ようこそ実力至上主義の世界へ   作:Sayuki9284

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一週間ぶりです(。ᵕᴗᵕ。)

コロナ、急激に全国で増えてきてますね…。みなさんもマスクと手洗い、消毒などこまめにして、是非元気にお過ごしいただければと思います……

それでは今話もどうぞ(。ᵕᴗᵕ。)



第六話 クラスメイト

教室に着くと、もう既に何人かの人影があった。井の頭さんも喋れる人影があったようで、俺と分かれてその人と話し始める。

いいな。俺は洋介が来てないから喋れる奴いねーや。三宅とかも来てねーし。

 

 

「おはよ、大園くん。」

 

「ん?おお。おはよう、松下さん。」

 

 

俺が席に着くと、先に登校していた隣の女子が話しかけてきてくれた。てか名前ちゃんと覚えててよかったぁ…。まだ全員覚えきれてないんだよな…。まぁ松下さんは隣だし、昨日も少し話したから忘れることはないだろうけど…。

 

 

「早いけど、いつ来たんだ?」

 

「そんなよ。つい十分前くらい。」

 

「それでもはえーよ。それ何読んでるんだ?」

 

 

俺はコンビニで買ったおにぎりの袋を剥きつつ、松下さんが手に持って読んでいた本を尋ねた。

むしゃむしゃ……うん、うまい。

 

 

「推理小説よ。日本のだけど。」

 

「あー、…ŧ‹”ŧ‹”( ‘ч’ )ŧ‹”ŧ‹”…ゴックン…、シャーロック・ホームズとかではないってことか。」

 

「ええ。大園くんも小説とか読む?」

 

「少しな。まぁ俺が読むのは哲学とか、経済学とか、あとは俺の好きな宇宙に関する本とかほんと色々だし、もちろん推理小説も読むけど、そっちは海外系のが中心かな。」

 

「へぇ…。すごい、色々読むのね……」

 

「ん?…ŧ‹”ŧ‹”( ‘ч’ )ŧ‹”ŧ‹”…ゴックン…そうか?案外読んでたら面白いぞ。色んなこと勉強になるし。…ŧ‹”ŧ‹”( ‘ч’ )ŧ‹”ŧ‹”…。」

 

「……えっと、お腹すいてるの?」

 

 

あまりに俺が美味しそうにおにぎりを食べているからか、松下さんが苦笑いしながらそう聞いてきた。

え?話してるのに俺がバクバク食べて食い意地を張ってるせい?そうですか……

 

 

「ああ、悪い。朝飯食ってなくてさ。昨日は全部外で食べたから、冷蔵庫に何もなかったんだよ。」

 

「ああ、それで。何食べてるの?」

 

「ツナマヨとエビマヨ。」

 

「マヨが好きなの?」

 

「おにぎりはな。言っとくけどマヨラーじゃないぞ?俺は味噌汁にマヨネーズはかけない。」

 

「それは偏見だと思うけど……」

 

 

松下さんはそう言ってまた本に目を戻した。そうなると俺もやることがないので、さっさとおにぎりを食べ終えて、洋介が来るまで持ってきた本を読む。もちろん『宇宙論』の本。そういえばこの学校、めちゃくちゃデカい図書館があるんだよな?放課後ちょっと行ってみるか……

 

 

 

 

 

今日は授業開始一日目。なので基本的には授業方針の説明などで時間は過ぎた。

 

 

……しかし、それにしてもぬるい。

 

いくら授業の説明をしているだけだからって、居眠りしたり、携帯を弄ったりしてまともに聞いていない生徒がいても、先生たちは一度たりとも注意をしようとする素振りを見せなかった。須藤とかいう生徒に至っては、3限目の終わりになってようやくあくびをしながら登校して来たくらいだ。入学二日目で平気で遅刻するその胆力は評価するが、それでも3限目英語を担当していた真嶋先生は何も言おうとはせず、須藤のことをチラ見しただけで、何もチェックをつけたりする素振りもない。

 

おかしい。明らかに異常だ。この学校は曲がりなりにも国お抱えの超名門高校。その功績は言わずもがな、他の追随を許さない実績を誇り、卒業生の希望進路には毎年100%応えている。だがその実態がこれなのか?こんなんで三年後、俺はN○SAに行けると言うのか?アメリカ一の名門校を希望すればそこに行けるって言うのか?

 

 

……ありえないだろう。決して。何かあるはずだ。何か……見落としてる。

 

俺は胸の内でそんな微かな不安を抱きながら、四限目の数学の授業に耳を傾けていた……

 

 

 

授業が終わると、昼休みに入る。俺は当初の予定通り、洋介を学食に誘った。

 

 

「洋介。学食行こうぜ。」

 

「うん、いいね。あ、じゃあ他のみんなも誘って……」

 

「平田くん学食行くのっ?私も一緒に行っていい?」

 

「あ、じゃあ私もー!」

 

 

洋介が誘う前にこぞってクラスの女子連中が洋介の周りに集まってきた。

いいねぇ…、イケメンってのは。それだけで女子を呼び込めるんだから。べ、別に羨ましくなんてないんだからねっ!

 

まぁいいさ。俺には井の頭さんがいてくれればそれで……

 

 

「ねぇ、大園くん。大園くんも行くんでしょ?私も一緒について行っていい?」

 

「えっ?あ、ああ。別にいいけど。」

 

 

まさか声がかかると思ってなかった俺は、ちょっと戸惑いつつもそう答えた。声をかけてくれたのは、朝と同じ隣の席の松下さんだ。もしかして松下さんって洋介よりも俺の方が好みだったりするのだろうか。いや、自意識過剰か。

 

結局、食堂には洋介と俺の他、軽井沢さん、佐藤さん、篠原さん、松下さん、森さん……などなど、総勢十数名で行くこととなった。もちろん、そのほとんどが洋介目当てなのは言うまでもないが……

 

 

「すごい人気ね、平田くん。」

 

 

松下さんが俺の横でそう告げてくる。ごめん、それちょっと嫌味に聞こえちゃうからやめて。いや事実なんだけどさ。

 

 

「だな。イケメンはほんと羨ましいよ。」

 

「大園くんもああやって女の子に囲まれたいの?」

 

「……いや、それもそれでちょっと面倒かも…。ああやって大勢に囲まれるよりは松下さんと二人でこうして話してる方がいいな。」

 

「えっ?//あ、そ、そうよね//大人数よりも少ない人数の方が気が楽だものね。」

 

「だよな……」

 

 

俺はそう呟きながら目の前にいる洋介を見る。けっ。相変わらず女の子にちやほやされてやがる。なんか腕も組まれてるし。あれ胸当たってんじゃねーか?ま、まぁ羨ましくなんてないけどっ。俺はああいうガツガツ系よりお淑やかで大人しめな美少女の方が好きだし。

 

 

食堂に着くと、俺たちは席をとる班と、券売機の前に並んで先に食券を買う班に分かれた。とりあえずどうせ少数派になるのは分かってたので、俺は洋介に先に買うように言って人数分の席を取る。

 

 

「やっと落ち着けたな。」

 

「そうね。でもやっぱみんな平田くんの方に行っちゃうのね……」

 

 

松下さんはなんとも言えないような顔で券売機の前に並ぶ列を見つめ、そこから俺に目を向ける。おい、その可哀想なものを見る目はやめろ。辛くなるから。

 

 

「松下さんはいいのか?洋介のとこ行かなくて。」

 

「私?私は別にいいかな。平田くん狙ったってライバル多いだけでメリットないし。」

 

「へぇ…。冷めてんな。」

 

「だってそうでしょ?それより大園くん。今朝は何の本読んでたの?」

 

「ああ、『宇宙論』って本だよ。それだけ家から持ってきててさ。」

 

「そうなのね。ねぇ、なんで宇宙が好きなの?」

 

 

松下さんにそう聞かれ、俺は自分が宇宙を好きになった理由と宇宙の魅力について松下さんに語る。まぁあんまり時間があったわけでもないので多くは語れなかったが、それでもその面白くもなんともなさそうなその話を、松下さんが最後まで真剣に聞き続けてくれた時は、ちょっと嬉しかった。

 

 

洋介たちが戻り始めたので、俺たちも食券を買いに行く。二人で何を食べようか話した結果、俺はカツカレーのミニ温うどん付き。松下さんはレディースセットの定食を頼んだ。

 

席に戻ると他のみんなはもう食べ始めていたので、俺たちもさっきと同じ席に座って食べ始める。しかしどうも居心地が悪い。他の女子たちがみんな『平田くん平田くん』状態なのに対して、いま俺はそんな洋介の正面、ど真ん中の席に座ってる。これはちょっと座る場所ミスったか?いや、そもそも学食行こうって言ったの俺だし。

 

と思ってたら、洋介が俺に話題を振り始めてくれた。さすが、できる男は違うな。

 

 

 

 

 

私の名前は松下千秋。自分で言うのもあれなのだけれど、結構お金持ちの家に生まれて育った。幼い頃から色々な習い事をさせてもらっていたこともあって、これまでスポーツや勉強で困ったことは何もない。テストで一番を取れる……というわけでもないが、それでもいつも上位に食いこんでいた。

 

この学校へ来たのはもちろん就職率・進学率100%のその実績のこともあるが、それと同じくらい私の中で割合を閉めていたのが、未知への好奇心だ。

 

私は一人っ子なので、両親にとても過保護に育てられた。それこそ幼稚園からずっと私立の名門の女子校で男の子たちとの接触もない。家庭教師や習い事の先生もほとんどが女性の人ばっかだった。もはや自分の父親以外の男性とは喋ったこともあるかどうか分からないレベルだ。

 

それにそんな家庭だからこそ、普通の女子高生たちが遊んでいるカラオケ、プリクラ、オシャレなカフェ、などなど、私は何も知らないで過ごした。そんなものはテレビの中だけの世界だった。

 

だから知りたい。同年代の男性という存在を。体験したい。同年代の女の子たちが普通にしている遊びを。

 

だから私はこの学校を選んだ。両親の強い反対を部屋に閉じこもってまで押し切り、何とかこの学校に入学することを許可して貰えたのだ。

 

 

 

……でも、いざ入ってみると、少しガッカリした。私の配属されたクラスは質の悪い男子ばかりだ。明らかに嘘をついていると分かる口先男子。暴力男。お調子者。ナルシスト。オタク。影薄。テレビを見ていただけの私でも分かる。こういう男子たちはダメだ。モテない。唯一いいなと思うイケメンが一人だけいたが、こんなクラスだと取り合いになるだろう。さすがに私では勝てる気がしない。

 

 

「はぁ……」

 

 

思わず出たため息。そんな時だった。

 

 

「大丈夫か?ため息なんかついてるけど。」

 

「え?」

 

 

私が顔を上げると、隣の席に座っていた黒髪の男子がこっちを見ていた。……あれ?この人…、よく見るとちょっとイケメンの部類に入ってる?//

 

 

「おーい。大丈夫かー?」

 

「えっ?//あ、え、ええ…//ごめんなさい、なんでもないの//」

 

「そうか?ならいいけど…。しんどかったら無理すんなよ?」

 

 

その男子はそう言うと、立ち上がって外に出ていった。トイレだろうか?私はふと先程の会話を思い出しながら、また少し顔が熱くなるのを感じていた。

 

 

「……さすがに、単純すぎかな…//」

 

 

そう思いつつも、私は彼のことを頭の中で考える。

 

 

(名前、なんて言ったかしら…。えっと、おおぞ…の………ああ、忘れちゃった。さすがに名字は大園くんだった気がするけど……)

 

 

私は自己紹介をちゃんと聞いてなかった自分を心の中で叱りつける。まったく、私の記憶力はなんでこう肝心な時に働いてくれなかったのか。とにもかくにも、私はとりあえず隣の彼、大園くんと仲良くなることを当分の目標に決めたのだった……

 

 

 




今話もお読みいただきありがとうございました(。ᵕᴗᵕ。)
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