着を身に付けている京佳をじっと見ていた。すると、ピンクの下着を身に着けた藤原が京佳に話しかける。

 

「京佳さん。何したらそんな風になるんですか?」

 

「えっと、何がだ藤原?」

 

「全部ですよ!!うちの姉さまくらい胸大きくて腰はちゃんと括れていてその上脚は細くて長いし!しかも何ですかその肌!めっちゃ綺麗じゃないですか!!キズひとつ無い肌ってこういうのなんだなーって思っちゃいましたよ!何なんですか本当に!何したらそんな超モデル体型になれるんですか!?」

 

 未だに誰1人風呂場に行かない理由、それは京佳である。藤原の言う通り、京佳は超が付くほどのモデル体型だ。普段は秀知院の裾の長い制服に隠れているが、脱げばご覧の通り。この場に居る女子の中では、群を抜いてスタイルが良い。同性から見ても目を奪われるほどに。

 

「いや、特にこれといって何かしているとかは無いぞ?」

 

「嘘です!何もしなくてそんな身体を持てるはずありません!」

 

「そんな事言われてもなぁ…」

 

 下着姿の藤原は京佳の前でギャイギャイと騒ぐ。実は彼女、最近少し体重が増えたのだ。ハワイで好きなだけ食べて遊んで寝た結果、お腹と二の腕が少し危ない。それゆえ、京佳のスタイルに嫉妬しているのだ。しかも京佳は特に何もしていないと言う。結果、嫉妬と怒りが増した。

 

「ほんと、京佳さん凄いですよね。モデルって言われても納得します」

 

「そうね圭」

 

 水色の下着を付けた圭と、純白の下着を付けたかぐやも藤原に同調する。

 

(何なの?本当に何なのその無駄に育った胸は?私に対する当てつけ?その無駄な贅肉で会長をたぶらかすつもりなの?もしそうならもぎますよ?精肉加工機械で)

 

 圭がすぐ近くにいる為、顔は笑顔のかぐやだが、内心は呪詛を放ちそうになっていた。そして近いうちに、四宮家傘下の機械製造会社に連絡を取ろうと決めた。

 

「でも本当にすごいよねー京佳先輩。そのスタイルなら本当にモデルの仕事だってできちゃうかもだよー?」

 

 姉に続いて、薄緑色の下着を身に着けた萌葉がそんな事を言う。

 

「私がモデル?それは無理だと思うぞ?」

 

「えー?何でー?」

 

「こんな物騒な眼帯している女のモデルなんて、誰も受け付けないだろう?」

 

「あ…」

 

 萌葉は、自分が失言をしてしまった事に気づいた。京佳は左目に大きな眼帯をしている。どうして眼帯をしているかは知らないが、少なくともファッションでは無いだろう。

 

「ご、ごめんなさい!京佳先輩!」

 

「いや、気にしてないよ」

 

 地雷を踏んだと思った萌葉は、直ぐに京佳に頭を下げて謝った。最も京佳は全く気にしていないようだが。

 

「しかし、藤原。大丈夫だろうか?」

 

「大丈夫ですよ京佳さん。萌葉はそんな子じゃありませんから」

 

「えっと、何が…?」

 

 だが、別の事を気にしているようだ。そして京佳は意を決した顔で、萌葉に話しかける。

 

「あー…萌葉と呼んでもいいだろうか?」

 

「あ!はい!それは勿論!」

 

「では萌葉。今から不快なものを見せる事になる。すまない」

 

「はい?」

 

 突然、萌葉に謝罪する京佳。萌葉は何が何だかわからない顔をしている。

 

 そして京佳は、皆の前で左目にしている眼帯を外し始めた。

 

「え?」

 

 思わずそんな声を出す萌葉。だがそれも仕方ないだろう。

 

 萌葉は、京佳が眼帯を外すところを見たことがないのだ。そもそも京佳と知り合ってまだ殆ど時間が経っていない。こうして話すようになったのは夏休みに入ってからなので仕方ないが。

 そして京佳が眼帯を外した。

 

「…っ!」

 

 息を飲む萌葉。その理由が、目の前の光景にあるのは明白だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 何故なら京佳が眼帯を外すと、その下にはあまりにも酷く、醜い火傷の跡があったからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 京佳の眼帯に隠されていた火傷の跡を見た萌葉は言葉を失っていた。当初、萌葉が思っていたのはせいぜい何かしらの傷跡があるくらいだと思っていた。しかし、実際は予想を遥かに上回っていた。

 京佳の火傷の跡はおでこから左目を伝い、左耳にまであり、掌でようやく隠せる程の大きさがある。そんな傷跡を見た萌葉が言葉を失うのも無理はない。

 数秒か、数十秒か、はたまた数分かの時間が経ち、京佳が口を開く。

 

「……やはり、驚くよな」

 

「あぁ!ご、ごめんなさい!ごめんなさい!!」

 

「いや、こちらこそすまない」

 

 萌葉は眼帯を外した京佳に頭を下げ謝る。

 

「こんな状態で聞くのもあれだが、質問をしてもいいだろうか萌葉」

 

「はい!なんですか!?」

 

「正直に答えて欲しい。気持ち悪いか?私のこの左側は」

 

 京佳は両目でしっかりと萌葉を見据えて質問をする。

 

「えっと、驚きはしましたけど、気持ち悪いなんて全く思いません!」

 

 そして京佳の質問に、萌葉ははっきりと答える。その顔は全く嘘をついてはいない。誰が見てもわかる程に。そんな萌葉の言葉を聞いた京佳は、安堵したように息を吐いた。

 

「そうか…ありがとう萌葉。そう言われて安心したよ」

 

「どうですかー京佳さん?言った通りでしょー?」

 

「そうだな。君の言う通りだよ」

 

「はい!何たって自慢の妹ですから!」

 

 安堵した京佳に藤原は下着姿のまま大きな胸をムフーッという感じで張る。因みにすっごい揺れた。たゆんと揺れた。しかも下着姿なため、かなりエッチに見える。

 

「萌葉、突然変な質問をしてしまってすまない。だが、どうしても聞いておきたかったんだ」

 

「いえ!全然気にしてませんから!」

 

 今度は京佳が萌葉に謝罪をした。と、ここで萌葉がある事に気づいた。

 

「あれ?ひょっとしてお姉ちゃん知ってたの?」

 

「勿論ですよー。京佳さんと一緒に生徒会に所属した時に教えて貰いましたしー」

 

「……もしかして、かぐやちゃんと圭ちゃんも?」

 

「ええ。ついでに言えば、会長と石上くんも知ってますよ?」

 

「私も。この中じゃ1番京佳さんとの付き合い古いし…」

 

「……私だけ仲間外れ…!」

 

「しょうがないですってー。萌葉は京佳さんと会う機会が殆ど無かったんですからー」

 

 自分だけ知らなかった事にショックを受け、両手両ひざを床について落ち込む萌葉。下着姿なため、後ろからその姿を見ればさぞ素晴らしい絶景が見れる事だろう。だが萌葉は直ぐに立ち上がり、京佳にある事を聞いた。

 

「あの、京佳先輩。ちょっといい?」

 

「何だ?」

 

「できればでいいんだけど、何でそうなったか聞いてもいいかな?」

 

「……あまり気持ちのいい話じゃないが、いいか?」

 

「うん」

 

 それは、京佳の左側の事を聞く事だった。やはりどうしても気になってしまう。しかも萌葉以外は既に全員知っている。京佳は萌葉の願いを承諾し、自分の顔の事について話すことを決めた。

 

 こうしてようやく、女子5人は風呂場へと行くのだった。

 

 

 




 と、いう訳で京佳さんの眼帯の下は火傷の跡です。正直悩んだ。けどこれが一番しっくりきたのでこうしました。火傷の跡のイメージは、バッ〇ーノのニー〇かブラ〇ラのバラ〇イカみたいなのが少し小さくなった感じです。あと各キャラの下着の色は完全に作者の個人的な勝手なイメージです。
 後半の展開がちょっと強引かもしれませんが、大目に見てくれると幸いです。<(_ _)>


 次回は続いてお風呂回+火傷の理由回です。ただ来週更新できるかちょっとわかりません。

 感想、評価、意見 どうかお願いいたします。

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