因みにあのあと、緑谷君はぶつぶつ言いながら家に帰っていって、スライム敵が凍っててその個性を見るや否や私をスカウトしてきた。
私を狙っている(自作自演)の敵がいる事を知っているオールマイトは私を庇い、その隙に【ルーラ】で逃げ出した。周りに囲まれなかったから上手く逃げれた。
ここまでが起こったお話だ。
移動系の個性も使えるって便利よな。作中で霧と泥の人しかいないんだもん。そりゃ便利だ。
...思うけど、個性は引き継がれるもの。だからこそ、轟君は過去が辛い訳だし。
よくよく考えれば私は一応某少女と同じ変異体というか突然変異型の個性だ。この世界の本当の父と母の個性が分からないから確証はないけど。そこから何か、話すきっかけはないかな。
...まぁ推薦は明日、個性有りのテスト(筆記、実技)だし、何とかしてみよう。
筆記?【アンサートーカー】で一発よ。個性有りのテストにしたのが悪い。
と思うけど、大体一目見て考えたら答えが浮かぶっていうのがおかしい。主人公の家を探すのもそれ。効率の良い修行法を思い浮かべるのもそれ。更に言うなら催眠まで。【アンサートーカー】様々だ。
だから、これがナルトの中忍試験の様なペーパーテスト方式だというのも考えれば思い浮かんだ。下手に個性を使用すればカンニングがバレ、個性が消される。結局は自力で解くしかない。
実技の方は3キロマラソン。個性を使いまくれ。ヨーイドンで始まる。ペーパーテストとは大違いだ。
そしてこの4人しか上がれない推薦に轟、八百万、骨抜、取蔭が来る。夜嵐は推薦を蹴るから、多分骨抜が繰り上げ。実際は轟、夜嵐の組にいたから優秀なんだと思う。
けどこれは思ってなかったな。まさか3キロマラソンが
「3キロマラソンですか...ならバイク...いえ、障害物もあるのでしたら空を飛んだ方が効率的...ならジェットパックを創造しましょうか」
──男女別だったなんて...!
これじゃあ仲違いを治せないじゃないか!どうすればいいのさ!なぁ教えてくれ、八百万さん!ウィキィヨロズ!
まぁでもそれもそうか。思春期の男子が女子の体に触ってしまったら不味いどころの騒ぎじゃない。
...推薦に落ちると言う考えは当然ない。ここは悪いが、取蔭さんには一般で頑張ってもらおう。
「女子2組目始めるわよ!」
む。始まるか。ならマッハでゴールしよう
「位置について!ヨーイドン!」
「【無辜の怪物】」
【無辜の怪物】から着想を得たこの力。その能力を十分に発揮したいのに、人じゃどうしてもできないキャラが複数名いる。
「...?26番、もう始まっているわよ!」
無辜の怪物は、人のイメージが姿を変えさせる呪い。姿を変え、新たな力を得る。
ならこのキャラのイメージは、月を破壊した超スピードを持つ黄色のタコ。残酷な面を持ちながら、優しく、指導する。
しかし、人々はその残酷な面と月の破壊という面のみ見て、その悪魔の様なイメージを思い浮かべた。黄色のタコなのに。
だけど、私という1人の人のイメージが、姿を変えることが出来るなら。
30秒経ち、煙が上がる。このキャラなら、一言目はこれしかない。
「ヌルフフフ、もう30秒も経ちましたか。さて、ならとっととゴールしてお茶でも飲みましょうかねぇ」
マッハ20の最高速を出さなくても、マッハ1で十分。決して周りに被害を出さず、この触手で塵を取り除く!
「試験官、ゴールしましたよ」
...その10秒後。ゴールテープを切るタコの姿。
「ニュヤ?ま、まさか、この姿じゃ誰か分からない!?あれ、こんな自信満々にカッコつけておいて、誰か分からないのでやり直しとかありませんよね!?」
「あー、大丈夫だ。26番、鈴鹿凪!ゴール!」
その言葉を聞き、再度煙が立ち上がる。
「良かったです。...これ、待った方がいいんですか?」
3キロもある距離だから、個性ありで8分とか9分とかだろう。実際、轟夜嵐組のところは、7分半とかだった気がする。
...あぁ、これがいわゆる「俺なんかしちゃいました?」か。そりゃそうだ。30秒程止まっていたと思ったら煙が上がってへんなのが現れてる。そのままゴール。
よくある小説のキャラって、多分こんな感じなんだろう。
「あー...そうだな。少し待っててくれ!その間、俺と雑談でもしようぜ!」
それでいいのかプレゼントマイク。いやこれこそプレゼントマイクだ。
「男子の方の記録は如何だったんですか?」
「一番はえーやつで7分30とかだったな。いや今年の推薦組まじやべぇ!」
男子も並行だったらチャンスあったけど、もう終っちゃってるから、多分もう帰ったな。仲違いを直せなかったか。
「7分30...早いですね!」
「嫌味!!ガール、お前が言っちゃ全員が嫌味に聞こえるぜ!」
「まぁ私のは反則ギリギリの個性ですし」
「そーいや、個性は確か..」
「想像。物語を書いて、その登場人物の能力を使う。今のはその登場人物の応用です」
「応用?」
「...ごめんなさい、それ以上は秘密です。喋ってしまうとラジオで話されそうですし」
「まさかのリスナー!大丈夫だって、俺口堅いんだぜ!?」
「...この前、教師の仕事の闇の部分をぶっちゃけて雄英の先生から怒られたって噂、SNSで流れてますよ」
「oh!MY gooooood!!」
うるさい!鼓膜破ける!
「って、そろそろ来ますね」
「ん?って、もうそんな時間か!なら仕事に戻るぜ!」
お疲れ様ですプレゼントマイク。出来ることならもう少し声を下げてくださいプレゼントマイク。
──────────────────────
三週間経ち、一つの封筒が届く。
『私が映し出された!』
あ、推薦もオールマイトなんですね。一般もオールマイトだから、多分全員オールマイトなんだろうな。
って考えたら、記念受験でもしておくべきじゃないのか?苗字と音声なんて、中学生にはたまらない一品じゃないのか?
『こいよ鈴鹿少女!』
言われずとも。
ここから始まるんだ...私の物語が。
いや違うな。
ここから始まるんだ...私が楽しい物語が!
「おいテメェが推薦受かったってのは如何いう了見だあぁ!?」
...訂正。まだ始まらないらしい。
「了見も何も、ただ受かったという事実があるだけです」
「こんの馬鹿女ァ...!!」
「いや、別に受かろうが受からなろうが良いじゃないですか。貴方に関係ありますか?」
「大有りだって言ってんだよ!!」
「そうですか。それはすみません。代わりに勉強教えましょうか?」
「A判定だっての...!」
「そうですか。...一応言っておきますけど、不正とかはしてませんよ」
「んなことしてたらもう俺がぶっ殺しとるわ...!」
それでいいのかヒーロー志望。
「まぁ、一言煽ります。頑張ってください」
「────────────!」
おお、吊り目だ。
後日、爆豪君は受かったらしいが、緑谷君はそもそも受けてないとの事。
おい主人公!?受けて、落ちてならまだ分かるけどそもそも受けてない!?どういうことだってばよ...
これが主人公が力を得なかった弊害...!そして私がいた弊害...!
心が躍る...!これぞ愉悦...!多分違うけど...!
────────────────────ー
憧れから現実を指摘され、頭じゃ理解はしてるのに、それを受け止めたくない日々が続いた。
彼女は推薦、彼は一般。優れた個性がどんどん受かる。
僕はそれを聞いて、何が「他の無個性の方々」だと思った。結局、優れた個性を持つ人間が、ヒーローになるんじゃないか。
無個性な僕からすれば、どんな個性も素晴らしいもので、強く、凄い個性なのに。それを蹴落とすのがあの高校だ。
いや違う。学校という特徴から、人数を絞るのは致し方ない事だ。ならなんであの学校だけ、あんなに人が集まる?
...あぁそうか。憧れてた人がいたからだ。結局は、象徴がいたからだ。あいつが全て悪いんじゃないか。
個性がモノを言うのも、個性が夢をかなえられるのも。そう言った幻想を作ったのは。全部。全部。
全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部
あれのせいだ。
なら、壊しちゃえばいい。
味方ならきっといるさ。だって、あれは全てを救ってる気だけど、全てなんか救いきっていないんだから。
そんな同士が、きっといるさ。
探そう。そんな人を。探そう。そんな味方を。
...?このサイトは...?
!...なんだ、簡単だった。
あれを殺す方法なんて。
待ってろよ。オールマイト。
味方をつけて、やってやる。
「ドラクエシリーズ ルーラ 主人公」
「金色のガッシュ!! 高嶺清麿 デュフォー」
「Fateシリーズ 無辜の怪物 アンデルセン、エリザベートなど」
「暗殺教室 殺せんせー」
プレゼントマイクの口調難しい。
あと緑谷君が闇落ちしちゃった。