次の日の朝、俺とストール、ラナティナの3人はゲンのいるダンジョン入り口に向かった。
「ゲン!おはよう、待たせたね。」
「おっす!おはよう、ラース!あれ?なんでストールさんとラナティナさんがいるっすか?サポーター契約でもしたんすか?」
「違うよ。彼らは昨日ウチに改宗したんだ。ストールさん、ラナティナさん改めて、こちらが今日から一緒にパーティを組む俺の武具専属契約をしたゲン・ストラージュだ。」
「なるほど、そうだったんすか。改めてゴブニュ・ファミリアのゲン・ストラージュっす。今日からよろしくっす。」
「改めてティアマト・ファミリアのストール・グリスタだよ。ゲン君よろしくね。」
「改めてティアマト・ファミリアのラナティナ・グリスタよ。夫共々よろしくねゲン君。」
「さて、全員自己紹介が済んだので早速今日の予定を話そうと思う。今日から全員で8層に向かおうと思う。ゲン、ストールさん、ラナティナさんがメインで戦い俺が補助や回復などのサポートを行う。なので存分に自身の強化に努めてほしい。俺からも何か助言できることがあればするのでみんなよろしく。」
「了解っす。」
「分かったよ。」
「分かったわ。」
俺たちは8層に向かった。途中7層でウォーシャドウがいたのでストールさんとラナティナさんの戦闘スタイルの一応の確認が出来た。寧ろ想像以上に戦えていた。最初のゲン同様ウォーシャドウ2、3体に数分かかり多少手傷を負ったが2人とも基本的な動きは出来ていた。
なので2人に回復呪文ホイミを使って傷を癒し、一応2人にも剣を使った受け流し方や足腰を使った受け流し方を教えておいた。
「一応受け流し方について教えたけど2人は知っていた?」
「いえ、相手の攻撃は受けるか避けるかを考えていたので受け流すことは盲点だったよ。」
「ええ、そうね。」
「それと気になったんだけど、ストールさんは敵を撹乱させつつも急所に大振りする事が良く見られたのだけど、それは何故?」
「僕達小人族は力が伸びにくいからね、少しでも早期決着を望むなら例え大振りでも急所を一撃で叩くしか無いと思ったんだ。」
「そうだったかあ。」
「何か問題でも?」
「問題と言うほどでは無いけど、何というか勿体無いなぁと思ってね。」
「勿体無い?何がだわ?」
ストールさんと話しているとラナティナさんも興味を持ったので全員に聞こえるように話した。
「ラナティナさん、それはストールさんの俊敏に加えて貴方達小人族が低い身長である事だよ。ストールさんは小柄な体格に劣等感を感じているみたいだけど物は考えようだよ。」
「それは何でかしら?」
「それは、その速度で低い位置から攻撃され続けたらとても厄介だからだよ。オークやミノタウロスを例に挙げると、もしストールさんがこの2体に今まで通りの攻撃をすると相手は格上なので攻撃が通じず、大振りのせいで自身の大きな隙になり手痛い反撃を喰らうかもしれない。」
「たしかに、それはあるかもしれないね。でもやって見なくちゃわからないだろ?」
「そうだね。でもね、低い位置から素早く相手の手足を細かく傷つけ、撹乱しながら着実にダメージを与えていけば相手に決定的な隙を作らせる事ができる。相手だって感情がないわけでは無いんだ。本能に従うモンスターだからこそ次第に我慢が出来なくなる。そこを突いていけば倒せないこともないよ。」
「そうか…。そういう考え方もあるのか。それにしてもラース君、君は変わっているね。僕達小人族の体格を勿体無いって…考えたことがなかったなぁ。ねぇ、ラナティナ。」
「そうね、ストール。でも、それなら活かさないと勿体無いわね。」
「それにね、俺の経験上1対多の乱戦の時、1人を多数で倒す時に一番厄介な敵が小柄で、素早く、硬い奴なんだ。乱戦の時に一番注意しなくちゃいけないのが、味方からの誤った攻撃なんだ。相手の攻撃の瞬間に相手の味方を盾にしたり、同士討ちを誘発させたりすれば、それが隙になる。自分に力が無いなら無いなりに別の手段で倒せば良い。俺はみんなには死んでほしく無いと思っている。でも冒険者をやる以上死は常に付き纏う。だから、みんなも生きる事に貪欲になって欲しい。俺の考えは以上だ。」
なんか、ストールさんの助言から話がズレたような気がするが気にしない事にした。
「ラース君、そこまで僕達の事を考えてくれて僕は嬉しいよ。ありがとう。」
「ラース君の考え確かに受け取ったわ。それでラース君。私には何か助言は無しかしら?ストールだけはズルいわ。」
「う〜ん。弓は専門外なんだよなぁ。扱えるけど前衛組程助言はできないかなあ。」
「そうなんだ…。」
俺が助言できそうに無いと伝えるとラナティナさんは頭を下げて落ち込みが見られた。
「だから、後衛としての心構えや動きについて位しか助言は出来ないけど良い?」
「何でも良いわ!少しでも強くなって、ストールに置いていかれたく無いもの。」
「そうだねぇ、後衛として行うべきは戦闘の全体を把握する事が大事だね。」
「うんうん、全体ね。」
「そう、全体を把握して敵が何体いて、何処にいて、何をしようとしているか、味方がどんな状態なのか、自分たちがいる場所がどんな所かなどあらゆる情報を得て適切に味方に指示する事が大事なんだ。」
「それって指揮官みたいな事?。」
「そう指揮官みたいな事をやるんだ。それでいてラナティナさんは弓使いだから、遠距離から急所や関節部分を攻撃するんだ。」
「急所や関節?でもストールの時は急所は決定的な隙を作ってからじゃ無いとって言っていたけどそれとは違うのかしら?」
「うん、遠距離攻撃は相手が気が付いていない所から攻撃できるのが利点なんだ。例えばミノタウロスの片目を不意打ちで潰せれば、そこが死角になり明確な隙が出来上がる。両目を潰せれば音を使い壁に誘導すれば激突しダメージを与えられるかもしれない。その間に矢の回収や短剣や毒矢などによる追加ダメージ、距離を取るなど色々できる。」
「なるほど。確かにそうだわ。」
「それに、パーティでミノタウロスと戦う時もストールやゲンが攻撃する瞬間に急所に攻撃すれば相手は弾くなり避けるなり隙を作らせる事ができる。後、最後に一つ弓使いにとって矢が無くなるのは死活問題だから今出来るうちに短剣だけでも戦えるくらいにした方が良いたら思うから今日の修練から短剣術を鍛えてみるのは如何かな?」
「ありがとう。是非そうするわ。」
俺たちは、改めて8層に向かった。
ドラクエの小柄(小さい)、素早い、硬い、銀色の流動体のはぐりんが憎い!出た時の喜び、即座に逃げた時の絶望。許すまじ。
でもゲームなら真正面で戦っているからフレンドリーファイアが無いけどあんな相手に実際戦ったら被弾率やばいよね?
まともに戦える自信はない!(ドヤァ)
それと主人公パーティって世間一般から見たら如何見られているんだろうか?やっぱりサポーターチームに見られているのかなぁ。少なくても、積極的に関わりたいって思われない位は何となくわかる気がする。