色々と事情があったとしても、一ヶ月以上も掛かったって………。
ただお気に入りがついていたのは嬉しかった。本当にありがとうございます!
それを励みにして精進して行きます!
それではどうぞ。
透サイド
始業チャイムの鳴る十数分前、特に問題も無く僕は登校して、教室のドアを開けた。
「「「「「「「…………………」」」」」」
たったそれだけで教室内が沈黙し、視線が僕に向けられる。大抵は好奇や忌避感が大半だけどその中に不快感が弱冠混じっている。そんな中を、特に気にすること無く僕は自分の席に向かう。はっきり言ってしまえば、この火傷を負ってからこんな扱いはもう慣れている。もっとも原因は顔の火傷だけではなく、もう1つあるのだが、それはまた機会があれば話そうと思う。
そんな感じで僕には特に問題は無い。むしろこのクラスに編入できて幸運だったと言える。何故かというと………。
香織「おはよう!ルーくん。」
龍太郎「オーッス!!」
自分の席について鞄から荷物を出していると二人の生徒が挨拶しながら近いて来た。一人は黒髪ストレートの美少女と、もう一人は2m近くの大柄な男子だ。
「おはよう。
女子の名前は
性格は穏やかで優しく、面倒見も良いので男女問わず慕われている。ただその反面、天然で良くも悪くも空気が読め無い所がある。
男子の方は
友達思いの熱血漢だが物事を深く考えないで行動する脳筋でもある。
香織「一人暮らしにはもう慣れた?」
「まだまだ戸惑う事があるけど概ね大丈夫だよ。」
龍太郎「何かあったら遠慮なく言ってくれ!手伝うぜ。」
「ありがとう。もしもの時はお願いするよ。」
そんな感じで雑談していると、更に二人の生徒が近いて来た。
「………おはよう。
光輝「………おはよう、透。」
雫「え、ええ。おはよう。」
やや素っ気なく返事をした茶髪の男子は
容姿端麗、文武両道、おまけに人一倍正義感が強くて、
気まず気な感じで挨拶したポニーテールの女子は
生真面目且つ世話焼きな苦労人気質な性格だが、実は可愛い物好きな乙女の部分もあったりする、香ちゃんに負けず劣らずの美少女だ。ちなみに、実家が剣術道場を営んでいて、光ちゃんと僕もそこで彼女と共に指導を受けていた。(光ちゃんはまだ門下生らしい。)
彼ら四人は僕の幼なじみで親友だ。引っ越してからは音沙汰無しであったが、こうして再会して同じ高校に通えるのは正直嬉しい。
(まぁ、何もかも元通りってわけにはいかないけどね。)
香ちゃんと龍ちゃんはあの頃と変わらず接してくれているが、光ちゃんとシズちゃんとはまだ深い溝を感じる。まぁ、
香織「あれ?ルーくん、その本………。」
そんな事を考えていると、香ちゃんが僕の荷物の中から数冊の本を見つけて呟いた。
香織「……ラノベだよね?ルーくん読むんだ………?」
「あぁ、それ借りたんだ。」
「「「「………え?」」」」
思わずといった感じで呟く四人。耳を傾けていた周りのクラスメイト達も驚いた用な反応をしていた。そういえば話してなかったっけ。
「実は最近、みんな以外に顔見知りになった人達ができたんだ。」
もっとも本当に出会ってから少し位の関係だ。それでも今の僕にとっては十分ありがたいけどね。
香織「ねえ、ルーくん。もしかしてその本を借りた相手って………。」
若干期待した感じで聞いてくる香ちゃんの様子を見て、他の三人も察したようだ。シズちゃんは納得したって感じで頷き、龍ちゃんは複雑な表情をして、光ちゃんに至っては明らかに忌々しそうに顔をしかめていた。
「うん。多分香ちゃんの予想どおりだよ。」
ちょうどそう答えたタイミングで教室のドアが開いて、二人の男子が飛び込むように入ってきた。
暁「オッッシャ、ギリギリセーフ。」
ハジメ「まっ……間に合った………。」
それと同時にまたしても全員沈黙し、視線が二人に向けられる。ただし、僕とは違い明らかに敵意と嫌悪と侮蔑に満ちていた。
さて、この二人について少々説明させてもらおう。
最初に入ってきた大柄な方は
龍ちゃんに並ぶほどの身長で全体的に細身だが、それなりに筋肉が付いている。(所謂細マッチョ)髪は残バラの短い黒髪で、顔は強面で特に目付きが非常に悪い。加えて、中学時代に暴力事件を起こしていて、学校一の不良として恐れられている。
もう一人の方は『南雲ハジメ』。
平均的な身長と体格、若干中性的ながら平凡な顔立ちで、ゲーム・アニメ・漫画等の創作物が大好きな『オタク』という人種だという事以外は何処にでもいる普通の少年だ。では何故、彼までこんな視線をクラス全体から受けているかというと二つ程理由がある。一つは授業態度の問題。彼はとにかく居眠りの常習犯で、僕が転校してきてからここ一週間、彼が授業中起きている処を見たことがない。それ故に彼は周りから不真面目だと思われている。だがそれだけでここまで敵愾心を持たれるかというと答えは否である。でわ何故か?それはもう一つの理由にある。
香織「南雲君おはよう!今日もギリギリだね。もっと早く来ようよ。」
そんな中、香ちゃんが挨拶しながら南雲君のもとえ歩み寄った。しかも嬉しそうに微笑みながら。
ハジメ「あ、ああ、おはよう白崎さん。」
南雲君がそう返すと香ちゃんは更に嬉しそうに笑った。同時にクラス全員の南雲君に対する殺気じみた視線が更に強くなった。その視線を浴びて南雲君は生まれたての小鹿並みにプルプル震えていた。
これがそのもう1つの理由だ。香ちゃんはよく南雲君を気に掛ける。それはもう端から見て恋人か新妻みたいに甲斐甲斐しくだ。もっともシズちゃん曰く、本人は自身の気持ちに気付いて無いらしい。要するに男子は単純に嫉妬と羨望、女子はそれでも態度を改めない南雲君に対する不快感により、今この現状が出来上がっている。
香織「あ。五十嵐君もおはよう!」
暁「…明らかに今気付いたって感じだな白崎。おはよう。」
五十嵐君の返しに、また何人かが殺気を飛ばすが、本人は何処吹く風の状態だ。
香織「あ、あはは…ごめんね?でも珍しいね?南雲君と一緒に登校なんて?」
そういえば確かにそうだ。いつもならもう少し早めに教室に来ているはずなのに?
暁「あぁ。今朝
そう、何故か
ハジメ「ちょっ、暁君!?」
香織「そうなの!!?南雲君大丈夫!?ケガしてない!?」
ハジメ「イヤ、大丈夫!大丈夫だから!」
本気で心配する香ちゃんに気圧されながらも無事であることを必死に伝える南雲君。それに漸く香ちゃんは落ち着く。
香織「はぁ、良かったぁ。でも何で南雲君が野良犬に襲われたの?」
暁「さぁ?
……さっきから何か引っ掛かる会話内容だなぁ?
チッ
(?)
何か舌打ちが聞こえたので、音の出所に目を向けるととあるグループが視界に入った。………あぁ、なるほど。なんとなく察したよ。さて、香ちゃんとの会話も一段落したところだし。
「南雲君、五十嵐君おはよう。」
ザワザワ………ザワザワ……
僕も用件を済ませることにした。周りが若干ざわついているがそれはスルーしとく。
ハジメ「おはよう、霧原君。」
暁「おう、おはよう。」
「はい、南雲君。コレ、面白かったよ。」
そう言って
ハジメ「わざわざありがとう。気に入ったんなら続きも貸すよ?」
「いや、続きは自分で買って読むよ。その代わり、またオススメがあったら教えてくれないかな?」
ハジメ「もちろん。」
南雲君に借り物を返して今度は五十嵐君の方に向いた。
「五十嵐君、一昨日は長居してごめんね?お店に迷惑じゃなかったかな?」
暁「別に気にすんな。こっちは客商売なんだ。払うモン払えば文句は無えよ。」
「それは良かった。またコーヒーご馳走になってもいいかな?」
そう言うと彼は、"好きにしな。"とでも言うように肩を竦めながら微笑を浮かべた。
龍太郎「……なぁルー、いつの間にそいつらと知り合ったんだ?」
会話が一段落したところを見計らってか龍ちゃんが質問してきた。
「二人共一昨日からだよ、南雲君は本屋で偶然出会った際に少し会話して、僕がラノベを読んだ事が無いって知ったら、何作かオススメの初刊を貸してくれるって事になったんだ。で、その待ち合わせ場所として僕が最近よく行く喫茶店に行ったら五十嵐君が店番しててね。話を聞いたらそこが彼の実家なんだって。」
龍太郎「…そ、………そうか。」
正確には、昼はコーヒー専門の喫茶店で夜は居酒屋を経営している。因みに普段は五十嵐君のお母さんが店主として働いているが、用事がある際は、五十嵐君に店番を頼むそうだ。
光輝「…透、ちょっといいかな?」
そこえ光ちゃんが険しい表情をしながら割り込むかたちで会話に参加してきた。
「え~っと、どうしたの光ちゃん?」
光輝「透。新しい環境で色々と大変なのは分かるし、俺達以外に頼れる友人を作っておくのは決して悪い事じゃない。」
「う…うん……。」
(あれ、何か嫌な予感がするよ?)
そう思いチラリとシズちゃんの方を見ると『あ、まずい』って表情をしていた。それを見て僕は予感が的中したと確信したが………遅かった。
光輝「だが、それでも相手は選ぶべきだ!よりによって
雫「ちょっと光輝!?いくら何でも失礼過ぎるわよ!!」
シズちゃんが何とか諫めようとするも、光ちゃんは止まる気配が無い。
光輝「失礼も何も事実だろ!?透は転入してきたばかりだから、その二人がどんな人間か知らないんだ!」
そう言って光ちゃんは、
光輝「五十嵐は警察に補導されたこともある不良だし、南雲はそんな奴と行動を共にしてる上、いつも香織の気遣いを無視して怠惰な生活を送っている。そのせいで香織がどれだけ迷惑していると思っている!!」
暁「いや、白崎のハジメに対する云々は明らかに本人が好き好んでやってんだろ。」
光輝「ッ!!?、五十嵐何を言っているんだ!?香織がそんな、
香織「光輝君、五十嵐君の言う通りだよ?それに私、南雲君の事を迷惑だと思った事なんて一度も無いよ?」
光輝「…………え?いや、香織??」
五十嵐君が
因みに南雲君は更に強まった殺気のなかで真っ白に成りながら乾いた笑みを浮かべていた。……もう色々と限界らしい。
「……でっ光ちゃん?香ちゃんはこう言ってるけど?」
光輝「…いや、違う、そうだ!香織は優しいから!!」
どうやら光ちゃんの中では香ちゃんは
光輝「とにかくだ!!透、友人にするなら別の人にするべきだ。幸いこのクラスは
………もう聞くのも耐え難いと思えるほどの失礼千万な発言だ。ただ、幼なじみの僕から見て、光ちゃん自身に悪意や害意は無く、本気で僕を心配して言ってくれているのは間違い無く解った。………もっともそれが余計に達が悪い。
尚、そのクラスのみんなはというと………
「天之河の奴、何つうこと言ってんだ?」
「アイツ知らないのか?霧原の
「マジで勘弁してよぉ。嫌だよ私。」
「むしろ
……と、少し耳をすませばこんな感じだ。さて、とりあえずスルーして思考に入る。
(相変わらずだなぁ、光ちゃんの
先ほど説明を聞いた通りなら、光ちゃんは非の打ち所が無い完璧超人に聞こえるだろう。
だが、"
まず一つ、彼は基本的に思い込みが激しく
そしてもう一つ、都合が悪い場面に直面すると、
他にも細々としたものがいくつかあるが、主にこの二つが最大の難関だろう。本来なら普通に人生を歩み現実を知れば自然に解消されるはずなのだが、元からハイスペックな上にカリスマもあったから、大抵の問題はまかり通ってしまったのだろう。
(…とはいえ、このままじゃダメだよね。)
今のままでも
「…あのさ、光ch
???「そこまでにしろ、お前ら。」
その時、話を遮るように声を掛けられた。見れば二人の男子が佇んでいた。
一人は光ちゃんと同じ位の身長で細身の体型をしており、肩まで伸ばした黒髪とメガネが印象的なイケメンで不機嫌そうな表情をしていた。もう一人は肥満気味だががっちりした体型で龍ちゃんや五十嵐君に負けない程の身長をした、髪をオールバックにした男子だ。
ハジメ「あぁ、おはよう七彩路君、華山君。どうしたの?」
晴彦「"どうした"じゃない。もうとっくに朝礼の時間を過ぎている。いい加減席に着け。」
信良「………」( ・-・)(コクコク)
最初に声を掛けてきたのは、
成績は学年トップで、このクラスのクラス委員で生徒会では風紀委員長を務めている。しかも実家は『七彩路グループ』という大手企業グループを運営している。性格は生真面目で実直だが、堅物で高圧的な部分がある、
その隣にいるのは
彼については、七彩路君とよく行動しているという事しか知らない。というのも、彼はとにかく無口なのだ。どれ程かというと、この学校に入学してから誰も彼が喋ってる所を見たことがないと言わせる程だ。
光輝「ちょっと待て七彩路。今大事な話をしt
晴彦「天之河。その
光輝「ッ!?……た、確かに。」
うまいなこの人。自分が正しいと信じてる光ちゃんは、真っ向から意見を否定するよりも、正論とアドバイスを駆使して意識を誘導した方が効果的だ。…今度時間があったら相談してみようかな?
雫「ほらっ光輝?納得したならさっさと席に戻る!見て?さっきから先生もどうしたもんかって感じで困った顔で立ち往生してるわよ。」
光輝「わ、わかった。」
歯切れが悪そうだが大人しく席に戻るため背を向ける光ちゃん。それを確認して、僕とシズちゃんは南雲君と五十嵐君に向かって頭を下げながら聞こえないように小声で謝る。
「ごめん、本当にごめん!」
雫「二人共、本当にごめんなさい!
ハジメ「…ハッ…ハハッ、何時もの事だから気にしてないよ。ねっ暁君?」
暁「…まぁ、俺に関しちゃほとんど自業自得だしな。今度
ハジメ「って僕かよ!?………まぁ良いけど。」
どうやら本当に気にしてないようで安心した。それでも申し訳ないけど。
ふとシズちゃんと一瞬目が合い、お互い思わず苦笑いした。こんな状況だけど懐かしい気分だった。昔は光ちゃん達が何か
そう思い出しながら席に着くと朝礼と共に授業が始まる。因みに南雲君はすでに眠っており、五十嵐君は起きているけど、ノートに撮ることはしないらしい。
(あぁそうだ。今日は帰りに病院に寄って行こう。そろそろ『薬』が切れそうだし。)
そう放課後の簡単な予定を立て、僕は授業に集中した。
透サイドout
以上です。
正直数日で投稿できる人達が羨ましい……。何かコツとかあるんですかね?(単に自分自身に文才が無いだけかもしれないけど。)
次回でプロローグは終了です。
これからもよろしくお願いいたします。
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