完全催眠の力を貰った転生者が欲望のままにする話 作:32.56
次の話でやっと好き勝手にできると思います。
あとがきに一応程度にいくつか元ネタとか書いてます。
多分来週までに残り二話書いて四話で終わりです。
昨日からの作業が終わり、今日やっと帰宅した。
父さんと母さんがマンションを買ったからと買わされた実家の一軒家には、残念ながら俺一人。
疲れて帰ってきてもねぎらってくれる嫁なんていない。
寝ようかとも思ったが、一周して眠気がなく、猛烈に腹が減っていた。
そういえば母さんが昨日お裾分けに来たらしい。
冷蔵庫を見れば何かあるだろう、と思ったほぼ何もない。
そしてシンクには水に漬けられた皿と鍋が。
どうやら母はお裾分けとか言って家に来て勝手に料理を作り、食器も洗わずに帰ったらしい。
仕方なく、何か作ろうと、フライパン、というか中華鍋だけで作れるものを思い浮かべる。
そういえば、パン屋の店員のサクマさんからフライパン一つでできるペペロンチーノの作り方を教わったことを思い出した。
ならば作ろうと、材料を思い出しつつ探す。
パスタに、ニンニク、おそらく母が置いていったなんだかわからない肉、これまた母がやったのだろう、真夏日に日の当たる窓際に置かれ温まったオリーブオイル、いつからあるのかわからないバジルと鷹の爪。
それらの材料を、細かい分量は忘れたのでテキトーにやっていく。
ドバーッとオリーブオイルを鍋に突っ込み、ニンニクをむいて刻んで、もう使わないだろうし全部入れる。
適当に炒めたら、切った肉を入れて、良い感じに火が通るまで炒める。
あとはバジルと鷹の爪を突っ込み、鍋の中へゆでたパスタを入れた。
そうしてペペロンチーノは完成した。
面倒だから中華鍋ごと持って行って食うか、皿に移すか。
そう悩んでいた時、ふと、風が全身に吹き付けたような感覚がした。
その瞬間、俺の意識は闇に沈んでいった…
目が覚めると、そこは何か暗めの装飾が多用された、ザ・ヨーロッパの城!みたいなところだった。
目の前には、アラブとかそっち系統っぽい顔の、山羊の角が頭についた遊んでそうなイケメンがいた。
余りの中二病感にめっちゃびっくりしたけど、外に出ないようにそっと瞑想をする。
シッダールタとかいうすごい人もやってたらしく、とてもすぐ落ち着けた。
そうして、瞑想の時間も含めて目が覚めてから一瞬ではあったが、満を持して目の前のイケメンへ声をかける。
「ここは?お前が連れてきたのか?」
人見知りなせいで、少し棘のある言い方になってしまう。
そして言った後に気が付いた。
もしかして言葉通じないんじゃね?と。
「ああ、そうだとも。
私はアスモデウス、貴様が呼ぼうとしていたサキュバスたちの王だ。」
だが、イケメンは流暢な日本語でとても中二病的な言葉を返してくれた。
サキュバスなんて呼ぼうとしてないぞ??
何言ってるんだこいつ??
とか思いつつ、どう返せばいいか考える。
とりあえず中二病的な部分は流して、聞きたかったここがどこなのかをもう一度聞く。
「…そうか。もう一度聞くがここはどこだ?」
そう聞くと、イケメンは口角を上げ、答えた。
「ここは魔界、私の城だ。
聞かれると思うので答えておくが、貴様は儀式にほぼ失敗し体が消し飛んだ。
そこを慈悲深い私が魂を回収し、こうやって仮初とはいえ体もくれてやったのだ。
感謝するがいい。」
あー、何から突っ込めばいいんだろうか。
とりあえず…うん、ここがどこだかわからないし、どういうルートでここに来たのかもわからない。
怒らせたりはしない方が良さそうだ、ここは素直にお礼を言っておくに限る。
それに恩に着せたようなことを言ってくるんだし、なんか言われる前に先に聞くのもしておこう。
「そうか、感謝する。
それで?望みは何だ?」
そう聞くとイケメンは、口は笑ったまま、少し真剣な目つきに変わり、聞き返してきた。
「その前に貴様の望みを聞こう。」
正直に言って、何で言われたのかさっぱりだった。
失礼だが、めっちゃ顔に出てたと思う。
マジでわからないので、中二病発言に合わせた冗談を言いつつこう聞いた。
「お前が俺を助けた対価を聞いているのに、俺に望みを聞くのか。
悪魔らしくあれは偽りで本当はお前に過失でもあったか?」
イケメンの笑顔が完全に固まった。
まさか乗っかられるとは思わなかったのだろうか?
いや、待て、よく思い出したらアスモデウスって名前で悪魔設定だと思ったけどサキュバスの王って言ってた、つまりインキュバス?設定だったじゃん、悪魔って言ってないじゃん。
この人の設定的には二つは別物だったのかもしれん、地雷踏んだ。
早く謝らないと。
そう思ったとき、イケメン(自分で呼んでおいてなんだが名前思い出したし呼んでやれよ)が静かに笑い出した。
あれ、もしかしてジョークがすぐには理解できなかっただけか?
「知っていたのならばこれ以上偽ることもできんな…
さすがはこの現代で代用品を数多く使っていたとはいえ悪魔召喚の儀式を行った男だ。
私の過失で貴様は死んだ、だが私は貴様を蘇らせることができる。
天界などとの手続きの関係で世界には戻せんが、記憶を保ったまま別の世界に生まれ変わらせてやろう。
そこまではこちらの出す対価だ。」
なんか知らんが株が上がった。
それとサキュバスインキュバスは悪魔扱いだったようだ、良かった。
どうやらこの人の設定の中では俺はこいつの設定の中ではこいつに殺されたらしい。
よくわからん。
「貴様は本題があることを理解しているようだ。
であればもう単刀直入の方が良いであろうな。
貴様の望みを叶えてやる。
その対価として私の退屈を紛らわせるおもちゃを用意しろ。」
そうやってかみ砕いて理解しようとしていた時、再びイケメンが話し出した。
あ、わかったわこれ、夢だ。
神様転生物じゃん。
どうやらペペロンチーノ作り終わった瞬間に疲労とかでぶっ倒れたらしい。
しかも明晰夢、そうなりゃこの瞬間を楽しまなきゃ損だな。
明晰夢の題材に神様転生物を選ぶ自分自身を少しおかしく思いながら返答する。
「お前が叶えられる望みはなんだ?ハッ、特別な能力でもくれるのか?」
返答が気に入らなかったのか、少し不機嫌さを出しつつ、イケメンが口を開く。
「あぁ、お前が望むならば与えるとも。
洗脳、催眠、常識改変、時間停止、透明人間化、肉体改造に精力強化。
様々な能力を与えてやろう。」
このリストアップは…ピンときた、俺の夢だしできないはずがないけど、一応聞いておく。
「催眠と言ったが…例えば鏡花水月の完全催眠のように五感を騙すことはできるのか?」
「鏡花水月がなんだかはわからないが、できるとも。
本人の体を動かさぬよう、脳からの指示を乗っ取り、錯覚の中で自分の意志で動いたように騙すこともな。」
俺の夢なのに鏡花水月を知らないって言われるのは少し引っかかるが、ほらやっぱり。
俺が聞いてないことも返してきた。
これは間違いなく、催眠物の同人誌とか見た時に考えてたこれをやるための夢だな。
話を進めるために、一応更に聞いていく。
結果としてわかったことだが、縛りはあるが有って無いようなもの。
でもコンピューターを知らないとかいう余計な設定は無しでそのまま力を与えてくれてよかった気がする。
というか儀式ってあのペペロンチーノの作り方の材料を悪魔っぽい感じに変えただけじゃん、雑。
とか自分の夢に文句をつけてみる。
夢だから現実にやれるわけじゃないが、前からやってみたかった理論がやっと証明できる。
頭の中でまとめ、イケメンへ言う。
「どんな遠い場所からでも人間の五感全てを再現し、本人の体を動かさずに、本人の意思を感知して歩いたり行動したりしたように錯覚させることができる能力と、記憶力と演算力を最大まで強化した頭脳、そしてコンピューターへ接続する能力。
それらを俺に与え、1990年付近に生まさせれば、必ずお前の退屈を紛らわせるおもちゃを用意しよう。」
「ほう、必ずか。
ならばいいだろう、先の三つは転生してすぐ与えられる。
子供の内には死なないよう少しは取り計らってやる。
では、死ぬまでに必ず満足できるだけのおもちゃをおもちゃを用意しろよ?」
そう聞こえると同時に、意識が遠くなる。
どうかこれが、目覚めではありませんように…
と、さっきそう祈ったんだが、どうやら夢はまだ続いて、そして俺は今、多分おそらく、受精卵だ。
[パン屋の店員のサクマさん]
憂鬱くんとサキュバスさんは良いぞ…(ダイマ)
[ペペロンチーノの作り方]
サキュバス召喚儀式風ペペロンチーノ。
憂鬱くんとサキュバスさんの9話より。
[アスモデウス]
勿論七つの大罪が元ネタ。
元ネタに聖書って書こうとしたら聖書には七つの大罪書いてないらしい。
ちなみにポンコツで、他の悪魔王はしょっちゅう人間界に出てる。
[完全催眠]
主人公はブリーチにわか。
作者もブリーチにわか。
確実に言えることは、藍染さんの完全催眠とはぜっていに別物。
[茅場夫婦]
ヒースクリフさん!情報が少ない!生年月日いつの何歳だよ!
あ、もちろんヒースクリフさんの親世代です。