今回、日本未発売の海外版カードが登場します。ご注意下さい。
「『拝啓 ペガサス・J・クロフォード様
暑さも峠を超え秋が近づき、風が爽やかな季節となりました。いかがお過ごしでしょうか』……と、」
俺は今、手紙を書いている。宛先は『ペガサス・J・クロフォード』。デュエルモンスターズの生みの親、インダストリアルイリュージョン社会長。デュエルモンスターズでは超VIPな方だ。
彼とは度々連絡を取り合う仲である。連絡と言っても忙しいだろうし電話ではなく専ら手紙かメールだが。
なぜそんな人と知り合いなのかというと、数年前……まだ俺が小学生だった頃、日本に来た彼と特別にデュエルをした事があり、それがきっかけで連絡先をゲットした。そしてそれから度々メールの送り合いをし始めたのがきっかけだ。
今回連絡したのはデュエルアカデミアに合格したことの報告だ。彼は応援してくれていたし、伝えるなら一番が良かった。
俺は送られてきたデュエルアカデミアの合格通知を再度確認する。やっぱり夢じゃないよな。これを見たときは強めの幻覚を見ているのかと思った。
……まぁ、アカデミアの先生を倒しているし、当然っちゃ当然かもしれないけど。
あのデュエルに幻煌龍で勝てた。それがすごく嬉しかった。個人的には通常モンスターが好きだし、幻煌龍スパイラルの元であるスパイラルドラゴンがずっと好きだ。ロマンと言えども……、いや、ロマンデッキとは呼ばせてやらない。
今は数年前と比べて効果モンスターがかなり増えてきて、効果持ちモンスターが台頭してきている。まだ通常モンスターを使っている人はいれど、それだって結局は効果持ち最上級モンスターへの布石だ。
しかし幻煌龍は違う。エースモンスターは幻煌龍スパイラルのみ。非常にアツいじゃないか。
最強通常モンスターである
――通常モンスターとして扱う融合モンスターとか出ないかな…、スパイラル3体融合……スパイラル・アルティメット・ドラゴン!!……とか。無いな。
どうして俺がこんなにも幻煌龍を愛しているのかというと…、それは先程も言ったペガサスさんとのデュエル関連なんだが……。
◆◆◆
俺、中学1年の頃、俺は青眼の白龍に次ぐレベルの攻撃力の通常モンスターカードであるスパイラルドラゴンをゲットした。なんと2900である。小学生だった俺はすげー強いカードだなぁと、素直に思っていた。ゴギガ・ガガギゴとかラビードラゴンは知らなかった。なんだよ攻撃力2950とか。
スパイラルドラゴンを最初見たときはギョロ目でなんだこのふざけたみたいな外見の海竜は…とか、すべてを飲み込む津波を起こせる海の主の
なんというか……、このスパイラルドラゴンの良さがわかるのは自分だけなんだぞって気持ちになって専用構築をしたのだった。
ちなみにあと2枚のスパイラルドラゴンは友人に貰った。決して奪ったとか言ってはならない。持ってる?って聞いたら怯えた顔で差し出してきたのを貰っただけだ。カツアゲではない。
そしてスパイラルドラゴンをエースに据えたこのデッキを誰かに見せたいとウキウキの俺は、デュエルモンスターズの創造主であるペガサスさんが来日し、アマチュアデュエリストの中からペガサスとデュエルしよう!みたいなイベントがあることを知り、参加するべく応募し、見事当選したのだ。今考えると、完全に調子に乗り過ぎで運が良かったと思う。
開催地は海馬ランド。ペガサスさんが久しぶりにデュエルをするということで中学生の子供相手だが沢山のメディアやギャラリーが来ていた。今考えるとそりゃ当然だよな、って感じだがそんな光景を見た俺は恥ずかしながらめちゃめちゃビビっていた。
そしてスパイラルドラゴンを極限まで活躍(過労死)させるデッキを持ってペガサスの前に立った。
こんな人前でデュエルするのは初めてだった。ガッチガチに緊張していた俺は、今に通じる対人関係の呪い(極度の上がり症)によって一切会話出来なかった。いや…今ほどは酷くないけど…。マジで今の本音の1.5倍キツく言ってしまうのなんでだろうな。
「…」
「この度はイベントに参加ありがとうございマース!デュエルモンスターズは今や世界で遊ばれているカードゲームデース」
「……」
「さて、今回勇敢な少年が私とデュエルすることになりました。紹介しましょう海波ボーイデース!」
「………」
「ワーオ…」
マジで何一つ喋れなかった。本当にペガサスさんには悪いことをしたと思う。今思い返すとコミュ障少年が来てしまって困らせてしまってマジで申し訳無いと思っている。
「ンンッ!すごく緊張しているみたいデース!デュエルすれば緊張もほぐれますかね?それでは早速デュエルを始めまショウ!」
ペガサスさんはデュエルディスクにデッキをセットして構え、少し雰囲気に飲まれていた俺はそれに少し遅れデュエルディスクを構えた。
「…………………」
「デュエル!」
◇ペガサス LP 4000
◇海波 LP 4000
「私が先攻デース。それでは手札よりフィールドマジック【トゥーン・キングダム】を発動デース。発動時、デッキの上3枚を裏側除外しマース」
◆手札 5→4
◆フィールド
【トゥーン・キングダム】
飛び出す絵本とそこから
「そして私は手札より【トゥーン・マーメイド】を守備表示で特殊召喚デース。トゥーン・マーメイドは自分フィールドに【トゥーン・ワールド】がある時、特殊召喚が可能なのデース。来て下サイ、愛しいマーメイド!」
◆手札 4→3
◆フィールド【トゥーン・キングダム】
◆モンスター
【トゥーン・マーメイド】
【トゥーン・マーメイド】
特殊召喚・トゥーン・効果モンスター
☆4/水属性/水族
DEF 1500
トゥーン・マーメイドが現れ、トゥーン・キングダムのページをめくり、海のページで遊び始めた。
「……?トゥーン・ワールドなんて無いが…」
「ワオ!やっと喋ってくれましたね!トゥーン・キングダムはフィールドにある限りトゥーン・ワールドとして扱うのデース!」
言葉を発しただけで褒められる世界……。デュエルは会話をしなければ出来ない(キャッチボールではなくドッジボールでも可)なので俺だって普通に話します。そりゃまぁ…会話は苦手だけど…、デュエルなら大丈夫なので!!効果処理くらいしか言わないし…俺は単なる上がり症なだけだし……。デュエルが出来れば日常会話は必要ないのかもしれない…、会話よりもデュエルのほうが人柄が分かるということわざもある(かもしれない)!!いやそれは無いな。
「更に言うとトゥーンは召喚・特殊召喚・反転召喚したターンに攻撃は出来ませんが、先攻はバトル出来ないので関係無いのデース。魔法罠ゾーンにカードを1枚セットしてターンエンドデース。アナタのデュエル、見せて下サーイ!」
◆手札 3→2
◆フィールド【トゥーン・キングダム】
◆モンスター
【トゥーン・マーメイド】
◆魔法罠
【セット】
「トゥーンか、初めて見た。俺のターン、ドロー!…………」
◇手札 5→6
事故った。いや、事故りかけている。ドローソースを引いてなかったら壁モンスターすら召喚できなくて危なかった……。このデッキ、モンスター2種類しかいないんだよ…。しかもキーカードを引けなかったら防戦一方になってしまう事故率が高いんだよ…。
どうしてこんなデッキで来たのか、って聞かれればそれはロマンしか無いよな。
「フィールド魔法、【海】を発動!フィールド上に表側表示で存在する魚族・海竜族・雷族・水族モンスターの攻撃力と守備力は各200ずつ上がる」
◇手札 6→5
◇フィールド【海】
「オウ!海!ということは海が得意なモンスターのデッキですね?しかしそのフィールド魔法の効果により、私のトゥーン・マーメイドの攻撃力と守備力も上がりマース」
フィールドに海が現れたことにより、絵本を飛び出して泳ぎ始めるトゥーン・マーメイド。水を得た魚…水を得たマーメイド?
【トゥーン・マーメイド】
特殊召喚・トゥーン・効果モンスター
☆4/水属性/水族
DEF 1500→1700(海効果)
「さらに手札からレベル8モンスターである【スパイラルドラゴン】捨てて、魔法カード【トレード・イン】発動。効果で2枚ドロー」
◇手札 5→3→5
頼む頼むここでキーカードか蘇生カードが引けないと死ぬ。何も出来なくて死ぬ…!
引いた手札を見た。よし……!来てくれた!!やっぱ初期手札はあれだったけどデッキは応援してくれている……かも?ずっとやりたかったコンボが出来そうだ。
「相手フィールドにモンスターが存在し、自分フィールドにモンスターが存在しない時このカードは手札から特殊召喚出来る。【カイザー・シースネーク】」
◇手札 5→4
◇フィールド【海】
◇モンスター
【カイザー・シースネーク】
【カイザー・シースネーク】
効果モンスター
☆8→☆4(特殊召喚効果)/水属性/海竜族
DEF 1000→1200(海効果)
「特殊召喚したカイザー・シースネークの効果で、カイザー・シースネークのレベルは4、攻撃力はゼロになってしまうけど、とりあえず海の効果で200はアップする。そしてさらなる効果を発動、墓地よりレベル8の海竜族を蘇生する。現われろこのデッキのエース!スパイラルドラゴン!」
◇手札 4
◇フィールド【海】
◇モンスター
【カイザー・シースネーク】
【スパイラルドラゴン】
墓地から現れたスパイラルドラゴンは半透明だ。それもそうだ、カイザー・シースネークの効果がある。
【スパイラルドラゴン】
通常モンスター
☆8/水属性/海竜族/
DEF 0(カイザー・シースネーク効果)→200(海効果)
「カイザー・シースネークの効果で特殊召喚したスパイラルドラゴンの攻撃力と守備力はゼロになる。しかしここでこの魔法を使う。【地獄の暴走召喚】発動。今召喚したスパイラルドラゴンと同じ名前のカード……スパイラルドラゴンをデッキより可能な限り…今は2体…特殊召喚する!」
攻撃力がゼロになったスパイラルドラゴンが吼えると、地獄の暴走召喚の効果で他のスパイラルドラゴンが現れた。地獄の暴走召喚は攻撃力が1500以下のモンスターしか選べないが、現在のスパイラルドラゴンの攻撃力はゼロ(海効果で200)だから地獄の暴走召喚の効果は使える。そしてデッキから召喚したスパイラルドラゴンはそのままの攻撃力になるのだ。
頼むからあの伏せは奈落の落とし穴じゃありませんように……。そう祈ってペガサスさんを見ると動く様子は無い。…よし!通った!
◇手札4→3
◇フィールド【海】
◇モンスター
【カイザー・シースネーク】
【スパイラルドラゴン】
【スパイラルドラゴン】
【スパイラルドラゴン】
【スパイラルドラゴン】
通常モンスター
☆8/水属性/海竜族/
ATK 2900→3100(海効果)
【スパイラルドラゴン】
通常モンスター
☆8/水属性/海竜族/
ATK 2900→3100(海効果)
「地獄の暴走召喚ペガサスさんにも影響する。ペガサスさんは自分フィールドのモンスター1体を選び手札デッキ墓地から可能な限り特殊召喚する」
「それでは私はトゥーン・マーメイドを選択し、2体召喚しマース」
【トゥーン・マーメイド】
特殊召喚・トゥーン・効果モンスター
☆4/水属性/水族
DEF 1500→1700(海効果)
【トゥーン・マーメイド】
特殊召喚・トゥーン・効果モンスター
☆4/水属性/水族
DEF 1500→1700(海効果)
◆手札 2
◆フィールド【トゥーン・キングダム】
◆モンスター
【トゥーン・マーメイド】
【トゥーン・マーメイド】
【トゥーン・マーメイド】
◆魔法罠
【セット】
「さらに魔法【アドバンスドロー】を発動。カイザー・シースネークの効果で特殊召喚されたスパイラルドラゴンを生贄にして2枚ドロー」
◇手札 3→2→4
◇フィールド【海】
◇モンスター
【カイザー・シースネーク】
【スパイラルドラゴン】
【スパイラルドラゴン】
あ、これスパイラル3体行ける。
「魔法カード、【死者蘇生】を発動。墓地のスパイラルドラゴンを特殊召喚する!」
【スパイラルドラゴン】
通常モンスター
☆8/水属性/海竜族/
ATK 2900→3100(海効果)
◇手札 4→3
◇フィールド【海】
◇モンスター
【カイザー・シースネーク】
【スパイラルドラゴン】
【スパイラルドラゴン】
【スパイラルドラゴン】
「アンビリーバボー!すごいデース!魔法を活用しながら驚きのスパイラルドラゴン3体召喚コンボ!イッツァミラクル!」
称賛の言葉を発してパチパチと拍手をするペガサスさん。正直めちゃめちゃ嬉しい。このコンボが決まったのは初めてだからな。
「バトル、スパイラルドラゴンでトゥーン・マーメイドを攻撃!」
すべてを飲み込む(フレーバーテキスト参照)というスパイラルウェーブを巨大なヒレを動かして放つスパイラルドラゴン。
しかし、その攻撃はトゥーン・マーメイドには届かなかった。
トゥーン・マーメイドはトゥーン・キングダムの本の中に隠れ、スパイラルドラゴンの攻撃をやり過ごした。
「トゥーンは完全無敵の生命体!トゥーン・キングダムの効果で、トゥーンが破壊される時、代わりにデッキの一番上のカードを裏側除外することにより破壊を免れるのデース!」
「裏側除外……なるほど…だけど攻撃続行!残りのスパイラル2体でトゥーン・マーメイドを攻撃!」
「しかし私はトゥーン・キングダムの効果によりデッキの上2枚を裏側除外しマース!トゥーンは無敵なのデース!」
「……カードを2枚伏せてターンエンド」
◇手札 3→2
◇フィールド【海】
◇モンスター
【カイザー・シースネーク】
【スパイラルドラゴン】
【スパイラルドラゴン】
【スパイラルドラゴン】
◇魔法罠
【セット】
【セット】
盤面では自分が勝ってるものの、ダメージは与えられず、超強力なトゥーン・キングダムが相手にある。正直言ってひらりと躱されただけだ。
「私のターン!ドロー!」
◆手札 2→3
◆フィールド【トゥーン・キングダム】
◆モンスター
【トゥーン・マーメイド】
【トゥーン・マーメイド】
【トゥーン・マーメイド】
◆魔法罠
【セット】
「ふむ…ではセットしていた【コミックハンド】を発動」
発動したカードは……装備魔法カード!? 罠っぽく伏せてるから罠かと思っていた……。なんだブラフだったのか。
「コミックハンドの効果は相手モンスターをトゥーン化してコントロールを得マース。私が装備するのはスパイラルドラゴン。アナタもトゥーンの仲間になるのデース!」
マジックハンドが出て来て、スパイラルドラゴンを掴んでそのままペガサスさんのフィールドへ。その瞬間、スパイラルドラゴンはトゥーンのようなポップな姿に変わった。ギョロ目は相変わらずだけどまぁ…愛くるしいと言っていいのでは。
◆手札 3
◆フィールド【トゥーン・キングダム】
◆モンスター
【トゥーン・マーメイド】
【トゥーン・マーメイド】
【トゥーン・マーメイド】
【スパイラルドラゴン(トゥーン)】
◆魔法罠
【コミックハンド】
「俺のスパイラルドラゴンがトゥーンに……」
いやいや、新たなスパイラルドラゴンの魅力に気づいてる場合ではない!かわいいな…と緩む表情を引き締めるように歯を食い縛る。俺は伏せカードに手を掛け……いや、このカードは今じゃない。まだチャンスはあるんだ。
「スパイラルドラゴンは可愛らしいトゥーンとなり私のフィールドに来マシタ。……どうしてトゥーン化するとそんな顔をするのでしょうか。惨めな姿と言った海馬ボーイを思い出しマース。それではトゥーン・マーメイドを攻撃表示にして…このままバトルしまショウ!」
【トゥーン・マーメイド】
特殊召喚・トゥーン・効果モンスター
☆4/水属性/水族
ATK 1400→1600(海効果)
少し手札を見て考えたペガサスさんはそのままバトルフェイズへ。
「……?ペガサスさんに取られたスパイラルドラゴンならまだしも…トゥーン・マーメイドの攻撃力はスパイラルドラゴンを超えてないからダメージは……」
「いいえ、トゥーンはフィールドにトゥーン・ワールドがあるときダイレクトアタックが出来るのデース。そして私のフィールドにはトゥーン・ワールドとして扱うトゥーン・キングダムが存在しマース」
「ということは……攻撃力1600の直接攻撃が3回。さらにトゥーンとなったスパイラルドラゴンで3100…合計7900…!?」
「ライフは4000。これが通ったら私の勝ちデース」
『海波散る!無敵のトゥーン・キングダム』する訳には行かない!俺はセットカードを発動した。
「通すわけには行かない!【和睦の使者】を発動!このターン、俺は戦闘ダメージを受けない」
「フフフ、良いですね…それではバトルフェイズを終了しマース。まぁトゥーン・マーメイドは攻撃するのにライフポイントを払わなければならないので助かったといえば助かりマシタ」
やる気満々だったトゥーン・マーメイドは残念そうに弓を引っ込める。スパイラルドラゴンは状況が飲み込めなくてキョロキョロしている。
「私はマジックカード【トゥーンのもくじ】を発動デッキからトゥーンカードを手札に加えマース!私が加えるのは【トゥーン・ブラック・マジシャン】!そしてトゥーン・マーメイド2体を生贄にして召喚しマース」
【トゥーン・ブラック・マジシャン】
トゥーン・効果モンスター
☆7/闇属性/魔法使い族
ATK 2500
◆手札 2
◆フィールド【トゥーン・キングダム】
◆モンスター
【トゥーン・マーメイド】
【スパイラルドラゴン(トゥーン)】
【トゥーン・ブラック・マジシャン】
◆魔法罠
【コミックハンド】
「トゥーン・ブラック・マジシャンの効果を発動しマース。手札の『トゥーン』と名の付いたカードを1枚捨ててデッキからトゥーンモンスターを召喚条件を無視して特殊召喚しマース。私は手札の【トゥーン・ディフェンス】を捨ててデッキから【ブルーアイズ・トゥーン・ドラゴン】を特殊召喚しマース!」
【ブルーアイズ・トゥーン・ドラゴン】
特殊召喚・トゥーン・効果モンスター
☆8/光属性/ドラゴン族
ATK 3000
伝説の決闘者……武藤遊戯と海馬瀬人が使用した超有名カードのトゥーンが現れた。ポップな絵柄のトゥーンといえども圧倒的存在感だ。
◆手札 0
◆フィールド【トゥーン・キングダム】
◆モンスター
【トゥーン・マーメイド】
【トゥーン・マーメイド】
【スパイラルドラゴン(トゥーン)】
【トゥーン・ブラック・マジシャン】
【ブルーアイズ・トゥーン・ドラゴン】
◆魔法罠
【コミックハンド】
【セット】
「フフフ、これで伝説の
手札は使い切ったと見えるが、場には無敵のトゥーン。……伝説のモンスターと並んで(トゥーン化したけど)自分の最愛カードが並んでるの良いな…じゃなかった!早く倒して取り返さないと!
「俺のターン!」
ここで何も出来なければ次のターンで総攻撃を食らい、俺は敗北する。頼むから古のルールとか来ないでくれ……。このデッキでそのカードで召喚できるモンスターはスパイラルドラゴンしかいないんだ。
「ドロー!」
◇手札 2→3
◇フィールド【海】
◇モンスター
【カイザー・シースネーク】
【スパイラルドラゴン】
【スパイラルドラゴン】
◇魔法罠
【セット】
【セット】
ドローしたカードは…………、ふふ、やっぱ今日はこのデッキに俺好かれてる!
「……ペガサスさん。トゥーンは最強なんだよな」
「ハイ、トゥーンは無敵の生命体、このフィールドにおいて最強デース!」
「だけどトゥーンの住処であるトゥーン・キングダムが破壊されたらどうなるのかな!」
「ほう、まさか……」
「俺は【サイクロン】を発動!破壊するのはトゥーン・ワールド扱いであるトゥーン・キングダム!」
トゥーン・キングダムを破壊すると言ったのにまだ余裕そうなペガサスさんは、その手は読んでいたとばかりに伏せカードを発動した。
「私はセットしていた【トゥーン・テラー】を発動デース!」
【トゥーン・テラー】(日本未発売カード)
カウンター罠
(日本語訳)
「トゥーン・テラー」は1ターンに1度しか発動できない。
①自分フィールドに「トゥーン・ワールド」及びトゥーンモンスターが存在し、相手が魔法・罠・モンスター効果を発動した時に発動できる。その発動を無効にし破壊する。
「そのサイクロンを無効にしマース!」
「ちょっと待った!それにチェーンして【王者の看破】を発動!自分フィールドにレベル7以上通常モンスター…つまりスパイラルドラゴンがいるのでこのカードを発動できる。そのトゥーン・テラーを無効にして破壊する!」
スパイラルドラゴンが吼えると、発動したトゥーン・テラーが破壊され、そのままサイクロンが発動し、トゥーン・キングダムが破壊された。
トゥーン・キングダムが破壊された瞬間、居場所を失ったトゥーンモンスターたちは破壊され、コミックハンドで捕まっていたスパイラルドラゴンも
◆手札、フィールドともに無し
◇手札 3→2
◇フィールド【海】
◇モンスター
【カイザー・シースネーク】
【スパイラルドラゴン】
【スパイラルドラゴン】
【スパイラルドラゴン】
「私のトゥーンが……!」
「バトル!!スパイラルドラゴン全員ででガラ空きとなったペガサスさんに攻撃!
攻撃力3100のスパイラルドラゴンが、ペガサスさんに一斉に巨大なヒレからスパイラルウェーブをくりだし、そして……
ペガサス LP 4000→0
創造主を倒したのだった。
◇◇◇
デュエルが終わった俺は早速ペガサスさんに呼ばれ、お話することになった。
「海波ボーイ!さっきは良いデュエルでした。とても楽しかったデース!」
「あっ、………ありがとうございます」
楽屋に訪れた俺をニコニコ笑顔でペガサスさんは迎え入れてくれた。やっぱりこの人は楽しいことが好きな愉快な人だと思う。うん、こういう大人って良いよな。
ちなみにデュエルの時は散々タメ口をきいていたが、今は普通に敬語である。やっぱりデュエルモンスターズの生みの親だし。流石に敬語を使えないほどコミュニケーションに問題を抱えてない……。
「まさか1ターンでスパイラルドラゴンを3体並べるなんてとってもミラクルデース!」
デッキを見せてほしいと言われ、ペガサスさんに自分のデッキを解説している。メインのギミックとしてはカイザー・シースネークや黙する死者等で生贄を用意しつつスパイラルドラゴンの生贄召喚だが、地獄の暴走召喚を組み込んだり、トレード・イン等で墓地に落としてから特殊召喚したり…など、とにかくスパイラルドラゴンを使い回すロマンデッキだ。
「単なる高攻撃力モンスター採用ならサポートも多い光属性ドラゴン族のラビードラゴンを使ったり…他には高攻撃力の効果モンスターだって増えて来ていマスのでそれを採用したりも出来たはずデース。しかしこのスパイラルドラゴン特化構築…ということは、アナタはスパイラルドラゴンが好きデスカ?」
無言で頷いた。理由はコミュニケーションが苦手のため。自分のことになると途端に口下手になってしまう癖、やめたいと思っている。
「その一つのモンスターに対してのコダワリ、懐かしいものを思い出させマース。海波ボーイ、このカードを私に預けてくれませんか?悪いようにはしません」
「どうするんですか」
「その時までの秘密デース!イッツアサプラーイズ!」
芝居がかった動きでお辞儀をしたペガサスさん。きっと、この人は悪い人ではなさそうだ。俺はペガサスさんを信用して3枚のスパイラルドラゴンを手渡した。
そして俺は何故か彼に大変気に入られたようで、連絡先を交換してくれた。まさかまさかはじめての連絡先交換がペガサスさんである。
そろそろスケジュールが押してると言い、ペガサスさんと別れる直前、俺はデュエルをした所感をぶつけてみた。
「ペガサスさん。あのデュエル、本当は全力じゃない気がするんですが」
「買いかぶりすぎデース。……ま、どうなんでしょうネ!フフ」
ひらりと躱し、彼は去っていった。微妙に掴めない人だった、まるで彼の操ったトゥーンのように。そんな感じ。
それから数カ月。俺のもとにはペガサスさんに渡したスパイラルドラゴンのリメイクである、幻煌龍スパイラルとそのサポートカードが届いた。その日、スパイラルドラゴンは煌へと浸渦したのだった。
◆◆◆
と、つまり、ペガサスさんから直接貰った超思い出のデッキで、(恐らく)俺しか使ってないであろうデッキ。そして最愛モンスター。これらから俺は幻煌龍を愛しているのだ。
だから、俺はこいつをもっと活躍できるように、そして強いデュエリストになりたいと思った。
「と、こんなもんでいいかな」
回想してる間に手紙も書いたし、手紙を出してくるついでに、これから始まる学園生活の買い出しとかもしようかな!
俺はトゥーンのイラストが描かれた封筒に手紙を入れて、郵便屋へと向かった。
◆◆◆
「海波ボーイがデュエルアカデミアに……」
ペガサス・J・クロフォードは数年前デュエルして、その古き良き時代の戦い方をする少年からの手紙を読んでいた。
「フフフ、私がデザインしたカードたち…そして気に入った決闘者が活躍してくれると我が子のように嬉しいデース」
デュエルモンスターズは日々進化している。少し前までは珍しかった効果モンスターも今やほとんどのデュエリストが使用している。融合、ユニオン、デュアル、スピリット…その他色々……。新たな召喚やルール出て来て奥深くなっていっている。それはとても面白いが、やはり古き良き召喚、そして通常モンスターも捨てがたい。新旧様々な戦略で楽しんでもらいたい。もう第一線は退いたが、ここまでデュエルモンスターズを育ててきたカードデザイナーとしての思いでもある。
新時代のデュエリストに通常モンスターで殴る、というテーマを与えてどうなるかが楽しみなのである。
彼はまだ未完成。通常モンスターといえども可能性は無限大。どこまでも成長できるはずだ。その時を……楽しみにしている。
「三角域から来たる不思議な海波ボーイ、その先にはどんなロードがあるのでしょう」
ペガサスは『おめでとう』と返信するべく筆をとった。
海波「今日の最強カードはこれ!スパイラ…」
ペガサス「今日の最強カードは【カイザー・シースネーク】デース!」
海波「!?ウルトラスーパーマイフェイバリットラブアンドライクエースモンスターではないだと!?」
ペガサス「決着をつけたモンスターを最強カードにすれば良いってものじゃ無いのデース。自分のデュエルを振り返って下サーイ。カイザー・シースネークが居なければスパイラルドラゴンは並べられなかったと思いマース。
トゥーン・キングダムを最強カードにしなかっただけマシだと納得するのデース。
さて、カイザー・シースネークは相手フィールドにモンスターがいて、自分フィールドにモンスターが居なければ特殊召喚出来るモンスターデース。まぁそのときに効果でレベルは4に、攻撃力はゼロになってしまうのですが……。特殊召喚時の効果で墓地からがレベル8の海竜族を攻守0にして特殊召喚出来マース」
海波「もちろんこの効果でカイザー・シースネークも墓地から特殊召喚できるぞ。カイザー・シースネークを釣り上げてランク4エクシーズを狙ってみたり、俺がやったみたいにスパイラルドラゴンを釣り上げてアドバンスドローのコストにしたり、もう一体出してランク8エクシーズに繋げてもいいな」
ペガサス「攻守0になることに注目して、作中同様に地獄の暴走召喚を使うのも大アリデース。地獄の暴走召喚は現在の攻撃力を見て、その同名カードですからネ。一気に2900打点が2体並ぶ、爽快デース。それと自身を特殊召喚する効果は手札からなので、スキルドレインを発動しておけばノーコストで2500打点が出マース。しかし墓地から釣り上げる効果は使えないので注意デース」
海波「それじゃあ今日はここまで。カイザー・シースネーク地獄の暴走召喚コンボ、楽しいからやってみるといい」