インフィニット・ストラトス〜転生者はMSを纏う   作:アーマードウイング

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新年、明けましておめでとうございます!!

できれば年越す前に投稿したかった……っ!!



今回も更新が遅くなってすいません……タグに亀投稿つけようかな……。


それではどうぞ!!


こうして(やっと)一日は終わる

キーンコーンカーンコーン

 

 

「あ〜〜〜終わった終わった」

 

 

授業の終了をつげるチャイムが鳴り、俺は大きく伸びをする。

といっても、放課後でも女子たちが見に来てるもんだから、針のむしろっていう状況は変わらないんだけどな。

 

 

「ほら、いつまでもうなだれている場合じゃないぞ一夏」ペチペチ

 

 

「うぅ……………」

 

 

それとは反対に、机に突っ伏してうなだれている一夏を叩き起こす。

 

クラス代表決定戦が決まったあの後、一夏は真面目に授業を受けていたんだが、授業の内容や専門用語がわからなくて全然授業についていけず、今みたいに授業が終わる度にグッタリしている……元はと言えば参考書を捨てた一夏の自業自得なんだけどな!

 

 

「秋良が編入してくれてホントによかった。これがもし俺だけだったらと思うとどうなっていたことか……」ブルブル

 

 

その時の状況を想像したのか、一夏は若干身震いをしている。まぁ女子校に男一人なんて肩身が狭いどころじゃないしな。

 

 

 

「あっ、織斑くんと神凪くん!まだ教室にいたんですね」

 

 

「はい?(ん?)」

 

そんな中、書類を片手に教室に入ってきた山田先生が声をかけてきた。

 

 

「えっとですね、寮の部屋割りが決まったのでカギを渡しに来たんですよ。あっ、部屋番号はこの紙に書かれてますからね」

 

 

「あっ、どうも」

 

 

 

そう言って俺と一夏は山田先生から紙と部屋のカギを受け取った……ってしまった、寮のことすっかり忘れてた。

 

何でもIS学園は全寮制らしく、生徒は寮で生活することが義務づけられているとのこと……といっても寮で暮らすことを考えてなかった俺は当然着替えとか荷物を持ってきているわけがない。

 

さて、どうするか……寮の部屋はわかってるから後で束さんに頼んで送ってもらおうかな?

 

そのためにも俺は部屋番号を確認するのだが……

 

 

 

「部屋番号は……1024か」

 

 

「俺も1025………あれ?」

 

 

まさかの部屋が一緒じゃないという事態、なして?

 

 

 

「山田先生、こういうのって俺と秋良は同室だったりしないんですか?」

 

「その……本当でしたら織斑くん達は同室の予定だったんですけど、先ほど政府から特命で"神凪君には何がなんでも個室を用意するように!"って連絡を受けまして…」

 

「は、はぁ……」

 

 

山田先生は申し訳なさそうに事の詳細を話してくれたが……何故にそんなVIP待遇?一夏は羨ましそうに俺を見ているが、俺からしたら何か裏がありそうで怖いんだが……。

 

 

「申し訳ありませんが、織斑くんだけ女子と相部屋という事に…あっ!でも一ヶ月もすれば織斑くんにも個室を用意できますから、それまで我慢してください」

 

 

「……部屋の事はわかりましたけど、荷物は一回家に帰らないと準備できないですし、今日はもう帰ってもいいですか?」

 

 

「あっ、いえ荷物なら―――」

 

 

「私が手配してやった。まぁ生活必需品だけだが、着替えと携帯電話の充電器があれば十分だろう」

 

 

「あ、ありがとうございます」

 

 

山田先生が何か言おうとした矢先、千冬さんが現れて事情を説明した。手配したって大雑把すぎません?一夏なんか苦笑いしてますぜ。

 

 

「神凪、制服と教科書は先ほどお前宛に届いた荷物と一緒に部屋に運び込んであるから後で整理しておけ」

 

 

「え?…わ、わかりました」

 

 

何か今日はやたらと千冬さんの世話になっていて、何だか申し訳ない気持ちなんだが…それよりこのタイミングで俺宛の荷物ってもしかして束さんか?まさか俺だけ個室ってのも……後で連絡とってみるか。

 

その後は山田先生から食堂の利用時間とか色々聞いて、話は大浴場の話になったわけなんだが……

 

 

 

「最後にですね、織斑くん達は今のところ大浴場を使うことが出来ません」

 

あーやっぱりか。出来たら風呂に入ってゆっくりしたいけど、まぁしょうがないか。

 

 

 

「何でですか?」

 

と、そこで思いがけない意見が出てきた。

 

………一夏って時折スゲェ事を言うよな……大胆なのか考えなしなのかはわからんけど。千冬さんは呆れた表情をしてるうえに、山田先生に至っては一夏の発言に動揺してテンパってるし。

 

 

「馬鹿か。お前は同年代の女子と一緒に風呂に入りたいのか?」

 

 

「だっ、駄目ですよ織斑くん!女子とお風呂に入りたいなんて!?」

 

 

 

あれ、何か嫌な予感………

 

 

 

「い、いや、"入りたくない"です」

 

 

 

 

 

 

 

「全員そこを動くなぁっ!!!!」

 

 

「「「「「…………っ!!!?」」」」」ビクッ!!

 

もはや反射的にとしか言いようがなかった。

一夏が言ったと同時に俺が突然叫びだしたもんだから、教室にいる人は全員びっくりしていた。いや、千冬さんだけは特に反応せず、むしろ状況を察して、慌ててる俺をニヤニヤと笑いながら眺めている。さりげなくヒデェな千冬さんッ!?

 

 

 

「いきなり叫んだのは悪かったが、妙な気は起こさないでくれよ。まずはゆっくりその手に持っている携帯をしまって、手を頭の後ろに組むんだ」

 

 

「「「「く………っ」」」」

 

 

 

俺の警告で教室に残っていた女子達は手に持った携帯を仕舞っていくが、それでも女子たちへの警戒は解かないように注意を払う。

 

自分の行動が一瞬でも遅かったらと思うと内心冷や汗が止まらなかった……女子の情報網はマジで洒落にならないからな、それに入学初日に学校中にあらぬ噂が広がるだなんて事になったら目も当てられねぇよ。

 

 

 

「びっくりさせてスイマセン先生方。それと山田先生、一応言っておきますけど一夏が言ったことは先生が思っているような事ではないので…だよな一夏!」

 

「お、おう。それは勿論……」

 

よし、一夏も話の流れに乗ってくれたおかげで何とかフォローはできた。後は女子達の誤解を解ければ―――

 

 

 

「そ、そうですよね。すみません、私ったら"織斑君が女の子に興味がない"ものかと」

 

 

カチカチカチカチカチ!

 

 

「誰が動いていいと言ったっっ!!!!」

 

 

山田先生の誤解をうむ発言のせいで、女子たちは俺の制止を振り切って携帯を操作して連絡しようとするのが何とか抑える。

 

山田先生、それは出来れば口に出さないで欲しかったっ……!!

 

くっ!早く何とかしないと俺だけじゃあ抑えるのも限界だ!!

 

 

「落ち着いて聞いてほしい。さっきのh」

 

「言い忘れていたが」

 

もはや手遅れかもしれないが何とか誤解を解こうとした矢先、千冬さんが割り込むように話しだす。

 

何故だろう……千冬さんの後ろに某外道麻婆神父の幻影が見えるんだがッ……(汗)

 

 

「今のところお前たちは大浴場を利用できないが、時間帯の調整ができればお前たちも大浴場を使えるようになる」

 

 

千冬さんッッッ!!!!!それを聞いて一夏が反応しないわけが―――

 

 

「おお!やったな秋良!そん時は大浴場に’’一緒に入ろうぜ’’!!」

 

 

いやお前空気読めよ!!いや読んでるけどさぁっ!!?

 

 

 

 

カチカチカチカチカチカチカチッ!!!

 

 

「あ…ああ……」

 

 

ドサッ!!

 

 

 

「ちょっ!?秋良!?」

 

「神凪君!?」

 

 

一夏の言葉を皮切りにクラスの女子達が一斉に携帯でコールしている光景を見て、俺はその場で崩れ落ちるように膝をつく。教室の中や外ではすでに「織斑君と神凪君の中学時代の交友関係を洗って!今すぐ!」とか「今年の夏は秋×夏、いえ!夏×秋で決まりよ!!」等と大騒ぎしているのが、俺の耳にはその騒ぎがドラ○エパーティーが全滅した時のBGMに聞こえてならない……っ!

 

 

―――終わった…もうここからの巻き返しは不可能だ―――ッ!!!

 

 

 

 

「お、おーい…秋良ー大丈夫かー?」

 

 

「え、えーと、あの…お、織斑先生?これはどうしたら………」

 

 

「なに。そいつなら時間が経てばすぐに持ち直すだろうさ……ククッ」

 

 

教室が騒ぐ中、最後に見たのは俺が動かないのを心配する一夏と山田先生、そして笑いをこらえている千冬さんだった。

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

――IS学園寮 1024号室――

 

 

 

「あ〜〜……疲れた」

 

あの後、何とか気を取り直して学園から学生寮に向かい、部屋の前で一夏と別れてから

部屋の中に所々置かれているダンボールの山を素通りしながら、ネクタイを緩めてスーツを近くの椅子に掛けて、シャツとズボンという格好でベットの枕に頭から突っ込んでいる。

 

……はたから見たら自宅帰りのサラリーマンっぽいなコレ。

 

「にしてもふかふかだなこのベット。流石は国立、良いもん使ってらっしゃる」

 

そう言ってベットの柔らかさを堪能しながら、シャワーでも浴びてもう寝てしまおうかと考えていたその時、

 

 

ゴソゴソ

 

 

「ん?」

 

何処からか物音がする。

 

 

ゴソゴソゴソ

 

「……あのダンボールからか」

 

耳を凝らして音の発生源を探すと、周りにあるダンボールの山の一つから聞こえる。俺はベットから起き上がって音がするダンボールに近づいて行き、音源のダンボール蓋を開けると中には―――

 

 

パカッ

 

 

『アキラ!アキラ!』

 

 

「…………」

 

 

俺の事を確認したハロは嬉しそうに耳をパタパタさせているが、俺としては束さんのラボにいるはずのハロがダンボールに梱包されて送られてくるという事実に何とも言えなかったが、取りあえずハロをダンボールから取り出す。

 

「ん?」

 

その際、ハロが入っていたダンボールの中に、ウサギのマークが描かれた手紙が置かれていたことに気付く。

 

 

『タバネカラ!タバネカラ!』

 

 

「束さんから?何だろ…」

 

 

俺は手紙を取り出してからすぐさま近くの椅子に腰掛け、封を切って手紙を読もうとする……のだが、

 

 

 

 

―――ドタンバタン!!

 

 

「…な、何だ?」

 

 

何処からかやけに慌ただしい音が聞こえる……気のせいかもしれないが、念のため耳を凝らしてよく聞いてみたが

 

 

―――ズドン!ズドンズドン!!

 

 

 

聞こえてはいけない音が聞こえた………ここって学生寮のハズだよな?何でこんな危なっかしい音がするの?しかも音源が近いんだが……しゃーない

 

 

 

「ハロ、ちょっと外を見に行ってくるから待っててくれ」

 

 

『リョウカイ、リョウカイ』

 

ハロの言葉を背に、俺は急いでドアを開けて周りを見てみると、ドアに背中を預けて座っている一夏がいた。

 

 

「一夏、お前何やってんだよ?てか何でドアが穴だらけなんだ……?」

 

俺に気付いた一夏は、一瞬顔を輝かせたと思ったら詰め寄ってくる……何だってんだよ。

 

 

「頼む秋良!一緒に箒を説得してくれ!」

 

「箒?箒がどうし―――」

 

俺はその先の言葉を言うことができなかった。何故なら一夏の部屋のドアの前に近づいた次の瞬間

 

 

ズドン!

 

 

「ぐぼぁ!!?」

 

 

横からドアを突き破って飛んできたナニカに頭をやられ―――

 

 

ドサッ!

 

 

俺は意識を失うことになった。

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

「…………で、一夏が風呂上がりのバスタオル姿の箒を見てしまい、箒は恥ずかしさのあまり木刀で一夏を気絶させようとしたが、その時に偶々俺が来たところに箒の一撃がドア越しに当たったと?」

 

 

 

「「…………はい」」

 

 

 

今現在、俺は頭に包帯を巻いて部屋の椅子に腰掛けながら、床に正座している二人__一夏と箒(剣道着姿)に視線を向ける。

 

一夏と箒から聞かされた内容に、俺は別の意味で頭が痛くなった。俺が怪我した原因が一夏のラッキースケベのとばっちりって………(涙)

 

「まぁ俺のは不慮の事故だからこの際しょうがないとして……一夏、お前女子と相部屋って言われてんのに何やってんだよ、配慮が足りてねぇぞ」

 

 

「はい。その通りです……」

 

 

「それと箒。恥ずかしさのあまりに気が動転していたとは言え、木刀はマジで危ないから気を付けろよ」

 

 

「……ああ。その…すまなかった」

 

俯いていて表情はよくわからなかったが、弱弱しい声色で箒は俺に謝った。

 

「……いいよ。別に気にしてねぇし」

 

俺としちゃあ、箒が自分の行動に非があると理解して謝ってくれた時点で、とやかく言う気はないんだけどな……

 

 

「ハイ、そんじゃあこの話はこれで終いな。こっからは雑談トークにでも洒落込むぞ」

 

パンパン!と手をたたいて話を切り上げて別の話題に持っていく。突然の提案に一夏と箒は戸惑うが、特に反対もなく俺たちは他愛ない雑談を始める。といっても今までなにをしてたのかとかの世間話なんだけどな。それから話は進み、一夏が俺の話を持ち出した。

 

 

 

「留学?」

 

 

「そうなんだよ。中学の入学式の少し前ぐらいにいきなり海外留学でいなくなってさ

 

「あー……」

 

そういえば表向きは海外留学って事になってたんだっけ?

 

うーん…………どうせもう政府には俺の事知られてるだろうし、何時か話さないといけないなら今でもいいか。

 

 

「んんっ……話す前に、だ。一夏、箒。これから話すことは他言無用な、話すとしても相手は千冬さんオンリーで頼む。騒がれると面倒くせぇし……」

 

俺が真剣に言ったもんだから、一夏と箒は訝しめな表情をする。

 

「千冬姉だけって……」

 

「いったい何だというのだ……?」

 

 

 

「まず、俺が留学していたって事なんだが…………それは嘘だ。というより建前だな」

 

 

「………………はい?」

 

それを聞いて一夏は意味が分からないと言いたげな表情をする。まぁその反応は予想してた。

 

 

「実は―――――――」

 

 

 

それからというと、束さんが俺の家に現れたこと、そのあと行動を共にしてから色々な騒動に巻き込まれたこと、他にも束さんから直々にISを教えてもらったことや束さん監修の修行で生死の境を彷徨ったこと等々、俺が話せることは一通り話した……と言ってもまるまる全部ってわけじゃないんだけどな。流石に太陽炉を作っていた事は言えないし……。

てか今までのことを思い出してみても、俺別に束さんみたいなチートキャラでもないのによく生き残れたなぁってつくづく思う。案外、悪運だけで言ったらOOの死亡フラグクラッシャーこと"不死身のコーラサワー"並なんじゃね?

 

それと肝心の一夏と箒は俺のこれまでの経緯を聞いて絶句していた。いや、箒は束さんの名前が出た瞬間から表情を険しくして聞いていた。(ちなみに修行内容を聞いた際の一夏と箒が可哀想なものを見る目だった)

 

 

「とまぁ、およそ三年間はこんな感じで過ごしたわけで…ってどうしたよ?」

 

 

「いや、何というかその……あまりにも想像を絶する内容だったもんだからさ」

 

一夏はどういえば良いのかわからないのか返答に詰まっているが、箒は反対に俺を睨みつけるように見ていた…。

 

 

「秋良は……あの人の誘いを断るという考えはなかったのか?」

 

 

あの人ねぇ……姉妹なのにこんな他人行儀ってのはどうかと思うんだが……。

 

 

「んー…まぁ断ってもよかったんだけどよ、束さん一人だと絶対問題起こしそうで気が気でなかったというか………」

 

 

指で頬を掻きながらなんとも煮え切らない返事で返したが、実のところこれが本心だし。

それを聞いた一夏はあーっと何処か思い当たる事があるのか苦笑していたが、箒は身に覚えがあるのか苦い顔をしていた。

 

その後も話は続き、話が終わりの頃には束さんのことで不機嫌そうにしていた箒も表情を柔らかくしていたので、頃合いをみて俺は自分の部屋に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

部屋に戻ってから荷物整理を始め、あらかた整理し終えたら部屋のシャワーを浴びて、髪を乾かしてから束さんと生活していた時から愛用している藍色の作務衣≪さむえ≫を取り出して着込む(ちなみにハロはスリープモードにして電源を落としている)。

 

 

ひと段落ついたところである事を思い出す。

 

 

「ってそういえばまだ手紙読んでなかったな」

 

そういって机の上の読みかけの手紙を見る。

 

 

さて、手紙の中身はっと―――

 

 

 

 

『第一問・次の漢字の読みを答えよ!

 ・暫く ・更格蘆 ・鳳梨 』

 

 

 

「っっっ!!!!!」プルプルプル

 

 

お、落ち着け…俺。まだ読んでもいないのに破り捨てるのはマズい……っ!!

 

 

 

俺は喉元まで出掛っているここにいない束さんへのツッコミと、手紙を破り捨てたくなる衝動を何とか抑えるために、歯を食いしばって耐える。それから何とか気を取り直して手紙の続きを読み始める……ちなみに問題の答えは左から“しばらく”“カンガルー”“パイナップル”なのだが、律儀に答える自分が憎い。

 

 

 

「’’HAHAHAHAHA!小粋なジョークで気分を和ましたところで、やっほ~アキ君♪あなたのアイドル!篠ノ之 束さんだよ~~~♪」

 

あー…はい、そうですね(棒読み)。

 

読んでみても内容といえば、俺の部屋割りに束さんが関わっていたこととか、俺がIS動かしたっていう情報は今日を過ぎたら政府に全国的に発表するよう指示した等、色々と書かれていたぐらいだったのだが。

 

                                   

「’’最後に、束さんが送った荷物の中に大きいアタッシュケースが入ってたでしょ?,」

 

文章を読み進めていくうちに、その文面を見てベットの上に置いてあるアタッシュケースに目を向ける。荷物の中に身に覚えのない物が入っていたからどうしようか困っていたんだが、束さんの仕業だったのか。

 

「’’実はその中に――――――――」

 

 

「…ッ!?」

 

その一文を見て、俺はすぐさま携帯電話を取り出て束さんに電話をする。

 

とぉるるる ガチャ!

 

相変わらず電話に出るの早いな……。

 

「もしもし?」

 

「ん~~?どったのアキ君?」

 

 

「…束さん、俺が言いたいことはわかってますよね?」

 

「………………な、何のことやら?」

 

いや、返答するまでの間が空きすぎだろ。

 

「あのアタッシュケースの事だよ」

 

「やっぱりビックリした?」

 

       ・・・・・・・・・・・・・・・

「当たり前だ!オリジナルの太陽炉に擬似太陽炉が入ってるなんて言われたら誰だってビックリするわ!!」

 

ったく、下手したら国一つ壊滅できる戦力だぞこれ……。

 

手紙の一文にはアタッシュケースの中には、二つあるオリジナルの太陽炉のうちの一つと擬似太陽炉三つ……が収納されたデータチップが入っていると記載されていた。

確かにISの量子変換を応用すれば出来るかもしれないっていう可能性はあったよ?でもまさか本当に実現させるなんて…唖然と驚愕がないまぜになったような気分だが、それよりもなんでまた太陽炉を送ってき……いや、もしかして……。

 

      ・・・・・・・

「いやいや~アキ君の専用機で使ってる太陽炉以外にも必要だと思ってね~。あっ!もしかして機体の事?それならダイジョーブ!!それなら」

 

矢継ぎ早に色々言っているが、俺からしたら何か後ろめたい事を隠してる子供みたいなんだが……。

 

「束さん、本当の事を教えてくださいよ」

 

 

「………やっぱりアキ君にはバレちゃうか」

 

 

「ハァ……何年一緒にいたと思ってるんですか、何か隠してるかくらいは何となくわかりますよ」

 

 

…って、何か自分で言ってて恥ずかしいなこの台詞。

 

 

「そっかそっか…………えへへ」

 

「?束さん?」

 

「な、何でもないよ!!……それより太陽炉の事だよね」

 

さっきまでの感じとはうって変わり、真剣な雰囲気になる。

 

「万が一、いや億が一ありえないかもしれないけど、もし何処かの馬の骨に私が管理している太陽炉が全部盗まれてISや兵器に転用されるっていう最悪のケースを起こさせないためにも、アキ君に太陽炉を守って欲しいんだよね……」

 

「なるほどな………」

 

 

それを聞いて、俺は首に掛けている自身のISの待機形態である赤色の牙のネックレスが付いた黒のラバーチョーカーに目を向ける。確かに太陽炉が全部盗まれた時に、戦力的にコイツ≪俺の専用機≫の太陽炉だけじゃあ限界がある。そのための保険ってわけか……

 

それに、盗まれる以外にも政府が太陽炉の事を知ったら黙っているわけがないだろうし、おまけにそれを持っている俺は男のIS操縦者だ。俺をISも手に入るうえに太陽炉も手に入る、さらに貴重な男のIS操縦者を解剖するなり何なり出来るというオマケつき……カモがネギ背負ってくるなんて言葉じゃ足りないぐらいの最高の獲物だろうよ…束さんはそれらの俺の身に迫る危険を危惧してんだろうな。でも………

 

 

 

 

 

「引き受けますよ」

 

「っ!?」

 

 

俺の承諾が予想外だったのか、電話越しでも動揺しているのがわかる。

 

 

「いや何驚いてんすか束さん。俺としちゃあコイツを持っている以上そうなることなんて予想できてたし、それに太陽炉が増えたところで結果は同じでしょうよ?」

 

 

「でも……」

 

ったく、調子狂うな……。

 

「ま、俺としては束さんと行動を共にする事以上の危険がこの世にあるとはおもえないんですけどねぇ~」

 

「ちょっ!!それは酷くないかな!?」

 

「クックッ………ま、自分でもこれが強がりだとは思ってますよ。正直言って俺一人じゃあ危ないなんて理解してるし、最悪死ぬかもしれませんしね……だから」

 

「?」

 

 

 

 

 

 

「そん時は頼りにしますよ」

 

 

「っ…任せて!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっ!出来ればちーちゃんと箒ちゃんの生写真を撮って送っ――」

 

 

ブツッ!!!

 

 

 

さっきまでの雰囲気を台無しにしない為にも、束さんが最後まで言う前に俺は通話をブチ切り、ベットに入って眠りにつく。

 

 

 

 

 

 

こうして俺の入学初日は終わりを迎えることになった……

 

 




最後まで読了ありがとうございます!!



これからもよろしくお願いします!!
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