ようこそ実力至上主義の世界へ   作:Sayuki9284

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一週間ぶりです(。ᵕᴗᵕ。)皆様、この作品をお読みいただき、本当にありがとうございます。

読んでくださる方がいる。お気に入りに登録してくださる方がいる。感想をくださる方がいる。そのことが私含めた作者の皆様には、とても大きなモチベーションに繋がるのです。

どうかこれからも末永く、この作品をお楽しみください。私もその期待に応え、できる限りこの作品を書き続けていこうと思います思います。

それでは今話をどうぞ(。ᵕᴗᵕ。)

※主人公の身長を変えました。



第二話 出発前

4月5日。俺はいつもより少し早めに鳴り始めた目覚ましを止めてベッドから起き上がると、両手を上にあげて背筋を伸ばし、カーテンを広げた。快晴だ。どこまでも澄み渡る青空に、白くふわふわな雲がぽつぽつと浮かんでいる。

 

俺はベッドから降りて、壁に吊るしてあった制服に着替える。今日は俺が通う予定の高校の入学式だ。部屋にあった姿見で何度もネクタイがちゃんとしまっているか確認する。

 

 

「大丈夫……だよな?」

 

 

俺はそう呟いて、今日の持ち物に忘れ物がないか入念にチェックを開始する。俺の通う高校は『高度育成高等学校』と言われ、他とは一線を画す超名門校だ。しかも名門と言いながら、学力だけで入学する者を選んでいるわけではない。

 

頭が悪くても入学出来て、さらに卒業後の進学、就職率100%そんな好条件なのだから、本当に全国からわんさか入学志願者が集まり、倍率が数百倍は軽く超えるという超人気名門校なのだ。しかし試験を受けるには中学教師からの推薦状が必要となるため、実際には倍率は少し抑えられるのだが、それでも他とは一線を画すのに変わりはない。

 

そんな名門高校なのだが、実はほかと色々変わっているところがある。例えば全寮制で入学後卒業まで、外部との関わりを全て遮断されること。しかもそこには肉親も含まれているので、家族とすら連絡が取れなくなってしまうのだ。

 

ただその代わり、この学校の敷地はなんとひとつの大都市に匹敵する程の広さを持ち、ショッピングモール、図書館、動物園、水族館、カラオケ、ボーリング場などなど、多種多様な娯楽・商業施設が用意されており、まだ若い少年、少女たちを軟禁するにあたって、十分に不自由ない体制を整えている。

 

 

(ま、高校生にもなって親がいなきゃ生きていけないってのもどうかと思うけどな。)

 

 

俺が心の中でそうボヤきながらチェックを終えようとしていると、ふと部屋の扉がノックされ、奥からまだ中学生くらいの女の子の声が聞こえてきた。

 

 

「お兄ちゃん。起きてる?」

 

「兄貴ー!遅刻すんぞー!」

 

「ああっ、起きてるよっ!」

 

 

俺がそう言って扉を開けると、妹の方がまず真っ直ぐに俺に抱きついてきた。

 

 

「おはようっ//お兄ちゃんっ//」

 

「ああ、おはよう可憐。和樹もおはよう。」

 

「おう!おはよう兄貴!」

 

 

二人の妹、弟と俺は朝の当たり前(あいさつ)を交わす。当たり前のことなのに、何故かいつもこの瞬間幸せになる。やはり挨拶は大切なのだ。

 

と、ここで一旦遅くなったが、自己紹介を挟もうと思う。

 

俺の名前は大園 宏樹。ごく普通の15歳の少年だ。髪は黒色のミディアム。身長は176cm。成績はまぁ、勉強が得意だったためいつも一番だった。それでも両親は俺が一番を取るたびに飽きずに褒めて、外食に連れていってくれる。本当にいい両親を持てた。

 

続いてまだ俺に抱きついて離れない可愛らしい妹の可憐。背中まで伸びた茶髪の髪はまだ朝早いのにサラサラで潤いを保っており、思わず撫でてしまいたくなる質感を匂わせる。髪と同じ茶色の目はクリっとして可愛らしく、まさに美少女という言葉が似合う女の子だ。身長は147cm。年齢は俺より二つ下だ。

 

次に、その可憐と同い年の俺の弟について。身長は160cm。髪は茶髪で、俺と違いスポーツ刈りだ。その見た目通り勉強よりかはスポーツタイプで、野球部では一年生ながらベンチ入りして試合にも出ていた。ただ勉強も苦手ではなく、成績はだいたい平均前後を漂っている。ちなみに可憐は、俺と同じで成績は常にトップだ。

 

 

「お兄ちゃんっ//早く朝ごはん食べに行こうよっ//可憐があーんっしてあげるっ//」

 

「お前はまた。兄貴が困ってるんだから離れろよ。」

 

「嫌よ、お兄ちゃんから離れるなんて。」

 

「おいおい、俺は今日から数年間いなくなるんだぞ?ほんとに大丈夫か?可憐。」

 

「うっ……」

 

 

実の兄、そして大好きなお兄ちゃんにそう言われ少し凹んだ素振りをする可憐。しかしすぐ首を振って立ち直ると、何か決意したような目で俺を見上げてきた。

 

 

「私、絶対お兄ちゃんと同じ学校行くから!約束するからね!お兄ちゃん!」

 

「言っとくけど俺もだぜ、兄貴。ぜってー追いつくから。」

 

「ああ、待ってる、二人とも。」

 

 

俺がそう言って二人の頭を撫でると、和樹は満更でもなさそうな笑みを浮かべながら頬を掻き、可憐は幸せそうに顔を蕩けさせた。

 

 

 

準備を整え、白色の学生カバンを肩にかけ、妹と弟と共に階下に降りる。リビングの扉を開けると、父親がいつものように新聞を読みながら、母親の作った朝食を食べていた。

 

 

「おはよう宏樹。あら?和樹と可憐も起きてきたの?今日は早いのね。」

 

「うん!だってお兄ちゃんをお見送りなきゃダメだもん!」

 

 

リビングに入ると、母親が真っ先に声をかけてくれた。そして母親の言葉に元気に答える妹の可憐。

 

母親が「ちょっと待っててね。すぐ二人の分も作るから」と言って台所に行くと、可憐は「手伝う」と言ってその後を追った。取り残された俺と和樹は二人で食卓に向かい、いつもの席に腰を下ろす。席順は父さんと母さんが横並びで、その正面に俺と可憐。和樹は俺の斜め右だ。和樹は最初可憐と俺の隣を取り合ったのだが、最終的に可憐が大泣きして大変なことになったので、仕方なくこの配置となった。

 

 

「おはよう、父さん。」

 

「親父、おはよう。」

 

「ん?おお、宏樹と和樹か。おはよう。すまんな。新聞に夢中で気づかんかった。」

 

「別にいいよ。いつもの事だから。」

 

 

そう、いつものことである。父親は仕事の都合上、必ず毎朝新聞に目を通さなければならないのだ。それが分かっているから、多少行儀悪くても、誰も父さんに何か言ったりはしない。そして、俺も例外である。

 

 

「ほら、宏樹。○○新聞も来てるぞ。」

 

「ありがとう、父さん。」

 

 

そう、かく言う俺も毎朝新聞には目を通すのだ。え?真面目?いやいや、新聞を読むというのはとても大切なことなのだ。しかも読んでみると、意外に面白そうな内容もわんさか。みんなもぜひ、機会があれば読んでみてくれ。

 

そして俺は新聞を、和樹はボーッとテレビを見て食事が来るのを待つ。先に食事が準備できたのは俺だった。まぁ元々俺の準備はかなり進められていたので、当然とも言える。

 

 

「お兄ちゃん!食パンの上の目玉焼き私が焼いたんだよ!どう?」

 

「お?そうなのか?じゃあ食べてみるか。いただきます。」

 

 

俺は一度新聞を置き、目玉焼きの乗せられた食パンを齧る。うん。美味い。絶品だ。俺がそれを可憐に告げると、可憐は心底嬉しそうに喜んで母親の元に駆けていった。

 

俺はその後ろ姿を見送り、再び新聞を片手に目を通しながら食事を再開する。しばらくして和樹たちの食事の用意も整ってきた中で、父親が先に食事を終えた。そして出勤する支度を整えるためリビングを出る。父親はいつも朝が早いのだ。その代わり期末などの忙しい時期以外は夕方、少なくとも晩御飯の時間までには帰ってきてくれる。

 

 

「それじゃあ行ってくる。」

 

『行ってらっしゃいっ。』

 

「行ってらっしゃい、あなた。」

 

 

愛する妻と子供たちに見送られ、父親は機嫌よく家を出ていった。いつも朝早いので母親の見送りしかないのだが、今日は全員のお見送りとあって、いつも以上に機嫌が良さそうだ。

 

父親を見送ってしばらく、俺の方も食事を終えたので、歯磨きや洗顔を、髭など身だしなみを整えるために洗面所へ向かう。そしてトイレも済ませ、いよいよ出発の時間だ。

 

 

「それじゃあ母さん、和樹、可憐。行ってくる。」

 

「あっ、待って、宏樹。」

 

「あっ、待ってくれ!兄貴!」

 

「お、お兄ちゃんちょっと待って!」

 

 

俺がまだ食事中の三人にそう言うと、三人は同時に俺に待ったをかけた。もしかして身だしなみに問題があったのだろうか?俺が疑問に思ってると、まず母親が俺に一つの封筒を渡してきた。

 

 

「これに家族みんなからの手紙が入ってるわ。宏樹なら大丈夫だと思うけど、もし一人で心細くなった時はこれを読みなさい。」

 

「母さん……ありがとう。」

 

「兄貴!」

 

 

後ろから聞こえてきた和樹の声に振り向くと、和樹は一つの白球を俺に差し出してきた。

 

 

「これ、俺が小6の時に全国大会で優勝した時のウイニングボール。俺が行くまでの二年間、兄貴が持っといてくれ。」

 

「いいのか?これはお前の宝物だろ?」

 

「だからだよ。必ず兄貴と同じ高校に行くから、それまで兄貴に預かっといてほしいんだ。」

 

「和樹……ありがとな。」

 

「お兄ちゃん!//」

 

 

最後の一人。妹の可憐の言葉に、俺はゆっくりと目線を台所に向けた。するとモジモジと可愛らしく頬を染めた可憐がゆっくりと俺に近づいてきて、そっと何かが入ったビニール袋を差し出してきた。

 

 

「これ、私が作ったお弁当なの//入学式はお昼までだって聞いたし、きっと終わったらお兄ちゃんお腹すいてると思ったから、これ食べて//容器は使い捨てできるし、お茶はペットボトルだからこれも捨てれるよ//」

 

「……可憐、ありがとう//」

 

「っ…うんっ///」

 

 

俺は可憐からの手作り弁当を受け取ると、三人からの贈り物全てをカバンにつめ、今度こそ、玄関で靴を履いた。

 

 

「行ってらっしゃい、頑張るのよ。宏樹。」

 

「行ってらっしゃい。すぐ追いつくからな、兄貴。」

 

「行ってらっしゃいっ//お兄ちゃん//すぐ逢いに行くから//約束だよっ//」

 

「ああ。じゃあ……行ってきます。」

 

 

そうして俺は、新しい日々へと足を踏み入れるのだった……

 

 

 




次回、ヒロイン登場です!さて、宏樹くんは誰を選んだのでしょうか?

ちなみに、本文中に書いてなかったと思うので書いておきますが、主人公に前世の記憶はありません。まぁ記憶があったところでアニメの知識はないので別に変わりなかったような気もしますが、いちよう消しときました。
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