完全催眠の力を貰った転生者が欲望のままにする話 作:32.56
そして内容は題名の通り、エロ同人に出てきそうな能力を貰った主人公が好き勝手やる話です。
更に言うと初投稿です。
ソードアートオンライン要素ほとんどないですが、オリジナルというには二次創作要素が多すぎるので原作に使いました。
主人公視点は多分明日投稿します。
悪魔王の一人であるアスモデウスは退屈していた。
最近は悪魔を召喚しようとする人間はほとんど居らず、正確な方法もほぼ失伝してしまっているため、召喚しようとしている奴らも儀式のようなことをしているだけで、悪魔界にはまったくもって影響を及ぼさないのである。
既に過去の儀式で得た魂は消費しつくし、他の悪魔で憂さ晴らしをしていようとも所詮は同族。
人間ほど無様に泣き叫ぶこともなければ、その精神や魂を味わうことすらできない。
人間相手にできることなど、精々が先ほども言った儀式の真似事をただ見る程度であるが、毎日数度は行われる儀式の真似事が、アスモデウスの退屈の日々の中では一番の楽しみであった。
その日もまた、アスモデウスはそのような儀式を見ていた。
召喚者の男はどうやらサキュバスを呼び出す儀式をしてるようだった。
材料が全て代用品である部分は非常に残念であるが処女の生き血の代用品としたエクストラバージンオリーブオイルは36℃程度まで温められており、オークの肝の代用品として豚レバーを使っていた。
それ以外では鍋が少し浅いくらいで、タイミングも処理も完璧であった。
惜しむらくはすべて代用品で作られているということだが、かなり経路はつながっている。
この程度ならば、悪魔王としての力でごり押せば外に出れる。
拙いとはいえ儀式で作られた経路をたどるのであれば天界の者共も手出しはできない。
そして何よりサキュバスを呼び出す儀式をしていたのだ、サキュバスの王でもあるアスモデウスとは抜群に相性が良かった。
数百年ぶりの人間界に、アスモデウスは心を躍らせながら飛び出して行った。
だが、召喚者のもとに現れた際に事件が起こる。
なんの魔術的防御も施されておらず、魔のものが駆逐され魔への耐性の下がった現代の人間の体は、アスモデウスが現れた際に巻き起こった魔力の奔流により消し飛んだ。
大変な事になった。
契約を結ぶ前に契約者を害したのであれば、正当な儀式の元呼ばれたものとは認められなくなる。
そう考えたアスモデウスは、契約者の魂を回収し、現場を改ざんして、儀式が失敗し、魂が消し飛ぶほどの魔力が暴走したように見せかけた。
そうしてアスモデウスは魔界へ戻った。
この魂をおもちゃを回収するための道具とするために…
魔界、アスモデウスの城には、今の魔界ではとても貴重な物があった。
人間の魂である。
だが、その魂は正当な契約を経たものではない為、まだ好きにできるものではない。
そして、この魂は好きにするためのものではない。
人間の魂を今の時代でも効率よく集めるための、大切な道具(予定)だ。
きちんと道具として使うためにも此方に有利な状態で契約を結ばねばならない。
手っ取り早く心を読んで情報を抜き取ろうとしたアスモデウスだったが、この人間は心を閉ざしていた。
どんな経験を積んだら、魔術などではない技術だけで、契約の席についてすらいないとはいえ悪魔王から心を隠せるのだろうか。
暗い暗い過去があったのであろう。
アスモデウスは想像し、嗤った。
とても悪魔との契約向きな人間なのだろうことはわかったが、情報がないことには有利な状態を確実にとることはかなわない。
だがいくら数百年使っていなかろうと、悪魔は交渉も本分。
人間程度に後れを取ることはないだろう。
その自信の元、アスモデウスは魂を仮初の器へ入れた。
「ここは?お前が連れてきたのか?」
器に入り、しばらくすると男は目覚めたようで、不遜にそう尋ねてくる。
「ああ、そうだとも。
私はアスモデウス、貴様が呼ぼうとしていたサキュバスたちの王だ。」
アスモデウスはそう名乗った。
男は少し驚いたような顔になると、黙り込み考え始めた。
その瞬間も心を読むことは一切叶わない。
既に交渉の席についているにも関わらずこの抵抗力か。
マーラから聞いあの男のようだ。
アスモデウスは内心そう感心した。
「…そうか。もう一度聞くがここはどこだ?」
身分を聞いたうえでも尚、尊大にそう聞いてくる。
よほど能力に自信があると見える。
アスモデウスは一筋縄ではいかないかもしれないと警戒度を少し上げ、答える。
「ここは魔界、私の城だ。
聞かれると思うので答えておくが、貴様は儀式にほぼ失敗し体が消し飛んだ。
そこを慈悲深い私が魂を回収し、こうやって仮初とはいえ体もくれてやったのだ。
感謝するがいい。」
挑発がてら上から目線で発言する。
乗ってくれば楽なのだが。
「そうか、感謝する。
それで?望みは何だ?」
やはり乗ってこない。
そのうえでこちらが悪魔であることを理解したうえで望みを聞いてくる。
ここが勝負どころか、こいつから望みを引き出せば多少は有利に立てる。
「その前に貴様の望みを聞こう。」
心底疑問に思った顔で奴は聞いてくる。
「お前が俺を助けた対価を聞いているのに、俺に望みを聞くのか。
悪魔らしくあれは偽りで本当はお前に過失でもあったか?」
…どうやらアスモデウスの交渉術はさび付いていたらしい。
心を読む術に頼り切り、人間心理学を使用して考えを読むことすらできない。
リハビリが必要であるような状態なのに大層な強敵が相手なものだ。
アスモデウスは自嘲した。
「知っていたのならばこれ以上偽ることもできんな…
さすがはこの現代で代用品を数多く使っていたとはいえ悪魔召喚の儀式を行った男だ。
私の過失で貴様は死んだ、だが私は貴様を蘇らせることができる。
天界などとの手続きの関係で世界には戻せんが、記憶を保ったまま別の世界に生まれ変わらせてやろう。
そこまではこちらの出す対価だ。」
男は黙り込んでいる。
どうやら本題がまだ先にあることを理解しているらしい。
「貴様は本題があることを理解しているようだ。
であればもう単刀直入の方が良いであろうな。
貴様の望みを叶えてやる。
その対価として私の退屈を紛らわせるおもちゃを用意しろ。」
それを聞き、男が答える。
「お前が叶えられる望みはなんだ?ハッ、特別な能力でもくれるのか?」
男は馬鹿にしたように鼻で笑い、問いかける。
挑発しているようだ。
少し頭に来つつも、態度には表さず話す。
「あぁ、お前が望むならば与えるとも。
洗脳、催眠、常識改変、時間停止、透明人間化、肉体改造に精力強化。
様々な能力を与えてやろう。」
それを聞いた男は少し悩み、こう言った。
「催眠と言ったが…例えば鏡花水月の完全催眠のように五感を騙すことはできるのか?」
「鏡花水月がなんだかはわからないが、できるとも。
本人の体を動かさぬよう、脳からの指示を乗っ取り、錯覚の中で自分の意志で動いたように騙すこともな。」
アスモデウスは答える。
男が乗らなければおもちゃが一つ手に入っただけで終わってしまう。
それは何としても避けたかった。
「例えばだが、全人類をその能力で騙したりできるのか?」
男はさらに質問してくる。
「出来はするが脳に負担が掛かりすぎるな、無理だ。」
「では肉体改造で、負担に耐えられるように頭をよくすることはできるか?」
「記憶力、計算能力などを上げることは可能だ。
だが発想力やひらめきなどを与えることはできん。
そして、全人類は絶対に無理だ。さっき言ったように全人類の動きを錯覚させられるだけの働きをやるのであれば最大限強化しても30憶人が限度だ。
五感を一つだけにしたり、騙すのではなく行動に条件を付けたりで縛るのならば更に増やせるが。」
「ならば、コンピューターと脳を接続できるようにはできないか?」
「ふむ、コンピューターとは最近流行っているらしいあれか。
生憎私は最近の人間界に疎くてね、できないな。
だが、お前さんが転生した先の世界でまた儀式を行い、私を召喚するならば解析し、そうできるようにしてやろう。」
「…参考までに聞くが、儀式の手順は?」
「そうか、正しい手順を知らずに独学でやっていたのだろうし悪魔本人から聞けるのであればまたとない機会か。
だが代用品を使っていないだけでお前の工程はほぼ完ぺきだったぞ?
まず処女の生き血を鉛の巨釜に入れ、マンドラゴラを入れて香りが付くまで炒める。
そしてオークの肝から油が出るまで火を通し、サラマンダーの爪、バジルを入れ、先ほど血を抜いた処女から髪の毛を抜き、入れる。
そうすることでサキュバスを呼ぶことができる。
お前はタイミングも処理の仕方も完璧だったし、私の与えた力があれば処女程度簡単に捕まえられるだろう、オークの肝とサラマンダーの爪以外は代用品をここに来る前にやった通りにすればいい。
代用品は豚の肝と鷹の爪で構わない。」
男ははっきりとした微妙な顔でうなづいた。
おそらく、もっと洗練された方法があると思っていたのだろう。
少しアスモデウスは決まづくなった。
質問がおわると、少し考え、男はこう言った。
「どんな遠い場所からでも人間の五感全てを再現し、本人の体を動かさずに、本人の意思を感知して歩いたり行動したりしたように錯覚させることができる能力と、記憶力と演算力を最大まで強化した頭脳、そしてコンピューターへ接続する能力。
それらを俺に与え、1990年付近に生まさせれば、必ずお前の退屈を紛らわせるおもちゃを用意しよう。」
自信満々に男は言った。
「ほう、必ずか。
ならばいいだろう、先の三つは転生してすぐ与えられる。
子供の内には死なないよう少しは取り計らってやる。
では、死ぬまでに必ず満足できるだけのおもちゃをおもちゃを用意しろよ?」
アスモデウスはそういうと、男を器から取り出した。
「ふむ、どの夫婦の元へこの男を送り込むか…
こいつらは貯金がない、こいつらは離婚寸前、こいつらは…良いな、茅場夫妻か。
離婚などをする気配もはなく、貯金はあり、仕事も安定している。
この夫婦にするとしよう。」
アスモデウスはひとしきり独り言を話すと、男の魂を萱場夫妻の受精卵へ定着させ、流産しないよう加護を施した。
もうすでに、退屈で退屈でたまらないが、それでも光明がある。
アスモデウスは名前を聞いてすらいなかった男が成長し、おもちゃを献上するまでの暇をつぶすため、またいつも通りの日々へ戻っていった…