旅人のダンジョン探索記   作:火取閃光

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第26話

「ここが…10層。ティナ、長かったね、ここまで来るの。」

 

「トール…そうね。」

 

「ここが、10層っすか〜。雰囲気が全然違うっす。気を引き締めて行くっすよ。」

 

「ここからは、俺も強化魔法を使ってサポートするけど、皆んな気をつけてね。」

 

「「「了解っ」」」

 

「んじゃ、行くか。」

 

俺たちは10層入り口で少し休憩を取ってから探索を始めた。ゲンを先頭にストール、ラナティナ、俺と縦一列で並び少し間隔をあけて進んだ。本来なら荷物持ちの俺をラナティナの前にするのが良いのだが、今回は俺と言う荷物持ちが居ない想定で隊列を組んでもらった。初の10層なのでしょうがないと思う。そうこうしているうちに、オークが3体ダンジョンの地面から生まれた。

 

「さぁ!モンスターが現れたわよ!モンスターはオーク3体、武器は棍棒、平地だけど霧があって視界不良、お互いが声を出して位置を確かめ合って!」

 

「「了解っ!」」

 

「オークが向かってきたわ!ゲン君、お願い!」

 

「了解っす〜!お〜っらぁ!」

 

ゲンは目の前の一体が縦に棍棒振りを行なったので呪いの大楯を横斜めに構え、当たった瞬間に横に押して棍棒を受け流した。オークAは受け流されると思っていなかったのかバランスを崩し片膝をついた。

 

「フゴォッ!?フグッ」

 

「シッ!ハァッ!」

 

「フギャァ!」

 

その隙にストールが素早く反応し左手の剣で下から喉を切り裂き、右手の剣で切り裂かれた部分を再度斬りつけ倒した。しかし倒されたオークの後ろからは更に棍棒振りを行おうとしているオークだった。

 

「フガガッ!フガァッ!っ!?フギャァ!」

 

虫ケラを叩き潰せたと勝利したと確信を得て振り下ろす直前に笑うオークB振り下ろしていると突然目の前が真っ暗になり激痛を覚えたオークは悲鳴を上げ、目標を見失いバランスを崩し両膝を着いた。激痛の先である左目に触れてみると硬い針のようなものが貫通していた。その正体はラナティナの矢だ。

 

「ゲン君!トール!目に矢が刺さったオークを倒して!もう1つは私が引きつけるからその間にお願い!」

 

「「了解っ」」

 

(これでも、くらうっす!シールドバッシュ!)

 

オークBの懐に潜ってゲンは顎に大楯で殴りつけ体を少し浮かせた。それでもオークBは右手に握っていた棍棒を握り直し左に振り払い牽制をする。しかし、棍棒が当たる前に突然右手が軽くなり空振りする。その後にくる激痛を覚え右手を見るオークB。右手が無い。その先には右手を切り落とした虫ケラがいる。

 

「フギャァ!フガァァッ!」

 

膝立ちし立ち上がろうと激昂するオークB。しかし、その時には遅く目の前には呪いの戦斧を首に叩き込もうとするゲンがいた。叩き込まれたオークBは痛みに耐えきれず消滅する。

 

一方オークCはゲンとストールに向かって攻撃をしようとしていたがオークB同様にラナティナに左肩、右横腹、右腕の3箇所に矢が刺さっていた。あまりにもウザい攻撃にイライラが限界に達したオークCはとうとう激昂し攻撃対象をラナティナに移して走り出した。

 

「フガァァッ!フガァァッ!」

 

接近されオークCの攻撃範囲に入ったラナティナは尽かさず右目に矢を放ち貫通させる。しかしオークCも痛みを耐えてそのまま棍棒を縦に振り下ろす。もう後ろと横に避けても第2撃は避けられない。其処でラナティナは敢えて前に向かった。

 

狙いは両内腿とお尻。ラナティナが加速したことにより下を見るが潰れたまでは捉えることができ無かった。また攻撃を切り替えることも出来ず、何とか攻撃の勢いを止めて中止するオークC。

 

その隙にすれ違いざまに腰につけた片手両刃剣で両内腿とお尻を斬り距離を取るラナティナ。膝を地面に着こうとするが何とか耐えて激昂し続けるオークCは4足歩行で我武者羅に向かってくる。

 

今度こそ万事休すと思いきやオークCの右横からシールドプレスの応用で盾を前に構えてタックルするシールドタックルをするゲン。死角からの攻撃に吹っ飛ばされるオークC。立ち上がろうとするが左脚を切り落とされてうまく立つことができない。

 

「今だ!ティナ!君がとどめを!」

 

「やっちゃってっす!」

 

「了解!」

 

ラナティナは中距離からオークCの急所に矢を放ち続けた。

 

攻撃を受けたオークCは悲鳴をあげる暇なく消滅した。

 

「全員!周囲を警戒!怪我はなかった?」

 

「周囲に敵は居ないよ!僕は怪我していないよ。」

 

「周囲に敵は居ないっすよ!オイラも同じっす。」

 

「周囲に敵は居ないみたいね、私にも怪我はないわ。皆んなお疲れ様。」

 

3人は周囲と怪我の有無を確認するが特になく無事オークの討伐が出来た。俺はサポーターよろしく魔石を回収した。正直強化呪文をかけなくても心配はなかったので行わないで見守ることにした。

 

「3人ともお疲れ様。魔法無しでも倒せそうだったので見守っていたけどバッチリだね。魔石は回収済みだから安心してね。この調子でモンスターを倒していけば10層でもやっていけそうだね。」

 

「そうだね、僕達なら行けるね。」

 

「そうっす。限界までやってみましょうっす。」

 

「本当は限界までやってはいけないけど、俺がいるし慣れるまでそれで良いよ。あとラナティナさん、今日の指揮はとても良かったよ。」

 

「ありがとうね。この調子で頑張るわ。」

 

「それじゃ、昼休憩までモンスターを倒して行こう」

 

「「「了解っ」」」

 

3人は昼休憩までの3〜4時間モンスター討伐を行なった。その都度何か反省点や改善点などがあれば行い、その間俺は魔石の回収と護衛に努めた。そして昼休憩後もモンスター討伐を行い、探索開始から8時間くらい経過して各々の怪我が見られたので俺も強化・回復呪文のサポートを行った。当初の回復呪文は使わない予定であったが戦闘中の切り傷、打撲などはポーションを使い、明らかに骨に異常がありそうな患部が腫れ上がった怪我について使う事にした。その結果、探索開始から休憩を含め13時間くらい討伐を行ない帰還した。

 

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