流れ出ずる豊穣   作:凍り灯

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「鐘の音」は狂言の演目の一つ。
ある主人は召使いに、鎌倉へ行って「かねのね」を聞いて来いと言い使いに出す。召使いはその地域の寺を巡り、「かねのね」を聞き比べ報告するが、それは「鐘の音」であって「金の値」を聞いて来いと言ったのだと叱られる。

ちなみに本編とは何の関係もありません。



恐らく







鐘の音

「あら、雷でしょうか?」

 

今日も今日とて茶屋「九十九屋」は忙しなく人が出入りする。

その中でイブキは許された少ない休憩時間の中、どこか遠くで雷の音がするのを聞いた。

 

続いてふと、何かを感じ金剛山の山頂を見上げる。

 

こんなに晴れているのに山は分厚い雲が覆っていた。

そうして何か問題が起きたのか、九朗に呼ばれ店の中へと姿を消し、再び出てきたころでまた見上げれば、あれだけ分厚い雲はさっぱり消えていた。

 

山の天気は変わりやすいと言うが、こうまで極端なことがあるだろうか?と疑問に思っていれば、いつの間にか狼が横に並んでおり、眉間に皺を寄せて山頂を睨んでいた。

 

「…」

「…狼殿?」

「………いや」

 

そうして狼はそれ以上は答えずに暖簾を潜って店の中へと入っていく。

 

それは何でもない日常の中の一コマ。

思えばその雷の音は、始りの鐘の音だったのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これは仏師殿ではありませんか。こうも早く来ていただけるとは思っていませんでした……後ろのお方は、確か…」

「某は半兵衛と申す、このような面頬越しで失礼するが」

「えぇ、勿論構いません。さぁ立ち話もなんですので、こちらへ」

 

"仏師殿"と呼ばれた白髪の多く混じった髭面の男と"半兵衛"と呼ばれた黒い面頬の男が、イブキに連れられ店先の丸太椅子に腰かける。

今はもう店仕舞いの時間なので客はいないが、中は片付けと一心で騒がしいために屋外での案内だ。

 

彼らとイブキの出会いは竜咳の治療の時だ。

仏師もまた竜咳の罹患者の一人ではあったが、他の者の症状よりもかなり控えめだったことと、当人が拒んだことで城には行かずに荒れ寺に留まっていた。

症状が軽かったのは狼が意図せずに"竜泉"を飲ませていたためにそれが良い働きをしたのだと推測されている。

 

そのためイブキたちは治療のために荒れ寺へと向かい、そこで藤岡含める荒れ寺の住人たちと出会ったわけだ。

 

そうして思い返してみれば、二人とも荒れ寺に居た時よりも町歩きにも違和感のないような小奇麗な着物を着ていた…半兵衛の面頬はどうにかならなかったのかと思うが。

 

「着せられたのよ…あそこに居座る元供養衆にな」

「見すぼらしい恰好を見かねて、藤岡殿が親切にも用意してくれたのだ」

 

成程とイブキは思う。

仏師は普段の丹色(にいろ)のような袖のない赤土色の着物ではなく、それよりも赤みの増した小奇麗な紅葉色の着物を着ていた。

確かにあのボロボロの着物でここを歩くには少々…いやだいぶ怪しい。

半兵衛は普段の鎧姿ではなく、墨色の着物と鉛色の袴を身に着けている。パッと見で喪に服している様に見えるが、黒い面頬を考えるならばこれぐらいの色合いがちょうど良く見える。

 

荒れ寺に住み着き始めた情報屋を名乗る"藤岡"ならば街の流行を知っていてもおかしくはない程に多くの事に精通していたと思うので納得だ。

 

…とはいえ、イブキも山を下りてから初めて流行というものを目の当たりにしたぐらいなので"なんとなく良い気がする"としか言えないのだが。

 

「お二人ともようこそ九十九屋へいらっしゃいました。狼殿もエマ殿からも、仏師殿は足を運ぶことはないだろうと窺っていたので嬉しい限りです」

 

イブキが恭しい所作でお茶を出して歓迎する。

片付けの最中に九朗様がわざわざ作ったのだから、と押し付けたおはぎも合わせて二人が座る丸太椅子の間にある椅子に置く。

その数は一人分。

半兵衛はせっかくで申し訳ないのだが、と遠慮した。

 

「儂も来る気はなかった…じゃが…雷の音を聞いてな…」

「雷…ですか?」

「そうじゃ」

 

そうして仏師はぐいっと茶を流し込みながら半兵衛に目線をちらりとやった。

後はお前が話せと言われたのだと察した半兵衛が言葉の続きを引き継いだ。

 

「先日、快晴の昼時に遠くから雷の音が聞こえてこなかっただろうか?」

「ええ、ありました…そう確か海の方から響いてくるような」

「うむ、その時に強い剣気(覇気)を我々は感じたのだ」

「剣気…すみませぬが、私はそういった力には疎いもので」

「おぉ、これは失礼した。何といえばよかろうか…人の発する圧のような物と言うべきか」

 

圧…と言っていいのかわからないが、イブキは先日感じたことをそのまま口にする。

自分でも何といったらいいのかわからないのだ。

 

「…そう言えば、山の頂から何か感じた気はしました。そちらを見れば分厚い雲がかかっておりました」

「それなのだイブキ殿。身共が感じたものというのは」

 

雲に?と首を傾げれば先程から黙っておはぎを咀嚼していた仏師が今度は答えた。

 

「明らかに凄まじい剣気の持ち主よ。一心様に匹敵するか…或いは………」

「…つまり、そのような強者(つわもの)が金剛山の頂にいるということでしょうか?…山頂の聖地、ミナモトの宮に?」

「わからん。じゃが、わしらが感じたのはその強さではなく、"質"じゃ」

「"質"、というと、相手の"攻撃の剣気"と"読む剣気"の類とは別のもの、ということですか?」

 

"攻撃の剣気"と"読む剣気"。

アシナではこれらに決まった名はないが、外海ではそれぞれ"武装色の覇気"と"見聞色の覇気"と呼ばれているものだ。

イブキでも仏師の言う"質"の違う剣気(覇気)は、その二つのどちらでもないということがわかった。

 

「察しがいいな。そうじゃ、これはかつてアシナに攻め入った"竜"と同じ、"鬼の剣気(覇王色の覇気)"と見ている。アシナではあまり見れぬ類のものよ」

「某も、仏師殿も、そのことについて一心殿にお見えになりたかったのだが…互いにこの身なりで城の方に行くわけにもいかん故」

 

半兵衛の言っていることは最もであった。

いくら藤岡によって衣服を用意されたと言っても、面頬をつけた男と毛むくじゃらの隻腕の男ではまだ不審者の域を出ない。

どこか彼らの発する強者としての何かが余計に警戒心を招くことになるかもしれないとイブキは納得した。

 

「ならば良い折りでした。一心殿ならばちょうど中におられますよ?」

「ここまで来れば、急ぐ必要もない…もう少し静かになってから暖簾(のれん)を潜るとしよう」

 

そうして仏師は皿に残るおはぎを掴んで頬張る。

甘味など長い間食べていなかったようで、心なしか口の端が嬉しそうに吊り上がっている様に見えた。

 

半兵衛は相変わらず口元が髭で隠れた面頬を外すことなく、だが目元は少し緩まっている。

久しぶりに活気のある町を見て、誰かとの思い出を浮かべて相好を崩している様にイブキには思えた。

 

…そして彼女は彼が面頬を外さない理由はなんだろうか、という思考が一瞬頭を過ぎる。

 

 

 

「イブキ殿…イブキ殿はこの面頬をつける理由が気になりはせぬか」

 

イブキはその言葉に少し眉を上げ驚いた。

 

視線もよこしていなかったが、自身の詮索するような心を読まれたかのようで居心地が悪くなる。

それと同時にそのことを恥じて身を引き締めるいことができるのが彼女の良き奥ゆかしさだろう。

仏師は変わらず熱いお茶を流し込んでいた。

 

「…気にならないか、と言われれば嘘になります。…詮索するような態度をとってしまっていたでしょうか?」

「ん?いや、いや。どうにも悪い癖が。つい()を少し見てしまったのだ」

「…?」

「それに関してはおいおい…。実はこの面頬の下は、イブキ殿とエマ殿に相談しようと思っていたことなのだ」

「私とエマ殿に、ですか?もしや竜胤が関係しておられるのでしょうか?」

「竜胤、というよりは悪魔の実についてではあるな………イブキ殿は、人造悪魔の実というものはご存じか?」

「…えぇ、存じております」

 

―――人造悪魔の実SMILE(スマイル)―――

 

その仔細は既に梟によってアシナの中では共有されている。

 

食べれば身体の一部を動物(ゾオン)系のように変化、或いは常時変化できる恩恵を得ることのできる悪魔の実の()()()()だ。

金さえあれば実を探す手間を飛ばすことはできる、と考えれば下位互換と言えど魅力的に思えるかもしれないが、これは高い危険を伴う代物なのだ。

 

というのも、十人に一人しか能力を得ることができず、失敗した者たちは何の恩恵も得られぬままにカナヅチとなるばかりか、"笑う"以外の感情を永遠に失ってしまうという。

 

ここからが梟の考える計画の要となる場所ではあるのだが、イブキの能力にそれを癒す力がないかを探ることになっていた。

もし治すことができれば多くの虐げられた人々を味方につけることが出来る。

 

…しかし、肝心の副作用を受けた患者をワノ国から連れて来ることが難しくなっているそうだ。

 

現状、ワノ国ではオロチが"二十年前の亡霊"と言うものを恐れて警戒が強まっている。

そのためアシナへの嫌がらせも最近は途絶え、オロチは自身の周囲を固めているそうだ。

 

梟はアシナでの活動を維持するということにはなっていたので直接確認できていないが、ワノ国に潜む部下によればどうにもその"亡霊"とやらもただの妄想で済まない様子らしい。

オロチは確かな情報筋から確信するに至ったと聞く。

 

"ワノ国に反乱の兆しが見え始めた"と、かつて梟が表現したのはまさにこのことである。

良くも悪くも梟が思っていた以上にオロチにとって"亡霊"は深刻だったため、アシナへ向けられていた目は大きく逸れてしまっている。

 

結果的に梟はアシナを崩すことを思いとどまったので、ワノ国からの監視も緩くなっている今は動きたい放題で良いことだらけだ………人造悪魔の実の被害者が手に入らないということを除いては。

 

梟程の男であればワノ国でも融通が利きそうだと思われるかもしれないが、その出所と強さからオロチの警戒心を完全には解けずにいた。

 

いくら寝返ったとはいえ、かつての戦でワノ国に牙をむいていた忍びの一人であり、その忍びとしての技量、狡猾さをとってみればとても彼の横で安心して眠ることなどできないだろう。狼でも無理だ。

 

だからこそ梟も細心の注意を払って自身の部下を紛れ込ませたり、寝返らせることで情報を得ているのだ。

今この状況でワノ国からアシナへ、又はアシナからワノ国へ船を出すようなことをするならば数少ない潜港(モグラみなと)が仇となり、集中した警戒に引っ掛かってしまう。

そして疑われるのは当然梟になってしまうのだ。

 

言い逃れる方法や突破する方法はいくらでもあるにはあるが、この大事な準備期間に無用な疑惑を抱かせることはしたくないというのが梟の本音だった。

 

………という愚痴をイブキは梟から聞かされていたので(九朗、狼、エマ、ムジナ、お蝶、刑部と関係者からは軒並み警戒されているので選ばれた)人造悪魔の実に加えてワノ国の情勢も人一倍詳しかったりする。

くたびれたオヤジが孫娘に愚痴を言う図だと一心に笑われていたが。

 

そんな小さく萎んだ大柄な老人の幻影を頭の片隅から薙ぎ払い、半兵衛の言葉に耳を傾ける。

 

「まぁなんだ、やはり見てもらえれば話も早かろう」

 

彼はそう言って面頬を取り外した。

あまりにあっさり取ったものだから目を瞬かせて軽く呆けていれば、彼女は今度は目を見開くことになった。

 

「これが人造悪魔の実の、被験者の末路の一つ。面頬を外さぬ理由も理解できるであろう?」

 

その口元を表すならば「凶悪」という言葉が合うだろう。

 

一対の赤黒く変色した"大顎"が頬の横から沿うように口先へ生えており、その口元は憤怒の表情のように歯が剥き出しになる様に皮膚が引っ張られているようだ。

さらに剥き出しの歯の前にも一対の"小顎"が見える。

 

それはつまるところ"百足のスマイル能力者"と呼べる様相だったのだ。

 

仏師はそのことを知っていたのか、二人の様子を見守るばかりで口を挟まない。

しかし目を背けたくなるような凶悪さを見てもイブキは目を逸らさなかった。

 

「…つまり、私の豊穣の力で治すことがきるのか、ということですね」

 

その返答に憤怒の表情に見える口元がニヤリとした笑顔に変わった。

百足の顎が嬉しそうに開いたり閉まったりする。

 

「臆されぬか。そういう反応も久方ぶりだ…」

「こう見えても、半兵衛殿や狼殿とそう変わらぬ年月を生きておりますから」

 

その答えに再度毒々しい色の顎が開いて閉じた。

今は人が見えないとはいえ店先の目立つ場所。彼は器用に二対の顎を折りたたみ面頬を取り付け、隠した。

 

「治るのかどうか…であるが。実はこの顎の事はさして問題ではないのだ」

「そう、なのですか?」

「勿論、治るのならばそれが良いだろう。だが、問題は()()()()の力のこと…疑似的な不死のこと」

「"疑似的な不死"…ですか」

「どうにも、容易に死にきれぬのよ。この某の顎も、最初からこうだったわけではないのだ。戦場で顎を切られ、治った時にはこの様になってしまっていたのだ…このままでは死にきる前に余すことなく百足になってしまうだろう」

「それは………」

 

イブキは彼の身体で起きるであろう悲惨な末路を思い浮かべて言葉を失くした。

再生した先から百足に変質していくなど、考えたくもない。

 

唯一の救いは"老い"は能力の影響を受けないことだという。

 

「追い腹を切れなんだ無念…イブキ殿には理解ができぬかもしれんが………どうにも、参っているのだ」

 

兵の矜持がわからないわけではない。

誰かの後を追って死ぬはずが、生きてしまった時の絶望とは如何程なのか。

イブキが心から理解することは恐らく出来ないのだろう。

 

もしも治すことができるのならばイブキは喜んで力になるだろう。

だが、イブキには一つ、それが当人の苦しみとなると知って許容したくないことがあった。

 

「…死なぬと、約束していただけますか」

「…」

 

「残る()()を生き抜くと、約束していただけますか」

「…」

 

イブキの持つ力は"人を生かす力"、そうでなくてはならない。

決して終わるため、終わらせるための力となってはいけないのだ。

一度破ればそれは小さな綻びとなり、いずれそこからほどけて忘れてしまう恐れがある。

"慣れ"とはそれ程にも恐ろしいものだ。

 

確かにイブキもアシナのためと戦うことを承認した。

 

だが違えてはならないのは、これはワノ国を討つのはアシナの、延いてはワノ国の無辜(むこ)の民のために行う血戦だということ。

その根本を忘れてはならないのだ。

 

―――斬り続けた者は、やがて、修羅となる―――

 

―――何のために斬っていたか…―――

 

―――それすら忘れ、ただ斬る悦びのみに、心を囚われるのじゃ―――

 

忘れ、その瞬間に身を任せてしまえば修羅に落ちる。

一心の言う"斬る悦び"とは何も言葉通りの意味だけではない。

 

目的を忘れ"手段に溺れた者"のことをも指すはずだ。

 

狼が、九朗が、一心がそれらを踏み違えないと思っているからこそイブキは力を使う選択をしたのだ。

 

そして、半兵衛は既にその一線を越えている。

 

殉死は武士の誉れなれど、それを過去に置いてきた彼が死ぬことにはもう"誉れ"などないはずなのだ。いや、現になかった。追い腹を無念と語る彼の心の中にも、本当はどこか建前のように話しているだけなのだろうと自覚していた。

 

それでも彼は死に囚われている。一度溺れたが故に。

 

新たな出会いも喜びも"死"を前には霞む。

彼はいつからか死ぬことこそが己の道と定めていた。

 

百足に成り果てる恐怖も忘れたまま。

 

…朧気ながら彼の背景は人造悪魔の実によって見えてきている。

何故()()()()()()()()()を持っているのか、誰の後を追おうとしていたのか。そして彼の身に着けるアシナでは見ない黒い面頬。

 

彼はきっと、ワノ国の侍だったのだ。

 

一人異国で生き延びてしまった彼は容易に殉ずることもできない身。

だけど彼だってもう気が付いてるはずだとイブキは思う。

 

もうアシナに"受け入れられている"と。

死を悲しんでくれる者がいるのだと。

 

結局、これはただの彼女のエゴでしかない。

それでも生きて欲しいと彼女は思った。だからこうして()()を通すのだ。

 

「………」

「…やはり、頷かなければならぬか」

「是非に。でなければ手を取ることはできませぬ」

 

 

 

「頷いちまいな」

 

 

 

ずっと黙っていた仏師がようやく口を開く。おはぎをちょうど食べ終えたようだ。

 

「儂も左腕を失くしてから生き急いだものよ。…だが、なんだかんだ生きてりゃお前さんたちみたいな"妙なやつら"と小奇麗な恰好をして、流行りの甘味を食うこともある」

 

 

 

「存外悪くないものよ…」

 

それだけ言うと仏師は立ち上がって店の奥へと引っ込んだ。

 

果たしてその言葉が半兵衛に響いたのかどうかはわからない。

だが彼は面頬の中で笑みを浮かべるとイブキに言った。

 

「…どうやら、死なせてもらえぬようだな?中々どうして」

「えぇ…きっと狼殿も、それを望んでおります」

 

そうして柿色の野店傘が置かれる店の入り口へと目を向ければちょうど狼が顔を出した。

 

何故か暖かくイブキと半兵衛に見つめられる理由も問わないまま、彼は二人に向けて近づく。

 

 

 

 

この時、半兵衛は面頬をしていて良かったと後ほど語った。

 

 

 

 

狼の頭の上に団子が乗っていた。

 

仏頂面の渋い顔にそれはもうかわいらしいお団子ヘアである。

 

イメージとしてお蝶の団子がちょうどいいだろう。あれの三つ編み(注連縄)がない様を思い浮かべてもらえればいい。

ただし注連縄(三つ編み)の代わりに桜色の簪が横一文字に貫いているが。

おまけにデフォルメされた梟がぶら下がっている。(義父じゃない方)

 

これは何もエマが狼で遊んでいるわけではない。決して。

茶屋の店員が被る帽子に収まる様に工夫した結果なっただけなのです。いいですね?狼殿?

…なんてやり取りがあったわけではないのだ。

 

初見の反応は様々だ。

 

鏡を見た狼は何も言わなかった。成程、忍びとは耐え忍ぶ者とは誰が言ったか、よく言ったものだ。

梟はダメだった。

ムジナは耐えた。大人である。

九朗とイブキは考えるまでもなく(ほが)らかにあらあらまぁまぁと対応した。

ちなみに先程到着したと言う松葉杖を使うまでに快復したお蝶は耐えた…ように見えて、ムジナが口の端が持ち上がってるのを見逃さなかった。だけど彼はそんな無粋なことは言わない。大人である。

刑部は爆笑した。

一心様はまさかのノータッチだった。

 

「一心様が呼んでいる。この後、エマ殿も来るようだ」

「………………………うむ、参ろうか」

 

恐らく、彼は中に入れば皆から面頬は卑怯者の象徴だと蔑まれるのだろう。そういえば梟は昔、嘴が印象的な"鳶頬(とびぼお)"という面頬を付けてたらしい。

 

ついでに今さっき大勢の前で軽くツボに嵌ってしまった仏師からは先ほどの言葉を前言撤回されるだろう。

 

店の中からは少し前では全く考えられない程、賑やかで平和な声が聞こえてくる。

イブキも思わず笑みをこぼす。

 

これを守るために戦うのだと。

 

 

 

「…さて、私も行きますか」

「揃っておるか?」

「わっ」

 

野点傘を畳みつつ店に入ろうとすれば、気配もなく梟が姿を現しイブキの頭上から話しかけた。

この図体と圧を持つ梟のような存在が音もなく立っていれば小柄なイブキであれば驚いても仕方のないことだろう。

 

「梟殿…ええ、荒れ寺から仏師殿と半兵衛殿もいらっしゃっておりますよ?」

「…何?…まぁ良い。お主、丈と巴という主従のことは聞いておるな?」

「聞いております。弦一郎殿が兄と母のように慕っていらっしゃったと」

 

丈と巴。

唐突な話ではあったが、梟は愚痴を零す時でも結果的に必要な情報になるように言葉を選んでいる…必要な情報を与えつつ周りに不審がられないようにわざわざそういう"てい"としている可能性も否めないが。

今回も恐らく聞くべきことなのだろうと、イブキは素直に答える。

 

「そうじゃ。弦一郎のアシナを想う心と覚悟は確かだろうが、根にあるのは常にそれであったのだろう。故にあやつは源の渦を睨んでおったのよ」

「"源の渦"?」

「エマ殿から聞いたことがあります…弦一郎殿()は城の裏で、源の水の流れ出ずる方角に見える雷を纏う渦雲を睨んで刀を振っていたと」

「わっ」

 

話に割り込んできたのは狼だ。

イブキは再度意識の外から現れた忍びに驚くことになった。

狼に向けられたその視線は少しだけ恨めしそうだ。

 

狼がこうして梟と二人になった時に現れることは幾度かあった。

というのも、やはり一番長く共にいた故に、警戒も一番しているのだ。

 

特にイブキの豊穣の力を利用しようとしているのは誰の目から見ても明らかなため、ムジナが常に護衛し、直接介入するのは狼、という役割の分担が出来ている。

 

これは狼が九朗の元にいなければいけないことと、穏健に終わらせるには狼が対応するのが一番だろうと結論づけられていたからだ。

今、姿は見えてはいないが恐らくムジナも屋根裏か屋根上でイブキたちの姿を確認しているだろう。

 

梟も既に慣れたのか、眉一つ動かすことなく話を続ける。

 

「話が早いな。両名ミナモトの宮から降りてきた者でな、特に丈はその自身の義父より狙われていた…それがミナモトの宮との戦に繋がった。当時ワノ国との戦の最中でもあり、少ない勢力とはいえ、多くの人員を割けなかった。加えて奇妙な霧と雷の術を使う精鋭でもあったやつらとの戦いでどちらも大きな被害がでたのよ」

「ですが、お二人とも病死と聞きました。丈様は竜咳によって…戦の最中に亡くなられたのですか?」

「戦の前に、既に事切れていたのよ。だが我々は何のためにやつらが攻めてきたかを知らなんだ。目的もなく続き、戦はミナモトの宮の淤加美一族の長を討ち取ることで終わった。弦一郎は後にその仔細を知ったのだ…本題はここからじゃ」

 

梟が視線を上げる。

その先には、先日イブキと狼が見上げた金剛山、その山頂。

 

―――そういえば先程仏師殿も半兵衛殿も、その話で一心様に会いに来たのでしたね―――

 

その考えは正しく、その時に聞いた雷の音と"鬼の剣気"の話だった。

それに加えて梟が言いたいことは鬼の剣気、それに混じるある人物の剣気についてだと言う。

 

「弦一郎殿が、ミナモトの宮に…?」

「恐らくな。直接刃を交えた狼も、それを感じ取ったのではないか?」

「確かに、僅かながら…直接あの雷を受け故に気づけたようです」

 

何のために?

それが最初の疑問である。

ミナモトの宮は長く他との接触を断っており、それはオチの村のやり方など生ぬるい程に徹底している。

それは兵の強さではなく術によって隠しているからだという。

 

だからこそ何を求めて向かったのかわからないのだが、梟は察しが付いているようだ。

 

「不死斬りよ」

「…ミナモトの宮に、あったというのですか」

 

不死斬り―――

九朗が、狼が不死断ちのために求めた刀。

それは二振りあることが知られていて、オチの村にあるという噂が蔓延ってしまっていた妖刀である。

 

アシナの伝説上で、または童話で仙峯上人が振るったと言う話は有名なれど、そのせいで仙峯上人が築いたとされる仙峯寺のあるオチの村に保管されていると勘違いされていたのだ。

加えて誰かがそれを後押しするような噂も流れていた。

 

弦一郎は不死斬りがミナモトの宮にあるなどと一体どうやって知ったのだろうか?

 

「一心のやつが知っておったのよ…加えてそれを記した巻物があってな。弦一郎はそれを読んだのだろうよ」

「一心殿が知っていた?宮との繋がりが…?」

「食えんじじぃじゃ。先ほどミナモトの宮との戦の話をしたがな、あやつ、交渉のために会ったそうじゃ…刀の持ち主とな」

「…まさか………仙峯上人と、会ったと言うのですか?」

 

伝説上の人物が今も生きている。

 

これにはイブキも横で聞いていた狼も信じられないとばかりに目を見開く。

だが、悪魔の実がある以上、そして外の世界を大して知らない身である以上ありえないと否定することはできない。

この世界は、聞いていた話だけでも驚きばかりが飛び出す世界だったのだから。

 

「話を続けるぞ。アシナとミナモトの宮は不干渉の契りを交わすために、長が不在故に仙峯上人が出張ってきた。そしてその時、どうしても必要な時があれば力を貸すという話になったそうじゃ」

「それで不死斬りですか…ということは、弦一郎殿は不死斬りを手に入れたのでしょうか」

 

それが大きな障害になるのか、それともアシナの力になるのか。

伝説上の刀の力などわからない。

イブキらオチの村が流した噂も、所詮即席の噂でしかなかったのだから。

 

「それはないであろう。あの弦一郎の様子で、平和的に終わるとも思えん…結局、その通りだったみたいだがの」

「…それはあの雲と、雷から感じたと言う鬼の剣気が関係しているのでしょうか」

「全く話が早くて良い。最後に強く感じたのは恐ろしく強い鬼の剣気…恐らくだが、仙峯上人に敗れたのだろう…そうでなければさらに()じゃ。だが死んではおらぬようだ。部下の忍びから、目撃の一報があった」

 

弦一郎はアシナの町を目指して"落ち谷"の方角から来ていると言う。

不死斬りを手に入れることも叶わず、彼はどのような想いで戻ってくるのか…

 

「だからこそ、今日ここに集わせたのだ…予想外の人物も混ざっていたがの。直接見せて、示すしかないのだ。あやつと、我らが先に進むには」

 

アシナの行く先を誰よりも憂いた当主、葦名弦一郎。

 

例えそれが異端の力であれ、異形の力であれ、ただアシナのためにと全てを捧げる彼は、竜胤の力を利用するために九朗を連れ去り…そして九朗を取り戻すべく単身乗り込んだ狼によって敗れた。

 

それでも諦めることなく一人戦い続け、終にはミナモトの宮に辿り着き不死斬りを手に入れんとするも…そこでもまた強大な力の前に敗れてしまう…が、まだ彼は生きている。

 

今はまだ一心という"柱"のおかげで大きな混乱はないが、中には弦一郎の帰還を心待ちにしているアシナ衆も少なくない。

当主はやはり弦一郎なのだ。一心一人では現状、歩調が揃いきらないだろう。

 

今イブキたちが行っていることは全て準備にすぎない。

 

彼をこちら側に引き込むことで初めてアシナの歩幅が揃い、前に進めるのだ。

 

 

 

 

 

「あら、もう皆さんお揃いなのですね」

 

そうしてエマも「九十九屋」へと姿を現した。

梟はエマに目線をやると「揃ったか、先に入っておるぞ」と、言葉を残して店の奥へと消えた。

 

梟はイブキに、弦一郎と出会う前に情報を共有したかったのだと気が付く。

弦一郎と話す際もイブキは重要な立ち位置となるのでそういうことなのだろう。

 

広い見聞を持つようにと知識を与えていく様はある意味梟と呼べるのかもしれない。

…それも今後のための準備でしかないのであろうが。

 

さて、その梟が言うならば役者が揃ったということになる。

エマはその最後の一人だ。

 

近づいてくるエマを見れば、はやはり忙しいのか、目の下には隈ができているのが見える。

いくら豊穣の力と言えど精神的にも負担がかかり続ける身体には万能とも言えないようだ…とはエマが言ったこと。

自身の身体も実験体と扱うところはさすがと言うべきか。

 

イブキの前まで来ればさっそく彼女はお土産に、と有名な梅干しを持ってきてくれた。

どうやら最後に回った診療所で貰ったらしく、せっかくだからと山を下りて日が浅いイブキのためにそのまま持ってきてくれたのだ。

 

名前は「赤成り玉」

根強い人気のある梅干しで、「道策」という人の名前のようなお店で売っているものだ。

…ただ、エマがらしくもなく目線を彼方に向けて何とも言えない表情をしていたのがイブキには気になったのだが…

 

二言三言交わしてエマと狼はそのまま店に入っていき、イブキも後を追うように入ろうとして、動きを止める。

 

日が落ちつつある夕暮れの中、西日に照らされながら「九十九屋」への坂を登る男が一人。

その男の目が明らかにこちらを向いていることに気づき身体を向ける。

 

浪人姿の総髪の男は数打ち物の刀を腰に差しており、その逸らすことのない視線からイブキは少し警戒心を抱く。

男の歩みはとまることなく続き、やがてイブキの前で止まり、その長身から彼女を見下ろした。

 

 

 

―――ここで一つ、誰もが見落としていることがあった。

 

 

 

一心も梟も、狼も九朗もエマもムジナも例外なくである。

それは…

 

 

 

「…ここに、九朗殿がいると聞いた」

「九朗殿に御用なのですか?…すみませぬが、本日は既に閉店時間を過ぎておりますので、また日を改めてお越しいただけますでしょうか?」

「…そうか………」

 

イブキは弦一郎の顔を知らないということである。

アシナの当主は営業スマイルで門前払いされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの…」

「………」

 

イブキは困っていた。

まだ片付けていない店先の椅子に居座られてしまったからだ。

 

まず、彼が弦一郎だとイブキにも気が付けない理由がいくつかある。

 

一つ目は恰好。その衣服はみすぼらしく、汚れも目立つ。これは仙峯上人に雷撃を貰った際にボロボロとなった衣服のかわりに間に合わせで用意して()()()()からだ。

その上、その衣服の上からでもわかるぐらい包帯が巻かれている。血が滲む箇所も見えた。

 

二つ目は装備品。刀も数打ちの物だ。本来使用していた刀は狼との戦いの際に天守望楼に置いてきている。また象徴的な赤い弓も今はない。弓もまた、不覚にもミナモトの宮に置いてきてしまったのだ。

 

三つ目はその様相。正確には目と言うべきか。それを形容する妥当な言葉をイブキは持ち合わせていなかったが、かつての覇気を感じることができず、だからと言って全てを諦めきっている者の目でもない。

 

確かにどこか威厳のような出で立ちを少しは感じたのだろうがそれまでだ。

イブキはそれらから、まるで迷子を見つけた時のようだと後に語る。

 

「やることを終えた後でいい…それまではここで持たせてもらう」

 

と言われてしまえばどうしたものかとイブキは悩む。

不審者…とまでは言えないが、あまりここにアシナの主要人物が集まっていることを知られるのも良くない。

 

梟や一心がワノ国からの間者を把握し、切り捨てるか掌握しているが、それが完全なものだと油断していない。

今日集まった者たちもそれらを注意した上でここに来ている。

 

この男がそうだと言うわけではないが、警戒するに越したことは無いのだ。

 

であればまずは話を聞き出すことが必要と彼女は考えた。

 

「大分お待たせすることになってしまいますが…しかし九郎殿に用とはなんでしょうか」

「ただ、ここで茶屋をやってると、そう聞いて来ただけだ」

「お知り合いなのですか?」

「そうだな…主従共に随分と、世話になったのかもな」

「ふふ、そうですね。あの方はとても聡明なお方ですから。きっと良き出会いだったのでしょう」

「良い出会いか…どうなのだろうな………だが、確かに立派な御仁だ」

 

少なくとも、竜胤を知ったからこそその希望に彼は縋れた。

当然それだけに全てを委ねる弦一郎ではないが、大きな期待を寄せていたのも事実だったのだろう。

 

イブキは彼のその様子から、九朗を頼って来た者ではないかと考える。

疲れたような、それでも何かを期待するような、そんな感情が見えた気がした。

 

「是非とも日を改めてここのお茶菓子を楽しんでください。九郎殿も作られているのですよ?」

「九郎殿が、か?」

 

イブキはこの見も知らぬ男に九朗のことを話す。敵の可能性も考えつつも、かつて近しかった者と仮定して。

それに対し、弦一郎は少し意外だというように言葉を返す。

 

「ええ、特におはぎにこだわっているようでして」

「おはぎ…」

「とても楽しそうにしているのですよ?ここに来る人の中には九朗殿に会いに来る人もいるぐらいなのです」

「そうか………そうなのか………もう少し、聞かせてもらえるだろうか」

「私も長く留まれませんが、ええ、少しだけ」

 

そうして九朗の、狼の、アシナの民の様子を少しだけ聞くことになる。

 

重要な部分は全て省かれた話。

だが逆にそれが九朗らの今の日常を弦一郎に強く意識させることになった。

弦一郎はその話を聞き、視線を足元へ落とす。

 

九郎は弦一郎の前ではずっと気丈に振舞っていた。

それがあまりに自然であったために、そして追い詰められ余裕のない弦一郎には九朗がまだ子供であるということが頭から何故か抜け落ちていた。

 

それは九朗という存在を認めていたが故でもあった。

 

何も考えぬ子供であったならばどうしたか。

もっと強引な方法を使って竜胤の力を使わせざるを得ない状況に追い込んだだろう。

 

だが九朗は大人だった。

竜胤の力に危機感を持ち、またそれを追い詰められた弦一郎に渡すことがどのような結果を呼ぶのかを正しく理解し、はっきりと自身の意思を伝え立ちはだかった。

 

弦一郎はそれがとても尊い決断だと理解していた。

そしてその時から九朗を対等な大人として見ることになる。

 

対等に見ていたからこそ、強硬手段は控え、あくまで説得による解決を試みた。

それは形振り構っていられないと口にした弦一郎の、それでも譲れなかった矜持なのだろう。

 

そして思い出す。

イブキがかつて感じたように、九郎は年相応の子供であったということを。

ただあらゆる状況が彼を大人にしてしまっただけで、友人や家族と笑い合う日々だってどこかにあるべきだったのだと。

 

まだ平田屋敷に九朗がいた頃、多少大人びていたが、それでも年相応に喜怒哀楽する彼を見ていたということを。

 

ようやく弦一郎は思い出した。

九朗もまた彼の守るべきアシナの民()()()ことを。

 

そうして話を聞いているうちに頭の整理が出来たのか、何かが切っ掛けとなったのか、その目には僅かに力が戻っている気がした。

イブキはその目を見て、ようやく目の前の男が誰なのか察する。

 

「あなたは………」

「一ついいだろうか。聞けばここには一心様(おじい様)も―――」

「イブキ殿!自身作じゃ!皆には先に中で―――」

 

そして思わぬタイミングで九朗は弦一郎と邂逅する。

頭には頭巾。腰には前掛け。両手にはおはぎの乗った皿が乗せられている。

 

一瞬の沈黙が過ぎた。

九朗は少し目を見開いていたが、すぐに()()()()()

既にここにいるのは狼の主、竜胤の御子だ。加護すべき者などではない。

 

弦一郎はその視線を揺るがすこともなく九朗に向けている。

イブキが見守る中弦一郎は立ち上がり、九朗は彼の元へと足を進めた。

 

 

 

「お久しぶりです、弦一郎殿」

「あぁ、久しいな、御子よ」

 

 

 

 

 




お気に入り数400を越えました!
誤字報告していただいている方も含め、改めてお礼をさせてください。
本当にありがとうございます。
※誤字報告ありがとうございます。修正いたしました。

気になることがありましたらくれぐれも、ひそひそと感想にでもお書きください。
ちなみに新規の作品制作に浮気してました。遅れた原因でもあります、申し訳ありません。

そしてようやく二人は出会いましたね。
役者も揃いつつあります。
後2、3話で終わらせる予定ですのでもうしばらくお付き合いください。

半兵衛は海楼石で死ねるじゃない?という話になりますが、まず本作ではスマイルは超人(パラミシア)系のように体質が変化した状態という前提で扱っています。
そして石を身に付ければ力が抜けるだけで変化した体質は変わらないという解釈です。(ルフィが海の中でも伸びることを踏まえて)
海楼石については曖昧な部分(作者が理解してないだけ)があるのでこのような解釈としました。
つまり石を身に付けて死ねば死んだ状態を維持するけど外せば再生するといった感じです。


「隻狼」との違い(?)まとめ

イブキ:カウンセラー。何故か気を許しやすいが、当人の徳なのかそれとも…
九朗:おはぎ。
狼:髪型を変えた(一時的)せいで被害者が相次いだ。
エマ:その元凶。自覚なし。
半兵衛:元ワノ国の侍、人造悪魔の実の能力者。しかし他の能力者と比べればそれが明らかに異常だとわかる。過去のあることを切っ掛けに見聞色が強い。
仏師:一心に会いがてら彫刻刀でも調達しようかと思ってる。
藤岡:仏師と半兵衛の恰好を整えてくれた。
道順:「道策」という梅干し屋をやってる。繁盛しているが、独り言が多い。
鬼の剣気:覇王色の覇気のこと。実はアシナには持ってる人間()ほぼいない。
弦一郎:不死斬りを持つことなくアシナに戻った。戻るまでに何かあったのか、迷っているようだ。イブキと話すことで己を省みる切っ掛けを手にし、九朗と再会する。


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