流れ出ずる豊穣   作:凍り灯

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更新が遅れまして申し訳ありません。
その間にUAが1万を超えたりお気に入り数が300に近づいたりと嬉しい限りです。
長く続ける予定はないですがその間どうかお付き合いください。

追記:誤字報告ありがとうございます。修正しました。
追記2:誤字を発見しましたので修正しました。





されどその地に流れた()()となる







覆水不返の血

アシナ城の城下町より伸びる脇街道。町の中でも金剛山の入り口に最も近いと言える立地。

山に入る前とは言え高低差が激しいアシナの地であるために、そこの標高は街の中心部よりも高い。

それはアシナ城の天守望楼とまではいかないまでも、アシナの街をある程度見渡せる程。

 

家屋がまばらになり薄く雪化粧した棚田が見え始めており、そこに申し訳程度に舗装された街道に沿って(ひな)びた雰囲気の立場茶屋(たてばぢゃや)があった。

 

周囲はアシナ特有の標高が高くなるほど暖かくなると言う気候により、辺りが雪により白く染められているにも関わらず赤や黄色といって葉が彩る木々がちらほら見え始めている。

そんな中、その立場茶屋の店先にある綺麗に柿色に染められた野店傘が特に人の目を引くだろう。

 

…だが今はそれよりも目を引く事態が起こっていた

 

入り口から街道に沿うように並ぶ人、人、人。

 

イブキと九郎が出会ってから幾日か経ったこの日。

 

茶屋「"九十九(つづら)屋"」。

行列が出来る程の大盛況であった。

 

 

 

 

 

金剛山に入る者は少し前ならば僅かであったが、今ではそれなりに増えてきている。

元々出家のために仙峯寺を目指す者や、オチの村と契約している商人はある程度いたが、最近は不死斬りの噂を聞きつけた侍や忍びなどが多くなっているのだ。

 

とは言え、それにしてもあまりにも多い。

確かに中には刀を腰に差した浪人風の者などもいるが、粗末な着物を着た老人、仕事着を着た屈強な男、菅笠(すげがさ)を頭に被った商人風の()()と様々だ。

 

せっかく景観の良い茶屋だというのにゆっくりと座って風景を楽しむこともできなくなってしまうことを考慮してか、寒空の下ではあるが幾つかの腰掛けが店の裏手や行列とは反対側の街道沿いに並べられている。

 

だがそれもほぼ全てに人が腰掛けていると言うのだからその盛況ぶりが窺える。

 

店先の野点傘と同じように柿色に染められた暖簾(のれん)を手で払いながら、同じく柿色の頭巾と前掛けを身に着けた一人の女性が出てきて微笑みながら人々に呼びかける。

 

九十九(つづら)屋へようこそ。豊穣の味をどうぞ心行くまで」

 

茶屋娘の恰好をしたイブキが良く通る、それでいて落ち着きを感じられる声色で出迎えた。

思わず見惚れてしまう者が出たことは仕方のないことかもしれない。

 

 

 

茶屋の中に入れば長手の腰掛けが十にも満たない程度あるだけだが、やはりそれら全てが人で埋まっていた。

その腰掛けは葛籠(つづら)のような、植物の蔓で編んだ籠状の被せ物がぴったりと覆っていて、程よい座り心地を確保している。

 

今しがた新しい客の案内を終えたイブキは忙しなく注文を聞いては奥の炊事場までそれを伝えに走り、そしてまた新しい客を出迎えると言ったように休む暇もないようであるがその顔は活き活きとしていた。

 

普段山奥の寺のさらに奥の部屋に閉じこもっていることが多い身としてはその全てが新鮮で楽しく思えるようだ。

 

彼女は娘ざかり(十六~十八歳程度)ではないものの、どう見積もってもせいぜい二十歳程度にしか見えないその美貌や純粋そうな笑顔は幅広い年齢に受けが良く、この店を盛り上げている要因の一つになっている。

 

「…ぷっはぁー! たまらぬ!」

 

そして他の要因がそこにいる。

 

「おぉ、一心様だ」

「本当にいらしているとは」

「病床に伏せていると聞いていたが、まだまだお元気そうでなによりじゃ」

 

街にはかの剣聖一心がここに通っている噂が街に流れていた。

人々は近年、表にあまり姿を現さなくなった一心に会いたいがために噂を頼りに足を運んでいるのだった。

 

あまり広くない茶屋の奥の席を(どこから持ってきたのか)酒を片手に占拠し、その周りには彼を慕う人々が時折話しかけては甘味を肴に盛り上げていた。

 

 

…そう、()()である。

 

 

看板娘(?)や一心も店の評判を上げるのに貢献してはいるが、何よりここで出される甘味こそが一番の大盛況の要因に他ならない。

 

曰く、食べれば身体の節々が痛み歩くことが困難な老人であれ、たちまち大股で歩き出すと言う。

曰く、食べれば目を開くこともできないような重い病に伏せていようと、たちまち精気を得た顔で飛び起きると言う。

 

嘘か本当かわからない噂ではあるが半信半疑で訪れれば、こんな通い辛い場所にある茶屋になんと老人の多いことかと皆、目を見張った。

さらには病床に伏して()()という一心からここの話を聞いてしまえば疑ったことを恥じ、加えて一度自身で食べてしまえばその効力から噂が真実と確信する。

 

…そんなこんなでいつのまにかアシナの端から端まで知らぬ者はいないという程に注目されていた。

 

さらにある一組の主従も大きく貢献している。

 

「イブキ殿、お茶を淹れたのでお願いします。狼よ、このおはぎと団子を」

「はい」

「っは」

 

炊事場の奥から顔を出したのは頭巾を被った少年―――九郎だ。

彼から注文の品を受け取り運ぶのはイブキと、彼女と()()()()をした狼である。

 

「九郎様がおられるのも本当だったとは…」

「まだほんの子供というのに…だがあんなことがあった後というのになんと逞しい」

「それにほれ、随分と楽しそうじゃ」

「一心様とあの眉間に皺のよった用心棒もおられることだし安心じゃのう」

 

本来九郎はこのように炊事係として働いていいような身分ではない。

平田家が焼け落ちた後も本家の葦名家に保護され、まるで一心の曾孫のように扱われていた程なのだから。

 

…その一心がここでこうして酒を飲んでるのだから問題ないかぁーと皆が納得してしまっている所が、人徳故に成せる技(アシナクオリティ)か。

 

やはりアシナの中心に一心あり。

 

とにかく九郎のことを知っている者は皆、気になってはいるが「一心」という力技でどうにかなっていた。

 

さて、九郎の従者である狼の方はと言うと…眉間に皺を寄せながらもテキパキと仕事をこなしていた。

何も狼は接客業が嫌で眉間に皺を寄せているわけではない。

簡単に言ってしまえば慣れない事で額に力が入ってしまっているのである。

 

しかしこの姿は思いのほか人気があったりする。

老人の世間話は(眉間に皺はよってはいるが)嫌な顔せずにちゃんと聞いて応えるし、面倒なおばちゃんの絡みもきちんと対応する。

町娘にはどうやらその渋い顔と寡黙な性分は評判が良いらしく、頻繁に話しかけられるようなことはないにしても、顔を見に来る者が一定数いたりする。

 

そして理不尽な難癖を付ける輩(クレーマー)は仙峯脚によって一人残らず街道の坂を転がり落とされている。

それを見て人々は逆に安心感を得ているのだから全くもって強かなアシナの民である。

 

…実はその実力と、普段の恰好と違い手首まで隠しているとはいえ左手の義手の明らかな異質さ、気に入ったおばちゃんや若い娘が名前を聞いても「…言えぬ」としか言わないものだから忍びじゃないのかと冗談ながらも噂されている(大当たりである)

その謎めいた人となりが密かな人気に拍車をかけているようだ。

 

そんな最近の流行になりつつある茶屋「九十九(つづら)屋」は瞬く間に午前の分は売り切れてしまい、行列に並んだまま茶屋に入れなかった人々は無念の表情を顔に貼り付けたまま坂を下って行った。

 

「またのお越しをお待ちしています」

 

イブキはそんな人々を店先で丁寧に頭を下げて見送った。

 

「お疲れ様です。イブキ殿」

「お疲れ様でございます御子様。どうぞこれを」

 

イブキが店内に戻れば九郎が労いの言葉をかけ、その九郎の後ろより炊事場から出てきた老婆―――オボロがイブキに手拭いを差し出した。

 

「ありがとうございます九郎殿。お互いにお疲れ様ですね。…オボロもありがとう。アヤとキヌも一旦休ませてあげてください」

 

イブキの従者であるオボロら三人の老婆たちは茶屋を開くより前に彼女の前に姿を現した。

そして狼をイブキの下へと誘ったのがオボロたちであると明かしたのだ。

 

彼女らは忍びを使い、或いは自身の足で各地に赴き不死斬りの噂の発進元を探すと同時に「抜けば死ぬ刀」という偽の情報をばらまいていた。(結局これは逆効果だったのだが)

その中でムジナから狼のことを聞き、後に竜胤のことを知ったようだ。

 

オボロたちも本来イブキが口にするはずだった竜胤の蛇柿のことを気にかけており、それに苦しむ主従を知って行動したらしい。

所々で狼の人となりをそれとなく試し、イブキの下に行かせても問題ないと判断したためにオチの村へ通したという。

 

狼が梟や弦一郎の忍びをも退けるような村に無血で入ることが出来たのは、オボロがイブキの従者という立場を使って容認させたからに他ならない。

その後イブキと狼を村から見送り、ムジナを向かわせた後に、ムジナからの報告の文を確認してからオチの村に訪れていた商人と共に下りてきたのだ。

 

ムジナづてに茶屋を使った治験(通称おはぎ大作戦)のことを聞いていたので商人を利用してオチの村から役立つ物や、ついでとばかりに村の特産品なんかも持ってきてくれたわけだ。

 

そのまま三人の従者は九朗と共に炊事場を担当している。

オボロは炊事場にいるであろうアヤとキヌに声を掛けた。

 

「おぅいババァ二人。皿洗いの前に一休みじゃ~」

「おう、接客を若いの()に変わってもらったばばぁ(オボロ)は元気じゃのぅ」

「最初から最後まで同じ持ち場におったあんた(アヤ)が何でそんな偉そうなんじゃ」

「九郎様が腕を絶賛しなさったんで、天狗になっとるんじゃ」

 

三人がその役職に付いているのには他にも理由がある。

米の取り扱いを一般の人間に任せるわけにはいかないからだ。

茶屋をやる上での問題は米の正体を隠すことを徹底しなくてはいけないことだったので、信頼できる人間、且つ扱いなれている人間が必要だった。

それ程に豊穣の力で生み出された米は強力であり、梟にもそこについて強く念を押されている。

 

だからちょうど必要な人材が来てくれたということで、ここ最近は老骨に鞭を打ちながらやってもらっている。

 

ちなみに狼が炊事場に立つという話もあった。

というか最初は実際にそうしていた。

 

様子を見に来た梟がぐちぐち文句を言ってはいたが、狼は黙々と二人並んでおはぎを作る練習をしたのだが、意外にも調理の腕は悪くなかった。

なので、誠に失礼な話だが接客が駄目そうな狼は裏手に引っ込めさせたのだ。

 

…しかし想定以上に増えた客にオボロらの齢だとさすがに対応しきれなくなってしまったのだ。

九郎は立場上さすがに注文を受けて頭を下げるようなことはさせるわけにはいかなかったので炊事場で頑張ってもらっている。(しかし元々の()()()()()なのでそれなりの頻度で顔を出している)

 

イブキも本来は九郎と同様なのだが…本人の希望と、顔も名前も街では知られていないということで許可が出た。…真実は従者の面々が茶屋娘の恰好を見たかったということらしいが。

 

そしてここにいないエマなのだが、彼女は茶屋に通った人間から血を貰ったり、今回の治験の検証の結果をまとめたりと大忙しなのでさすがにここで時間を消費する暇はなかった。

 

エマはエマで各診療所を回って顧客の一覧を確認し、訪れる病人や老人に茶屋のことをさりげなく告知してもらうように頼んで回っている。

茶屋に老人が多いのはこのためである。

 

道玄の弟子としてその業界では顔が広いエマだからこそできることである。

茶屋で豊穣の力を秘めた甘味を食した前と後の変化を観察、検証できるようにも各地の診療所に協力してもらってるらしい。

 

「―――様もあの茶屋へ?」

「朝の分はもう終わってしまったようですぞ。それとも一心様をお探しに?」

「―――!」

「―――?」

「―――」

 

茶屋の外に出してある腰掛けで一休みしていたイブキは、(にわ)かに街道の坂下が騒がしくなっているのに気が付いた。

 

ちょうど先程下りていった幾人かが茶屋への坂道を上る誰かと鉢合わせたようで、その彼らと挨拶を交わした車椅子を押している大男が段々と近づいてきた。

 

近づいてきたことでその人物が、穂先や横に飛び出している刃に穂先鞘を取り付けた十文字槍を担ぎ、空いた片方の手だけで車椅子を押しながらこの坂を悠々と上ってくる様子が見える。

 

イブキはその人物が誰かわかったのか、歩いて近づき、声を掛けた。

 

「これは刑部殿。その後のお加減は?」

「おおイブキ殿!貴女のおかげでこの通りよ!」

「帰りは違う押し手を要求するよ。今みたいに何度も持ち上げられたらばばぁにゃ溜まらんよ」

 

大男はイブキに野太い声で勢いよく答え、自身の健勝ぶりを証明するように押していた木製の車椅子を高く持ち上げた。

当然車椅子には人が座っていたわけだが、当の持ち上げられた老婆は至って静かに、しかし辟易した様子で文句を言うにとどまった。

 

「お蝶殿!勿論帰りもこの刑部が責任を持ってお送り致す!」

 

大男―――名を"鬼庭刑部雅孝(おにわぎょうぶまさたか)"と言い、アシナ城に入るためには通ることを避けられない大手門を巡って狼と争い、そして敗れた男だ。

着物から除く体には今も痛々しく包帯が巻かれているのが見えるが、実際はほとんどが治りかけの状態である。

彼は体躯に見合った野性的な顔をしており、野暮ったい赤い鼻が特徴的だ。

 

「そうかい。じゃぁ帯革(ベルト)を貰えんかね。誰それの呼び掛けに応えるたびに椅子ごと振り向くのは止めない限りはね」

 

持ち上げられている間も器用に椅子から落ちないように体幹によって平衡を保っていた老婆―――お蝶は狼の忍びの技の師であり、彼女もまた刑部と同じく三年前に狼に敗れている。

彼女は長い白髪を頭頂部で団子のように纏め、そこからさらに背中に垂れ下がるように三つ編みにしているのが特徴的な老婆だ。

 

そしてつい最近まで昏睡状態にあり…目覚めるはずのなかった人間だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――イブキと九郎が出会った日の翌日

 

「儂は伝えたぞ。一心のやつも、()()()()()に判断を任せるとのことだ」

「…本当に。…争うことでしか乗り越えられぬものなのか」

「納得いかんか。だがワノ国とは今()()()()()()なのだ。国を恨む将と、化物のような賊が手を組み、支配し、そして国は緩やかに死へと向かっておる」

 

意図的に起こされた飢饉、格差、迫害、水質汚染など、問題を挙げればきりがない。

カイドウたち海賊はその被害から逃れられるのだろうが、このままいけばオロチ含めワノ国は確実に()()()

それは例えカイドウとオロチが死んでも現状避けられないと梟は見ている。

そう()()()()()()()()()()()

 

だから梟は一心と、そして九郎に提示したのだ。竜胤を抑える方法、延いてはアシナをワノ国から守る方法を。

そしてワノ国をも救うことになるかもしれない方法を。

 

(かなめ)はイブキの悪魔の実としての力。

本来梟は竜胤もその一要因として加えたかったのだが、一心と九郎、そしてイブキの協力を得るためにそれは断念せざるを得なかった。

 

力としての竜胤(ヨミヨミ)と、救いとしての豊穣(コメコメ)

揃えば今のカイドウの「とめどないゾンビの軍団」とも言われる手下どもなど比べようがないほどの不死身の軍団になるが、一心個人の戦力と天秤にかけてしまうならばそれも切り捨てられる程度であった。

 

「何故、弦一郎殿ではなく、私に…」

「あやつは行方が知れぬ…という訳だからではない。もうわかっておるだろう」

 

何を、と聞く前に梟は未だ困惑から立ち直っていない九郎とイブキたちを残して天守上階の間を離れていった。

梟は九郎がこの話に乗らないとは考えない。いや、そうせざるを得ない。そうする以外に根本的な解決など()()()()()()()()()()からだ。

今を凌げたとしても、どのみち一心はそう長くは保たない。それまでにワノ国が自滅するか第三者によって滅ぼされるのを祈るか。

決してないとは言い切れないがそれがただの他人任せの願望でしかないのは九郎もわかるだろう。

 

九郎は動く。恐らく梟の思い通りとはいかないかもしれないがそれでも動くだろう。

 

狙われているのが自分の力であり、それを打ち倒さなければ逃れることなどできないと今回の騒動で嫌でもわかったはずなのだから…

 

 

 

 

 

「…」

「御子様…」

「九郎殿…」

 

―――わかっておるだろう―――

 

梟はそう言った。

それは僅かながらもこちらの意を汲んでの発言ということは九郎にもわかった。

拒否すればどうなるのか?

恐らく九郎と、そしてイブキを手中に納めんと動くだろう。彼が語った中で、彼がワノ国で一定の地位を確立しているというのはわかっている。九郎がこの話に乗らなければ、イブキを含めた御子二人を巡ってアシナとワノ国双方に被害が出るのは避けられない。

 

だから常に騒動の中心にいた、そしてこれからもなるであろう()()()()()に判断を任せるのだ。

協力するのか、せずに破滅するかを。

それが出来る程に梟は権限と決意があり、そして迷う時間を与える程には多少の情けがあった。

 

 

梟が提示したのはワノ国への()()

 

 

血が流れることは、避けられない。

 

 

 

 

 

九郎は(うつむ)く。

 

自身の竜胤を抑える方法は梟から聞かされたのだ。

"海楼石"という悪魔の実の能力を封じる特殊な石を身に着けるだけでいいと。それだけで九郎は不死を失うのだと。

狼がその時どうなるかはわからないが、恐らく九郎が石を身に着けている間はに力を失うのではないか、ということも。

 

その気になれば容易に梟個人の力でも手に入れることが出来ると知った時は喜んだ。

少なくとも力を抑えることはできるのだと。

だが事はそう簡単ではなかった。

 

九郎の求める"竜胤断ち"―――ヨミヨミの実モデルドラゴンロットの完全消滅を実現しない限り、海楼石で抑えている程度や、或いはただ死んだ程度では他者がその力を手に入れる方法はどうしても残ってしまう。

死ねばこの世のどこかで同じ悪魔の実が生まれ落ちる。そして丈から九郎へと渡ったようにそれは再びアシナに出で落ちる可能性がある。

九郎は自ら死ぬことでこの責任を誰かに投げ渡すようなことは望めなかった。

 

現状竜胤断ちの目途が全く立たない上に、歴史的に見ても実現したことがない以上、なまなかには叶わない。恐らく数年ではまず無理だろう。

 

そしてワノ国の侵攻。

梟が言った通りそれを食い止めているのは一心という()()なのだ。

イブキの豊穣の力で延命したとしても歳を取りすぎてしまっている上に、あまりにも()()()に近づきすぎていた。

不謹慎ではあるが、一心の規格外の強靭さを考慮しても五年程度しか保たないというのがエマの判断だった。

 

…それを五年()()と皆が考えている辺り、一心の生命力に対する周りの認識が異常なのだが。

 

竜胤断ちを成せぬまま一心が倒れればどうなるかは目に見えている。

ワノ国はアシナに本格的に踏み込むだろう。

だからこそ、一心がいるうちにこちらから打って出ることが梟の示した道なのだ。

 

―――仮にその数年で竜胤断ちを成したとして、ワノ国がアシナに攻め込まなくなる、などということもまず()()()()()

梟はワノ国の二人の支配者の片割れの将軍、オロチのことをよく知っていた。

 

遠い祖先とはいえ、主にワノ国より流れてきた者が集って国となったのがアシナだ。

 

今やオロチは"復讐"の対象はワノ国の全ての民にまで及び、それにアシナの民が含まれている可能性は元々高かった。そして度重なるアシナへの武力行使の際のオロチの様子から、それが竜胤の力を得るためだけではなく、復讐なのだと梟は確信していたようだ。

 

九郎がワノ国の手に渡ろうとも関係ない。

元々ワノ国を、もといオロチとカイドウ()()()()()()()()アシナに夜明けはないのだ。

 

―――…そして()()()()方法はないと()()()()()()に梟は言葉を選んでいた。

少なくとも、九郎には。

 

「梟の言っていたことが全てではないだろう。だが、一心様がそれに賛同なされるというならば選択肢がないのも、事実だろう…」

 

一心は人斬りを極め続けた武人だが、同時に国を想う指導者でもある。

戦いたいがためだけに安易な方法に走るような人ではない。

信用ならない梟の話にそれでも乗ったということはつまり()()()()()()()()()、と九郎は思ってしまっている。

 

「…私は………」

 

 

 

「九郎殿」

 

イブキが九郎の名を呼び、その手をゆっくりと取る。

九郎はまだ顔を上げない。

 

それでもイブキは微笑みかける。

安心させるように笑いかける様子はまるで姉弟のようであり、母と子のようにも見えた。

 

「我儘を言っていいのですよ」

「っ…」

 

その言葉に九郎は俯いていた顔を上げる。

 

今やアシナ全土を巻き込まんとする大きな流れとなってしまっているが、願うものは変わらない。

突然の大波に飲まれて行き着く対岸を見失いかけてはいるが、ここにいる皆の前で九郎が掲げたのは"竜胤断ち"なのだ。

 

だがそれに辿り着くには争いは避けられない。

 

しかし梟は選択の余地を与えた。ならば選んでいいのだ。辿り着く結果に他の余地はなくとも、結果への辿()()()()()()

 

どう歩くかを決めるのは九郎だ。過程も手段もその意思も縛られる必要はない。

 

一心が九郎に任せたということは「言いなりになれ」という意味のはずがないのだ。

イブキはまだこの時はまだ直接会ったわけではないが、一心はそういう人間だと朧げにも見えてきていた。

 

争いは避けられない。まず竜胤を悪用させないためにも、そしてワノ国とアシナの民のためにも梟の言うカイドウとオロチを落とすことが最短で最良なのはおおよそ間違っていないはず。

 

 

では、ワノ国を最も血の流れぬ方法で瓦解させる道。

 

 

それを共に、探っていくこともできるのではないだろうか?

それは到底不可能な我儘なのかもしれないが…その我儘を通してはいけない、なんてことはないのだ。

 

少しだけ高い位置からイブキが慈しむように微笑んでいるのが九郎の目に入った。

そしてイブキは九郎のその迷い子のような目を見る。

イブキは語りかける。

 

「いいのです。九郎殿は、九郎殿の言葉を通して」

「…本当に、良いのだろうか。本当に、あるのだろうか。私は…本当はこの力のために血など流してほしくはない。だが、それを否定すれば狼の辿った道を否定することになる…。今更…かもしれないが、それでも。それでもなのだ」

「御意のままに…。御子様のただ思うがままに」

「…やはりそなたは変わらぬな。そうだな、私も、この決意を変えてはならぬな。本当に…私などには勿体ない従者だ…」

 

 

 

 

 

「九郎殿」

 

イブキは九郎が落ち着いたところで声を掛ける。一つ、提案をするために。

 

「私たちはまだ何も知らないのです。ワノ国も、そしてアシナのことさえも」

 

九郎もイブキも、アシナ中を好きなように動ける立場ではなかった。

多くの事を人づてに聞いてはいても、自身の目で見たことは少なかった。

だから九郎も、結果的に突き通したとはいえ弦一郎からアシナの現状を目の当たりにされて意思が揺らいだ時があったのだ。

これから先、それは命取りになる。刹那に迷えば敗れる戦いになる。

 

「直ぐに決める様にも言われておりません。九郎殿が提案したように、茶屋を開いて民を知ることも悪くはないのではないでしょうか」

 

皆が一瞬呆けたした「おはぎ大作戦」宣言だが、思えばそれも悪くもない。

市井に店を構え、イブキの豊穣の力で生み出した米の甘味を振舞い能力の影響をよく知るための案。まだ未知数の竜咳の予防にもなる可能性もあり、その検証結果次第では竜咳を完治させられる糸口となると九郎は考えていたのだ。

 

…結局、単純な豊穣の力だけで竜咳を退けられなかった場合の予備案になったのだが。

だがイブキはこれを九郎のためにも行う必要があると考えた。

 

九郎もイブキもアシナについて多くを知らない。

 

これから行動することはアシナに影響が及ぶ可能性が高いことだらけだ。

自身のせいで知らない彼ら(アシナ)は血を流す。

それは九郎の嫌う竜胤の特性より質が悪い。対象が顔を知る者(親しい者)ですらないのだから。

飢饉で顔も知らない多くの村民を失った過去のあるイブキは、自身の後悔を九郎に感じて欲しくなかった。

仕方なかっとは言え、もっと早くに決断していれば被害は減らせたという後悔が未だにイブキの背中にしがみ付いている。

何より亡くなった彼らの顔も、名前も知らなかったことを。

 

このまま梟の思うように運べばアシナ衆が血を流すことになる。()()()()()()死地へと走らせることになるのだ。

九郎が望まなくとも結果的に()()()()()()()()()のだ。

 

竜胤はこの渦の中心である。オロチやカイドウ、梟や一心は既にそうなど思っていないが、周りの認識は違う。

オロチの配下は竜胤のためと戦ってきた、梟の配下もそれのためと暗躍してきた。

竜胤のためにカイドウと一心はかつて殺し合ったのだ。

 

もはや九郎(竜胤)がその中心を動くことはできない。歴史の中で返すことのできない血を流しすぎている。

少なくとも互いの大義名分のどこかにそれ(竜胤)は顔を出すだろう。

 

だが流れ出たものは戻せないが、それを糧にすることはできる。

 

()()にできるのだ。

()前に進む(流れ始める)ために。

 

 

そして、そうでなければアシナのためと生きてきた弦一郎への冒涜にもなってしまう。

 

アシナを愛し、そのために何もかもを投げ打つ覚悟を持ち、そして実践した弦一郎への冒涜だ。

一体彼はどれ程の血を流し、無念を抱えていたのだろうか?

 

まずは知らなくてはならないのだ、アシナを。流れてきた血を糧とするためにも。

知らなくてはならないのだ、弦一郎の想いの強さの根源を。

 

九郎が決断するのは、それからでも遅くはないはずだ。できることならば、弦一郎とも…

 

その試みの中で多くを知ることで、かつてのイブキのように無知を恥じ、前へ進むための力になってくれると期待していた。

 

 

 

 

 

…さらにイブキは同時に九郎の心を癒すことも必要と考えている。

 

彼は少し、頑張りすぎた。

あの時、奇声(おはぎ大作戦)を上げた九郎の活き活きとした顔は未だイブキの脳裏に焼き付いていた。

衝動的で突発的で…とても子供らしくて…

 

「(竜胤の御子も、また…人なのですね。なんと、当たり前のことか…。不死断ちも、きっと…ゆえに迷い…それでも、選ばれたのでしょうね)」

 

イブキは九郎と会ったばかりとは言え、彼の人となりに魅入られた一人であった。

幼いながらも不死断ちという自死の道を目指した少年。

その小さな背中がなんと大きく見えることかと、どこか一歩正面から外れたような気持で対峙していた。

 

だけど九郎もまた年相応の子供なのだ。困惑し、迷い、立ち止まり、弱音を吐き、蹲ることだってあるだろう。

その一端を垣間見たイブキは自身の成すべきことを想う。

 

迷子にしない(迷わせない)こと。

 

迷えば敗れる。然らば迷わせず。

イブキは知見を広げさせる程度しか今はできないが、いずれ彼が迷ったときに自ら脱するための一助となれるようにそれまで寄り添うこはできると考える。

既に九郎は手を引くことも背を押すことも必要ない。だけどまだ全てを背負うにはあまりに早すぎる。

 

だから時に数歩先から呼びかけ、時には踏み出すための言葉を横で紡ぐ。

 

 

彼もいつかはアシナを導く一人となる。イブキはそんな気がしていた。

 

 

 

 

 

その後、暫定ではあるが()()()()を出したイブキたちは罹患者の集められた棟まで赴き、早速イブキの生み出した米による治療を試みようとしていた。

明朝から動き出していた彼らではあったが、予想以上に話し合いに時間を取られたせいで既に日は高く昇り、真昼九つと言ったところだろうか。

 

「…エマ殿、この白い液体は?もしや米を使っておるのか?」

「ええ、運よく霧を抜けてアシナに辿り着くことのできた商人の親子がもたらした外界の飲料一つだそうです。ライスミルクと言うそうで」

「らいすみるく?」

「米の牛乳という意味です。採食主義者や乳製品に対する抗原抗体反応(アレルギー)を持つ人々の間で普及している島もあるとか…本来油と塩を入れますが、今回はお薬としてなので抜いております。なので水と米をすりつぶしたものだけ…竜咳に罹ってしまっては米を噛むのも辛いようで、ちょうど良いかと思いまして」

 

九郎がエマの作っている飲料に興味津々と言った風に質問している中、イブキとムジナはそれに見覚えがあった。

 

「あぁ、もしやデニロとロバトのことでしょうか。父親が子の病を治すためにどこで聞いたのかオチの村へと足を運んで、今はそのまま二人とも元気に住んでいるのですが…彼らがそのらいすみるくを教えてくれたのだとオボロが言っていました」

「嬢ちゃん、デニーロとロバートだ。ついでにそこまで案内したのはあんたのその従者だぜ」

 

ムジナがイブキの言い間違いを指摘するが、九郎が今度はその言葉に聞き覚えがあったようだ。

 

「ふむ、市井で"ロバト爆竹"と言う名で売っている花火と関係あるのだろうか?イブキ殿?」

「ええ。天然水の"オチ水"と並ぶ特産品として商人と取引しています」

 

この"オチ水"には特に豊穣の力が宿っているわけではないが、アシナの民の習慣から上質の水はよく売れる。

一時、飲んでいると目が赤くなると言う流言があったようだが信じる者がほとんどいなかったのですぐその騒ぎは収まったとか。

 

「裏話をすんならその爆竹、実は忍びに人気だったりするんだぜ。なぁ?」

「…確かに、忍具として使っている」

「あら…どんなものも使い方次第なのですね…さて、出来ました。これを罹患者に」

「手の込んだ加工をしておりませんので、村の竜泉より高い効果が得られると思うのですが…」

 

エマがライスミルクを作り終わったために雑談は取り止め、罹患者に飲ませるべく移動する。

襖一枚隔てた先の一室に竜咳の罹患者を集めており、先ほどの会話の間も断続的に苦し気な咳が聞こえていた。

 

九郎からすればその咳の音は自身の罪の責苦にしか聞こえないはずだ。

それでも普段のように振舞えていたのはやはり豊穣の力に希望を持てたからか、それとも隣にイブキがいることで安心を得たからか。

 

九郎はイブキと並び、エマより前に立って襖に向き合う。

狼とムジナが横から襖を開け放ち、五人は血の匂いが充満する部屋の中へ踏み出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし五人の心配など吹き飛ばすように竜咳は容易に去った。

咳の音がアシナ城から消えた日は珍しく雲一つない快晴だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――梟と朝まで語り明かした一心は諸々の説明を九郎にする役割を彼に押し付け、アシナ城の厩舎(きゅうしゃ)の裏手にある管理人小屋を訪れていた。

その足取りはどこか危なっかしいように見える…

 

小屋に入る前から馬鹿でかいイビキが聞こえ漏れており、戸を開けて迎えた当番の若い侍が苦笑いを浮かべながら一心を奥へと案内した。

若い侍に小屋から外すよう伝え人払いをした後、筵にイビキをかいて寝そべる大男の横に立つ。

この男―――刑部は信じられないことに抜き身の槍を抱えたまま眠っていた。

 

「起きんか!!!刑部!!!!」

「ぐぉ!?マ…マイネームイズ…ぐぉごあぁがマサタカぁが」

「勤勉な奴じゃ…夢の中まで勉学とはな」

 

妙な所で感心している一心は、起きそうで起きなかった槍を抱えて眠る刑部がいる部屋の奥の机には大量の書物が積まれているのを目の端で捉えた。

意外に思えるかもしれないが鬼刑部と畏れられたこのがさつそうに―――実際がさつだが―――見える男は本を読むことを好む。

 

元々葦名に名を轟かす賊の頭目であった刑部は、一心の強さに惚れ込んで召し仕えられており、当然字も書けないような有り様だった。

しかし一心が弦一郎を市井から見出し、刑部を傳役とした際にそれは凄まじい勢いで勉学に励んだ。

一心の期待に応えようとしたのだろう、その様子は弦一郎にも影響を与え、傳役というよりは共に励む学友のような関係になっていった。

刑部もその時勉学の楽しみを知ったのか、部下を連れて街に本を買いに行くほどでもある。

 

暫く蹴り飛ばすものの目を覚まさない刑部に一心はため息を吐いてやり方を変えることにした。

 

 

 

「……………!」

 

 

 

剣気(覇気)を刑部に放ったのだ。その剣気は的確に刑部にだけ飛びかかった。

 

「!!??ふんぬぁっ!!!!」

 

強烈な剣気に当てられた刑部は反射的に腕の中の槍を、それでも的確に一心へと向かって薙いだ。

寝起きとは言え鬼刑部の一撃だ。それは無色の剣気(覇気)を纏った、普通ならば防御などしようにも思えない強烈な一閃。

 

しかし一心は腰をほんの少し落として左手を迫る刃に伸ばすよう皺だらけの指を重ね…威力を殺すように肘や身体中の筋肉を震わせるように動かして受け止めた。

 

その音だけを聞いたならば人はこう認識しただろう。

 

―――刀を鞘に納める音がした―――と

 

鞘と切羽の合わさるような小さな金属音が聞こえるだけだったのだ。

 

「一心様…!?…また腕が上がったようで…!?」

「ようやっと起きよったか。しかし寝起きに槍を振っておいて言うことがそれとはな!」

「は、はぁいえ!つい見事な技を見てしかと目が覚め申した!!」

「こういう潔すぎるところは弦一郎は似てくれなかったのぉ」

 

刑部は慌てて寝起きのだらしない様を正すが一心はそれを一旦止めさせる。

 

「刑部!聞けぃ!」

 

 

 

 

 

おはぎ()じゃ!!!」

 

 

 

「………………は!?」

 

 

 

「…」

「…」

 

 

 

「(間違えたわ)」

「(酔っておられるな…)」

 

竜泉を飲みながら朝まで語り明かしたせいで一心も少々…いや相当酔っていた。

梟が途中で真っ赤になりすぎて飲むのを辞退したせいで二人分を飲むに飲んだ。

 

戦があることを喋ろうとして、豊穣の力の事も同時に思い浮かべたせいで(その時、梟がおはぎなんぞ持ち出すものだから)、見事に狼と同じことをしでかしたというのを一心自身が知らないのが唯一の救いか。

 

そもそも酔っていなければ一心とて起こすために剣気を放ったりはしない。

アシナ衆は皆先程のように反射的に攻撃するからだ。一心に刃を向けたと気づけば人によっては腹を切りかねない。

 

この後一気に酔いが醒めた一心は、今度はこともなく梟との会合について刑部に語って聞かせることに成功した。

 

 

 

 

 




この作品おはぎへの異常な執着心はなんなのか私にもわからない。
そしてもっと会話を増やしたい
話数を少なくしたいのでどうしても詰め込むような形になりますね…そこは課題です

長くなってしまったので話を分けました。(それでも長い)
次回は切り落とした分を一部再構成して続きを書きますが、一週間で済むものか…

ちなみに前回助言をいただきまして「・・・」表記を「…」に変更しています。
ちょっと試験的な試みなのでもし前回のままの方が良かった等、ご意見あれば是非ともお願い致します。


ちなみに梟は、オロチが外からアシナに辿り着く方法を知っていて、それは抹消できるものだということは九郎に伝えていません。ましてやオロチがカイドウにその方法を隠していることも伝えてないです。
隠していたオロチを裏で始末して、且つ今まで通りカイドウをアシナに辿り着かせないようにできてしまうので。
アシナにとって一番穏便に済むのはそれですが、梟にメリットがないのでやりません。ひどい。


九郎様はちょっと未熟イメージを前面に出してますが、基本は隻狼本編と同じ振舞いです。近くに母性溢れる心理カウンセラーが出現しただけ。

それと九郎様とイブキの関係はなんとなくイメージとしてアダムとイブに近いです。ただしエデン(アシナ)(一心)武神(剣聖)という脳筋(ワンピース)仕様。ひどい。



隻狼本編との違い(?)まとめ

甲冑武者:名前に他意はない。ド直球です。
梟:さぁアシナに攻める決断をしたな九郎!と思って様子見に来たらおはぎ作らされた。解せぬ。
刑部:お蝶同様生存(ワンピースクオリティ)。実はかなり勤勉家。
ムジナ:屋根裏や炊事場とは違う部屋で待機している。
九郎:念願の茶屋ルートに突入。ここに持っていきたかった。
オチの御子:自身の経験から九郎を導く四十代茶屋娘。年齢は気にしてない。
エマ:とても忙しい。市井の医者に顔が効く。ちょっとだけ茶屋娘の恰好をしたいと思っている。
狼:九郎様のため接客頑張る。割とこういうことも対処できると判明。相変わらず忍びとバレる。


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