眼が覚めると思った以上に早く起きてしまい夕食までかなり時間が余ってしまった。その為に俺は本日2度目のダンジョンアタックに向かった。
「ティアマト様。夕食まで時間が余っているのでちょっともう一回ダンジョンに潜って来ますね。」
「今日は2度目でしょ?大丈夫?」
「うん、むしろ普段より動かな過ぎて力が有り余ってるくらいだよ。」
「分かったわ。気をつけてね。」
「はーい。」
一応ティアマト様には声を掛けてダンジョンに向かった。
夕食までに長過ぎて、ダンジョンアタックには短過ぎる時間なので、3層まで潜って呪文の確認を行なった。今日は試しなので最下級のみに限定した。
「おっと早速コボルトが4体現れたか。先ずは、これだ!"ヒャド"」
俺はコボルトの1体に右手を突き出し氷結呪文"ヒャド"を放った。その一撃でコボルトは一瞬で氷結し体が砕けた。
「分かっていた事だけど、上層だとヒャドでも威力高過ぎるかな?っよし、それじゃあ次はこれだ!"バギ"」
コボルトが混乱している隙にもう1体に左手を突き出し風刃呪文"バギ"を放った。その一撃で首を跳ね飛ばした。ここまで来ると流石に混乱は解けて襲い掛かった。
「さらに、これは出来っかなぁ?右手からヒャド、左手からバギ。合体!"バヒャド"」
合体魔法、意外と出来たようだった。俺は自分の適性状メラ系、ギラ系、イオ系の火に関する呪文の適性が無かった。その分、ヒャド系とバギ系に高い適性があるみたいで、賢者でも出来る人が少ない合体魔法を使える。
火の呪文が出来ないのは不便に感じる事もあるが、修行の末に剣技で"火炎斬り"が出来るし道具で炎の爪があるので実はそれ程困った事はない。
また、アレフガルドでは裏技使えば火系統の呪文も使えたが、こっちではそもそも裏技が出来るか怪しいし、体力の消費がえげつないので暫くは試さない方向で行く。
「良し!呪文は何なく使えたし、魔力にもまだ余裕があるし、回復や補助を使ってみるか。」
そう考察しているうちにまた、コボルトがゴブリンを連れて現れた。今度はさっきより多く、合計10体だ。
「良し、それじゃまずは"ピオラ"」
俺は自分自身に速度上昇呪文"ピオラ"を使用した。いつもより体か軽く感じ羽根が生えた様に感じた。
「うん、まずまずだけど俺の魔力も後ピオラ2回分かなぁ?無理しないようにこいつらは拳技をで良いや。」
俺は剣と盾を背中にかけて拳を構え、闘気を練り込んだ。
「先ずは、これだ!くらえ!"闘気砲"。次いで、くらえ!"鎌鼬"」
俺は練り込んだ闘気を右手から放った。それだけでコボルトとゴブリンを含む2体を倒した。更に両腕を胸の前でクロスして瞬時に腕を横に振った。その時に闘気と飛ばす鎌鼬で3体同時に倒した。残し5体を殴る蹴るして倒した。
体の調整もだいぶマシになったので今日はこれで帰ることにした。
「さてと、帰るかな。っと少し頬に傷があるなぁ。さっきの闘気砲を行なった時に破片が飛んできたけど、それだな。"ホイミ"。」
俺は回復呪文"ホイミ"を使い体を癒した。後魔力も残し少ない感じだから急いで帰り魔石を換金した。。今回のダンジョンアタックで1800ヴァリス稼げた。明日からは5層に行っても良い気がした。
夕食の時間を少し過ぎたかなあっと思いホームのある酒場に向かうと目の前には"中々"強そうな美男美女の集団が入っていった。
「っ!そう言えば、俺って弱くなったんだよな。彼らに対して中々は流石に失礼か。どうも、まだ驕りが抜けていないなぁ。」
俺は1人愚痴をこぼした。あの時の俺ならいざ知らず、今の俺は弱者なのだ。驕りは自分の身を危険にする。まだ頭の認識は調整出来ていないことに今気づけて良かったと思った。
反省はここまでにして、俺は気まずくて店に入れなかった。だって目の前で店の中がざわつき始めのだから。恐らく彼らは有名なファミリアなのだろう。俺は少し時間を置いてから店に入った。
「ティアマト様。遅くなってごめんね。只今戻りました。」
「お帰り、ラース。店の前で少し待っていた様だけど、どうしたの?」
「あっ、流石に気が付いた?。実はさっきの団体さんが入って店がざわつき始めたよね。それで、なんか入るのが気まずくて。」
俺は苦笑いしながら説明した。それを聞いてティアマト様も納得して笑われた。
「あー、成る程。うふふ、それは確かに気まずいわね。」
「そう言やぁ、ティアマト様さっきで1800ヴァリス稼いできましたよ。」
「わあ!凄い。でもねラース、やっぱり無理は禁物だよ。」
「そのぉ、分かっているつもりなんだが…なんかあの頃の癖がまだ抜けないみたいなんだ。少しずつ直す様にしていくよ。」
「うん。分かったわ。今日はお疲れ様、ラース」
「ありがとう。ティアマト様」
俺は久し振りに心配された事に改めてこそばゆく感じた。
「それじゃ、ラースご飯食べるでしょ?何にする?」
「それじゃ、野菜とお肉料理をお願いします。飲み物は果物酒でお願いします。」
「それじゃ、今から用意するわね。」
「いや、ティアマト様はもう上がりなさい。ラースはダンジョン初日なんだろう。祝ってやりなよ。」
「ミアさん、良いの?」
「ミアさん、良いんですか?」
俺は注文を頼むと後ろからミアさんがティアマト様に上がっちゃって良いと許可を出した。
「良いって言っているのだから、早くしな。」
「「ありがとう。ミアさん」」
「いいって、お疲れティアマト様、ラース。」
俺たちは空いている、カウンター席で食事をした。2つ隣の席には、何処かで見たような同い年くらいの白髪の少年が店の雰囲気に圧倒されている様に見えた。
(う〜ん?この少年どっかで見たような気がする。何処だっけかなあ、気のせいかな?)
俺は少年を一瞥して思い出そうとしたが思い出さなかったので、気のせいだと思い忘れた。そうすると、有名な団体の方から大きな声が鳴り響いた。
「なぁ、アイズ!あのトマト野郎に話をしてやれよ!」
あの狼人族の人はベート・ローガと言い女の人はアイズ・ヴァレンシュタインと言うそうだ。つまりあの有名な集団はロキ・ファミリアなのだろう。
どうも話によるとロキ・ファミリアがミノタウロスと言うモンスターを上層に逃がしてしまったらしく、どっかの冒険者が襲われている所を助けたそうだ。その時にミノタウロスの返り"血を全身に浴びた"らしく"叫び声"を上げて"逃走"したらしい。
(んん?なんかデジャヴだな。それ今日俺も会ったぞ?)
酒場の空気が笑っている人たちと気分を害している人たちの2つに分かれていた。リューさんはベートさんを殺しそうな勢いで睨んでいた。ティアマト様も何処と無く気分を害していた。
「弱え奴がアイズに相応しい訳ねぇだろ。」
ベートさんがそう呟くと2つ隣に座っていた少年が突然立ち上がり店を飛び出した。どうやら彼がさっきの話のトマト野郎だった様だ。通りで見たことある訳だ。
「ラース、あの子供なんか感じ悪いわね。」
「そうだね。食事場で言うことでは無かったと思うよ。でも、ティアマト様、ベートさんの言っていることって間違った事はほとんど言ってないよ。」
意外とダンまちでベート・ローガさんが1番カッケェと思う。口は悪いけど自分を追い込むストイックさがあり強さもあり、正直主人公格な気がする。