もしもかぐやに滅茶苦茶強力な恋敵がいたら・・・   作:ゾキラファス

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 実は最初のプロットの段階だと、この作品の主人公は某運命スマホゲーのJKセ〇バーの見た目をしたオリキャラで行くつもりでした。でも友達に『それ早坂とキャラ被ってない?』と言われ『だったら絶対に他所と被らず自分好みのキャラにしよう』と思い、その結果できたのが京佳さんです。


 おかげで『高身長眼帯巨乳』というまず被らないであろうキャラになった。


立花京佳と水着デート(参)

 

 

 昨日 立花家

 

『ああ、了解した。では明日』

 

「わかった。じゃあ明日な」

 

 pi

 

「……」

 

 スマホの通話ボタンを切り、暫く画面を見つめる京佳。

 

「ふーーーーっ」

 

 1度、大きく息を吐く。

 

「やったぁ……!」

 

 スマホを握ったまま京佳はガッツポーズをし、笑顔になった。

 

「やったぁ!やったぁ!少し遠回りだが、白銀とデートだぁ!」

 

 まるで子供みたいにはしゃぎながら喜ぶ京佳。ここまで喜んでいる理由は勿論、明日、白銀と一緒に2人きりで出かける事が出来るからだ。男女が2人きりで出かける、それはもう完全にデートである。

 想い人と2人きりでデートができるという事実。恋する少女にとっては、これ以上ないくらいの幸せな出来事だろう。またこれを期に、白銀との距離を一気に縮める事が出来るかもしれない。そういった事なら誰だって喜ぶ。

 

「よし!そうと決まれば準備しないと!水着はもうあるからいいとして、他に準備するのは、クイズ大会の知識か?一応、前に藤原から借りた本がまだあるからそれで多少の予習はできるが。あ!そうだ、弁当はやはり作ったほうがいいか?こういう時は手作り弁当を作った方が『料理ができる女』をアピールできるだろうし。でも、重いって思われないかな?下手にそういうの作って、そういう風に思われると嫌だし…」

 

 こうして京佳は、明日の白銀とのデートに向けて、1日中準備をするのだった。

 

(いやー、若いっていいわよね~。頑張りなさい、京ちゃん)

 

 そして、リビングからそんな娘を微笑みながら見守る母親がいたとか。

 

 

 

 

 

 ざぶーん わくわく! 飲食スペース

 

「ここが空いている。座ろう、白銀」

 

「ああ」

 

 あれから京佳は、荷物を取りに1度更衣室に戻っていた。そして荷物を取って直ぐに白銀と合流して、施設内にある飲食エリアの長椅子に座ろうとしていた。

 

「なぁ、立花。本当にいいのか?俺も弁当を食べて」

 

「勿論だ。そもそも施設内でお昼を買うと結構な出費になるだろう?だったら私が作った弁当を食べた方が安上がりじゃないか」

 

「まぁ、それもそうか。なら、ぜひごちそうになろう」

 

「ああ、遠慮なく食べてくれ」

 

 長椅子に座りながら会話をする2人。そして京佳が、更衣室から持ってきた荷物である弁当箱を開ける。

 

「ほう、サンドイッチか」

 

「ああ。これなら誰でも食べられるだろう?因みに具は、卵とサラダとチキンの3つだ」

 

 京佳が持ってきた弁当箱の中には、3種類のサンドイッチが入っていた。定番ともいえる卵サンド、トマトとレタスが入っているサラダサンド、少しボリュームのある照り焼きチキンサンド。どれも美味しそうに見え、白銀は思わず涎をたらしそうになる。

 勿論、これらのサンドイッチは全て京佳の手作りだ。今朝早くに起きて、失敗しないように慎重に作業をし、こうして本日の昼食として持ってくることに成功した1品である。

 

 因みに、作っている時いくつか失敗してしまったサンドイッチがあったのだが、それらは今朝の立花家の朝食になっている。

 

「好きなものから食べていいぞ。白銀」

 

「そうだな。それじゃ卵サンドを頂こうか」

 

「ああ、召し上がれ」

 

 弁当箱に入っている卵サンドを手に取り、口に運ぶ白銀。そして一口かぶりつく。

 

「ん!?美味いなこれ!?本当に手作りか!?どっかの店で買ったと言われても信じるぞ!?」

 

「ありがとう白銀。そう言って貰えると嬉しいよ」

 

 白銀は京佳の手作りサンドイッチを絶賛。それを見た京佳はほっとする。

 

(良かった。白銀が美味しそうに食べてくれて)

 

 サンドイッチという簡単な料理ではあるが、初めて作ったデート用の手弁当。もしこれで、白銀の口に合わなかったらどうしようかという不安はあったが、それは既に解消されている。白銀の笑顔がその証拠だろう。

 

「こっちの魔法瓶にはアイスコーヒーが入っている。飲むか?白銀」

 

「コーヒーか。ぜひ貰おう」

 

 用意していた魔法瓶から、いつの間にか用紙していた紙コップにアイスコーヒーを入れ、それを白銀に渡す。紙コップを渡された白銀は、それを一気に飲みほした。

 

「ぷっはー!やっぱ頭を使ったあとはコーヒーだな!おかげで頭がすっきりする!これなら、午後からの決勝戦も万全の状態でいけそうだ!」

 

「そうか、それはよかったよ」

 

 白銀は重度のカフェイン中毒者である。定期的にカフェインを摂取しないと、日ごろの睡眠不足のせいであっという間に寝てしまう。

 そんな白銀の事を思った京佳は、本来ならアイスティーの所を、態々カフェイン多めのアイスコーヒーにした。おかげで白銀は頭がすっきりしている。これならば決勝戦前、もしくは決勝戦の最中に寝る事は無いだろう。

 

「次はこっちのチキンサンドはどうだ?」

 

「いただこう」

 

 京佳に言われた白銀は、今度はチキンサンドに手を伸ばす。そしてそれを口に運ぶ。

 

「美味い!いやこれも本当に美味いな!?もう1回聞くが、本当に手作りか!?」

 

「ああ。全部私の手作りだよ」

 

「そうか。やっぱ立花は料理が上手なんだな。ここまで美味いサンドイッチは食べた事ないぞ」

 

「ふふ。ありがとう、白銀」

 

 白銀に手作りのサンドイッチを褒められ、笑顔になる京佳。その頬は少しだけ赤くなっている。自分で作った料理を、ここまで褒められると誰だって嬉しいものだ。ましてや、それが意中の相手ならば猶更で、作ったかいがあったというものだろう。京佳の頬が赤くなるのも仕方が無い。

 

(本当によかった。昼食作ってきて)

 

 京佳は今回、手弁当を作ってきて本当によかったと思っていた。もし作ってこなかったら、白銀からここまで褒められる事も無かっただろう。白銀に手弁当を作ってくるという選択が、間違っていなかった事を再認識した京佳は安堵する。

 これに自信をつけた京佳は、白銀に少し踏み込んだ台詞を言う。

 

「でもそこまで美味しいというなら、私は白銀に毎日手料理を作ってもいいぞ?」

 

 それはまるで『毎日俺に味噌汁を作ってくれ』という少し古いが有名なプロポーズの逆バージョン。察しが良い人なら、簡単に意味が分かる台詞だ。

 

「ん?いやそれはダメだろう。毎日料理を作って貰うなんて立花に負担しかかけないじゃないか。確かにうちは貧乏だが、そこまで世話になる訳にはいかない」

 

 が、白銀はこれを真面目に返す。彼には京佳の台詞が、全くそういう意味で伝わっていなかった。

 

「……そうか。だが困ったことがあったらいつでも言ってくれ。力になるから」

 

 残念そうにする京佳。できれば今の台詞で、白銀との距離を一気に詰めたかったが、それはどうも無理らしい。

 

(もういっそ白銀に家に押しかけ女房でもしたほうがいいかもしれないな…いや、でもそれは流石に…)

 

 白銀の反応を見て、やや強引な策を考え始める京佳。しかし、それは流石にまずいと思い考えを改めるのだった。そして、京佳もチキンサンドを手に取り食べ始める。

 

「っと、白銀。口元にマヨネーズが付いているぞ」

 

「え?」

 

 白銀がチキンサンドを食べ終えようとしていると、京佳が白銀の口元にマヨネーズが付いている事を指摘してきた。

 

「私が拭いてあげようか?」

 

 そして紙ナプキンを手にして、白銀の口元を拭こうとした。京佳の突然の行動に、白銀は一瞬動きを止める。

 

「な、な、な!何をしているんだ立花!?」

 

 直ぐに手で口元を拭い、京佳から身体をのけぞりながら顔を赤くする白銀。

 

「いやだから口元にマヨネーズが」

 

「だからといって何でいきなり拭こうとした!?」

 

「何でと言われても、そうしたいって思ったからかな?」

 

「いやなんだそれ!?」

 

 白銀御行。ムッツリで健全な男子高校生。いきなり同級生の女子に口元を拭かれるというのは、普通に恥ずかしい。しかも、今の京佳は水着なのだ。普段と違い胸元がはっきりと見える為、いやでも視界にそういったものが入ってくる。正直、男には色々と毒だ。

 

「どうしたんだ白銀。顔が赤いぞ?」

 

「赤くない!これは太陽の反射のせいだ!決して赤面している訳じゃない!」

 

 白銀は必死に弁明をする。そんな白銀を見て微笑む京佳。傍から見れば、初々しいカップルのように見える。そんな時、

 

「あ」

 

「ん?」

 

 京佳が手にしていたチキンサンドからマヨネーズが一滴こぼれ、それが京佳の胸の上に落ちた。

 

「……」

 

「……」

 

「……拭いてみるか?」

 

「……拭かねーよ!?」

 

 白銀はほんの一瞬だけ返答に迷ったが普通に拒否した。でも正直、自分も男だから触れるなら触りたいという思いが頭の片隅にはあったりする。

 

 

 

 

 

「いやすまないな、からかって。ほら、手に付いたマヨネーズをこれで拭きとってくれ」

 

「あ、ああ。すまん」

 

 京佳が自分で、胸に落ちたマヨネーズを紙ナプキンで拭きとると、今度は白銀に新しい紙ナプキンを手渡す。それを受け取った白銀は、右手についたマヨネーズを拭きとる。

 白銀と京佳がそんな風に昼食を取っている時、2人に話しかける人物が現れた。

 

「やっぱり、会長でしたか」

 

「「え?」」

 

 自分たちに話しかけてきた正面に立っている人物に、顔を向ける白銀と京佳。するとそこには水着姿の2人の男女が立っていた。

 茶髪の男性は青色のリーフ模様の水着を履いており、ショートヘアでヘアピンを付けている女性は紺色のビキニの上から、白いラッシュガードを着ている。茶髪の男性は見覚えが無いが、女性の方は白銀が知っている人物だった。

 

「柏木じゃないか」

 

「はい。お久しぶりですね、会長」

 

 紺色のビキニを着た女性の名前は柏木渚。白銀と同じクラスの女生徒で、ボランティア部の部長で、経団連理事の孫で、秀知院VIPの1人である。

 

「確かに久しぶりだな」

 

「ええ。それとそちらの方は、庶務の立花さんでしたよね?」

 

「ああ。こうして会うのは、初めてかな?」

 

「そうですね。初めまして。柏木渚と言います」

 

「初めまして。生徒会庶務の立花京佳だ」

 

 京佳は渚とは初対面だった為、自己紹介をした。最も、お互い喋った事が無いだけで名前だけは知っているのだが。

 

「ところで、そっちの彼は誰だ?」

 

 白銀は渚に質問をする。渚の隣に立っている何かチャライ感じの男性を見た事が無かったからだ。

 

「やだなー会長。俺ですよ俺。田沼ですって」

 

「…………はぁ!?田沼!?」

 

「うぃーっす。久しぶりですね~。白銀会長~」

 

 渚の隣に立っているのが、1学期に色々と相談を持ち掛けてきた田沼翼と知り驚く白銀。彼が知っている田沼翼という男子生徒は、断じてこのようなチャライ感じの生徒では無い。

 

「お前何があったの!?1学期と全然違うじゃん!?」

 

「まぁ、色々あったんっすよ。色々」

 

 翼のあまりの変わりように、未だ驚く白銀。何があったか問いただすが、返答は曖昧である。これ以上聞いても埒が明きそうにないので、白銀は別の質問をすることにした。

 

「まぁ、もうこれ以上は聞かないでおこう。ところで2人もクイズ大会に?」

 

「いいえ。私達は純粋にデートですよ」

 

「もう夏休みも終わりですからね~。最後に水着デートをしたかったんですよ~」

 

「ここは都内だから、日帰りできますしね」

 

 どうやら渚と翼の2人は白銀達とは違い、普通に水着デートに来ていたようだ。

 

「まぁ俺は、渚のかわいい水着姿が見れたのでもう満足ですけどね」

 

「もう、翼くんったら」

 

「だってマジでかわいいんだよ?もうほんとさ、眼福ってこういう事なんだなーって」

 

「ふふ、ありがとう」

 

(この2人、いつの間にそこまで進展していたんだ…)

 

 白銀達の前でイチャつく2人。夏休み前までは、渚の手を握る事すら白銀に相談していた翼とは思えない。本当に、この半月たらずの間に何があったのだろうか。

 

「そういう会長も、今日はデートっすか?」

 

「え?あー、これは「ああ、デートだよ」立花!?」

 

 今度は白銀が逆に質問をされる。しかし、白銀が答えるより先に京佳が質問に答えた。

 

「どうした白銀?昨日私がデートに誘って、今日ここに来ているだろう?」

 

「いや、そうなんだが」

 

「おおー。会長も夏休みをエンジョイしてるんですね~」

 

「ま、まぁ。確かに今年の夏休みはそれなりに遊んでいるが」

 

 少し恥ずかしそうにする白銀。確かに、昨日京佳からクイズ大会という名のデートに誘われ、彼は今日ここに来ている。しかし白銀の中では、今日デートをしているという認識が薄い。白銀は今日、あくまでもクイズ大会に参加しているという認識が殆どだ。ぶっちゃけ今の彼に、デートという認識は2割くらいしか存在しない。

 

「恥ずかしがらなくっていいですってー。高校生ならデートくらいしますよー」

 

「お、おう。もうそれでいいわ…」

 

 これ以上、デートである事を否定すると京佳に失礼だと思った白銀は弁明をやめた。そもそも実際、男女2人でこうして遊びに来ているから、デートではある。それは事実なのだから、否定するのもおかしい。

 

「翼くん。これ以上は2人に迷惑かけちゃうから、もう行こっか?」

 

「それもそっか。じゃあ会長、また学校でー」

 

「立花さんも、失礼しますね」

 

「あ、ああ。じゃあまた学校で」

 

「ん。じゃあな、2人共」

 

 デートの邪魔をしてはいけないと思った渚の提案を受け、翼と渚は白銀達にあいさつをしてその場を離れる。

 

「立花、良かったのか?」

 

「何がだ?」

 

「いや、同じ学校の人にああいう事を言って。変な噂が立つかもしれないぞ?」

 

「かまわないよ。人の噂も七十五日というだろう?」

 

「そうか。まぁ立花がいいなら俺もとやかく言わないが」

 

 京佳は噂などは気にしないらしい。それを聞いた白銀は、本人がそういうならとして、それ以上何かを言う事をやめた。

 

「それより白銀、今度はサラダサンドはどうだ?」

 

「貰おう」

 

 京佳から弁当箱を差し出され、トマトがたっぷり入ったサラダサンドを摘まむ白銀。そして京佳自身も、再びサンドイッチを食べ始める。

 

「まぁ、私は噂された方がよかったんだがな…」

 

「ん?何か言ったか立花?」

 

「いや、何でもないよ」

 

 こうして、白銀と京佳は昼食を続け、2人で弁当箱を空にしたのだった。

 

 

 

 

 

『さぁお待たせしました!いよいよ決勝戦です!!』

 

 そして、遂にクイズ大会決勝戦が始まる。

 

 

 

 

 




 次回で水着デート終わりの予定。そろそろ2学期に入りたい。正直、夏休み編がここまで長くなるとは思ってなかった。ですが、もうちょっとだけお付き合いください。

 感想、評価、ご意見等、どうかよろしくお願いしたします。
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