side ティアマト
今日は、ファミリア結成して初の神の宴。本当は普段着で行く予定だったけどあの子が用意してくれたドレスで出席出来る事に嬉しい様な、照れる様な色々な気持ちであふれた。
早速ドレスが出来上がる予定の時間に衣服屋に向かった。その時に神の宴の為に馬車を出してもらえたから其方を使わせて貰った。
「ティアマト様、お待ちしておりました。こちらがお召し物に御座います。」
「ありがとう」
ドレスを受け取り着てみた。
「ティアマト様の清流を窺わせる水色の髪がドレスの色でとても映えていて、よくお似合いですよ。」
「そう?それなら良かったわ。折角あの子が選んでくれた物だから良かったわぁ。それじゃ私は行くわね。店主さんありがとね。」
そう言って馬車に乗ろうとしたら店主さんに止められた。
「お客様、少しお待ち下さい。こちらをお受け取り下さい。」
何かしら?と受け取るとそこには青色の蝶のブローチがあった。
「店主さん、これは?」
「とある方からのサプライズプレゼントです。ティアマト様にとてもお似合いにられると仰っていましたよ。」
そこでようやくブローチがあの子のプレゼントだと理解した。やっぱりずるいと思った。私はブローチを身につけて宴に向かった。
宴では色々な神達が、情報交換や談笑、食事をして楽しんでいた。私が入ると多くの神が私を見た。私が下界に来た事や宴に来たことに驚いている表情が多かった。
(あの子が選んだドレスが変だと言われなくて良かったわ。)
心の中で安堵しているとロキとヘスティアが喧嘩をしていた。ヘスティアはロキに胸の事を言って、ロキが言い負かそうになっていると私と目があった。
「……うぐっ!ん?おー。ティアマトやないか。そのドレスとブローチどうしたん?」
「うん。あの子がね貯めたお金で買ってくれたのよ。ドレスも選んでくれて、ブローチはサプライズプレゼントされたのよ。似合っているかしら?」
「ほーう、そうやったんか。ラースもやるやんか。おい!どチビ。どチビのファミリアはティアマトよりも早く結成したんやろ。なんでティアマトの子がドレスを用意出来てどチビの子が用意できない訳や?もしかして、どチビって子供に嫌われとるの?(笑笑)」
「なっ!そんな訳ないだろ!ベル君と僕はラブラブさ!いい加減な事を言うなよロキ!」
「はん!どうだかな。子供がそう言ったんか?」
「そ、それは…う〜ロキの馬鹿ー!お前なんて一生無乳であれば良いんだー。」
ヘスティアはヘファイストスの背中に隠れた。
「今回はロキ無乳が勝ち、ロリ巨乳が負けたな。珍しいな。」
男神達はロキとヘスティアの攻防を楽しんでいた。
「ティアマト、今日はありがとな」
「此方こそ?って事で喜んで良いのかしら?」
それから各ファミリアの子供達の2つ名命名式が行われカオスな状態になった。神の宴がお開きになった後ヘスティアはヘファイトスに土下座して子供の為に武器を作って欲しい事を頼んでいた。
「ヘファイストス!お願い!僕のベル君に武器を作って欲しいんだ!」
「流石の神友でも聞けないお願いね。嫌よ。」
「そこをなんとか、お願いします。」
「貴方ねぇ、お願いすれば、土下座すれば私がやると思っているなら大きな間違いよ。」
「頼むよ、ヘファイストス!一生のお願いさ!」
「貴方の一生のお願いを何度聞いたことやら」
ヘファイストスに武器を作って欲しいと頼むヘスティアだが、ヘファイストスはヘスティアのお願いに飽き飽きしてていた。
「ヘファイストス!これで本当の本当に最後のお願いさ!ヘファイストスに嫌われらても、絶交されてもいい。それでも、僕はベル君の役に立ちたいんだ。」
「貴方の気持ちは分かったわ。でもお金はどうするの?私は鍛治職人だから中途半端な物は作る気ないわよ。やるなら徹底的にやるから最低数億ヴァリスは覚悟して貰うわよ。貴方に払えるの?」
「っゔ!?お、億でも一生をかけて働いて返すから、お願いします。ベル君の武器を作って欲しいんだ。」
「それと、自分の身に過ぎた武器は使用者の身を滅ぼすと相場が決まっているわ。貴方は自分の自己満足を満たすのに自分の眷属を死なせることも分かっているっているの?」
「っ!?……。分かっているさ、これが僕の自己満足だって言うことは。それでも!僕は何もやらず後悔するのは、待つだけなのは嫌なんだ!だから、お願いします!ベル君の武器を作って下さい。」
ヘファイストスの核心をつく質問に少し沈黙してしまうヘスティアだったが、ヘスティアの熱意に押されヘファイトスは腰に手を当ててため息を吐いた。
「ハァ〜。分かったわよ。ヘスティア、これが最後のお願いだからね。全くこれじゃ私が悪者みたいじゃない。」
「ヘファイストス!ありがとう!」
「何百年何千年かかってもちゃんと働いて返して貰うからね。泣き言は聞きません。覚悟しなさい。」
「うん!絶対に返すからね!」
「そう言えば、ティアマトの子供もヘスティアの子供と同じ時期に冒険者になったけどついでに武器を作ろうかしら?勿論お金は払って貰うけどね。」
「ヘファイストス、ありがとうね。でも遠慮しておくわ。戦いはあの子に任せているし、あの子にはヘファイストスの子供が作った武器以上の物があるから多分、聞いても要らないって言うと思うの。気を悪くしたら御免なさいね。」
「へぇ、それは鍛治職人として鍛治ファミリアとして聞き捨てならないわね。ティアマトの子供ってまだLV.1なんでしょ?何でそれ程の武器を持っているの?それともLV.2以上なの?」
どうやらヘファイストスの興味を引いてしまったようだった。ヘスティアも私たちの話を注目していた。その為にラースのスキル"勇者の軌跡"についてボカしながら少しだけ説明した。
「それはね、彼のスキルに関係していてね。彼は改宗するとステータスがリセットしてLV.1に戻ってしまうのよ。」
「ティアマト、それは子供から言って良いか許可を得ているの?」
「得ていないけど、知られても困らない情報だし彼も気にしていないしね。それと、知っていれば他の神が彼に余計な手出しはしないでしょう?でもそうね、次からは気をつけるわ。話を続けるけど前にいたファミリアで上級冒険者だったみたいだったからその時に手に入れた武器だって言っていたわ。見せてもらったけど、素人目線から見てもその武器の存在感は圧倒的だったわ。」
「そんなに凄いなら見せて欲しいわ。」
「見せれるかは本人に聞いて見ないと分からないわ。明日にでも聞いてみたら良いんじゃないかしら?私も彼の武具の手入れを行ってくれる鍛治職人との縁が欲しいからね。」
「成る程、そう言う魂胆ね。分かったわ、明日の昼前に会いに行くわ。どこに行けば良いの?」
「豊穣の女主人って言う酒場に住み込みで働いているの。でももう少し貯金したらどこか小さくても良いからホームを借りれたらって思っているわ。」
「分かったわ。明日はよろしくね。」
「うん、よろしくね。」
私は帰り、先に寝ていたラースを見てラース自身の明日の予定を聞くのを忘れていた事に気がついた。その為に起こすのも悪いから、手紙を置いておき勝手にスキルを話した事とヘファイストスに武具を見せて欲しい事、この機会に鍛治職人と縁を結んで欲しい事などを書き記し休んだ。
コネクションを結ぶって難しいよねぇ。
相手の気を引くためにも何をリスクに取るか、その駆け引きが難しい。