俺は何時もの習慣で早朝目が覚めた。ティアマト様を起こさないようにベットから出てダンジョンに向かった。一応部屋に置き手紙を置いてから出て行った。
早朝にダンジョンに向かう人はいないみたいで、ダンジョン内は凄く空いていた。今日は5層に行くためにダンジョンアタックをしていると昨日の食い逃げした少年とばったり会った。
「あんたは…昨日の」
「っ!」
「食い逃げ。」
ガクッ
少年は酒場の食い逃げの事を指摘されると思った為か身構えていたが、どうやら違ったようだった。
「違うよ!」
「いや、違わないだろ。ミアさん怒っていたから、早めに謝っておけよ。」
「あ、うん。そうするよ。」
「それじゃ、俺はこれから潜るから気をつけて帰れよ。」
「ちょっと待って!僕は強くなれると思う?」
「いや、知らねえよ。でも強くなりたいって思って行動しないと強くはならないだろう。その点アンタは行動したんだから可能性は十分じゃね?」
「そうか…ありがとう。それじゃ、またね。えーと、僕はベル、ヘスティア・ファミリアのベル・クラネル。君は?」
「ティアマト・ファミリアのバラスト。それじゃあな、ベル。」
俺はそう言って、ダンジョンに潜った。5層を予定にしていたけど、昨日よりも動けるようになった為か6層まで潜った。今日はコボルト以外にダンジョン・リザードやフロッグ・シューターなどにも出会い、6層ではウォーシャドウが出現し4〜5時間位潜った。その後お腹が減った為に一度ホームに帰った。魔石を換金すると6400ヴァリスになった。
ホームに帰るとティアマト様が何処かに行こうと準備されていた。
「ティアマト様、ただいま。何処か行くんですか?」
「ラースお帰り。今日の夕方から神の宴があるからその準備をしているのよ。」
「神の宴…?そりゃあ何なんですか?」
「う〜ん?各ファミリアの神達が不定期に集まるパーティみたいな物なの。そこでレベルアップした子供の2つ名を決めたり、情報交換したりするわ。」
「パーティですか、それなら折角なのでオシャレしないと勿体無いね。」
俺は折角のパーティなのでティアマト様に恥をかかせたく無いし、純粋にパーティドレス姿を見てみたくオシャレを提案した。
「良いよー。私達まだ零細ファミリア何だから着飾ったりしなくて。誰も私に注目はしないでしょ。」
「そんな事は無いって、ティアマト様。俺、この機会に是非ティアマト様のパーティドレス姿見てみたいんですよ。俺が見たいので、俺の為にオシャレして貰えませんか?」
「ラースがそこまで言うのなら、良いけど。パーティドレスって高いよ? 安くても1万ヴァリスはするよ?」
「1万なら昨日と今日の稼ぎで何とかなりますよ。俺には武具も回復手段もあるんで、基本食費と宿代位しかお金とか掛からないので。」
「それは、ラースに悪いわよ。」
頑なに俺の提案を断るティアマト様に俺は最終手段を行使した。
「それでは、俺がティアマト様にプレゼントしたいんです。まさか、神さまともあろう方が子供からのプレゼントを無下にはしないですよね?」
「ラース、その言い方はずるいよ。受け取るしか無いでしょ?」
「でも、こう言わないと、ティアマト様は受け取ってくれ無いでしょ?」
「それは…そうね。ラース、ありがとう」
「うん。どういたしまして、ティアマト様。」
やっぱりティアマト様は笑顔が似合うからドレスも明るい色が映える気がした。
「それでは、ドレスの採寸もあんので行きましょうか?」
「そうね。ミアさん達に言ってくるから外で待っていて頂戴。」
「分かりましたよ。」
俺は店の準備の邪魔になら無いように外に出た。そうしたら丁度ベルがミアさんとアーニャさんと話をしていたので、まずティアマト様にミアさんが外にいる事を伝えた。少し待つとベルの用事が終わったみたいなので、ミアさんにドレスの採寸の事を伝え衣服屋に向かった。
「ティアマト様は何色のドレスを着る予定ですか?」
「そうね、藍色のドレスかしら。」
「そうなんですか?ティアマト様なら明るい色も似合いますよ。赤とか黄色とか。」
「そうかしら?う〜んでも赤や黄色は着たことないかな〜。」
「なら、これを機会に是非着ましょうよ。」
衣服屋に着いてドレスを購入した。ティアマト様が土壇場で赤色と黄色のドレスを尻込みした為にオレンジ色を提案してそれに落ち着いた。ドレス代は10500ヴァリスで所持金より少し超えていたが店側が神の宴がある事を知っていて10000ヴァリスにまけてくれた。今度からこの服屋に贔屓しようと思った。
「それじゃ、俺はこれからダンジョンに潜ってきますね。」
「昨日も言ったけど無理し無いでね。」
「大丈夫。今日気が付いた事なんだけど、あの頃の様な世界の危機、復讐の為の戦いでは無く、家族と暮らす事、冒険の為の戦いって苦しくないんだよね。おかしな話ですが寧ろ楽しいよ。」
「そう。それなら良いわ。ラース、今日はプレゼントありがとね。」
「ティアマト様も今日の宴を楽しんできてくださいね。」
俺はダンジョンに、ティアマト様は宴までの間準備をしに別れた。
俺は昼とおやつを買ってから7層に向かった。7層にはキラーアントやパープル・モスと言う毒を撒き散らす虫が多くいるみたいだった。
7層に辿り着くと早速キラーアントと思われる6足歩行で硬そうな虫が4匹いた。その為に気づかれる前に不意打ちをかました。
「(疾風突き!)」
俺は自身が持ち得る最速の剣技でキラーアントの1匹を倒した。そのついでにもう1匹を氷結斬りで倒した。そのことに危機感を感じた為かキラーアントは特性の救援を行いゾロゾロと現れた。その数20〜30体。
俺は氷結斬りをした時に、あまりダメージの入りが悪いと感じた為に試しも込めて火の剣技を放った。
「これでも、喰らいやがれ!火炎斬り!」
効果は絶大だったが、いかんせん数が多い。俺は連続して火炎斬りを放ったが、ゾロゾロとさらに数が増えた。その為に俺は闘気をさらに練り込み、火炎斬りの発展剣技を放った。
「ちっ!うぜえ!くたばりやがれ!灼熱・火炎斬り!」
"灼熱・火炎斬り"は火炎斬りが敵単体に対して敵全体に闘気を火のオーラ変質させて燃やし尽くす剣技である。この剣技でキラーアント10〜15匹を倒せた。キラーアントもその異常性に気が付き侵攻を止めた。俺はその先を見逃さず、もう一度灼熱・火炎斬りを放ち全滅させた。
この辺りから、徐々に今のステータスじゃ難しくなったが、懐かしい成長を、伸び代を感じる感覚を嬉しく思った。強くなるにつれて強敵やライバルは居なくなるので、この達成感は、高揚感は気持ちが良かった。
しばらくはずっとキラーアント狩りに集中した。途中食事休憩を取りながら、戦っていくとダンジョン初のドロップアイテムが割と多く落ちた。
ティアマト様と別れてから、6〜7時間位経ったので切りのよいところで撤退を行なった。ドロップアイテムは特に必要無いので魔石と共に換金した。本日の稼ぎは驚異の20800ヴァリス稼げた。
俺はお金を持って昼前に行った衣服屋に向かった。ティアマト様がまだドレスを受け取ってい無い事を確認してから衣服屋に売っている、藍色の蝶のブローチを2000ヴァリスで購入した。その際に店主さんにお金の事を聞かれたので、さっきまで7層で稼げた事を伝えるととても驚いていた。それと店主さんにブローチはティアマト様にサプライズプレゼントって事でお願いしたら、店主さんも2つ返事で了承してくれた。
俺は流石に疲れたしお金も使いすぎたので出店で適当なものを食べて早めに休んだ
早速オリジナル要素が登場しました。
灼熱・火炎斬り
モデルはドラクエヒーローズの煉獄・火炎斬り(だったと思うのですが)を見て思った事なんですが、なんか名前負けしているなぁって思った事がきっかけでした。これ煉獄っいうよりも灼熱じゃね?