まぁ脳みそ空っぽにして楽しんでください。
P.S.私はヤンデレが大好きです。でもクーデレはもっと好きです。
"ヤンデレ"
今の世の中、誰もが1度は耳にしたことがあるであろう単語。病んでるとデレデレを足して作られた単語であり、その選ばれた単語からも読み取れるように「病的にデレデレするヒロイン」を指す。では、同じく1度は聞いたことがあるであろう"メンヘラ"とは何が違うのか。
これは一重に向けられている標的であろう。わかりやすく大雑把に言うならば、メンヘラは不特定多数の大人数に向けて。「誰でもいいから私を見て」、「少しでも多くの人に同情されてる自分可愛い」などの自己欲求を満たしたい人を指す言葉である。
一方ヤンデレはただ一人の人を愛したいだけなのである。そこに他の人の入る余地などないほどに。一点の曇りもなく。ただただ自分の愛の赴くままに。
そんなヤンデレにも大まかにふたつのタイプがある。依存型と独占型だ。このふたつの分類でも特に一般大衆に知られているのはかの有名なヤンデレCDを聞いてわかる通り独占型。つまりは話も聞かないし「私の彼(彼女)に手を出したね?はい殺す」的なバイオレンスな思考に陥ってしまっているであろう。それ故にヤンデレというものが好きになってしまった人間は異端者扱いされてしまう。
では、見る角度をを変えてみよう。ヤンデレとは?そう。先程もあげた通り「病的にデレデレしている」のだ。つまり、その人の中にはただ一人しかいない。超弩級の、筋金入りの一途な人なのだ。
それが分かるのがヤンデレのもうひとつのタイプである「依存型」。こちらは相手に常人では考えられないほどに依存して自分の中で「理想の彼(彼女)」が自分の前から消えてしまったら生きていけない。死ぬしかない。という所まで思考回路が行ってしまうのだ。
そこに"どうする?"なんて疑問符は何一つない。馬鹿な程に一途な人。気が狂うほどに一途な恋。それでいて相手のためなら自分が死ぬことも厭わないほどの行動力。これがヤンデレの真骨頂ではないか。
つまり何が言いたいのかと言うと、ヤンデレとは「真の愛の探求者」なのではないか────────
「─────なにこれ。」
「ん?ヤンデレについて本気出して考えてみた。」
1組の男女が図書館のようなところで向かい合って座っている。女は何か読み終わったのかなんとも言えない複雑な顔をしながら男に質問を投げつけるが、男は女の表情なの気にせずさも当たり前かのように訳の分からない真実を述べる。
「いや、うん。ヤンデレがすごく好きなのはわかった。わかったんだけど──────アンタはなんで私に読ませたの?」
「ヤンデレの良さをオマエに知ってもらうため。オレの好きなものを共有したくってさ。」
「─────。」
女は帰ってきた質問の答えに絶句している。わけも分からない文章を見せられて、その理由がわけも分からないし女には全く興味もわかない趣味の共有だったのである。
「……。」ビリビリッ
「あぁっ!俺の愛と努力の結晶がぁぁぁぁ!!」
この怪文書を読んで何を思ったのか女は読んでいた紙をビリビリに引き裂いた。引き裂いたあとの顔は心做しかスッキリしたようにも見える。そんな女とは引き換えに、男は四つん這いになり、落ち込んだ様子を見せながら破かれた紙を拾っていく。
「全く……そんな変なもの書いてる暇があったらデートプランのひとつでも考えなさいよ。いっつも私だけが考えてるじゃない。」
「うぐっ」
男は女の口から漏れたそんな一言に言葉を詰まらせる。どうやらいつも女に任せているらしい。そんな様子を見た女はここぞとばかりに男に攻める。
「全く……こんなよく分からないこと考えてないで私との幸…せをか、考えなさい」
言ってる途中で恥ずかしくなったのか途中で言い淀んでしまったりしたが、ここで黙ってしまわずに言い切る。すると、男はその一言を聞いて何を思ったのかニヤニヤし始める。
「な、何よ。急にニヤニヤして。気持ち悪いわね。」
「いやぁ?オマエは本当に可愛いなって思ってな?」
「うっさい!」
男は女を茶化し始めると、先程の女優位の空気感はなくなりいつも通りの2人に戻る。すると疑問に思ったのか男は質問をする。
「そういやーオマエはヤンデレについて何一つ強く否定しなかったけどどうしてだ?」
「え?何が言いたいの?」
女は聞かれている内容が本当によくわかってないようで聞き返す。すると男は
「いやな?あの紙見せてから今まで文章を書いた時間の無駄さを言われても、ヤンデレなんてただのサイコパスだーってよく言われるような批判?がなかったじゃん。」
「あーそうだったかしら?なんにも考えてなかったわ……」
「あ、何も考えてなかったの……。まぁ何が言われると思ってたらなんにも言われなかったもんで正直意外に思ってさ。」
なんてことを神妙な面持ちで語る男。すると女は淡々とそのことについて語り始める。
「別にヤンデレについて何も思ってないわけじゃないけど、でもそれはアンタの趣味趣向で私がおいそれと口出ししていい事じゃないからね。」
「ほーぅ?随分と寛容なことで。ま、こちらとしてはありがたいんだけどさ。」
「それにアンタが前からヤンデレが好きだって知ってたしね。今更別に驚かないわよ。」
「……は?今まで行ったこと無かったよな?なんで知ってたんだ……?」
どういう訳か女が知っていたことに対して疑問を抱く。1番わかりやすい理由だと男との共通の友達に聞いたとかだろう。しかし、この時の男の頭の中には「なんで知っているのか」ということしかなかった。
「なんでって……そりゃあ秘密よ。大切な情報網だもの。教えるわけがないわ。それに、いい女には秘密は付き物よ?」
にこり、と微笑みながら女はそう返す。男は女に対して懐疑的になるが、そんなはずはないと頭を振る。
「もうこの話はいいじゃない。それより行きたいお店があるの。付き合ってくれる?」
「あ、あぁ……行こうか……。」
「もぅ!引きずり過ぎ!ほら!行くよ!」
「あ、ちょっと!引っ張るなって!わかった!行くから!自分で歩くから!」
「ふふふ!」
そう言って笑う女の目の奥には、常人では計り知れないほどにドス黒い闇が潜んでいた。果たして男は女の愛を受け止めきれるのだろうか───────。
た、多分何もしてないから!
男にプレゼントした大きいぬいぐるみの目のところにカメラなんて仕込んでないし!頭の中に盗聴器なんて仕込んでないから!全部女の勘だから!!!