鎮守府のまもりびと   作:石器

3 / 16
第二話 2つの世界の2つの歴史

一一一今年は2020年だったかな。今から8年前に地球から観測できるギリギリの位置にある小さな惑星が爆発したとアメリカの宇宙局が発表した。

 

理由は不明だったが遠く離れた場所にある地球には影響はないと言われていた。

 

 

 

だがそれから約一年経った2016年に小惑星の爆片が、しかもかなり巨大なサイズのものが隕石となって地球に向かっていると世界中の宇宙関係者や学者たちが騒ぎ始めた。あまりに大きなサイズで大気圏に入ってもチリにならずに地表に降り注ぐんじゃないかってサイズと言われていた。

 

宇宙事業の大半を担っていたアメリカは仮に地球に向かって降り注いだとしても自分達の軍事兵器で全て破壊できるとたかをくくっていて、何も対策やらを行っていなかった。当時は米国と中国の睨み合いが激しくなってて第2の冷戦なんて言われてたからな、相手にする暇は無かったんだろう。

 

人々は都市伝説や迷信だと学者たちの発表を笑いとばしていて、事が起きた頃には全てが手遅れだったんだ。

 

直径約20kmの隕石が地球のすぐ側にまで迫っていて落下場所は予測結果が出ていた。だからアメリカ軍は隕石が軌道に入ってしまった時には軍備を集結させようと思っていたけど実際はちがくて太平洋のど真ん中に落下してしまった。

 

世界は隕石が落下する前に大量の破壊兵器を用いて隕石の破壊を図った。でも結局は焼け石に水、咄嗟の付け焼き刃で地球そのものの破壊は免れたけど世界中に隕石の欠片が飛び散り何億単位もの人間が死んでしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも、本当の問題はここからだった。

 

 

 

実は隕石に未知のウイルスが付着していた。そしてそのウイルスは人を死に至らしめるほどの毒性はなくて、少しの熱や咳が出る、ただその程度のモノだった。。だが体にウイルスが馴染み、適応できた一部の人間は違った。その適応力の持った人間はどうなったと思う?

 

なんと人智を越えた能力をてに入れだしたのさ。あるものは何もないところから炎をだしはじめたり、手で触れずにものを動かしたり、ある場所からある場所まで一瞬で移動したり...人の姿から龍の姿になったりな。

 

最初はみんなその能力を活かして互いに協力しあって隕石落下が起きる前のように復興をしようとしたんだ。でもそんなに事は上手く運ぶはずがなかった。

 

ある時無能力者が能力者を数人で暴行した上に殺害するという事件が起きてしまった。

 

加害者たちになぜそんなことをしたのかと問いただすと彼らはこう言った。

 

 

 

「同じ人間じゃない化け物と一緒にいられるわけがない。だから殺した」

 

とな。

 

 

 

このニュースは世界を駆け巡ると同時に、有能力者たちはある考えを起こさせたんだ。

 

いずれ自分も殺されてしまうのではないか、無能力者のただの人間よりも自分達のほうが優れている。だから俺たちこそこの星で生きるに相応しいのではないか、と。

 

 

 

そして能力者による無能力者の差別及びに選別という名の殺戮が始まってしまったんだ。

 

ほかにも能力者の過激派集団の[NEXT ]という奴らも現れ初めた。

 

彼らは自分達を[新人類]や[人類の進化系]と名乗り初めて[旧人類]の撲滅を行い始めた。

 

そこからはもう事が進むのも早かった。

 

 

 

旧人類の全滅を行い自分達が新たな地球の覇者となろうとする能力者の集団、[NEXT ]。

 

そして、[NEXT]に対抗し人類解放を目指す人類解放軍の二手に別れて戦争が始まった。

 

[NEXT ]達は最初は自分達の異能を駆使して有利に立ち回っていたが能力者の中には有能力者と無能力者が共に生きることを理想とする集団も現れた。彼らは解放軍に味方をし[NEXT]の過激派メンバーを倒して和解を行おうと考えていた。

 

でも結局は両勢力側の数が違いすぎた。

 

俺自身も解放軍について[NEXT]と争ったが仲間たちを逃がすために時間稼ぎをしているうちに倒されて、動けなくなっている身体を海に捨てられてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

______________________________________

 

「ていうのが俺が海に流されていた理由だ」

 

 

 

冬也が話し終えると、それまで相槌すら打ちつつ黙って聞いていた湊は、暫くの間自らの顎に手を当て思考を巡らしていた。そして少々の沈黙の後、静かに口を開いた。

 

 

 

「お前の話を聞いて確信したよ。ここはお前が元いた世界とは違う世界だ」

 

「!...やっぱりか」

 

 

 

冬也は納得したというように相槌を打った。

 

 

 

「驚かないのか?ここはお前がいた世界じゃないんだぞ」

 

「まぁもといた世界で自分の考えを越えたものは何度も見てきてるからな。それに、話が全然噛み合わない時点で察しはついてたよ......もう一度俺からも質問をさせてくれないか?」       

 

「...あぁ、やっぱり気になるだろう?夕立や白露達を襲った深海凄艦の事が」

 

「そうだ。奴らは一体何者なんだ?」

 

「ふむ、今度はこっちが説明をする番か。いいだろう。だが一つ条件がある。」

 

「条件だと?」

 

冬也は何をさせられるのかと思い首を30度程捻った。

 

「それは...」

 

「それは...?」

 

 

 

湊はニヤリと不気味な笑みを冬也に向け

 

 

 

「いちど、その龍の姿というのをみしてはくれないか?」

 

と、冬也へ腰を40度ほどくねらせ右手を縦にあげ答えた。

 

 

 

「はい?」

 

 

 

冬也が何を言っているんだコイツと思い困惑しているとそこにすかさず湊が

 

 

 

「いやぁだって龍に似た姿の怪人に変身できるんだろ?龍に変身なんて男の子の夢じゃないか!一度みてみたいんだよ!」

 

と、ごますりをしながら冬也の横に近づいてきた。

 

気持ち悪く、うっとおしいと思ったのかすかさず冬也は

 

 

 

「だあー!!わーたっよ気持ち悪いなぁ!一度見してやっから離れてろ!」

 

 

 

といい放ちベッドから立ち上がった。

 

 

 

「おぉ!ノリがいいなぁ!」

 

「ったく、お前は子供かよ...ふっ!」

 

そして軽い熱波と衝撃波が周囲にとび、その衝撃波の中央にたっていたのは2mを越える巨体を持った龍のような姿を持つ怪人だった。

 

「これで満足k「めちゃくちゃカッコいいじゃん!いいなぁ俺もその姿で戦うところを見たかったぁ!」うるさいっ!!」

 

 

 

冬也の姿を見て子供のように湊ははしゃぎだした。その姿はさながら特撮ヒーローが目の前に現れて興奮する幼稚園児のようだった。続いて、

 

 

 

「まだほかにもできることはないのかな?龍に似た姿なんだから例えばぁ...空飛んだりとかさ!」

 

「まぁできるけどさぁ、まったく調子狂うなぁ...」

 

 

 

冬也は頭を掻く仕草をしながらその巨体を動かし縦2.5m程の姿から横5m程の姿へとその身を変え、背中と思わしき部分から体と同サイズの翼を生やした。

 

 

 

「おっ!翼が生えた!これで飛ぶこどができるのか!せっかくだから乗せて「いい加減にするっぽーい!」

 

 

 

年齢をわきまえず狂喜乱舞する湊へ向かって夕立が怒号をあげた。

 

 

 

「ちょ、夕立何を急に怒りはじめたんだよ?」

 

「提督さん!トーヤも困ってるっぽい!それにさっきトーヤが変身したせいで医務室に傷が付いたっぽい!どうするのよ!」

 

「「あ」」

 

 

 

そう、実は先ほど冬也が変身を行った熱と衝撃波により医務室にところどころ傷がある。

 

 

 

「まったく、提督さんは執務もまだ残ってるのにいつまでも遊びすぎっぽい!早くトーヤにお話しして執務に戻りなさい!」

 

「わ、悪かったよ夕立...そうかぁ、まだ出撃の書類とか書いたなかったなぁ。じゃあ本題に戻るとするか」

 

「あー、ごめんな夕立ちゃん、こいつに感化されて回りが見えてなかったよ。謝る」

 

「二人とも許すから早く初めて!」

 

 

 

_______________________________________

 

 

 

 

 

一一一最初に奴らの存在が確認されたのは確認されたのは今から5年前、海外の漁師が漁をしているときに見たそうだ。

 

海に立っている死人のように美しい肌をした女をね。

 

漁師は何をしているのかと思い近づくとその女は漁師に向けて攻撃をしてきた。

 

それが奴らとの、深海凄艦との邂逅だった。

 

奴らは同族を除く全ての軍艦や民間船を片端から襲撃し、沈めていった。生き残った船の乗員は捕食、殺害するという徹底ぶり。

 

深海棲艦の侵攻はシーレーンをズタズタにし、各国を連携の取れない実質鎖国状態にまで追いやった。

 

そして地球上の海ほぼ全てを支配するに至った。

 

連携を取れない状態にされながらも各国は必死に抵抗を続けているが、沿岸部を死守するのが精一杯で、その沿岸部でさえも深海棲艦の強襲揚陸部隊に度々襲撃され、海上を封鎖された人類は、代わりに輸送機による物資の輸送を試みたが深海棲艦の艦載機に次々と打ち落とされ破壊された。

 

あの軍事力に優れた米軍でさえも奴らの侵攻を止めるにはいたらなかった。

 

もうダメかと皆が考えていた時に深海凄艦と同じように海上に立ち奴らを倒せる者達が世界中に現れた。

 

彼女達は共通して自分達を世界大戦時に活躍した艦艇の名前で名乗ってきた。

 

それが一一一

 

 

 

「夕立たち、【艦娘】のことっぽーい!」

 

「あぁ、正確には彼女は日本海軍所属、白露型4番艦の夕立だ」

 

 

 

 

 

そして彼女たち艦娘は人類に接触を行ってきた。

 

「自分達は人類を守るために戦う。だから私達に指揮官を、提督をくれ、とな。」

 

そしてその彼女たちのいう提督とはただの優秀な司令官ではなく彼女たちの艤装を動かす手助けをしている【妖精さん】という存在を見ることのできる数少ない人材だ。

 

各国政府は自国の艦娘たちの要望に答えるため提督となり得る存在をかき集めた。

 

 

 

「で。その内の一人が俺、横須賀鎮守府提督の荒海湊というわけなんだ。こう見えてもつい最近あった大規模作戦で海外の艦隊と協力して欧州の一部奪還に成功したんだよ?」

 

 

 

湊は自分や自分達の仲間の思い出や戦いの事をを嬉々と話していた。

 

 

 

「なるほどね。だいたいわかった。でも驚いたぜ、彼女達が人間じゃないなんてな。だが疑問も出てくる、日本は軍隊を永久に持たないんじゃなかったのか?そこら辺はどうしたんだ?」

 

「それは問題ない。この深海凄艦による陸海空の侵略は全世界の問題だ。そして世界からの後押しにより日本を守るための一時的な武装化が許可されたんだ」

 

「なるほど。そりゃなかなか都合がいいな」

 

「たしかにそうだね。...さて冬也、君はこれからどうするつもりだ?戸籍もなにもないんだろ?」

 

「!...そうだ。確かに俺には戸籍やらなにやらがないから何もできないのか...どうしたもんかな」

 

 

 

冬也と湊が互いに悩みあっていると夕立が二人の間に割ってはいってきた。

 

 

 

「だったら夕立にいい考えがあるっぽい!」

 

「「いい考え?」」

 

「そう、トーヤにはこれから...

 

 

 

 

 

 

 

この鎮守府で働いてもらうっぽい!」




ちなみにこの世界では提督の素質があるとわかった場合、本人や親、または親代わりの人間等に許可がとれた瞬間すぐ大本営なる謎の施設に連れていかれて戦闘訓練や軍艦等の基本的な技術やその歴史、司令として必要な知識と能力をぶちこまれます。

あとこの世界の艦娘は基本的に同じ名前の艦は2隻以上はいません。もしも建造でダブった場合は艤装のみ排出されます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。