もしもかぐやに滅茶苦茶強力な恋敵がいたら・・・ 作:ゾキラファス
私です。
そんな訳で京佳さんの誕生日回。なお突貫工事の模様。
「なぁ、藤原。これは何なんだ?」
「まぁまぁ気にしないで」
「いや無理だから。あと何も見えないって怖いんだって」
「そこはごめんなさい。でも耐えて下さい」
「えぇ…」
現在京佳は、目隠しをされた状態で生徒会室のソファに座っていた。正確には座らせれていた。放課後になり生徒会室に向かっていた京佳だったのだが、生徒会室の扉前で、突然藤原に声をかけられた。
『京佳さん。何も聞かずにこのアイマスクをしてください』
意味がわからなかった。何故突然そんな事をされないといけないのか。しかし相手はあの藤原である。今までも意味がよくわからない奇行を沢山してきた。なので今回もそんな感じだろうと思い、京佳はアイマスクをした。
そしてアイマスクをした京佳の手を藤原がゆっくりと引き、生徒会室のソファに座らせれたのである。
「さて京佳さん!突然ですが問題です!」
「本当に突然だな」
「1, 16,16,12,5=リンゴと読みます!では8, 1, 16,16,25,2,9,18,20,8,4,1,25=では何て読むでしょうか!?お答えください!!」
「何だって?」
未だに意味がわからない状態でいる京佳に、藤原がいきなり問題を提出してくる。しかもクイズではなく謎解き。
「すまない。もう1回頼む」
「1, 16,16,12,5でリンゴと読みます!では8, 1, 16,16,25,2,9,18,20,8,4,1,25では何て読むでしょうか!?お答えください!!」
「……できれば紙に書き残したいな」
考える京佳。どうやら数字が何かの言葉になるらしい。ヒントは最初に言ったリンゴだろう。
「因みに制限時間は?」
「特にはありませんよ~」
「そうか。なら少し時間をくれ」
「はい~」
制限時間が無いのでゆっくり考える事ができる。京佳は1度足を組んでから考える。
(リンゴは3文字。言った数字は5文字。文字数が合わないから直接その数字でリンゴとは読まないんだろう。ならば何かに訳しなおすのか?ローマ字とか?)
どうあっても数字をリンゴとは読めない。ならば何か法則がある筈である。なので京佳は数字を別の何かに置き換える事にした。
(ローマ字…動物…果物…国名…人名…英語…英語?)
色々考えていや京佳だったが、先程の数字をアルファベット順に置き換えるという事を閃いた。
(そうだ!数字をアルファベットにして、それをAから数えて行けば、最初の数字はアップル!リンゴになる!)
つまり、A=1。B=2。といった事である。という方法で、先ほどの数字を置き換えると、
(h、a、pp、y、b、i、r、t、h、d、a、y…ハッピーバースデー?)
Happy Birthdayとなる。
「答えは、ハッピーバースデーか?」
「そうです!さぁ!アイマスクを取ってください!」
藤原に言われ、装着していたアイマスクを取る京佳。
「京佳さん!お誕生日おめでとうございます~!!」
「立花先輩!おめでとうございます!」
すると藤原や伊井野が、クラッカーを鳴らしながら祝福の言葉を述べた。周りには同じようにクラッカーを鳴らす白銀、かぐや、石上もいる。更に机の上にはチョコレートケーキがひとつ。その上にはデフォルメされている、砂糖菓子で作られた京佳もいる。
「えっと、これは?」
「本日が京佳さんのお誕生日だと聞いてたので、こうして皆でお祝いする事にしたんですよ~。因みに私が計画しました!」
11月11日。この日は京佳の誕生日。それを知った藤原は、生徒会の皆でお祝いをしようと言い、こうして生徒会室で誕生日を祝う事となったのだ。
「おめでとう、立花」
「おめでとうございます。立花さん」
「先輩、おめでとうございます」
藤原たちに続き、白銀達も京佳に祝福の言葉を贈る。
「ふふ、ありがとう皆」
突然の出来事に、少しだけ泣きそうになる京佳。それだけ、祝われるのが嬉しいのだ。
「では、先ずはロウソクの火を消すところからですね。直ぐにこのチャッカマンで火を点けるので少々お待ちを」
「あの藤原さん。それなんですが、流石に学校内で火を使うのはダメなんで、ロウソク消しは無しですよ?やるにしても真似だけです」
「ええーーー!?」
誕生日の定番と言えばロウソウ消しだ。しかしここは学校。調理室ならいざ知れず、生徒会室では流石に火気厳禁である。何かの拍子で火事になる可能性も0では無い。
「ダメなんですか!?誕生日といったらロウソウ消しじゃないですか!?」
「確かに藤原の言う事もわかるが、流石にここで火はなぁ…」
「藤原、私は気にしてないからいいよ」
「うう~~。本日の主役の京佳さんがそう言うなら仕方ありません…。チャッカマン使いたかったのに…」
(ひょっとして藤原さん、ロウソクに火を点けたかっただけじゃ?)
かぐやは藤原の目的を何となく察したが口にしなかった。今はそんな事より誕生日を祝う事である。
「じゃあ、真似だけでもするか…」
京佳が火の点いていないロウソウが刺さったケーキに顔を近づける。
「ふぅー…」
そして火を消すふりをする。
「では改めて。京佳さん、お誕生日おめでとうございます~!」
藤原が拍手をしながらそう言うと、周りにいた生徒会メンバーも拍手をする。
「ああ。本当にありがとう皆」
京佳は嬉しそうな表情で、その拍手を受け入れた。
「ところで、このケーキはどこで?」
「これは私とかぐやさん、そしてミコちゃんによる手作りですよ~」
「手作り!?」
「そうだったのか!?」
「マジっすか!?」
「ケーキはそこまで難しくはありませんよ」
「ですね~。スポンジ焼いてチョコ塗るだけですし」
生徒会のメンバーは今、京佳の誕生日ケーキを切り分けて食べている。そしてこのケーキはかぐや達の手作りとの事。それを聞いた京佳たちは驚いた。
だってかなり作りこまれているケーキである。京佳も料理はできるが、こんなケーキを作ることは出来ない。
「凄いな。これだけのものを作るなんて」
「えへへ~。かぐやさんのおうちで頑張ったんですよ~。京佳さんに美味しいケーキを食べてほしくて」
「そうですね。立花先輩にはお世話になっているので、私も頑張りました!」
(伊井野さんは殆ど試食係でしたけどね)
ケーキ作っていた時、基本ちゃんと3人で作っていたのだが、試食の時だけ伊井野がかなり食べていた。それこそ1人で8号のケーキを食べれそうな勢いで。この小さい体のどこにあれだけの量が収まるのか本当に謎である。
「ケーキを作れる女子っていいですよね」
「だな。男の理想だよ」
ケーキを食べながら、石上と白銀がそんな会話をする。実際男にとって、ケーキを作れる女子というものは理想像のひとつだ。
(ケーキか。これ程凝ったものは作った事なんてないが、今度練習してみようかな?)
それを聞いた京佳は、今度目の前にあるようなケーキ作りに挑戦してみる事にした。
「ふぅ。本当に美味しかった。ありがとう皆」
「いえいえ~」
ケーキを食べ終わった6人。今はコーヒーや紅茶を飲みながら一息ついている。
「さて、それではプレゼントタイムと行きましょう!」
が、藤原はそんな暇など与えないとばかりに事を次に続ける。それは誕生日のメイン、誕生日プレゼントだ。
「ケーキだけじゃなくてプレゼントまであるのか?」
「勿論です!誕生日プレゼントの無い誕生日なんて誕生日じゃありませんから!」
手作りのケーキを作って貰っただけでも嬉しい事なのに、誕生日プレゼントまである事に京佳は驚く。そして藤原の言葉を聞いた白銀達は、それぞれプレゼントを用意する。
「では、先ずは私から」
トップバッターはかぐやだ。かぐやは手にしていた箱を京佳に渡す。
「改めて、お誕生日おめでとうございます立花さん」
「ありがとう四宮。開けてもいいかな?」
「勿論です」
京佳はかぐやから受け取った箱を開ける。
「これは、ボディソープ?」
「はい。同性の私から見ても、立花さんは非常に綺麗な肌をしていますので。これは某有名メーカーの品で、肌の汚れを完璧に落とす事が出来るんですよ。どうかこれでその肌の綺麗さを保ってください」
かぐやが京佳にプレゼントしたのはボディソープだった。しかもかなり高いやつ。
「ありがとう四宮。さっそく今日のお風呂で使うよ」
「ええ。そうしてください」
京佳は嬉しそうにかぐやにお礼を言う。
「次は僕が」
今度は石上だ。石上が京佳に送ったプレゼントは、
「何だこれ?枕?」
「マッサージ器です」
枕の様な形をしているマッサージ器だった。
「正直何を送ればいいか悩みました。僕、異性に誕生日プレゼント送った事とか無いんで。もしいらないって思ったら遠慮なく言って下さい」
「いやそんな事言わないよ。でもどうしてこれを?」
「前に立花先輩が肩が凝っているって言ってたのを思い出したので」
それは七夕での事だ。なお、京佳が肩が凝っている原因は胸である。
「成程。ありがとう石上。大切に使うよ」
「どうしたしまして」
京佳が嬉しそうに受け取ってくれたのを見て石上はほっとしていた。初めて異性に送った誕生日プレゼントだったので、不安でいっぱいだったのだ。
「次は私です!」
3番目は伊井野。この中では1番京佳との付き合いが短い彼女が送ったものは、
「立花先輩には、この眼帯をプレゼントします!」
「え?」
京佳のトレードマークともいえる眼帯だった。
「これは通気性が良いので蒸れる事がありません。しかも丈夫で軽いので雑に扱っても大丈夫。更に水洗いも可能です。どうぞ!!」
「あ、ありがとう伊井野」
まさか眼帯をプレゼントされるとは思わず驚く京佳。しかし伊井野も真剣に考えてプレゼントをしてくれたのだろうと思い、ややひきつった笑顔で受け取る。
「流石にここでは付けないけど、後で付けてみるよ」
「はい!」
その後、伊井野から貰った眼帯を付けたら本当に通気性が良くて蒸れなかった。なお後になって京佳も知るのだが、伊井野がプレゼントした眼帯は1万円するらしい。
因みに普段京佳が使っているのは、高くても2千円くらいである。
「じゃあ次は私ですね~」
4番目は藤原。その両手には大きな袋があった。
「どうぞです京佳さん!」
「ありがとう藤原。開けても?」
「はい!勿論です!」
大きな袋を受け取った京佳はそれを開ける。すると中から大きな耳が見える。
「ぬいぐるみ?」
「はい!くまさんのぬいぐるみです!」
藤原からのプレゼントはくまのぬいぐるみだった。それも大きさが30cmはある。
「やっぱり女の子にはぬいぐるみが1番って思いまして。部屋に飾るなり一緒に寝るなり好きに使って下さい!」
「……なぁ藤原」
「はい?」
「何でこのぬいぐるみ全身に包帯巻いているんだ?」
そして何故か全身に重体を負った人みたく包帯を巻いていた。しかも片手には松葉杖。正直少し怖い。
「なんかそのぬいぐるみ、地方のマイナーなキャラクターらしいんですよね。何度怪我しても立ち会がるっていうのがコンセプトの。だから包帯巻いているんですって」
「な、成程…」
流石藤原と言うべきか。他のメンバーのように普通のプレゼントは渡さなかった。だがこれも彼女なりの善意である。少し狂気を感じるデザインだが、京佳はきちんと受け取った。
でも部屋に飾るのはやめる事にした。怖いから。
「あれ、かわいい…」
「は!?」
そして伊井野はそのぬいぐるみを見て可愛いと言っていた。石上は普通に引いた。
「じゃあ、最後は俺だな」
トリは白銀。京佳にとっても、1番楽しみにしている番だ。
「どうぞ、立花」
白銀が京佳にプレゼントしたのは、青い財布だった。
「財布?」
「立花の財布って、口の部分が少し緩くなっているって前に言っていただろう?財布は日ごろから使うものだし、これが1番だと思ったんだ。まぁあんまり高いものじゃないが」
白銀の言う通り、京佳の財布は口の部分のファスナーが少し緩んでいた。これではいつ壊れるかわからない。なので近いうちに財布を買い替えようと思っていたのだ。つまり白銀のこのプレゼントは、まさに最高のタイミングである。
「これはいいな。前のより丈夫そうだし。ありがとう白銀」
「おう」
笑顔で白銀にお礼を言う京佳。とても嬉しそうである。
(本当に嬉しい!白銀からこんな良いプレゼント貰えるなんて!この財布は絶対に大切に使おう!)
でも内心では飛び跳ねそうなくらい凄く喜んでいた。好きな人から貰えたプレゼント。しかも今の自分が1番欲しかった財布。これを嬉しがらない人などいないだろう。勿論白銀からだけではなく、全員のプレゼントが嬉しいが。
「あと、これは圭ちゃんから」
「圭から?」
「本当は直接渡したかったらしいんだが、今日ちょっと用事があるから」
白銀は妹である圭からのプレゼントを京佳に渡す。それはハンドクリームだった。
「お誕生日おめでとうございますだってさ」
「そうか。後で圭にお礼の電話しておくよ」
京佳は夜、圭に電話をしようと決める。
「皆。本当にありがとう。全部大切に使うよ」
京佳は改めて全員にお礼を言う。
(今年は本当に、最高の誕生日だな)
去年は他校に通う幼馴染と母親、そして白銀の3人からプレゼントを貰ったが、今年はそれの比じゃないくらい沢山のプレゼントを貰った。京佳はそれが本当に嬉しかった。童心に帰った気分でさえある。
(今日は良い夢見れそうだ)
こうして京佳の誕生日は最高のものとなったのだった。
「ところで立花。どうやってその量持って帰るんだ?」
「…………どうしよう?」
その後、かぐやに送って貰う事で事なきを得た京佳だった。
「それで、どうでしたかぐや様?」
「成功よ。ところで会長は?」
「立花さんのお誕生日を祝った後、そのままビル清掃のバイトへと向かいました」
「そう」
四宮家別邸のかぐやの部屋では、かぐやと早坂が話をしていた。内容は、本日行われた京佳の誕生日についてである。
「にしても、態々こんな事する必要ありましたか?」
「あくまでも念のためよ。それに、立花さんを祝いたいって気持ちは本当だし。こっちの方が祝われた方も色々と嬉しいものでしょ?」
「まぁそれは」
何やら意味深は会話が続く。
実は本日の京佳の誕生日、計画したのは藤原なのだが、それを仕向けたのはかぐやなのだ。
藤原と話している時に京佳の誕生日の事を話し、それを聞いた藤原は京佳の誕生日を祝いたいと言い出す。結果、こうして誕生日を祝う事となったのだ。態々そんな事をした理由はひとつ。
「別に白銀会長の方から立花さんと2人っきりで誕生日を祝いたいなんて言い出さないと思いますが」
「だから念のためだって」
京佳に白銀だけから誕生日を祝わせたくなかったからである。勿論これはあくまで可能性の話だ。そもそも今の白銀に、女子と2人きりで誕生日を祝う事なんで不可能だろう。
だが、もし京佳と白銀が2人きりで誕生日を祝い、それがきっかけで2人が付き合い出すようになったら目も当てられない。
故にかぐやは『生徒会の皆で祝いたい』という大義名分の名の元に、それを阻止する事を計画。その結果が放課後の出来事である。
「もう1度言うけどね早坂。私自身、立花さんを祝いたいって気持ちは本当なのよ?彼女は私が認めた友人なんだから」
「そうですか……はぁ」
「ため息やめなさい」
無論かぐやとて、友人と認めている京佳の誕生日を祝いたいという気持ちは本物である。だがどうしても最悪の可能性を頭から消す事が出来ず、こんな事をしちゃっているのだ。
「ま、立花さんも喜んでいたし、この話はもうおしまいよ」
「わかりました。それでは私はこれで」
「ええ。おやすみなさい早坂」
理由はどうあれ、京佳を祝えた事に不満なんて無い。早坂もこれ以上この話をしてもしょうがないと思い、話を続けるのをやめた。
そして早坂はかぐやの部屋から出て行き、そのまま別邸内の自室へと行くのだった。
「……」
自室へとたどり着いた早坂は、机の引きだしを開けて綺麗に包装されている箱を取り出す。
「はぁ…」
それは京佳への誕生日プレゼントだ。友人なら、このプレゼントを京佳へと渡すべきなのだろう。しかし今の早坂は、それが出来ずにいた。
何故なら、早坂にとって京佳はスパイ対象だからだ。
主人であるかぐやと同じ人を好きになっている京佳。そんな京佳に近づき、色々情報を探り、それをかぐやの作戦へと役立てる。最も、あまり役にたっていないが。
「ほんと、どーしよこれ…」
友人として渡すべきか、スパイ対象にこれ以上親しくしないとするべきか悩む早坂。
結局答えは出ず、早坂は早めに就寝するのだった。
最後の方はとっさの思いつきで書いたんで後で編集するかも。
そろそろお話進めないといけないね。
次回も頑張りたい。
読んでみたいお話とかありますか?
-
動物園デート(かぐや)
-
少しえっちぃやつ(京佳)
-
中身が入れ替わるお話(かぐやと京佳)
-
1学期の短編集
-
マキちゃん関係
-
いいから全部書け