例の如く時間がかかって申し訳ありません!
しかも今回はかなり長めです。
それではどうぞ!
暁サイド
「はぁ~、だりぃわぁ…」
戦争参加が決定した後、俺達は神山の頂上にある聖教教会本部から、魔法で動くロープウェイの様なものに乗って受け入れ先のハイリヒ王国の王宮に向かった。
王宮に着くと同時に玉座の間に案内され王様に謁見。と言っても内容はただの自己紹介で、王様自身と王妃、その子供の王女と王子、騎士団長や宰相等高い地位にある者の紹介がメインだ。
ただ、玉座の間について早々、王様は教皇の手を恭しく取り軽くキスしていたのを見るに、どうやらあの
その後は教官役の騎士団や宮廷魔法師との親睦を深める意味合いも込めて、歓迎の晩餐会が開かれた。正直親睦云々はともかく、異世界の飯が食えたのは嬉しかった。見た目は
晩餐会が終わったらそのまま解散となり、各自一室ずつ与えられた部屋にて、明日に備えて休む事となった。
そして現在俺は、その一室にある天蓋付きベッドの上で大の字になっていた。
…………もっともココは俺の部屋じゃないが。
ハジメ
「あのぉ~、暁く~ん?休むんだったら自分の部屋で休んでもらえないかな?」
そう、ジト目で訴えてくる
「いやぁ、一息ついたらどっと疲れてなぁ。悪いハジメ。
ハジメ
「気持ちは解るけど
打てば響くが如く、俺のボケに素早くツッコムハジメ。いつもと変わらないやり取りだが、今はそれがすごく落ち着く。
ハジメ
「……その様子だと、もう大丈夫みたいだね」
「……あぁ、あの時は悪かったよハジメ。迷惑掛けた」
自分で言うのも何だが、あの時の俺はとても冷静とは言えず、ハジメが止めてくれなかったら、あの教皇に掴みかかってただろう。…そんな事したらどんだけ面倒な事になるかも考えずにだ。
ハジメ
「いいよ、気にしないで。普通、あんな状況で冷静でいられる訳がないよ。………やっぱり心配?おばさんの事。」
「………まぁな、無理してなきゃいいけどな。」
ハジメ
「………もう5年になるんだね。おじさんが亡くなって」
カフェ&バー"
それが俺の実家が経営してる店の名前だ。元々は親父が始めた店だが、お袋と結婚してからは、二人で経営していた。
だが俺が12歳の時に親父が急病で死んでそれ以降は、お袋が店を継いで独りで切り盛りしている。幸い、親父の頃からの常連が今も通い詰めているので、親子二人で食っていける分には稼ぎは困ってない。当時の頃から俺も、家事を手伝ったり、最近は店の番(カフェ・タイムのみ)もしたりして、なるべく負担を減らしてはいる。…まぁ学生の身だから限度はあるが…。
「……実を言えばさ、一度、『中学卒業したら高校行かないで、店を手伝う』って言ったことあるんだよ。」
ハジメ
「………何となくその後のことが想像つくけど、敢えて聞くよ。……どうなった?」
「………ガチギレされて数時間説教コースだよ………」
ハジメ
「……でしょうね」
その時のことを思い出してゲンナリする俺を見て呆れ気味に返すハジメ。ちなみにその時の説教の内容を要約すると、『10代前半の
「…まぁ、今そのことは置いといて、本題に入ろうぜ?」
ハジメ
「……これからの事について、だよね?」
そう、俺がここに来たのは、ダラける事でも
今後どうするべきかである。
コンコン
暁・ハジメ
「………っ?」
ちょうどその時、部屋の出入り口からノック音がした。
透
「南雲君、僕だよ、霧原です」
雫
「……私もいるわ」
扉から聞こえてきた霧原と八重樫の声に一瞬俺とハジメは目を合わせ、とりあえずハジメに応答するよう促した。
ハジメ
「霧原君と八重樫さん?こんな時間にどうしたの?」
透
「……ちょっと話がしたいんだけど、今時間取れるかな?」
こちらを向くハジメに対して、俺は無言で頷いく。
ハジメ
「…どうぞ、鍵は開いてるよ」
ハジメが入室を許可すると扉が開き二人が入ってきた。
雫
「お邪魔しまっ…、って五十嵐君?」
「よう、お疲れ」
透
「…五十嵐君もいたんだ。ちょうど良かった」
ハジメ
「っ?……あぁ、なるほどね」
どうやら霧原と八重樫も、俺と同じ目的で来たらしい。
「あれっ?白崎はどうした?」
ハジメの部屋に行くって聞いたらてっきりついてくるかと思ったんだが?俺の意図を読んだのか、二人は苦笑しながら話し始めた。
透
「あぁ~、香ちゃんはもう休ませたよ。…最初は『私も行きたい!』って聞かなかったんだけど……」
雫
「私が今日はもう休むよう言い聞かせたのよ。今日だけでも色々あったのに、さっきまで王子様の相手してたから、これ以上は明日に差し支えるだろうし…」
暁・ハジメ
「ああぁ~…」
そう言えば、謁見の時はずっと白崎に目が釘付けだったし、晩餐会ではしきりに話しかけていったなぁ。白崎も律儀に対応してたし、さすがに疲れたんだろう。
因みに余談だが、王子様は10歳位の金髪碧眼の美少年だ。
ハジメ
「まぁ、それなら今日のところは、今後の簡単な方針だけ決めて、僕達もさっさと休もう。このままだと暁君が僕のベッドで寝ちゃいそうだから」
透
「そうだね。明日から早速訓練と座学が始まるしね」
その後軽く話し合った結果、今後しばらくは戦闘訓練を受ける合間にこの世界についての情報収集をするということに決まり、解散となった。
___________
翌日、早速訓練の為に広場に集まった俺達にまず12cm×7cm位の銀色のプレートと針が配られた。
???
「よし、全員に配り終わったな?このプレートは、"ステータスプレート"と呼ばれているものだ。最も信頼のある身分証明書でもある。これがあれば迷子になっても平気だからな、失くすなよ?」
そんな風に
因みにこの人、『これから戦友になろうってのに何時までも他人行儀に話せるか!』と、他の騎士団員達にも普通に接するように忠告したり、訓練に付くことも、『むしろ面倒な雑事を副長に押し付ける理由ができて助かった!』と豪快に笑ってたりと、かなり豪放磊落な性格をしている。……まぁ、こっちもその方がありがたいからいいか。
話はステータスプレートに戻るが、登録するにはプレートの一面に刻まれた魔法陣に自分の血を一滴垂らせばいいとのこと。…あぁ、針はその為のものか。っで、"ステータスオープン"と言えば表に自分のステータスが表示されるという仕組みだ。
メルド
「あぁ、原理とか聞くなよ?そんなもん知らないからな。神代のアーティファクトの類だ」
光輝
「アーティファクト?」
団長さんの説明によると、アーティファクトとはまだ神やその眷属達が地上にいた時代、"神代"に創られた現代じゃ再現不可能な強力な能力を持ったマジックアイテムの総称だ。本来アーティファクトといえば国宝になるほどの価値があるが、このステータスプレートに関しては例外であり、これ自体を作製・量産できるアーティファクトを教会が管理しているため、一般市民に普及が可能だという。
説明後、早速俺は指先に針を刺し、血を魔法陣に擦り着けた。すると、俺の
団長さんの曰く、魔力には色があり、個人によってそれぞれ違うらしい。そしてステプレに自己情報を登録すると、その魔力色に染まるそうで、これと本人の魔力色が一致することで身分証明となるという。
因みに、俺の魔力色は黄みがかった赤(確か"緋色"だったか?)だった。
メルド
「珍しいのは分かるが、内容も確認してくれよ」
苦笑する団長さんに促され、俺達はすぐに確認に移った。
=================
レベル:1
天職:狂戦士
筋力:110
体力:120
耐性:100
敏捷:80
魔力:50
魔耐:30
技能:
=================
これが現在の俺のステータスだ。
その後団長さんからステータスの説明がなされた。それを簡単にまとめると……
・レベルについて
ゲームと違って、個人の
ステータスは日々の鍛練はもちろん、魔法や魔法具で上昇させることもできる。また、詳しいことは解らないが、魔力が高い者は自然と他のステータスも高くなるらしい。
・天職とは?
これはいわば本人の才能で、ステータスの末尾にある技能と連動していて、その天職の領分においては無類の才能を発揮する。
更に技能には"派生技能"というものがある。これは本来技能とは先天的なものなので増えたりしないのだが、一つの技能を長年磨き続け、壁を越えた結果、後天的に取得する技能である。
また天職は、戦闘系・非戦系に分類されて、戦闘系は千人に一人、モノによっては万人に一人。非戦系は百人に一人か、十人に一人の割合で持っている奴がいる。
最後に団長さんは…
メルド
「後は……、各ステータスは見たまんまだ。大体レベル1の平均は10位だな。まぁ、お前達ならその数倍から数十倍は高いだろうがな!全く羨ましい限りだ!あ、ステータスプレートの内容は報告してくれ。訓練内容の参考にしなきゃならんからな」
……といってステプレの表示を求めてきた。
………ちょっと待て
ステータスは、まぁいい。さっきの話の通りレベル1の平均が10なら、俺も十分ハイスペックってことになる。
問題は天職の"狂戦士"と"
…これ、大丈夫なのか?早速"直感"が働いてるんだけど?『危険な臭いがプンプンするぜ』って警報鳴らしまくってんだけど!?
透
「あっ、五十嵐君」
「おうっ?!霧原か。っ?どうかしたか?」
内心、焦りまくっていると声をかけられ、そちらを向くと、何故か"困惑の極み"といった顔をした霧原が佇んでいた。
透
「………五十嵐君さ、ちょっとこれ見てくれないかな?…どう思う?」
そう言って自身のステプレ(白に近い灰色)の内容を見せてくる。
そこに表示されていたのは……。
================
レベル:1
天職:
筋力:0
体力:0
耐性:0
敏捷:0
魔力:1000
魔耐:0
技能:■虚■・虚■■・魔力操作・魔力変換[+■■]・言語理解
=================
「………何だこりゃ?」
思わずそんな言葉が出るくらい、色々とツッコミ所満載だった。
まず天職の"
何よりステータスに至っては魔力は1000でそれ以外オール0って………。どうなってんだコレ。
透
「…あぁ、やっぱり五十嵐君もそう思う?……明らかに異常だよねこれ。……ちなみに五十嵐君のはどうなの?他の人はどうなのか知りたいから、出来れば見せてくれるとありがたいんだけど?」
「……別に構わんが、参考になるかどうかは、わかんないぞ?」
そう忠告しながら、霧原に自分のステプレを見せようした途端に、『おおぉ!!』という歓声が周りから上がった。何事かと思って周りの視線をたどると、ちょうど天之河がステータスの報告をしていた。
っで、その内容は………。
=================
天之河 光輝 17歳 男
レベル:1
天職:勇者
筋力:100
体力:100
耐性:100
敏捷:100
魔力:100
魔耐:100
技能:全属性適正・全属性耐性・物理耐性・複合魔法・剣術・剛力・縮地・先読・高速魔力回復・気配感知・魔力感知・限界突破・言語理解
=================
メルド
「ほぉ~、流石勇者様だな……。規格外な奴め!頼もしい限りだ!」
光輝
「いやぁ、あはは………」
団長さんの称賛に、天之河は照れながら頭を掻く。
透
「へぇー、レベル1で全ステータスが100。平均の10倍かぁ。さすが光ちゃん…」
「しかも技能の数が俺達よりもはるかに多いな…。本当に
どうやら天之河の奴は
しばらくすると、今度は七彩路が前に出た。
===============
レベル:1
天職:
筋力:70
体力:70
耐性:60
敏捷:90
魔力:130
魔耐:100
技能:全属性適正・複合魔法・剣術・弓術・高速魔力回復・魔力感知・高速思考・並行思考・視野拡張・号令・言語理解
===============
メルド
「おぉ!魔剣士か!勇者ほどじゃないが、数十年に一人出るかって位、希少な天職だ。しかも技能の中に戦闘指揮に役立つものが幾つかあるな。指揮官としても期待できるぞ!」
晴彦
「…ほぅ、私としてもそれは嬉しい限りです。メルド団長、是非ともそちらの方も、ご教授願います」
メルド
「ガッハハハ!いいだろう!それなら遠慮なくビシビシと叩き込んでやるから、覚悟しとけよ晴彦?」
晴彦
「フフッ。望むところですよ」
豪快に笑いながらシゴき宣言をする団長さんに対し、七彩路も不敵に笑いながら応えた。
透
「七彩路君も凄いなぁ。っというか初めて見たよ。彼が笑っているところ」
「……まぁ、確かにな。アイツ、仏頂面が
透
「………それで、五十嵐君はどうなの?」
「うんっ?…あぁ、そうだった。…ほれ」
そういえばステータスを見せてくれって話だったな。その事を思い出して俺は、霧原の要望通りに自分のステプレを見せた。
透
「へぇ~、五十嵐君も十分高いね。二人に負けてないよ、コレ」
「……いやぁ、確かにステータスだけ見ればそうなんだが、技能の一つがなぁ。」
透
「っ?この
「おう、それ……」
それに今更気付いたんだが、もしコイツが俺の予想通りのモノなら、ステータスが高いのも、返って問題になる可能性がある。
透
「っ?ところで、南雲君は何処?一緒じゃn
???
「ギャハハハハハハッ!おいおい、マジかよコレェ?」
霧原の疑問の声を遮って、やけに耳障りな笑い声が広場の一角から響いてきた。
暁・透
「…………………ハァ~」
そのバカ笑いを聞きながら、俺達は無言で目を合わせ、そのままお互い同時にため息を吐いた。どうやら霧原も察したらしい。
「………あぁ~、いたなハジメ。俺行ってくるけど、霧原どうする?」
透
「…うん、僕も行くよ……」
そうして、俺達は再び『ハァ~』とため息を吐きながらそちらに向かった。
_______________
「ぶっはははっ~、何だこれ!」
「コレ、場合によっちゃその辺の子供より弱いかもな~」
「ヒャハハハ~、無理無理!直ぐ死ぬってコイツ!肉壁にもならねぇよ!」
っで、向かった先にはハジメと団長さん、そして案の定
檜山
「ヒィー、ヒィーッ……おっ!五十嵐と霧原、どうしたぁ?こんな所に来て。」
「…お前ぇらのバカ騒ぎがうるさいから、何事かと思ってなぁ、
コイツらは通称"小悪党組"と呼んでる奴らだ。知っての通りハジメはクラスの連中から疎まれているが、コイツらはその筆頭で、よくハジメに絡んでくる。もっとも本来はセコい奴らで、俺が近くにいる時は、コソコソと陰口をたたくぐらいなんだが…
小悪党組
「…あぁ!?」
…今回はやけに強気だな?ちなみに面子は、今名前を呼んだ檜山がリーダーで、そこに取り巻きの斉藤・近藤・中野の三人が加わった四人組だ。
檜山
「フンッ、まぁいい。お前らもコレ見てみろ!マジうけるぜぇ」
ハジメ
「あぁっ!?ちょっ!」
そう言って檜山は、一枚のステプレ(空色)を投げ渡してきた。俺はそれを手に取り、そのまま内容を見て、………その直後、自分の短慮さを呪いながら固まった。
==================
レベル:1
天職:錬成師
筋力:10
体力:10
耐性:10
敏捷:10
魔力:10
魔耐:10
技能:錬成・言語理解
==================
透
「っ?五十嵐君、どうしたの?それ誰のステー………っえ?」
俺の反応に霧原も何事かと思ってステプレの表示を覗き見て、そのまま固まっていた。
…えぇ~っと?
「なぁ、団長さん。再確認なんだけど、こっちの一般のレベル1ってどん位だったっけ?」
メルド
「……それぞれが平均10位だ」
団長さんの気まず気な返答を聞いて、もう一度ハジメのステプレを確認する。
………だが、どっからどう見てもハジメのステータスは
………どうしようこの状況。ハジメも『ちょっと待って!』のポーズのまま、俺達と同じように固まってるし、視界の端では小悪党組がニヤニヤしていた。
そう思っていると、ここで霧原が団長さんに問いかけた。
透
「えっと、メルドさん?質問なんですけど、南雲君の"錬成師"ってどんな天職なんですか?もしかして結構希少だったりするんでしょうか?」
おおぉ!ナイスだ霧原!そうだよ。ひょっとしたらこれって、ステータスがアレな分、スキルが激レアの超チートってパターンかもしれないしな!
ハジメ
「………………………ウグッ」
小悪党組
「ブフォオ!!」(w)
透
「…えっ!あれ!?」
(……アレ?何この反応?)
思わぬ反応に戸惑っていると団長さんが、ものすごく気まず気に説明しだした。
メルド
「………その、"錬成師"っていうのは、まぁ、簡単に言っちまえば"鍛冶師"だな。"錬成"という技能で鉱物の形を変えたりして、加工できるから便利だが、それだけだ。しかも、鍛冶職の十人に一人は持っている天職だな」
「………つまり、
メルド
「…………………あぁ」
小悪党組
「「「「ギャハハハハハハハハ!!!」」」」
プフッ クスクス ヒヒヒヒッ くフフフ
香織
「………………………」
雫
「…香織、落ち着いて、お願いだから!」
「………ハジメ」
透
「………南雲君」
ハジメ
「………いいんだよ、二人共。言いたい事は分かってるから。……………だけどお願い、今はそっとしておいてぇ…」
そう言ってハジメは再び悲壮感を漂わせながら黙り込んだ。
…まぁ、あの堅物の七彩路だって、少なからず浮かれているのに、自他共に認めるオタクのコイツがこの状況で色々と期待しない訳がない。きっと、自分もチートで『俺TUEEEEE』ができると夢見ていたんだろう。
…なのに蓋を開けたらこの仕打ち。……何も言えねぇ。
メルド
「…あぁ、そうだ。アキラとトオル…だったか?お前達のステータスはどうなんだ?丁度いいから見せてくれるか?」
暁・透
(ギクゥッ!!?)
っていうかそうだった!俺達も
メルド
「っ?どうした?」
暁・透
「………………」(-""-;)
冷や汗を流しながら黙っている俺達に、団長さんが訝し気に声をかけてくる。
檜山
「何だぁ?どうした?あっ!ひょっとして、アレか?お前らも
そんな空気の中、何か嗅ぎ付けたのか、さながら手負いの獲物を見つけたハイエナの如く檜山が嗤いながら迫って来た。取り巻きの三人もニヤつきながらこっちを見ている。
…正直に言ってその顔面に右ストレートをブチこんでやりたいが、そんな事したら図星みたいだし、変に目を付けられて
……仕方ない。腹を括ろう。どのみち団長さんに見せないといけないし、
檜山
「オイオイ、さっきからだんまりだけど、ひょっとして図星かぁ?なぁ、五十嵐ぃ?霧原ぁ?」
………その前にまず、このバカを何とか黙らせたいな。そう思った俺は…
「…そんなに見てぇなら見せてやるよ、ホラよ、とっとと確認しな」
要望通り檜山達に、俺のステータスを見せた。
小悪党組
「………………………」( ; ゚Д゚)
その途端に小悪党組から余裕の笑みが消える。どうやらステータスは俺のほうが上らしい。やがて檜山が、俺の顔を見ながら引きつった笑みを浮かべる。
檜山
「…………へっへへ、なんだよ五十嵐。思ってたより、結構高いじゃねぇか」
「…褒めてくれてありがとう檜山君。…分かったらとっとと失せろ」
小悪党組
「ッ!!!?」
そそくさと引き下がる
まず先に霧原がステプレの内容を提示する。確認した団長さんは、案の定困惑の表情を浮かべた。
メルド
「………う~~~む、これは、どうなっているんだ?天職や技能もそうだが、魔力はともかく、それ以外のステータスが0だと?こんなことありえない」
透
「…ッ?どういうことですか?」
団長さん曰く、亜人族は身体能力が人間族より優れている分、魔力を一切持たないとのこと。そして人間族の中にも、肉親や先祖に亜人族がいる場合、稀に魔力を持たない人間が生まれることがあるため、魔力が0なのは珍しいが皆無ではない。
だが他のステータスに関しては最低でも《1》はあり、《0》、すなわち
メルド
「しかも技能の一つに"魔力操作"と"魔力変換"というのがあるな?これらは文字通りの意味で、前者は
そこまで説明した直後、団長さんは『しまった!』といった感じで言葉を止める。
「…どういうこと?」
「それって、つまり…本当に?」
「…あり得るな。こんな世界もあるわけだし」
「やっぱりアイツ、疫病神なんじゃ……」
透
「あははは……」
団長さんの説明を聞いた周りの生徒が、まるで不気味なモノを見るような目で霧原を見てざわめきだす。さすがに霧原もこれには堪えるようで、乾いた笑みをこぼすしかないようだった。
雫
「………………」
香織
「ししし、雫ちゃん…ストップ、ストップ!」
そんな周りの反応に対して、今度は八重樫が殺気立ち、白崎がそれを宥めている。それに危機感を感じたのか、ここで天之河が動いた。
光輝
「だ…大丈夫だ透!逆に言えばそれは、普通の人間には無い特別な力ってことじゃないか?ねっ!メルドさん!」
メルド
「…そ、そうだな!訓練次第によっては、もしかしたら我々にとっても大きな戦力になる可能性もあるな!」
とりあえず天之河のフォローに、団長さんが乗っかる形で、霧原の件に関してはそれで落ち着き、いよいよ俺の番になった。
………でっ、その結果
メルド
「なっ!!?きょっ、狂戦士……だと!?」
ある意味で予想以上の反応が返ってきた。何か驚愕というか、戦慄の表情で団長さんが俺のステプレを凝視してる。
「あぁ~、団長さん?リアクションの最中悪いんだけど説明してもらえないか?………正直、こっちも気になって仕方ないんだ。…主に不安で」
メルド
「あ、あぁ、スマン……"狂戦士"ってのは戦闘系の一種で、"魔剣士"と同じ、数十年に一人の割合で出現する天職だ。この天職を持つ人間には、必ず"
「あぁ~、うん。あるな、確かに。……それで、本題なんだけど、これってどんな技能だ?」
「………簡単に例えるなら、"限界突破"という技能と
"限界突破"とは、天之河も持っている技能の一つで、一時的に魔力を消費し続けながら、文字通り自身の肉体の
それに対して心体狂化は、自身の肉体の
メルド
「加えてこの技能にはもう1つ
「…当ててやるよ、団長さん。それって、『発動中は
メルド
「ッ!!?……何故わかった?」
団長さんの反応に俺は、思わず顔に手を当てながら『やっぱりか』と思った。…"狂戦士"って単語が出て来た時点でそんな気がしてたんだよなぁ。
しかもそんな状態だから、一度発動すると自力での解除は不可能で、魔力切れか、本人の死亡以外に止まる術はないという。
過去の記録によれば、経験次第では、ある程度意思を保つこともできるが、それが精一杯だったらしい。
……つまりこの"狂戦士"という天職は…
「……『
メルド
「…………………」(ー_ー;)
無言で肯定する団長さん。周りが俺を見て、距離を取りながら思いっ切りドン引きする。…完全に危険物扱いだな、俺…。
愛子
「コラ!!これから一緒に頑張っていく仲間に対して、その態度はなんですか!そんなの私が絶対許しませんよ!!」
そんな空気の中、突如怒りの声が響きわたった。
「ってあれ?畑山?」
愛子
「『先生』着けなさい!五十嵐君!」
透
「…先生もいたんですか。…でも何で?」
愛子
「ステータスプレートを貰う為にです。皆さんに配るからついでに私の分も……ってそうじゃなくて!」
そう言って畑山は一旦、『コホン』と咳払いをして…
愛子
「三人共、大丈夫ですよ!何があろうと先生はあなた達生徒の味方です!特に南雲君!」
ハジメ
「………はい?」
愛子
「気にすることはありませんよ!先生も、えっと、非戦系?という天職ですし、ステータスも
ハジメ
「…せ、先生!」
そう言って『ホラッ』という感じで畑山は自身のステプレ(桜色)をハジメに見せる。
(…よかったな、ハジメ)
その様子を俺と霧原、そして白崎と八重樫が微笑ましそうに眺めていた。
だか…
ハジメ
「……………………………」
愛子
「…あれ?南雲君?」
何故かはわからないが、ハジメが微動だにしない。不審に思いながら、俺達も覗き込む。
そこには…
===================
レベル:1
天職:作農師
筋力:5
体力:10
耐性:10
敏捷:5
魔力:100
魔耐:10
技能:土壌管理・土壌回復・範囲耕作・成長促進・品種改良・植物系鑑定・肥料作成・混在育成・自動収穫・発酵操作・範囲温度調整・農場結界・豊穣・天雨・言語理解
=================
………って、うぉいっ!
香織
「…えっと、先生?確かにステータスの
雫
「…技能も
愛子
「えっ?えぇ!?」
白崎と八重樫の言葉に戸惑い気味になる畑山。その傍らでハジメは未だに硬直している。
龍太郎
「あの~、メルドさん?愛ちゃん先生の天職っt
メルド
「"作農師"だと!?おいっ!大至急、陛下と教皇様にお伝えしろ!
龍太郎
「………いやっ、何でもないッス」
…まぁ、戦争に食料問題は付きものだ。それがたった一人でほぼ解決できるとなれば、畑山も十二分にチートといえるだろう。
…もっともハジメにとっては、上げてから落とすような形となり、その結果…
ハジメ
「…………………………カハッ!!」
香織
「南雲君!!?」
愛子
「ふえぇ!?ちょ、あれ?南雲君!?」
…見事に撃沈したハジメを、白崎と畑山が必死に呼びかける羽目になった。
透
「………ねぇ、五十嵐君…」
「………なんだ?」
そしてそんな光景を眺めながら、俺と霧原はというと………
透
「………僕達、
「……あぁ、まったくだ。ここまで来ると、もはや筋金入りだなぁ、俺達…」
暁・透
「………ハハハハハハハハハハハハハハハ…」
……そんな壊れた感じで笑い合うしか出来なかった。
以上になります。
次回もよろしくお願いいたします。
オリ主二人はハーレムにするか?
-
両方ハーレム
-
両方シングル
-
暁がハーレム
-
透がハーレム