もしもかぐやに滅茶苦茶強力な恋敵がいたら・・・ 作:ゾキラファス
まさかの7000文字超えです。でも書いてて楽しかった。
「しかし、学園長には困ったものだな…」
「ですね…フランスから姉妹校の方々が来日するのを、まさかこんな直前に言うなんて…」
「全くだ。せめてもう数日前には言って貰らえばこんなに忙しく動くこともなかっただろうに…」
白銀、かぐや、京佳の三人は愚痴を言いながら、生徒会室の長机に置かれたダンボールを開けていた。3人が愚痴を言うのも仕方がない。何せつい数時間前に、秀知院学園の学園長に『三日後にフランスから姉妹校の人たちがくるのでその時行われる予定の歓迎会のセッティングを生徒会にお願いしたい』と言われたのだ。いくら何でも急すぎる。秀知院学園生徒会は決して暇ではない。故に愚痴を漏らしていた。
「皆さん、愚痴を言っていても仕方ありません!ここは交流会を成功させるべくひたすらに頑張りましょう!」
「まぁ、藤原書記の言う事は最もなんだが…」
ただ1人、藤原だけが前向きに事を進めようとしていた。彼女の言うと通り、こういう時は『口より手を動かせ』である。白銀もそれは理解していたが、やはり今回は愚痴のひとつでもいいたい気分だった。
「ところで藤原さん、本当にコスプレは必要なのでしょうか?」
かぐやが長机に置かれたダンボールから衣装を出しながら藤原に質問をした。
「勿論です!フランスは日本に次ぐコスプレ大国!日本の漫画はフランスでも大人気ですし、何よりコスプレに言葉は必要ありません!コスプレをすれば言葉は通じなくても心が通じ合えるんです!これ以上の策はありません!」
「そ、そうなんですか?」
かぐやの質問に興奮した勢いで答える藤原。実際フランスでは、日本のコ〇ケに位置するイベントが行われたりする程、日本の漫画が大人気なのだ。そのおかげか、コスプレをする人間も多くいる。藤原はそういう文化を使う事により、交流会を盛り上げようと考えていた。
そんな藤原の迫力に少したじろぎ、疑問符を浮かべるかぐや。彼女はそういった分野の知識が非常に乏しいためその反応も仕方ないのだが。
「しかし、コスプレか…やったことは一度も無いな」
「だな。俺も前に短期のバイトで着ぐるみを着たことはあるが、こういうのは無いな」
京佳は興味深そうに衣装を手にして、白銀は昔やったことがあるバイトを思い出していた。因みに白銀は、昔やったきぐるみのバイトは結構時給はよかったのだが、あまりにも体力を使う過酷なバイトだったため2度とやらないと決めている。
「会長はこの中の衣装だったらどれが好きですかー?」
「ん?この中から…?」
そんな時、突然藤原が白銀に質問をした。現在、生徒会室の長椅子と長机の上には複数のダンボールから出した様々な衣装が置かれていた。ナース服、ブレザー、警察官、有名なアニメのヒロイン服、昔のマンガの主人公服等々。それだけ衣装があるのならどれが気に入るのか聞いてみたいというものである。
(これは会長の服の好みを知るチャンスでは…!?)
瞬間、かぐやは閃いた。別にかぐや自身がコスプレに目覚めたわけではない、しかし、今後自分と白銀が恋仲になった時にこういった服の好みを知っていれば何かに使えると考えたのだ。
そしてかぐやは白銀の言葉を待っていたのだが―――
「いやこれだけあったら簡単には選べないぞ」
白銀は答えなかった。
それだけ服の種類が多くあったからである。人間というものは、あまりにも種類が多いと中々選べないものなのだ。
そんな白銀を見て、今度は藤原が閃いた。
「そうだ!だったら私たちが色々着てみますので会長はその中から気に入ったものを選んでくださいよー」
(!?)
この場に数多くある衣装をいくつか着替えるのでそれを見て欲しいと。それは例えるならば『デートに行った恋人が服屋で服を選ぶイベント』である。そんな展開をかぐやが逃すはずもない。
「それはいいですね。交流会の参考になるかもしれません。是非やりましょう」
そして藤原の案に賛成した。白銀の服の好みがわかるかもしれないし、もしここで白銀に一番似合っていると言われれば、そのまま白銀に告白させることも可能かもしれないと思ったからだ。
「私もいいぞ。一度コスプレというのをやってみたかったしな」
「賛成多数で決定ですね!」
京佳も藤原の案に賛成し、藤原が勝手に決を取り、コスプレ衣装に着替える事が決定した。
「そうと決まれば!ささっ!会長は少しの間だけ廊下で待っててください!着替えたら言いますので!」
「あ、あぁ。って、わかったら押すなって」
藤原は白銀の背中を押して廊下へと誘導した。
「白銀、一応言っておくが覗くなよ?」
「いやそんな犯罪者みたいな真似する訳ないだろ」
そんな白銀に京佳はちょっとだけ誘惑するように言葉を放った。最も、京佳は白銀がそんなマネをする訳ないとわかってて言っているのだが。
「じゃあ、まずはこれを着ましょう!」
「こ、これですか…?」
白銀を廊下に誘導した後の生徒会室では、藤原がダンボールの中からある衣装を取り出した。その衣装は、少しデザインは違うがかぐやにとって見慣れた衣装であった。
少しだけ抵抗があったかぐやだったが、藤原と京佳の2人が躊躇いなく着替え始めたのを見て、色々と覚悟を決めて着替え始めた。
数分後―――
「会長ー。良いですよー」
「で、では。失礼しまーす…」
藤原に呼ばれて、廊下で待っていた白銀がなぜか敬語になりながら生徒会室に入った。扉を開けるとそこには―――
「おかえりなさいませ!ご主人様!」
「お、おかえりなさい…」
「おかえりなさいませ、ご主人様」
満面の笑みでスカートの袖を摘まみ頭を下げるメイド服姿の藤原と、頬を少し赤くし両手をお腹のあたりで組んで少しだけ頭を下げるメイド服姿のかぐやと、右手を自身の左胸の方へ当てて頭を下げる執事服姿の京佳がいた。
(メイド服だぁぁぁぁぁ!?)
白銀は心の中で絶叫した。
秀知院学園の生徒の中には自分の家にメイドや執事といった使用人がいるのも珍しくない。しかし外部入学の混院の生徒であり、一般家庭育ちの白銀にとっては違う。メイドを生で見る事など先ず無いのだ。コスプレとはいえ、始めてみるメイドに内心テンションが上がり、叫ぶのも無理はない。
(や、やばい!!四宮のメイド服の破壊力がやばい!)
白銀はテンションが上がりっぱなしだった。藤原とかぐやが着ているのはいわゆるクラシックタイプのメイド服だ。黒い生地に長いロングスカート。白いエプロンドレス。胸元に赤いリボン。そして頭にはホワイトブリム。日本の大半の漫画やゲームに出てくるメイド服がそのままの姿で目の前にいるのだ。テンションの上がらない男などいないだろう。
(ってまずい!顔が緩みそうだ…!こうなったら…!)
白銀は舌を思いっきり噛むことでそれらの感情を顔に出さない様にした。口の中で鉄の味がしたが、特に気にしない。
そんなことより、この場で顔をだらしなく緩ませ、それをかぐやに色々と言われることの方がまずかった。
(危なかった…いやでもマジでイイなおい…!メイド服って生だとこんなに破壊力あんの!?)
未だメイド服のせいで内心テンションは上がっていたが。
「会長ー。どうですかー?かわいいですかー?」
「ま、まぁ…いいんじゃないか…?」
「えー。もっと詳しく感想言ってくださいよー」
藤原の質問に当たり障りなく答える白銀。ボロを出さないよう必死なためしょうがないのだが。
(メイドのコスプレって、結構恥ずかしいわね…)
一方かぐやは恥ずかしがっていた。普段、家の使用人たちで見慣れている服装だが、自分が人前で着るとなると話は変わる。正直、直ぐにでもコスプレを辞めたかったが、自分も藤原の考えに乗った手前、自分からもう辞めると言う事はできない。今はだた、耐える事にした。
そんなかぐやを視界から外し、白銀は京佳を見て質問をした。
「…ところで、何で立花だけ執事服なんだ?」
「…メイド服は2着しか無かったんだ。あと私の背丈じゃサイズが合いそうになかった」
「なるほど…」
メイド服の2人と違い、京佳は執事服を着ていた。白いシャツに上に灰色のウエストコート、その上に黒いジャケット。そして黒いネクタイに黒いパンツといった如何にもな執事服である。
京佳が顔の左側にしている黒くて大きい眼帯も合わさって、非常に似合っていた。まるで漫画に出てくる好敵手ポジションの敵キャラのようにも見える。
唯一執事っぽくない部分があるとすれば、その大きな胸くらいである。
「京佳さん、すっごくかっこいいですよー!」
「そ、そうか?」
「はい!とっても似合ってます!」
藤原は素直な感想を口にした。それほど京佳の執事服姿はかっこよかったのだ。京佳もその言葉は嬉しかったのだが―――
(私もメイド服みたいな可愛い服を着たかったんだがなぁ…)
少しだけ複雑でもあった。京佳とて年ごろの乙女。かっこいいよりかわいいと言われたいのは当然である。
「じゃあ、もう一回着替えますから会長は廊下に!」
「わ、分かった…」
藤原に言われ、今度は自分から廊下に出ていく白銀。
(次は何を着るんだ?ナース?巫女?それとも漫画のヒロイン?)
そして廊下で待っている間、様々なコスプレを思い浮かべていた。
白銀が廊下に出て数分後―――
「いいですよー。会長ー」
再び、生徒会室から藤原のOKサインが出た。1度深呼吸をして、白銀は扉を開けた。するとそこには―――
「じゃーーん!どうですかー?大正浪漫ですよー!」
夏物の着物に袴、そしてブーツを履くという和洋折衷な服装をした3人がいた。
(は〇か〇さ〇が通るだぁぁぁぁぁ!?)
白銀は思わず、昔妹と一緒にテレビの再放送で見たアニメを思い出した。因みに3人はそれぞれ違う色の着物と袴を身に纏っている。
藤原は桜色の着物に赤い袴、かぐやは緋色の着物に桜色の袴、京佳は白い着物の上に黄色い羽織を着ており袴の色は赤。どれも非常に似合ってた。
白銀はそんな3人を見て、まるで自分が大正時代にタイムスリップした気分になった。
「か、会長…」
そんな気分に浸っていた白銀にかぐやが近づき、
「どう…でしょうか…?」
若干上目遣いで首を少し傾けながら、自身のコスプレの感想を聞いてきた。先ほどはメイド服だった為、羞恥心で動くことはできなかったが今の服装なら問題ない。
かぐやは素直に白銀に感想を求めたのだが、動きが悪かった。無意識に男が好きそうな動きをしてしまったのだ。
結果―――
「い、いいと思うぞ…?」
(ぎゃっわえぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!)
白銀、キまる。
和洋折衷な服装とかぐやのかわいらしい動きにより、最早まともな考えができないくらいに白銀は思考回路がぶっ飛んだ。そして再び顔が緩みそうになっていた。
(まずい!また顔が緩みそうだ!ここは四宮以外を見て心を落ち着かせねば…!)
白銀は直ぐに顔ごと視界をずらした。
しかしそこには―――
「どうだ白銀?似合っているか?」
両手を後ろで組み、少し前傾姿勢で白銀を見る京佳がいた。
「に、似合っていると思うぞ…?」
(あ…ヤバイ…四宮もヤバイが立花も同じくらいヤバイ…いやマジヤバイ…)
白銀、語彙力を失う。
安全圏に逃げたと思ったら突然奇襲攻撃を食らった気分である。しかも前傾姿勢のおかげで身体の一部分が重力に従い、いつもより強調されてた。
「か、会長…?何で私を睨んでいるんですか…?」
「……睨んでなどいない」
「いや睨んでますよねそれ!?顔怖いんですけど!?」
結局白銀は藤原を見て平常心を保つことにした。
(会長、さっきから普通の事しか言わないわね…この私のコスプレを見たのだから『最高に似合っているぞ四宮!!』くらい言うべきでしょう!!)
かぐやは少し腹を立てていた。
先ほどから白銀が当たり障りのない事しか言わないからである。割と恥ずかしい思いをしながらコスプレをしているのに、これでは割に合わない。
そこでかぐやはある事を思いついた。
「そうです。私たちだけでは不公平です。是非会長も着替えてください」
「え?俺もか?」
すなわち、白銀にコスプレをさせようという事である。建前としては、自分たち女子だけがコスプレをして、男子が見ているだけというのは不公平だ。ならば男子にもコスプレをさせ、女子がそれを見れば公平としようという事にして。
本音は先ほどから普通の事しか言わない白銀へのささやかな仕返しと、白銀のコスプレ姿を見てみたいというものだが。
「いいなそれは。私も白銀のコスプレを見てみたい」
「同じくです!」
幸い、京佳と藤原は賛同してくれた。こうなっては白銀も『自分はコスプレをしない』という事は出来ない。
「まぁ、確かに俺だけ着替えないのは不公平だな。わかった。俺も着替えよう」
白銀は自分もコスプレをすることを宣言した。
「じゃあ私たちは廊下で待ってますねー」
「…え?その恰好でか?」
藤原はそう言うと、かぐやと京佳の2人を連れて和洋折衷な服装のまま廊下へと出て行った。生徒会室には白銀と、様々なコスプレ衣装と、長椅子の隅に綺麗に畳まれている秀知院学園の3人分の女子制服のみとなった。一瞬だけ白銀は女子制服に目を向けたが、直ぐに視界を移動させた。なんか変な事を考えそうだったからである。
そして白銀は何を着ようか悩んでいると、あるコスプレ衣装が目に入った。
「とりあえず、これにするか」
白銀はそのコスプレ衣装を手に取り着替え始めた。
「着替えたぞ。入ってきてくれ」
数分後、白銀が廊下で待っている3人に声をかけた。
「じゃあ入りますねー」
そう言いながら藤原が生徒会室の扉を開けた。扉を開けたそこには―――
「おかえりなさいませ、お嬢様方」
「おお!執事服ですか!」
執事服を着た白銀が居た。
「ふふ、似合っているぞ白銀」
「ふむ、そうか。ありがとう」
京佳の言う通り、白銀の執事服姿は似合っていた。この姿のまま執事喫茶でバイトをすれば常連ができそうなくらいには。
(え!?なにあれ!?ほんとなにあれ!?何時もの5倍はかっこよく見えます!!超似合ってる!!とうか今すぐうちで雇いたい!!)
白銀の執事服姿を見たかぐやはテンションが上がりまくっていた。かぐやは今まで制服姿の白銀しか見た事が無い。故に普段見る事など無い執事服姿の白銀のギャップにやられたのだ。
そして思考回路が著しく低下し、普段ならするはずのない妄想をし始めた。
以下妄想
『おかえりなさいませ、かぐやお嬢様』
『かぐやお嬢様、紅茶をお持ちいたしました』
『おやすみなさいませ、かぐやお嬢様』
『おはようございます。かぐやお嬢様』
『行ってらっしゃいませ、かぐやお嬢様』
(あ、いい…)
かぐや、キまる。
(これは絶対に記録に残さなくては!!でも私の携帯じゃ画質が!!)
かぐやは何とか今の白銀を記録媒体に残したかった。しかしガラケーでは画素数が低い。仮にガラケーで記録を残したとしてもそれでは納得などできない。
他の手段は無い物かと考えていると―――
「会長、写真撮ってもいいですか?」
「ん?別に構わないぞ。ただネットとかには上げるなよ?」
「そんなことしませんってー」
(ナイスよ藤原さん!やっぱりあなたは私の大事な友達ね!)
藤原がスマホを取り出して白銀の写真を撮ろうとし、白銀が許可を出すという展開が起こった。かぐやにとっては願ってもないチャンスである。
だが、少しだけ予想外の事が起こった。
「じゃあかぐやさんと京佳さんも入ってください」
「え?私もですか?」
「はい!」
「それなら藤原が撮り終わったら次は私が写真を撮ろう。代わりに藤原が入るといい」
「わー!ありがとうございます京佳さん!」
藤原は白銀、かぐや、京佳の3人を一緒にスマホで撮ろうとしていたのだ。
実際、今の3人は並ぶと非常に絵になる。かぐやと京佳は和洋折衷な服装をしており、白銀は執事服だ。まるで昔の女学校に通う生徒とその執事である。個別に写真を撮るよりこっちのほうがいいと思うのも仕方がない。
(できれば会長との2ショットか会長だけのがよかったけど、まぁ仕方ないですね…)
かぐやもこればっかりは仕方がないと割り切り、大人しくすることにした。そして白銀を中心にし、左右にかぐやと京佳が並び、藤原がスマホを構えた。
いざ藤原が写真を撮ろうとした時、藤原がある事に気づいた。
「あれ?会長?」
「どうした藤原書記?」
「その執事服、さっき京佳さんが着ていたものじゃないですか?」
「…え?」
(は?)
白銀が今現在身に着けている執事服が、先ほど京佳が着ていたものではないかと言うのだ。それを聞いた白銀は動きが止まり、かぐやは白銀の方に顔を動かした。そして京佳は白銀が着ている服を凝視し始めた。
「…そうだな。白銀が今着ている執事服は、先ほど私が着ていたやつだ…」
「……マジで?」
「あぁ…」
藤原の勘違いなどでは無かった事が判明した瞬間だった。
(うおぉぉぉぉぉ!?マジかぁぁぁ!?どうりで着た時少し温かいなぁって思ったんだ!!や、やばい!!そう言われたらなんか変な気分になってきた!?そういえば、なんか良い匂いがするような…?って、落ち着け俺!!これじゃただの変態じゃないかぁぁぁ!?)
白銀は焦った。
先ほどまで知り合いの異性が着ていた服を着るなんてまさに変態の所業であるからだ。何とかこの危機を脱しなければ、生徒会長としての地位と名誉が地の底まで落ちかねない。しかし焦るばかりで考えが纏まらない。
「会長…?ひょっとしてわざと…」
「待て四宮!!わざとじゃない!わざとじゃないんだ!!本当に偶々この服が目立つ場所にあったからで…!!」
そしてかぐやが真顔で白銀に詰め寄り、詰め寄られた白銀は苦しいが弁明を始めた。
(すまん白銀。少しやりすぎた…)
白銀がかぐやに弁明をしている中、京佳は心の中で白銀に謝罪をしていた。
どうしてか?
それはこれが京佳が仕組んだことだからである。
白銀がコスプレをすると言ったあの時、京佳は皆に気づかれない様に自分が着ていた執事服を、机の上のなるべく目立つ場所に置いていたのだ。少しでも自分を意識させるため、白銀がその服を着る事を願い。
結果として、白銀は京佳が来ていた執事服を着たのだが、そのせいで男として少々まずい展開になっていた。
(全く馬鹿か私は…!少し考えたらわかったことじゃないか…!)
京佳は自分の考えの甘さを反省をした。
いくら白銀に自分を意識させようとした事とはいえ、こんな展開は望んでいない。
(暫く、こういう事はやめておこう…)
元より勝機が薄い恋だ。故に打てる策は何でも打つのが京佳である。しかし、今回のは少々やりすぎてしまったと感じた。このままでは本当に白銀が変態と呼ばれかねない。故に、しばらくはもっとさりげない事をしようと決めた。
(とりあえず、白銀の名誉を守る為何とかしよう…私が撒いた種だし…)
未だかぐやに弁明をしている白銀を弁護するために京佳は動き始めた。
その後、京佳の弁護と白銀の必死に弁明により何とか誤解は解けて白銀は生徒会長として、1人の男としての名誉を守る事はできた。
毎日投稿している人たちって本当にすごいと思う。
次回はツシマを救ったら。