休日2日目
今日も早朝起きなので今日は置き手紙を残し、食料を持って1人ダンジョンに向かった。昨日散財したこともあるけど、みんなが成長していく姿を見ていて俺も負けてらんねぇなぁって気持ちになっていたからだ。取り敢えず"俺無しにダンジョンに向かう時は昨日購入したポーションを積極的に使うように"と手紙にも残したので俺は10層に向かった。今日はいつもの槍装備にした。
10層に着いてある程度探索して俺がまず最初に気がついたのは全方位が見えないほどのとても濃い霧が出現している事だ。次に歩くと何処と無く、首元に飛んでくる矢のトラップだ。最後に見た事がないがギルド受付の人が言っていた豚の頭をしてあるモンスターのオーク出現である。
オークは棍棒を装備していて、およそ3m弱の高さで歩いており、俺を見つけて襲いかかって来てたがそこまで早い動きではなかった。しかし、オークが腕を振りかざしたのを見たので避けると、俺の後ろにあった大岩が砕け散るほどの破壊力があった。
「(速度はキラーアントより少し早い程度かぁ…。これならゲン達でも避けられるが攻撃が問題だなぁ。重戦士のゲンならまだしもストールさんやラナティナさんに当たったら致命傷は間違いない。スクルトをかけても骨折するかもなぁ。)」
俺は少しでもゲン達のサポートが出来るようにオークの観察を行っていると1体だったオークが次々増えて8体群れを成した。ある程度観察し終えたらオークを倒す事にした。
オークが右腕を振り落とした瞬間にバックステップで躱して左足を軸に前方2体のオークの首元に右から左に向かって薙ぎ払いを行い倒した。尽かさず左足を軸のまま流れを殺さず後方の2体にも同様に薙ぎ払いを行い倒した。更に右にサイドステップを行い距離を取り槍に闘気を溜め獣殺しの槍技を使った。
「喰らえ!牙狼突き!」
槍から放たれた闘気と斬撃がまるで狼の群れのように変化してオーク4体の喉元を喰い千切り全滅させた。俺は直ぐに魔石を回収しているとそんな余裕を与えないように次々とモンスターが現れた。
今度現れたのはインプという小柄な悪魔だった。まるでベビーサタンを思わせる見た目だが、情報によれば集団戦を行う知能派集団であるから何かやる前に仕留める事にした。俺は、とある一族の守り手が使っていた剣技を槍で模倣した。
「死に晒せ!地走り!」
俺は溜めた闘気を槍に注ぎ、右足を軸に左足を大きく前に踏み込んで、その勢いで槍を右から左へ大振りし斬撃と共に闘気を地面に伝せた。伝わった地走りの斬撃は"ギャギャギャ"と音を立てながら、まるで石で水切りをしているように地面を跳ねながらインプに当たりその衝撃でインプを仕留めた。
今度は魔石を拾う前に更に違うモンスターの恐らくバッドバットなる蝙蝠のモンスターの群れが多数現れた。こいつらも情報通りなら回音波でこちらの妨害をする厄介なモンスターだと聞く。更にこいつらに引き寄せられた虫の如くオークとインプの群れも現れた。
「(こいつらもインプ同様に殺られる前に殺ってやる。)」
俺は所持していた槍を地面に刺して呪文で戦う事にした。
「右手からバギマ!左手からヒャダイン!合体!風氷乱舞バギダイン!」
バギダインは小さく細く硬い針状になった多くのヒャドがバギマの風を得てヒャドの数倍の速度で目の前に飛び散った。それだけで目の前にいたバッドバットは勿論、オークもインプも全滅させた。
「ふぅーっ。なんでこんなにモンスター出るんだ?これがモンスターパーティーってやつなのか。さてと、今の内に魔石の収集でもしておくか。」
俺は魔石やモンスタードロップを回収して先に進み11階層に下りた。モンスターパーティーは思っていた以上に良い修行が出来ていた。今までは何処かぬるま湯に浸かっている自覚があったが、弟子が出来たみたいでそれなりに心が満たされていた。
しかし、自分の成長が実感できるのはやっぱり気持ちが良い。その為に今日だけは積極的にモンスターパーティーを探そうと思う。大乱戦なら修行に持ってこいである。俺は、アルマジロ型のハードアーマードや大猿のシルバーバックなどを倒しながら探索しているとついにモンスターパーティーが発生した。
シルバーバックとハードアーマードの群れ約20体以上が全方位から襲いかかっていた。俺は押しつぶされても面倒なので殴りかかった目の前のシルバーバックを受け流すことで躱しそのまま後ろのハードアーマードにぶつけた。シルバーバックとハードアーマードは互いに攻撃し合い同士討ちはできなかったが、その2体のみ動きを止めることが出来た。
その隙を見逃すわけもなく俺はシルバーバックの背中を足場に空中に飛び上がった。空中に飛んだ俺が下りてきた瞬間に殺すつもりのモンスター達が着地地点に密集したのを見てから勇者の証とも言える雷撃を放った。
「お前らへの贈り物だ!遠慮は要らねぇぜ!"ライデイン"!」
雷撃呪文ライデインとは敵単体に雷撃を放つデインの全体系の呪文である。威力としては合体呪文のバギダインの方が少し高いがその分攻撃範囲と追加効果がある為此方を使用した。案の定モンスター達は全滅しなかったが、雷撃の追加効果で身体を数秒痙攣させて動けずにいた。着地した俺はその隙に倒しまくった。
それでも次々にモンスターが発生してくる。今度はシルバーバックやハードアーマード以外にもインプやバッドバットなどの妨害系のモンスターが群れを成して発生して石投げや罠の誘導、回音波など俺自身も被弾が増えた。
走り回りながらモンスターパーティーを行なっていること1時間くらいした時に上層のボスと言われる所々が紫色に変色しているインファントドラゴンが現れた。どうやら俺が倒した魔物の魔石を食べているようだ。
「ふざけんな!このクソドラゴン!それ(魔石)は俺のだぞ!欲しけりゃ俺を殺してから喰いやがれ!」
俺は伝わるか分からないけど、挑発して魔石喰いを止めさせた。流石の俺でも今の弱い状態では完全な強化種を倒せるか分からないからである。しかし、久しぶりの長時間大乱戦で疲れていたのか、死角からバッドバットの回音波をモロに食らってしまった。
回音波で両耳をやられ少しの間音が聞こえなくなったが振り向きざまに何とかバッドバットを倒した。しかし、後方から襲ってくるシルバーバックのぶん殴りに反応が遅れ頭をガードし受け身を取れたが、それでも脳震盪で身動きが取れずにいた。
そんな隙を見逃されるわけもなくインファントドラゴンの右鉤爪の一撃が俺に迫る。俺はベホイミで身体を癒したが回避も受け流しも無理と判断して呪いの槍でガードする。しかし、強化種になりかけのインファントドラゴンの一撃には耐えきれず半ばから切り裂かれ、俺自身も胸を切り裂かれ痛恨の一撃を喰らった。
切り裂かれた衝撃で地面に倒れたが、迫り来る尻尾の回転攻撃。痛みを我慢して起き上がり腕を十字にクロスして後方に跳んだ。その瞬間尻尾が腕を直撃し、触れた箇所が多い右腕と右肩からは"ゴギッゴギッ"と鈍く骨が砕ける音がしながら吹き飛ばされた。どうやら受け流しが成功したようで右腕と右肩が砕けるので済んだらしい。
「ゔぐあ"あ"!っ!ベホイム!っーーー!はぁー。はぁー。はぁー。」
「(強い。今の俺より圧倒的に強い。でも負けらんねぇ。負けてたまるかよ!テメェを殺して俺は強くなる!だから!とっととくたばれやー!」
「(呪装一体)スカラ!ピオラ!バイキルト!幻魔二槍・震空双牙!」
俺は自分に付与呪文を使い防御、速度、攻撃力の底上げをした。そこから切り裂かれた呪いの槍を両手に持ち短槍として扱いながら震空槍牙を交互に放った。放たれた呪いの斬撃は相手の左腕と尻尾、右目を切断した。
「グゴォォォォォォ!っ!?」
激昂するインファントドラゴン。しかし、何故か傷口が治らなず、身体が上手く動かなくなる事に驚いていた。その隙に走り出した俺。尽かさず火を噴き牽制するドラゴン。まさに時間との勝負。避ける選択は無い!
「(アバン流槍殺法)海鳴双閃!ッハ!」
火や水など物体では無いものを切ることを目的とする海波斬の槍版を放ち完全に火を消し俺は跳び上がった。
「これで終いだ!ライデイン!幻魔二槍・ギガスラッシュクロス!」
ライデインを宿した呪いの短槍から放たれた魔法槍の二撃はインファントドラゴンの首を切り裂き、大きな魔石と巨大な紫色の竜骨を残して消滅した。
同時に呪いの短槍達はライデインを宿す衝撃とギガスラッシュを放つ衝撃でとうとう砕け散った。と言うかよく持ったと思う。連戦に次ぐ連戦でいくら闘気で耐久値と切れ味を上昇させたが、所詮は鋼製の武器。普通鋼製の武器なんてシルバーバックに通用しないだろう。俺は砕け散った破片を集めて持ち帰ることにした。何故なら呪いの槍は俺の相棒だから。
「はーっ。はーっ。ふぅーっ。強っえーかったー。ありがとな、相棒。ゆっくり休めよ。それとインファントドラゴンよお前の骨、魔石は、有り難く受け取ろう。お前との勝負はこのバラストの胸に刻んだ。お前もゆっくり休めよ。じゃあな。」
俺は魔石とモンスタードロップを回収して、女神の指輪と祝福の杖を装備して歩きながら魔力を回復して呪文を駆使して戦いながら帰還した。
新技、オリジナル技、既存技炸裂!
戦闘描写難しかったけど、楽しかった。
強化種の定義(強化種に変化する速度や魔石を食べる量など)がよく分からなかったので、半強化種のインファントドラゴンの推定レベルは2.5〜3いかないくらいの強さをイメージして作りました。勿論原作主人公ベル・クラネルがランクアップした時のミノタウロスより強いイメージです。