神殺しの三王は元はみ出し者   作:不浄皇

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大変遅れて申し訳ございませんでした!!
今回、過去最長になっております。
それではどうぞ!


勇者(笑)(ミスターヒーロー)小悪共組(仲間達(笑))

暁サイド

 

 

 (…さて、どうする?)

 

 目の前で自分に聖剣を突き付けて、敵意剥き出しで睨んでいる天之河(アホ勇者)を見据えながら内心、大きくため息を吐く。

 透に視線を向けると、思いっきり渋い顔でいるし、隣の八重樫に至っては先程とは違った意味で泣きそうになっている。

 相当な面倒事なりそうな予感にうんざりしているとそこへ、三人の人物が近づいて来た。

 

 

龍太郎

 「どうした光輝?…って、何だこりゃ!?」

 

 最初にやって来た坂上は、その場の惨状…ぶっ倒れてる小悪党組や怪我したハジメ、介抱する白崎等を見て度肝を抜いていた。

 

晴彦

 「……おい、これは一体どういうことだ?」

 

 その次に七彩路が、苛立ちを隠そうともせずに顔を顰めながら訪ねる。

 

信良

 「………」(; ゚ ロ゚)

 

 最後に華山が、いつも通り無言でありながら唖然とした表情をしていた。

 

 そんな文字通り三者三様の反応をしている三人に、天ノ河は俺から目を離さすに告げる。

 

 

光輝

 「三人共頼む!五十嵐を取り押さえるのを手伝ってくれ!」

 

 

 「おいおい天之河、俺が何したっていうんだよ?」

 

 何となく察しが着くが、敢えて聞いてみることにした。

 

光輝

 「ふざけるな、この状況で言い訳するつもりか!?仲間に手を挙げておいて、許されると思うなよ!?」

 

 

 (…そう言うと思ったよ)

 

 まぁ、確かに小悪党組(バカ共)をノしたのは間違い無いが、先に手を出したのはアッチ方だ……って俺が説明してもこのアホは信じないだろうし……どうしたもんかねぇ?

 

龍太郎

 「ま、待て光輝。ちょっと落ち着けって!」

 

 対処に悩んでいると、以外にも坂上が助け船を出してきた。

 

龍太郎

 「南雲をよく見てみろよ?アイツ、檜山達より酷い格好してるぞ。それってつまり、俺達が来る前に()()あったってことじゃねぇか?」 

 

 

 坂上に指摘され、ハジメを見た天ノ河はギョッとなる。現在のハジメは、檜山達(バカ共)から受けたであろう打撲等の傷跡が、全身の至る所に見受けられた。一応白崎が治癒術を掛けているがそれでもまだ目立っている。

 

 

光輝

 「な、南雲……そのケガ」

 

ハジメ

 「あぁ~、天之河君。これは…

光輝

 「まさか……君も五十嵐にやられたのか!そうなんだな!?」

ハジメ

 …なんでやねん」

 

 天之河の迷回答に思わず関西弁でツッコむハジメ。隣にいた白崎も顔を思い切り引き吊らせていた。

 

 

 尚、後方では… 

 

龍太郎

 「………」(; ̄Д ̄)?

 

 「っ!……っ!!」(゚Д゚;≡;゚д゚)

 

龍太郎

 「………」( ̄▽ ̄;)

 

 

 坂上が確認を取るように透に視線を向け、全力で首を横に振って否定するのを見て、『デスヨネ~』といった具合で納得していた。

 

 

 「…あのねぇ、光輝?()()()()()()()()って可能性は考えないの?」

 

光輝

 「…仮にもしそうだとしても、それは南雲に何か問題があったんじゃないのか?…っ!まさか五十嵐と一緒に何か悪事を企んで、それを知った檜山達を…

 「本ッッッ当にいい加減にしなさいよアンタ!!どんな思考回路してんのよ!?…南雲君、五十嵐君。ウチのバカ(光輝)が本当にごめんなさい!!」

 

 頭を抱えながら必死で謝罪する八重樫に、俺とハジメは苦笑いを浮かべる。…こんな事思うのもアレだが、天之河(このアホ)なら絶対そうくると容易に想像出来たからな…

 

 

晴彦

 「…霧原、一つ尋ねるが、お前はこの場にいたんだよな?だったら…

 「…ごめん、無理だよ七彩路君。光ちゃん、ここまで極まちゃうといくら説明しても自分の都合良く解釈しちゃうから…」

 

晴彦

 …ならどうやって収集着けるんだ、この状況?」

 

 七彩路が溜め息を吐きながら愚痴をこぼしていると、透から以外な返事が返って来た。

 

 「ちょっと待ってくれる?今"証拠"を()()()()()もらっているから」

 

 

晴彦・ハジメ・暁・香織・雫・龍太郎・光輝

 「…??」

 

 その言葉にその場にいた一同が疑問符を浮かべた。

 

 …いや、誰か一人足りないな?

 

晴彦

 「…そういえば『ノブ』はどこに行った?」

 

 「『ノブ』?」

 

()

 「………?」( ・_・)ノ

 

 するとそこへ、いつの間にか外していた華山が、"ある物"を抱えて戻ってきた。

 大きさは大体A5ノート位の長方形で、パッと観ると『絵の無い額縁』に見える……いや、よく見れば中央がマジックミラーみたいに片面は映るけど、もう片面は透き通って見える。また、縁の部分には細かい魔法陣や幾学模様が描かれていた。

 

 「ありがとう華山君。これで間違いないよ」

 

信良

 「………」( ´∀` )b

 

晴彦

 「それは……あぁ、なるほどな…」

 

 そしてそれを透が受け取り、何故か七彩路がそれを見て一人で納得していた。

 

 

龍太郎

 「ルー、何なんだそれ?」

 

 「まぁ見てて」

 

 そう言って透は全身から白灰色の魔力光が立ち上ぼらせ、その光を"魔力操作"で縁の部分に送り込む。すると鏡の部分が水面上の様な波紋が広がり、徐々に画面が切り替わっていく。

 

 

檜山

 『はぁ?お前さぁ何言ってんの?マジで有り得ねぇんだけど?いいからテメェは大人しく着いてこいよ!』

 

一同

 「ッ!!?」

 

 そこには小悪党組(バカルテット)がハジメを囲って、どこかに連れ込む様子が映っていた。それを画面を揺らしながら追いかけていく。やがて人気の無い場所にたどり着くと、全体が映り込む位置で揺れが止まり、画面が固定される。

 

 

 

檜山

 『そんじゃあ、さっそく始めるとします、か!!』

 

ハジメ

 『ウグッ!?』

 

檜山

 『へへヘッ、ようやっとこの時が来たぜ……ほら、さっさと立てよ?楽しい訓練の時間だぞ?』

 

 

 『……何してるの?』

 「…と、一旦此処で止めるね」

 

 そこへ透が登場、すると同時に映像が止まった。

 

 

ハジメ

 「七彩路君、透君。これは?」

 

晴彦

 「王国が所有するアーティファクトの一つで、簡単に言えば魔力で動くビデオカメラみたいな代物だ」

 

 「名称不明だから、とりあえず『映視鏡(ログ・ミラー)』って呼んでる」

 

 その後説明をまとめると、縁の部分に触れた者の魔力を吸収して、鏡の部分に映った光景を撮影、録画することが可能らしい。一応魔力さえあれば誰でも使えるが、燃費がかなり悪く、一般人だと3~4分位、魔法使い系の天職持ちでも10分越えると魔力切れになる。また仕組みの関係上、縁に触れ続けないといけない上、魔法の詠唱と同じように音声でないと発動・操作が出来ない等、色々と欠点もある。

 

晴彦

 「そこで試しに霧原に持たせてみたんだ。こいつの魔力量なら長時間の撮影が可能だからな。しかも"魔力操作"を使用すれば音声無しで直接操作が可能な上、あらかじめ魔力を注いでおけば、このように設置して撮影なんて芸当が出来るんだ……正直、苦肉の策だったんだが、想定以上の成果が出たものだ」

 

 「…はは、誉め言葉として受け取ったおくよ。それで戦闘や調査等の記録係に任命されたってわけなんだ」

 

 なるほど、それなら訓練や報告とかに大いに活用できるな。

 その後、さっそく検証に入ったんだが…

 

 

檜山

 『……何だよ、その目は!?ガン飛ばしてんじゃねぇよ!!』

 

 

香織

 「……………」

 

 白崎がさっきから無言です。ハイライトが消えた眼で、檜山が喚き散らしながらハジメをシバき倒すシーンをじ~~~っと瞬きもせずに観ています。正直言って怖いです。ハジメなんていつの間にか離れて俺の横に来てます。

 

 

檜山

 『……そうそう、そこでそのままキープ……そこが一番…………………()()を叩き込みやすい角度ってなぁ!!』

 

      ドカッ!!

 

 

 「…………はぁ?」

 

 

 透に腹蹴りを入れるシーンで、今度は八重樫から美少女から出ちゃいけない声が出てきました。眼なんて完全に人斬りのそれです。とても直視出来ません。

 

 

中野

 『……それなら南雲(コイツ)で暇潰しでもするかぁ……』

 

斉藤

 『おっ!いいねぇ、俺、丁度魔法の練習したかったから、こいつを"的"にしようぜ?…大介!いいだろ?』

 

近藤

 『ちょっ、信治、良樹!お前らだけずるいぞ!…おい大介!いつまで霧原(コイツ)捕まえてりゃいいんだ?』

 

 

龍太郎

 「……クソが!」

 

 

 …坂上、お前もかい…いや、気持ちは分かるけどな?

 …っていうか、さっきから何で俺こんなに冷静なんだ?…あれか?自分よりも怒っている人間がその場にいると逆に冷静になれるってやつか?

 

 そして…

 

檜山

 『うるせぇな!!もうちょっと待ってろ!後二、三発ぶち込まねぇと気が済ま…

 『ゴホォ!!』

 

        ビチャァ!!

 

雫・龍太郎・香織

 「………!!!」

 

 …透が吐血する場面で三人の怒りが頂点に達した。特に八重樫は殺気すら混じっている。

 その後映像は更に続き、俺が檜山の顔面に飛び蹴りをカマしながら乱入、そのまま流れるように三バカ(近藤達)を捌き、檜山の割と洒落にならない攻撃を魔剣で封殺し…

 

檜山

 『イヤだぁあああああああママぁああああああ!!!』

 

  …と、俺がハッタリかまして檜山が()()()()()()()()させながら失神するとこで映像が終わった。

 

 「…それで光ちゃん、何か質問ある?」

 

 突如透に問われた天之河は動揺しつつも、なんとかご都合思考を発動する。

 

光輝

 「……その、透、七彩路?この映像って…

 「……『暁君かハジメ君が改竄したものじゃないのか?』って言いたいんでしょ?安心して光ちゃん。それ、"100%"無いから」

 

晴彦

 「これには神代の魔法がいくつか使われているからそれらが使えでもしない限り改竄なんて不可能だ。しかも五十嵐と南雲、ついでに言えば霧原の魔法適正は一切無いんだぞ?忘れたのか?」

光輝

 ……いや…でも…」

 

 …が、透と七彩路の容赦無い返答に、天之河はそれでも諦めずに異議を申し立てようとすると…。

 

 

晴彦

 「…これでもまだ納得出来ないなら、もう()()()()()に聞け………何処へ行くつもりだ、檜山?」

 

檜山

 「っ?!!」

 

 振り返ってみると、いつの間にか目が覚めた檜山が、気絶してた位置からかなり離れた場所に、俺達と真逆の方向へ四つん這いで逃げようとしていた。

 

光輝

 「…ひ、檜山?」

檜山

 「ヒッ、ヒィイイイイイイイイ!!!」

 

 その場一同の…というか八重樫達の怒気を孕んだ視線に耐え兼ねたのか、檜山は天之河の呼び掛けに答えずにそのままおぼつかない足取りで走りだす。

 

 だが…

 

 「……八重樫流体術、『露拐(つゆざらい)』!」

 

    パシッ!

 

檜山

 「へっ?《ドカッシャアアア!!》ぐべぇえええ!?

 

 "縮地"を使って瞬時に先回りしていた八重樫が、地に着く寸前の檜山の足に自身の足を引っ掛けて後方に払う、いわば"足払い"を放つ。

 バランスを崩した檜山は顔面から思い切り地面に突っ込み、そのまま3メートル程スライディングしていった。

 

檜山

 「はぐうぉおおおおお!!?」

 

龍太郎

 「…オラッ、いつまで寝てんだ?こっち来い!」

檜山

 「ぐえぇ!?はっ、離せ、離してくれぇ!!」

 

 あまりの痛みにその場で顔を押さえてゴロゴロ転がっているとそこへ、間髪入れずに坂上が首後ろの襟を掴み、もがく檜山を無視してズルズルと引きずってこちらへ戻ってくる。

 

光輝

 「ふ、二人共、乱暴過ぎないか?同じ仲間じゃ…

雫・龍太郎

 「はぁ!?

光輝

 ………すまん、何でもない」

 

 見かねた天之河が諫めようとするも、二人の怒りに圧倒されたのか、映像を見た後だからなのか、あっさりと引き下がる。

 

 

晴彦

 「…あと近藤、それと斉藤と中野もだ。"視野拡張"でさっきからこっちの様子を伺っているってことは分かっているぞ?」

 

近藤・中野・斉藤

 「…………」

 

晴彦

 「……五十嵐、()()()()()()()からそいつら叩き起k…

近藤・中野・斉藤

 「すみません起きてます!!だから五十嵐(ソイツ)に頼むのはやめて!!?」

 

 …俺の名前が出たとたんに狸寝入り(気絶したフリ)を辞めて三(バカ)は飛び起きる……さっきのどんだけトラウマになってんだよ。

 

 

 そうして檜山を先頭にその後方に残り三人を座らせ、その前に八重樫と白崎、檜山の横には坂上が控え、俺を含めた残りが周囲を囲む配置を取って小悪党組の事情聴取(じんもん)が始まった。

 

 

 「……それで?言いたい事があるなら一応聞いてあげるわよ?」

 

 圧倒的な威圧感を放つ、怒り心頭の八重樫が開口すると同時に檜山達はビクりと震え上がった。

 

 

檜山

 「…ま、待ってくれ、違うんだよぉ!最初俺達は南雲に稽古を付けようと…

近藤・中野・斉藤

 「すみませんでしたぁあああああああああ俺達がやりましたぁああああああああ!!!

檜山

 …ってオィイイイイイイイイ!!?」

 

 この期に及んで檜山は言い訳しようとするも、三人は見事なシンクロ土下座を披露しながら白状する。

 

檜山

 「お、お前らぁ!?」

 

近藤

 「バッカじゃねぇのお前!?この状況で誤魔化せるわけねぇだろ!!だからさっき逃げようとしたんだろうがぁ!!しかも自分一人だけで!!」

 

檜山

 「…グッ!?」

 

 図星を突かれた檜山が押し黙るのを他所に、斉藤と中野がハジメと透に向き合った。

 

中野

 「南雲ぉ、霧原ぁ、悪かったよぉ……でも聞いてくれぇ!」

 

斉藤

 「俺達だって本当はこんな事したくなかったんだ!だけど訳あってコイツ(大介)には逆らえないんだよ!」

 

 その場全員が『何言ってんだコイツら?』と言った感じになる中、檜山だけは顔を青くしながら引き吊らせた。

 そしてそれを見た俺はある確信を得る。

 

 

 「あぁ、やっぱりそうか。ハジメ、こっち(トータス)に来た日の朝、ガラの悪い連中に絡まれたの覚えてるか?」

 

檜山

 「て、てめぇ!ふざけ《ガシィ!》ヒギィ?!」

龍太郎

 「…お前は黙ってろ!」

 

光輝

 「いきなり何を言い出すんだ?今は関係…

香織

 「光輝君は黙ってて……南雲君、そうなの?」

 

 俺の言葉に喚きだす檜山を坂上が後頭部にアイアンクローを食らわせ、口を挟もうとした天之河は白崎が黙らした。

 

ハジメ

 「…うん。まぁ、運良く暁君がその場にいたから助かった……って、まさか?」

 

 そこまで言って天之河を除いた全員の視線が一斉に顔面蒼白の檜山に集中する。

 

 

斉藤

 「そうだよ、あいつらを仕向けたのは大介だ!ソイツ、金使って裏でそういった連中と繋がってんだよ!」

 

中野

 「…で、そいつにお前を襲うよう依頼したんだ!ついでに弱味を握って脅せばいい金ヅルになるぞって唆してたそうだぞ!」

 

 

 頼んでもない情報までも中野と斉藤が喋っている中、話を聞いてた白崎は能面のような無表情になり、現在顔を真っ白にして呆然している檜山を見ていた。

 

 「…つまり何?『下手に逆らえば自分達も標的になるから仕方なかった』って言いたいの?映像を見た限りそうとはとても思えないんだけど?」

 

中野

 「へっ?」

斉藤

 「そ、それは…」

 

 「ルーの事助ける素振りもなかったし、南雲君に至っては笑いながら魔法の的にしようとしてたわよねぇ?……ふざけたこと抜かしてんじゃないわよ!!

 

中野・斉藤

 「ヒィイイイイ!!?」

 

 最早殺気を抑えようともしない八重樫に、二人は目に涙を浮かべながら顔を真っ青にしながらお互いに抱き合う。

 そんな中、近藤は助けを求める様に天之河に目を向けるも…

 

 

光輝

 「………」

 

 …当の天之河は死んだ魚の目をしながら明後日の方向を眺めていた。もう完全にお手上げ状態である。

 

 

近藤

 「っておい天之河!?無視(シカト)してないで助けてくれよ!勇者なんだろ!?」

 

 …いや、近藤?お前、他人(ひと)の事言えないからな?

 

近藤

 「つーか大介、何時まで呆けてんだよ!?元はと言えばお前に付き合わされたせいでこんな目にあってんだからな!?責任取って何とかしろよ!!」

 

檜山

 「……はぁ!?」

 

 放心状態だった檜山は近藤の言葉が引き金になり、怒りが一気に燃えあがる。

 

檜山

 「何言ってんだてめぇ!?そもそもてめぇらが五十嵐に勝ってさえすりゃ、幾らでも奴に濡れ衣着せれたんだ!あっさり負けてんじゃねぇよ、この役立たずどもがぁ!!」

近藤

 「うるせぇよ!!オメェだって散々(こす)い手使ってた癖に、結局叩き潰されてんじゃねぇか!!」

檜山

 「アホかぁ!!南雲(キモオタ)の邪魔と五十嵐(ホ〇野郎)あの剣(魔剣)が無けりゃ勝ててたわ!!…あと信治、良樹!!お前らも何全部俺のせいにしてんだよ!?しかもよりによって()()の前でベラベラ喋りやがってぇ!!」

斉藤

 「事実だろぉが!ちょっとでも意にそぐわなけりゃすぐ裏の奴ら(バック)チラつかせやがって!!」

中野

 「っていうか、そもそも最初(ハナッ)からお前なんかに脈なんて一切ねぇだろ!!」

近藤

 「しかも最後の"アレ"は無ぇわ!何が『イヤだぁあああママぁあああ!!』だよ!!ダサ過ぎて逆に笑えねぇよ!マジでドン引きだわ!このマザコンのお漏らし野郎がぁ!!!」

 

檜山

 「っ!?…このクソどもがぁ!!お前ら地球(アッチ)帰ったら覚えとけよ!?南雲(キモオタ)五十嵐(ホ〇野郎)、あと嵌めやがった霧原(生焼け)共々、普通の生活送れないようにしてやるからな!!」

近藤

 「やってみろやぁ!!その前にコッチ(トータス)でお前の人生終わらせてやらぁ!!」

 

 

 

 段々とヒートアップしていき、等々罵り合いながら醜い乱闘にまで勃発する小悪党組。

 

 

 「…お~い、天之河?あれ、止めなくていいのか?()()()()()なんだろ?」

 

光輝

 「……五十嵐、さっきの事は謝るから頼む、今は何も言わないでくれ……」

 

 最早俺の皮肉に噛みつく気力も起きずに項垂れてる天之河。流石にもう奴らを庇う気は無いようだ……まぁ、この状況でしてきたらソレはソレでコイツの正気を疑うんだが…

 

 

 

 「……もういいわ」

 

小悪党組

 「……へっ?」

 

 …おや?八重樫の様子が?

 

 「……これ以上あんた達に付き合ってたら、怒りで気が狂いそうよ……だから」

 

 そう言いつつ据わったった眼をした八重樫は、自分の剣をゆっくりと引き抜き…………ってうぉい?!

 

 

 「……そこに並びなさい。二度と喚けないように、仲良く横一列に並べ(打ち首獄門にし)てあげるわ」

 

小悪党組

 「イィィィィヤぁあああああああああああ!!?」

 

 

 ……あかん、八重樫の奴、完全にブチギレれてやがる!『怒りで気が狂いそう』どころか既に()()()()()()()てる!

 流石にこれは放っておけないと判断した天之河が止めようとするが、それより速く白崎が立ち憚る。

 

 「…香織?」

 

香織

 「…雫ちゃん、ちょっと時間を貰えないかな?」

 

 「………」

 

 無言で八重樫が了承すると、白崎は檜山の前に立った。

 

檜山

 「し、白崎?」

 

 檜山が戦々恐々としていると白崎は、『二大女神』の異名に恥じないふんわりとした優しい笑顔を浮かべる。

 

香織

 「…檜山君、ちょっと立って欲しいんだけど、大丈夫?」

 

檜山

 「へ!?あ、ああ!」

 

 その笑顔に檜山は状況を忘れたのか、端から見ても判るぐらいに舞い上がって、フラつきながらもゆっくりと立ち上がる。

 

香織

 「…ちょっと高いかな?ごめん、今度は少しずつしゃがんでくれないかな?

 

檜山

 「ああ、えっと、これぐらいで良いか?」

 

 白崎の言われるがままに、檜山は少しずつしゃがんでいく。

 

 (…っていうか何だ?この光景と似たものをさっき見たような………あっ)

 

 

香織

 「あぁ、うんストップ。そのままジッとしててね?」

 

檜山

 「ああわかった!このままキープで………あれ?」

 

 そこまで来て漸く即視感(デジャヴ)に気付いた檜山は、見るから顔が引き吊りだす。

 

檜山

 「し、しし、白崎?」

 

香織

 「……確か、『そこが一番、一撃を叩き込みやすい角度』、だったよね?」

 

 そう言うと同時に白崎は笑顔から一転、背後から怒気と共に現れた()()()()()と同じような怒りの形相に………ってうぉぉぉい?!!

 

 「ハ、ハジメ?白崎の"天職"って何だったっけ?」

 

ハジメ

 「……"治癒師"だよ。回復専門の支援タイプ……少なくとも"スタ〇ド使い"や"ペ〇ソナ使い"じゃないはずだよ?」

 

 「…だよな?ってかお前も見えてるんだな…後ろの般若(アレ)?」

 

 「…というか、この場にいる全員が、だと思うよ?……龍ちゃんと光ちゃん、さっきから口開けて唖然としてるし、七彩路君達も、ホラ?」

 

 

信良

 「………!」((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

晴彦

 「……ノブ、気持ちは解るが少し落ち着け?」

 

 …そうか。どうやら俺だけ幻覚が見えるって訳じゃなさそうで安心で……きねぇな、うん。

 …なんて呑気な事を考えている間に…

 

檜山

 「ままま、待ってくれ白崎!俺は…

香織

 「………最っ低!」

     スパァアアン!!!

檜山

 「…ッヘブゥウン!!?」

 

 何か言おうとする檜山の顔面に、白崎は一切の容赦無く渾身の一撃(ビンタ)を打ち込んだ。その際、檜山の首から《ゴキリッ》という音が鳴り、口から数本歯が飛び出た。……いや、本当に回復専門(ヒーラー)の一撃か、今の?

 

 

檜山

 「…あ、アガッ…カカッ…!」

 

 「…急所に当たっ(クリーンヒットし)たな」

ハジメ

 「…効果は抜群だね」

 

 その場に沈んだ檜山は白目を剥いて、ビクンビクンと打ち上げられた鯉みたいに痙攣している。

 それを白崎は冷めきった目で一瞥し、再び八重樫の方へ向かって行くと…

 

 

香織

 「ありがとう雫ちゃん、もういいよ」

 

 「…どういたしまして」

 

 …と、お互いにいい笑顔で笑い合う……いやまぁ、男女関係無しに、惚れた相手に手を出されて穏やかでいられる奴なんざいねぇわな。

 

 

近藤

 「…信治、良樹!!」

 

中野・斉藤

 「っ!!」

 

 檜山(バカ)の末路を観て唖然としていた二人が近藤の呼び掛けに反応し、三人は目を合わせた後、互いに頷き合う。

 

中野

 「南雲ぉ、霧原ぁ、本当にすみませんでしたぁああああ!!」

斉藤

 「もう二度とこんな事しないから!今この場にいる全員に誓うからぁああ!!」

近藤

 「だから頼むぅ!もう許してくれぇ!!っていうか八重樫を止めてくれぇええええ!!」

 

 そしてそのままハジメと透に対し、プライドなんて一切棄てましたと言わんばかりに、先程より地面に頭を着けて土下座をしながら全身全霊の謝罪をする。

 

 

光輝

 「な…南雲、透?もう許してあげないか?三人共もう十分反省してるようだし…

香織・雫

 「光輝?」君?」

光輝

 「うぅ…」

 

 天之河は懲りずにまた口を挟もうとして、二人の威圧によって再び黙らされた。だがそれでも諦めずにチラチラと透達に視線で訴えかけてくる。

 

晴彦

 「…八重樫、それと白崎もだ。もうそこまでにしておけ。流石にそれ以上はやり過ぎだ」

 

 …と、ここで今度は七彩路が待ったをかけてきた。

 

 「…じゃあ何、七彩路君?まさか貴方もコイツら(檜山達)はこれでもう許そうっていうの?……冗談じゃないわよ!!

信良

 「………!?」( ・`д・´)(シュバッ)

 

 再び殺気立ち鋭い視線を向ける八重樫に反応したのか、華山が七彩路を守るように前に出る。

 

信良

 「………」(゚Д゚;(⊂(ムギュッ)

晴彦

 「…安心しろ。そんなつもりは無い。それをやったら霧原が体張って撮った映像が無駄になるって言いたいんだ」

 

 

雫・香織

 「……?」

 

 その華山を手で横に退けつつ、七彩路が語る理由の意図がわからない二人を始め、その場一同が疑問符を浮かべていると、ここで交代するように透が苦笑しながら説明し始める。

 

 「さっき光ちゃんにも説明したけど、この映視鏡(ログ・ミラー)には神代の魔法が使われていて、普通なら()()()()()()()()()()()()()なんだ。でも逆に言えば…

ハジメ

 「…あっ、そうか!映視鏡(これ)で撮った映像は信憑性が高いから、十分証拠になるってことだね!」

 

雫・香織

 「あぁ~~」

 

 ハジメの言葉に納得する八重樫と白崎を横目に七彩路が更に説明する。

 

晴彦

 「その通りだ。っで、この映像をメルドさんと上層部に提出して、そこのバカどもに適切な処遇を施すように掛け合っておく……少なくともお咎め無しにはしないと約束しよう」

 

近藤・斉藤・中野

 「……っ?!」

 

 まぁ、上層部(上の奴ら)はともかく、メルドさんは絶対に黙っちゃいないな。しかも最近は小悪党組(バカ共)の訓練態度の悪さで、めっちゃストレス溜めてたらしいから間違い無く大爆発す(ブチぎれ)るな…。

 

晴彦

 「…加えて、二度とこのような事が起きないよう、何かしらの対策も講じておく……南雲と霧原も、それで構わないよな?」

 

 「……ハジメ君はどうなの?」

ハジメ

 「へっ!?…まぁ、二度としないなら別にいいけど…」

 

 「…なら僕も問題無いかな」

 

 ハジメの意見に透も乗っかる形で賛同する。

 しかし、白崎と八重樫は未だに納得出来てない様子だった。

 

 

 「まぁまぁ、お二人さん?本人らがもういいって言ってんだから、ここまでにしとこうぜ?…つーかさ…」

雫・香織

 「……っ?」

 

 側まで近寄った俺は、二人にしか聞こえない音量で囁く。

 

 

 「…気持ちは分からなくもないが、あんま恐い顔してっと()()とは言わないが逃げられちまうぜ?」

 

雫・香織

 「………っ?!!」

 

 

 そこまで言われてようやく我に還った二人は、恐る恐る互いの想い人を見る。その際俺は後ろで二人に気づかれないよう、視線と仕草で透とハジメにフォローするよう伝える。

 

 

ハジメ

 「…えっとその…ありがとう二人共、もう十分だよ」

 

 「僕らのために怒ってくれるのは嬉しいけど、それ以上する必要はないからさ?」

 

雫・香織

 「………」(///~///)

 

 (はい、あっさり鎮火完了~、チョロい女神様(バカなオンナ)達だぜ…)

 

 顔を紅くしながら嬉しさと恥じらいが混じった表情で押し黙る二人を見て俺は内心、自称新世界の神(夜〇  月)の如きドヤスマイル(『計画通り!』)で、某ソロキャン少女(志〇 リン)みたいなセリフを呟く。

 

 

龍太郎

 「…それで光輝?さっきから黙ってるけど、お前はどうなんだよ?」

 

光輝

 「……まぁ、メルドさん達に任せるなら問題無いけど…」

 

近藤・斎藤・中野

 「……………」

 

 坂上の確認に、天之河は渋々といった感じで了承する。それを見た三バカは一類の希望が尽きたようで、orzの体制で揃って(まっしろ)になっていた。

 

晴彦

 「納得したなら天之河、それと坂上。映視鏡(コレ)を持ってメルドさんの所にこのバカ共と一緒に引渡してくれ。たぶんもう訓練場に居るだろう。っで、事の顛末を()()()伝えたら、そのまま訓練に合流しろ」

 

光輝

 「…それは構わないけど、君は?」

 

晴彦

 「俺は元々五十嵐と南雲に用があってな、それが済み次第そっちに向かう」

 

 因みに、録画した過去映像を再生するにはそれほど魔力は必要無いらしい。

 

光輝

 「……わかった、じゃあ行ってk…

 「ちょい待ちな、勇者(笑)(ミスターヒーロー)

光輝

 ……なんだ五十嵐?」

 

 「…露骨に嫌そうな顔すんなよ?直ぐに済ませる……オイ、三バカ!」

 

近藤・中野・斎藤

 「………っ?!」

 

 突如呼ばれた近藤達(三バカ)は恐っかなびっくりしながらこちらを向く。

 

 「檜山(大バカ)が起きたら伝えとけ。『次は無ぇぞ?』ってな?後、なんかヤラかしたらお前らも連帯責任取らせるからそのつもりでいろよ?」

 

斎藤・中野

 「えっ?!」「ちょっ!?」

近藤

 「……もう諦めろお前ら。これ以上は何言っても余計に立場が悪くなるだけだ」

 

斎藤・中野

 「……うっ、うう、うぅ」

 

 沈み切った近藤の言葉に二人は心が折れたのか、嗚咽を漏らしながら泣きだした。

 

光輝

 「…おい!五十嵐」

 「落ち着け、勇者(笑)(ミスターヒーロー)。念のため釘刺しといただけだ。これ以上やんねぇよ」

 

 (…奴らが何もしなければだがな?)

 

 まぁ、見た感じだと少なくともコイツら(三バカ)はもう大丈夫だな。大バカ(檜山)はどうか知らんが、あんな目にあってんだし、しばらくは大人しくしてんだろ。一応警戒はしておくが。

 

 

光輝

 「…ならいいが……というか、さっきから何なんだその呼び方は!?何か悪意…というかバカにされている気がするぞ!」

 

 失礼だな、俺的には結構良いセンスだと自負してんだぞ?

 

 「そんな事無いよ。似合ってるよ、ミスターヒーロー(光ちゃん)?」

光輝

 「透?!」

 

香織

 「そうだね。ミスターヒーロー(光輝君)にぴったりの呼び名だよ」

光輝

 「香織まで!?」

 

 「っていうかいい加減さっさと行きなさいよミスターヒーロー(光輝)?」

 

光輝

 「っ!!~~~~わかった!もうわかったからその呼び方はやめてくれ!行くぞ龍太郎!」

 

龍太郎

 「あいよ……あ、そうだ、五十嵐、南雲!」

 

暁・ハジメ

 「っ?」「何かな?」

 

 先程から様子を見て苦笑していた坂上が、不意にこちらに小声で話かけてきた。

 

龍太郎

 「…さっきは光輝が本当にすまなかった…それと、ルーを助けてくれてありがとな!」

 

 「…謝罪は要らねぇよ。大して気にして無いし」

 

ハジメ

 「……お礼もね」

 

龍太郎

 「…そうか、じゃあな!」

 

 そう言って坂上は天之河達(アホ共)の後を追う様にその場から去る。因みに、未だに気絶している檜山(大バカ)は三バカに両腕と服の襟を掴んで引きずられていかれた。

 

 

 「二人共、本当にありがとう」

 

 「私からもお礼を言うわ。あなた達はルーの命の恩人よ」

 

 「…だから、礼は要らねぇって。ただバカ共(小悪党組)が喧嘩売ってきたから買っただけだ」

 

ハジメ

 「……というか、僕はむしろ謝らないといけないよ。元々、檜山達(あいつら)の狙いは僕なのに……巻き込んで本当にごめん!」

 

 「いやいやいや!?ハジメ君は悪くないから!巻き込んだっていうか、僕が無闇に突っ込んだせいだから!!」

 「そ、そうよ!っていうか一番悪いのは小悪党組(あのバカ達)よ!南雲君は一切気にしなくて良いのよ!」

 

ハジメ

 「……そう言ってくれると、少しは楽になるよ」

 

 透と八重樫(苦労人コンビ)の必死のフォローに、苦笑いしながらもハジメは安堵する。

 

 (…そういや白崎はどうしたんだ?)

 

 こういう場合、真っ先にハジメのフォローにまわる筈なのに、さっきから一言も喋っていないな?

 

 

香織

 「…………」

 

 そして当の白崎を見てみると、何か思い悩んだ表情のまま自身のステプレをずっと見ていた。

 

 「…おい、しらさ…

晴彦

 「ゴホンッ!!」

 

 声を掛けようとしたが、突如響き渡った七彩路の咳払いで遮られる。

 

 

晴彦

 「……言いたい事はまだあるかもしれんが、頼むから先にこっちの要件を済ませてもらえないか?……この後も、色々と予定があって忙しいんだよ、俺」

信良

 「………!!」(;><)人

 

 …やべぇ、今度は七彩路が爆発し(ぶちギレ)そうだ。平然を装っているが、額に青筋を浮かべて、ワナワナと震えとる。後ろで華山が祈るポーズをしている様子から、もう限界ギリギリのようだ。

 

 「………七彩路君、本ッ当にごめんなさい。あとちょっとだけ待ってもらえないかしら?」

 

 「………どうしても暁君にこれだけは言っておきたいんだよ」

 

晴彦

 「……なんだ?」

 

 

透・雫

 「……この度はウチの勇者(おバカ)が本当にご迷惑おかけしました…」

 「いや、だから謝罪(ソレ)もいいって」

 

 …とりあえず、無事に地球(むこう)に戻ったら、二人に"黄昏(ウチの店)"で好きな物を奢ってやろうと思う。

 

 

 

暁サイドout

 

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

No.サイド

 

 

光輝

 「へっくしゅっ!!」

 

龍太郎

 「…風邪か光輝?」

 

光輝

 「…いや、体調に問題無い」

 

 あの後光輝達は、晴彦の指示通りに小悪党組を映視鏡(ログ・ミラー)と共にメルド団長に引き渡し、事の顛末を彼に説明した。話の最中、彼は終始怒り心頭だったのは言うまでも無い。

 その後、彼は一旦クラスメイトを集め、()()()()()()()と午後は自主鍛練とする旨を伝えた後、檜山を拳骨で文字通り()()()()()た。そして突然の痛みで混乱して騒ぐ檜山の頭部を掴ん(アイアンクロー)でそのまま自身の事務室まで引きずって行き、その後を悲壮感を漂わせた近藤達がついていった。

 

 

龍太郎

 「なぁ光輝?さっきから難しい顔しているけど、どうしたんだ?」

 

光輝

 「……気付いてないのか龍太郎?さっき透が五十嵐達のことを、いつの間にか名前で呼んでいたんだ」

 

龍太郎

 「…あ~それか?一週間ぐらい前から呼び合ってたな?…まぁ、それ以前、それこそこっちに来てからも親し気にしてたし」

 

光輝

 「そうか………ってちょっと待て龍太郎?!お前知ってたら何故…

龍太郎

 「『黙っていた』かって?言ったらお前が黙ってないだろうからだよ……たぶん香織と雫も承知していると思うぜ?」

光輝

 「………!?」

 

 自分だけが知らなかった事実にショックを受け、愕然とした様子の光輝に龍太郎は内心で大きく溜め息を吐いた。

 

龍太郎

 「……なんだよ光輝?お前まだ五十嵐達を信用してないのか?」

 

光輝

 「当たり前だ!百歩譲って南雲は信用できたとしても、五十嵐は無理だ!アイツが中学時代に起こした事件は、龍太郎も聞いているだろ!?」

 

龍太郎

 「……そりゃ、まぁな」(南雲でも百歩譲る必要あんのかよ)

 

 暁が"暴風"の異名で呼ばれる切っ掛けとなった事件のことは、龍太郎自身も耳にしている。正直最初に聞いた時は、あまりに常軌を逸っした内容に、話に尾ひれが付いたか、それ自体が誇張(デマ)かと思っていたが、先程の映像で檜山達を難なく圧勝してみせたことから、あながちそうとも言い切れなくなった。

 

 

龍太郎

 「…でもそれだってもしかしたら、何かやむを得ない事情があったかもしれないだろ?普段のお前だってそうじゃねぇか?」

光輝

 「うぅっ?!」

 

 基本的に光輝は性善説を主軸としており、『人間は早々に悪いことはしない。仮にしたとしても何か理由があるか、もしかしたら被害者側にも問題があったのかもしれない!』という思考回路をしている。

 …もっとも檜山達のお陰か、今はその考えも少しばかり揺らいではしているが…。

 

 

龍太郎

 「とにかくさ光輝。ルーの事が心配なのはわかるけど、そのルーを身体張って守ってくれたアイツらを、少しぐらいはを信用してやっても良いんじゃないか?」

 

光輝

 「……龍太郎」

 

龍太郎

 「今度時間があったら、メシ食いながら話でもしてみようぜ?透と……ついでに香織と雫も誘ってさ?」

 

 『同じ釜の飯を食えば打ち解け合える』、という龍太郎らしい提案だった。

 

 

 

光輝

 (………)

 

 …だが、今の光輝の耳にその言葉は届いていなかった。

 映視鏡(ログ・ミラー)に写った映像が紛れも無い真実なら、ハジメと暁が透を助けたのは明確だ。なら龍太郎の言う通り、あの二人を仲間として信用すべきだと、透の事を思えばそれが()()()のだと、頭では理解している。

 だが心の奥底では、『そんな訳が無い!』、『絶対に裏で何か企んでいる!』といった言葉と共に、猜疑心が限りなく湧き出ていた。

 …ふと、光輝の脳裏に、トータスに召喚された日に、教室で透が二人と親し気に話している時の光景が甦る。本来ならなんて事も無い、微笑ましい光景だろう。

 

光輝

 (……何故だ?なんでこんな気持ちになるんだ?)

 

 …だが、その時光輝が感じたのは、まるで自分にとって何より大切な宝物を無神経にベタベタと触られている様な不快感と苛立たしさ、そしてそんな感情を抱いている自分に対する困惑だった。

 

龍太郎

 「…お~い光輝、どうした?」

 

光輝

 「っ!?………なんでもない気にしないでくれ」

 

 

 そのまま底なし沼に沈む様に、負の感情に浸り欠けていた光輝は、龍太郎の呼び声で我に還ったと同時に、これ以上は考えても仕方がないと思考を切り替える。

 

 

光輝

 (…とにかく、今は明日からの実戦訓練に集中しよう。メルドさんにも、一層気合い入れとけと言われているからな)

 

 なにせ今回は場所が場所なだけあって、今までの王都外での訓練よりも油断はできない。ほんの少しのミスでも最悪の事態に至る可能性もあるからだ。

 

 

龍太郎

 「…ならいいけど、あんま無理はすんなよ?」

 

光輝

 「……大丈夫だ龍太郎。例え何があっても、俺が絶対にみんなを守る。そして全員でこの世界を救ってみせる。それが勇者(オレ)の役目だ!」

 

 自身(勇者)の象徴である聖剣を握り締め、改めて決意する光輝に、龍太郎はニカッと笑いながらエールを送った。

 

 

 

龍太郎

 「おう!頼りにしてるぜミスターヒーロー(勇者様)!」

 

光輝

 「………龍太郎、お前もかっ!!!

 

 …尚余談だが、この日を境にクラスメイト達の間で、『天之河(光輝)勇者(笑)(ミスターヒーロー)は禁句』という認識が広まったという。

 

 




以上になります。
結局グダグタになってまさかの一万字超え。しかも話は全く進んでない。もう少しサラッといきたいものです。
今回も色々と原作との相違点を少しだけ…


映視鏡について
本作のオリジナルアーティファクト。性能は本編の説明通り、魔力式のビデオカメラです。外見を踏まえてもっと具体的言えば、カメラ機能のみ搭載したipadみたいな物だと認識してください。
今後も活用できるように、話を作っていければと思います。

香織・雫()()()と覚醒
本編で暁が言ったように、恋心を抱いた相手を傷つけられて平然としていられる人間なんて普通いません。ましてやマリアナ海溝よりも愛が深いこの二人なら、そりゃ女神から鬼神に反転化(ジョブチェンジ)もしますよ。
よって香織はいち早く般若さん(スタンド)の具現化に成功、雫は殺意の波動に目覚めさせてもらいました。二人のこの心境の変化が今後の物語にどう出るか?ご期待していただければと思います。

光輝の色々について
性善説至上主義の光輝ですが、今回の件で少なくとも例外がある事を知り、加えて自身の闇に少し触れてもらいました。
あまり多く語ると、ネタバレになりそうなので言えませんが、これだけは明言しておきます。
自分は光輝のアンチではありません。

勇者(笑)(光輝)=ミスターヒーローについて
原作でも光輝はよく"勇者(笑)"と呼ばれ、弄られてますが、ふと、これを英訳というか別の呼び方にするとどうなるか?という疑問が浮かんできました。
それで少し考えた結果、勇者を英雄(ヒーロー)に置き換えて、そこに男性の敬称であるMr.(ミスター)を足してみたら、『微妙にダサい』、『何故か安っぽい』『名前だけの英雄』といった当初の光輝にピッタリな印象となったのでこれを採用してみました。皆さまは気に入っていただけたでしょうか?


ではまた次回でお会いしましょう!

ハジメのヒロインについて(ハーレムは確定)

  • 原作通り(某吸血姫様がメイン)
  • 香織がメイン(吸血姫様が挑戦者)
  • 両方(香織と吸血姫)いってまえ!
  • オリヒロだして!(サブ)
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