第3話目、今回は少し短いので、後書きに主人公とヒロインのデータベースを載せてみました。ただ私の場合、毎回決まった文字数で出しているわけではないので、『あれ?今回はちょっと長いな?』とか、『今回少し短くない?』とかこの先あるかもしれませんが、どうかお許しくださいませ。
それでは第三話をどうぞ(。ᵕᴗᵕ。)
※主人公の(その他の)設定を弄りました
見慣れた道、いつも通ってきた駅までの道を俺は徒歩で移動する。高度育成高等学校は基本的にバスでしかたどり着けないため、入学の資格を得たものたちは最寄りのバス停、または駅を申請し、そこまで専用のバスで迎えに来てもらうのだ。もちろん、専用のバスに乗る以外にも、この学校にたどり着く方法はある。
例えば電車で最寄り駅まで移動して、そこから普通のバスに乗ったり。最寄り駅からなら、普通のバスでも学校前を通るので、なんなくたどり着ける。他にもお金があればタクシーや、体力があれば徒歩や自転車でもいいだろう。しかしタクシーなどは基本的に、この学校の関係者、つまり大人たちの場合だ。何せ学生はスマートフォンなどの通信機器に加え、財布などの現金の持ち込みも禁止されているのだから。
え?じゃあどうやってバスや電車に乗るかって?実は入学資格を得た生徒にはバスと電車を乗る時に使える万能チケットが配布されている。ただし使用できるのは入学式の日だけなので、ほんとにただの通学用だ。
と、そんなことを説明している間にも、バスが到着したようだ。俺は大型のそのバスに乗り込むと、適当に前の方の空いてる席に座った。そしてしばらくして半分ほどしか埋まってなかった席がだいぶ埋められてくると、俺の隣にもとうとう人がやってきた。
「あのぉ…、おとなり大丈夫ですか…?」
黒色のふんわりとした髪を肩から垂れさげている大人しそうな女の子が、不安そうに俺にそう聞いてきた。どうやらもうどの席も埋まって、男の隣しか空いてないようだ。
「ああ、問題ないよ。」
俺がそう言って微笑みかけると、女の子はほっとしたように息を吐きだして腰を下ろした。
「同じ新入生だよな?俺は大園宏樹。よろしく。」
「えっと、私は井の頭心です。よ、よろしくお願いします。」
女の子は喋るのが苦手なのか、俺とはほとんど目を合わせようとせず、俯いたままそう答えた。こういうタイプには話しかけすぎるのもよくないだろう。かくいう俺も、自分から積極的に友達の輪を広げていくタイプかと言われれば微妙なところだったりする。
と、言うわけで、俺はカバンから一冊の本を取り出してそれを読み始めた。するとしばらくして、意外なことに今度はその女の子、井の頭さんの方から話しかけてきたのだ。
「あの、何の本を読んでるんですか?」
「ん?ああ。『宇宙論』っていう本だ。宇宙について色々語られてる。」
「宇宙……宇宙が好きなんですか?」
「まぁな。小さい時……っていうか、今でも年に一回くらいは家族でキャンプ場に行くんだけどさ、その時に初めて見たんだよ。人工的な光が何も無い場所から見上げる夜空を。……ほんとうに綺麗だった……」
「………じゃあ、将来は宇宙飛行士に?」
「さぁな。俺はどっちかって言うと研究タイプかもしれない。でもまだ決めかねてるのは確かだ。ただ一つ言えるのは、俺は将来、宇宙に携わる仕事をする。」
「……素敵だと思います。そういうの。」
井の頭さんは俺の語った夢を馬鹿にするでもなく、柔らかく温もりを感じさせる笑みを見せながら静かにそう言ってくれた。その対応に、俺はちょっとむず痒くなって頬を掻く。
「ありがとう//」
「い、いえ…//」
俺がお礼を言うと、井の頭さんは再び顔を下に向けて短く言葉を返した。その顔が少し朱色に染まっているように見えるのは、ただの気の所為だと思う。
「井の頭さんは夢とかあるのか?」
「私、ですか…?私は……そうですね。働くと言うよりかは、専業主婦になりたいです。お料理とか家事とか、私、おばあちゃん子だったので、全部得意なんです。むしろ、それ以外取り柄がないくらいで……」
「そうなのか?……でも、いいな。俺は結婚するなら、専業主婦になってくれる女の子がいい。」
「えっ//」
俺が思わず呟いた言葉に、少し驚いた顔を見せる井の頭さん。俺はすぐに自分の言った言葉の内容に気づくと、慌てて両手を目の前で振った。
「いやいや、そういう意味じゃないって//ただ俺、そう言う家庭的な人というか、仕事好きでお互い共働きで稼ごうって人よりかは、ずっと家にいて、ご飯作ってくれたり、起こしてくれたり、「行ってらっしゃい」とか、「おかえりなさい」って言ってくれるような人が好きなんだ。それに、その人が家にいてくれる事で、将来できる子供たちも寂しい思いはしないで済むから。」
「……///」
「……あ、悪い。色々語っちゃって。」
「いっ、いえっ//ただその、や、やさ…ゴニョゴニョゴニョ……//」
「ん?ごめん、聞こえなかった。」
「な、なんでもないです//ごめんなさい//読書の邪魔しちゃって…//」
「え?あ、いや。それは別に全然気にしてないから大丈夫。」
俺はそう言ってまた本に視線戻す。その後、何度か横から視線は感じたものの、言葉はかけられなかったので、俺からも何も声はかけなかった。そしてそのまま、バスが高度育成高等学校に到着するまで俺たちの間に会話は生まれなかった。
〜井の頭side〜
(はぅ〜…//なんで言えなかったんだろう…//優しい人ですねって言うだけだったのに…//)
私は心の中で勇気の出せなかった自分の頭をぽんぽこ叩きながら、チラリと横に座る、まだ会って数分の同い年の男の子を見る。
大園宏樹くん。同い年なのに少し大人びた雰囲気を持つ彼は、イケメンで、背も高く、中身もしっかりとした理想的な男性だ。
(絶対モテるんだろうな……)
私はそんなことを思いながら、少し気分を落ち込ませた。もしかしたらもう付き合ったことも……
(いやいや。落ち着け私。まだ会って数分だよ?それなのに……でも//)
でも、そう。それだけの魅力が、彼にはある。何より彼は、私が理想とする男性そのものだ。イケメンで優しくて背も高くて、専業主婦を希望していて子供たちや将来のこともちゃんと考えている。
って、これは恐らく世の中の多くの女の子が理想としている男性像でもあるだろう。そういう意味では、彼は恐らく他の女子たちからすぐに狙われて取り合いになる。そうなれば、人見知りで引っ込み思案な私に勝ち目はない。でも……
(でも今なら……)
私はそう思って再びチラリと彼を見る。話しかけようとした。でも無理だった。
私が人見知りだから?うん。それもあります。でもそれ以上に、彼の邪魔をしたくなかったから。
彼は今、本の世界にのめり込んでいる。なんでも『宇宙論』とかいう宇宙について書かれた本らしい。私はそもそも宇宙に興味がないし、本もあまり読まないのでよく分からないが、それでも、宇宙が好きな彼にとって、この本を読んでいる間は邪魔されるのをあまり好みはしないだろう。もし本を読むこと自体好きなら尚更だ。
だから私はバスが高校に着くまで待つことにした。それまではチラリと横目で彼の横顔でも観察しておく。
まさかバレてないよね?本に集中してるし。大丈夫。大丈夫だよ。うん。
こうして私は彼にモロバレだったのにも関わらず、バスが高度育成高等学校にたどり着くまでの間、ずっと彼の横顔やその奥で流れる窓の景色を眺め続けていたのだった。
〜井の頭side END 〜
主人公 ・ データベース
※評価(A~E-)
氏名 大園 宏樹
クラス 1年D組
学籍番号 S01T004777
部活動 ???
誕生日 9月12日
学力 A
知性 A
判断力 A
身体能力 A
協調性 B+
面接官からのコメント
非常に知的で、中学時代も学業面では特に他の追随を許さないものを持っており、他の調査項目も全てが平均水準をしっかり上回っている。本来ならこのままAクラスに配属していたところだが、別途資料に目を疑ってしまうような内容があり、熟考の末、彼をDクラスへの配属とする。
担任のコメント。
授業態度も真面目で、友達が多いようです。問題点などは特に無いため、このまま経過観察を続けます。
その他の設定(主人公)
身長:176cm
体重: 67キロ
趣味:天体観測、読書、筋トレ……etc
ヒロイン ・ データベース
氏名 井の頭 心
クラス 1年D組
学籍番号 S01T004628
部活動 家庭科部
誕生日 10月21日
学力 D-
知性 D
判断力 C-
身体能力 E
協調性 D
面接官からのコメント
全体的に水準が低く、どれも平均値を下回る結果となった。Cクラスでもよかったが、今回はそれぞれに配属される生徒のレベルや特徴を踏まえ、Dクラスの配属とする。
その他の設定(ヒロイン)
身長:154cm
胸 : Cカップ
趣味:編み物、料理
※前回の話で、弟の名前が山内と同じで弟の顔のイメージが山内と重なってしまうという感想を頂きました。なのでちょっと弟の名前を変更しましたことを、ここにご報告させていただきます。