もしもかぐやに滅茶苦茶強力な恋敵がいたら・・・   作:ゾキラファス

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今回、人によってはキャラ崩壊と感じるかもしれません。タグ付けた方がいいのかな?


立花京佳と四条眞妃

 

 

 

 放課後、京佳は秀知院学園内にある自販機コーナーで飲み物を買おうとしていた。最初はいつも利用している自販機コーナーで買おうとしていたのだが、ちょうど目当ての商品が売り切れていた為、そこから少し離れている、普段からあまり使われていない自販機コーナーへと行っていた。しかし自販機コーナーにたどり着いたとき、京佳は奇妙な光景を見たため思わず足を止めた。

 

「……………」

 

(なんだあれ……)

 

 その光景とは、自販機の横にある壁との間にできた小さな空きスペースに1人の女生徒が体育座りをして、自身の膝に顔をうずめて居るという光景だった。そしてその女生徒はやたら暗くて悲しそうな空気を出しており、とても近づき難かった。

 因みに体育座りをしているが、スカートはちゃんと足と手で押さえているため、別に中が見えそうとかではない。

 

(触らぬ神に祟り無しだ、飲み物買ったらさっさと離れよう…)

 

 京佳は恐る恐る自販機に近づいて、お金を入れ、飲み物を選び、ボタンを押して、取り出し口から飲み物を取り出してその場を離れようとした。

 しかしその瞬間―――

 

 ガシッ

 

「!?」

 

 体育座りをしていた女生徒が急に京佳の手を掴んできたのだ。軽くホラーである。

 

「ねぇ…」

 

 京佳の手を掴んだ女生徒は、ゆっくりと顔を上げながら話しかけてきた。

 

「いきなり初対面の人に…こんなこと言うのは非常識だってわかってる…でもお願い…5分でいいから私の話を聞いて…お願いだから…」

 

 顔を上げた女生徒は、震える声で目に涙を浮かべながらそう言った。

 

「あ、あぁ…わかった…」

 

 京佳は女生徒のお願いを承諾した。このままこの女生徒をこの場に放置しておくのはとてもではないが出来なかった。それだけ、京佳の手を掴んだ女生徒は悲しい空気を出していたからである。

 

 

 

 

 

 

「私、2年の四条眞妃…」

 

「2年の立花京佳だ…」

 

 2人は共に中庭へ移動して、空いているベンチに一緒に座った。そして、先ほど京佳の手を掴んだ女生徒が口を開いて自己紹介をした。どうやら京佳と同じ学年の生徒で、四条眞妃というらしい。それに答えるように京佳も自己紹介をした。

 

「知ってる…生徒会の人でしょ?色々有名だし…」

 

「…有名?」

 

「えっと、見た目とか、噂とか…」

 

「…なるほど」

 

 京佳の疑問に四条が答え、そして京佳は納得した。入学当初より、京佳にはその見た目のせいで様々な噂があった。そして実際に、京佳自身もそれらの噂を耳にしたことがある。

 例として言うならば―――

 

 『他校の生徒との喧嘩でナイフを左目に刺された』

 『重い病気にかかっており左目が解け落ちている』

 『ロシアンルーレットに負けて左目を撃ちぬいた』

 

 などである。

 これら以外にも出処不明のいろいろな噂があったのだが、この場では割愛する。因みに、京佳はそういった噂を特に気にしていない。気にするだけ無駄だと割り切る様にしていたからである。

 そして京佳は、これ以上は話が脱線するかもしれないと思い、四条が喋りたい事を聞くため、四条の顔を見て質問をした。

 

「それで、どうしたんだ?」

 

「えっとね…」

 

 京佳に質問された四条はゆっくりとし喋りだした。

 

「私、友達がいるの…本当に大切な友達が…」

 

(その友達と喧嘩でもしたんだろうか?)

 

 友達という単語に京佳は反応し、凡その当たりを予想した。

 しかし―――

 

「その友達がね…私の好きな男の子と付き合っちゃったのよぉ…」

 

 四条の口から出てきた言葉はあまりにも予想外の事だった。

 

「……」

 

 そしてそれを聞いた京佳は言葉を失った。

 

「少し前にね、私好きな男の子にね、恋人がいないってわかったの…」

 

 そんな京佳に構わず、事の経緯を喋り始めた四条。止まる気配など微塵も無いようである。

 

「その時は、本当にうれしくて…これから頑張ってその子に色々アプローチを仕掛けていこうって決めたのよ…」

 

 嬉しそうな顔をしたり、決意を固めたような顔をしたりして四条は喋った。それを京佳は黙って聞いている。

 

「でもこの間、突然その男の子が友達に告白しちゃったのよぉ~~!」

 

 そして最後に泣きながら自分の恋が実らなかったことを言った。正直見てられない。

 そんな四条の姿を隣で見ていた京佳は―――

 

(…これ未来の私の姿とかじゃないよな?)

 

 戦慄していた。

 京佳は、同じ男を好きになったかぐやが非常に強力な恋敵であることを理解している。現状では勝ち目が低いことも。故に、日ごろから白銀に自分を意識させるべき色々と積極的に動いている。

 しかし、今目の前で泣いている四条を見て、ひょっとするとこれは数か月後の自分ではないのかと思ってしまい、少しだけ震えた。

 

(いや落ち着け私…!少なくとも私の方はまだ勝負はついていないじゃないか!!)

 

 京佳は心の中で自分を鼓舞させて、何とか平静を保つことができた。

 

「いっその事、その男の子を何とか奪い去ろうかとも思ったけど…そんなこと大事な友達にできる訳無いし…」

 

 一方で、四条は略奪愛について喋っていた。しかし根が優しい為か、友人に対してそんなことはできないという結論に至ったとも。

 

「私、もう…どうしたらいいかわからなくてぇ…」

 

 一通り喋った四条は顔を下に向けた。そんな四条に京佳も何かを言わないといけないと思い、あまり経験はないが彼女の悩みにのることにした。

 

「…まぁ、私も大した事は言えないが、新しい恋を見つけるか、その恋を忘れるくらい何かに打ち込んだらいいんじゃないか?」

 

「それができたら苦労しないのよ!!私まだその子の事大好きなんだもん!!あきらめきれないもん!!」

 

 だが四条は未だにその男子生徒の事が忘れられないようで、京佳の言った解決策を一蹴して声を荒げた。しかし、直ぐに自分の態度を改めた。

 

「…ごめん、大声出して…私から話を聞いてってお願いしたのに…」

 

「いや、かまわないよ」

 

 声を荒げてしまった事を謝罪する四条。そんな彼女に京佳は好感を持った。直ぐにちゃんと謝るあたり、根は良い子なんだなと。

 そう、京佳が思っていると、四条から質問がきた。

 

「ねぇ、あんたはそういうのないの…?」

 

「え?」

 

「私みたいに、好きな男の子が自分以外の子と付き合うみたいなこと…」

 

「……」

 

 四条からの質問に京佳は少し考え―――

 

「そういうのは、まだ無いな…」

 

 'まだ無い’と答えた。

 実際、白銀とかぐやは恋仲では無いのでその通りなのだが。

 

「そっか…普通そうよね…無いわよね…」

 

 京佳の答えに四条は天を仰いだ。そして話を聞いてくれた京佳に、再び謝罪をした。

 

「…ほんと、ごめんね。いきなりこんな話を聞かされて…迷惑だったわよね…」

 

「いや、別に迷惑とは思ってないから大丈夫だ」

 

 京佳は四条の謝罪を受け取った。実際京佳は、驚いたり、戦慄したりはしたが迷惑とは全く思っていなかった。

 

「あー、でも…少しだけ、本当に少しだけすっきりしたわ…」

 

 京佳に愚痴を聞いてもらったおかげか、ほんの少しだけ四条の顔が明るくなった。本当に少しだけだが、数分前よりは間違いなくマシな顔である。

 

「ほんとに、ありがとね。こんな話に付き合ってくれて」

 

「構わないよ」

 

 四条のお礼の言葉を受け取った京佳は、水滴が沢山ついたペットボトルのお茶の蓋を開けて一口飲んだ。

 

「…飲むか?」

 

「…貰う」

 

 そして、先ほどまでずーっと喋り続けていた四条も喉が渇いているだろうと思い、ペットボトルを渡した。京佳からペットボトルのお茶を受け取った四条は、そのままグイっと一口飲んだ。やはり喋り続けていたせいで、喉が渇いていたようである。

 そして、ペットボトルの蓋を閉めて京佳に手渡している時に四条が口を開いた。

 

「あんた、本当に良い人ね…初対面の人に対して、こんな愚痴を黙って聞いてくれるなんて。やっぱ噂なんて結局噂でしかないって事がよくわかったわ」

 

「そうか。そう言って貰えると嬉しいな」

 

 京佳はペットボトルを受け取り、微笑みながらそう言った。実際、時と状況にもよるが、人から良い人と言われれば誰でも嬉しいものである。京佳の顔が笑顔になるのも当然だ。

 

(うっわ…笑顔超綺麗…てかかっこいい…)

 

 そして四条は微笑んだ京佳に一瞬だけ見惚れてながらそう思った。京佳は所謂、かっこいい系の美人である。そのため四条が見惚れるのも無理は無い。実際、少し前には同性に告白もされているし。

 

(って違うから!今のはただ綺麗なものを見て見惚れてただけだから!そんなんじゃないから!!私まだ翼君が好きだからぁぁぁ!!)

 

 一瞬とは言え、同性に見惚れていた四条は両手で頭を押さえながら決してそういう感情では無いと必死で否定した。

 

(急にどうしたんだこの子…?)

 

 そんな四条を京佳は隣で黙って見ていた。

 

 

 

 

 

 

「ところで、どうして面識のない私に話を聞いて貰おうと思ったんだ?」

 

「それが自分でもよくわからないのよ…なんていうか、親近感を感じたとしか…」

 

「…親近感?」

 

 

 




別にマキちゃんは落ちません。
次回は、ホーネットをお迎えしたら。

あと活動報告にちょっとしたアンケートみたいなのを書いてみました。よろしければそちらも見てください。
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