神殺しの三王は元はみ出し者   作:不浄皇

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大変、遅れて申し訳ございませんでした!!!
「えっ?まだいたの?」って思っている方々もいらっしゃるかと思います。
…すみません。しぶとく生き恥を曝しておりました。
それではどうぞ!




夫婦漫才(ボーイ・ミーツ・ガール)

 Noサイド

 

 ステータスプレートが配布された日から二週間後。

 

    カキン、ガァン、キン、ガァン

 

 訓練場では二人の人物が剣撃の音色を奏でていた。

 

 「フッ!ハッ!ヤアァッ!!」

 

 一人は天職"剣士"の八重樫 雫。刀とシャムシールの中間のような剣を手に、実家の八重樫流剣術にトータスの魔法を織り交ぜた剣術を繰り出す。その動きは洗練されており、ある種の美しさもあった。事実、見学していた他の生徒や、騎士団員の何人かは、彼女の姿に見とれている。

 

光輝

 「ハァアアアアッ!!」

 

 それに対抗するのは"勇者"、天之河 光輝。こちらは王国の所有するアーティファクトの一つで"聖剣"と呼ばれるバスターソードを手に、メルド団長直伝の剣術で迎え撃つ。雫の流れるような連撃を受け止め、お返しとばかりに、大きさに似合わない速度の一撃を放つ。

 両者の実力は共に拮抗しており、模擬戦が始まって約数十分、未だに技と技の押収、激しい攻防が続いていた。

 …だが、何事にも終わりが来るモノで…

 

光輝

 「デヤァアアアア!!」

 

    ガキィイイイイン

 

 「ナアッ!?」

 

 光輝が雫の剣を弾き飛ばし、決着が着いた。

 

メルド

 「そこまで!!」

 

    ワアアアアアアアアア!!

 

 メルド団長の試合終了の合図と同時に、歓声が訓練場に響き渡る。

 

 「フゥ……流石ね、光輝。完敗だわ」

 

光輝

 「いや、俺が勝てたのは"聖剣"の性能のお陰さ。技術では雫の方が上だよ」

 

 そんな中、光輝と雫はお互いの健闘を称えあっていた。

 

 Noサイドout

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

 透サイド

 

 

メルド

 「これより、休憩時間に入る!全員、次の訓練までしっかり休むように!以上、解散!」

 

 メルドさんの言葉を皮切りに、生徒達はそれぞれ、その場で談笑したり、訓練施設から出ていく等、各自思い思いに行動し始める。

 そんな中、僕はというと…

 

 「これで問題無いかな?」

 

晴彦

 「そうだな。前衛は天之河達を中心に、両サイドを他の近接型で堅めて、後は魔法、支援と順当に、といった所だな」

 

 訓練施設の片隅、そこのテーブルの上にある配置図を眺めながら七彩路君と陣形について議論していた。因みに議論に参加してないけど、護衛として華山君もいる。

 

メルド

 「…おいおいお前ら、まだやってるのか?」

 

 そこへメルドさんが苦笑しながら向かって来る。

 

 「あっ、メルドさん。お疲れ様です」

 

信良

 「…………………」(*- -)(*_ _)ペコリ

 

晴彦

 「丁度良い所に。基本陣形のメンバー配置、これで良いか確認お願いします」

 

 差し出された配置図を見たメルドさんは、思わず『ほぅ』と言いながら目を少しだけ見開いた。

 

メルド

 「フム……悪くないな。コレはお前達が考えたのか?」

 

 「基本的には七彩路君の案です。…僕はただ横から意見してただけですよ」

 

晴彦

 「いや、その意見が中々に的確で、いい参考になった。お陰でスムーズに進められたんだ。感謝する、霧原」

 

 「気にしなくていいよ。……今の僕はこれ位の事しか出来る事がないからね…」

 

 自傷気味に語ると、メルドさんは苦虫を噛み潰したような顔になる。

 

 「………あぁっ、すみません!別にメルドさん達が悪い訳じゃないんですよ。何と言うか、自分が情けなくて……」

 

メルド

 「……いや、トオル。今のお前の状況は、我々の力不足が原因だ。…本当にすまない」

 

 「そんな、謝らないでくださいよ」

 

 

 

 ステータスの内容は当然ながら国の上層部にも伝えられる事となる。そしてやはりといえばいいのか、はみ出し者三人組(トリオ)の扱いに頭を抱えることになった。メルドさんと七彩路君も踏まえて散々悩んだ末に、僕達三人には以下のような処置が施された。

 

 ()()()()は、早々に裏方にまわる事が決定しており、戦闘訓練は最低限の自己防衛が出来る程度に留め、大半の時間を国御抱えの"錬成師"持ちの鍛冶職人の下で技術を学ばせる事にした。上層部の一部は難色を示したが、他に良案が浮かばなかった為、この提案で可決した。

 今のところは、『何か成果が出れば儲けモノ』といった具合である。

 

 ()()は一応戦闘職ではあるが、当面は基礎のみとし、天職を用いた訓練は今しばらく先になることになった。理由は、心体狂化とステータスが原因だ。もし、彼が技能を発動すれば、レベル1の時点で勇者(光ちゃん)に迫るステータスが、更に5倍になって見境無く暴れまわる事になる。そうなれば、現状では生徒達はもちろん、王国トップクラスのメルドさん(全ステータス平均300)でも止めることができない。よって、本格的な鍛練は、全体のレベルがある程度まで上がってからにする予定で、現在はハジメ君の護衛という面目で、彼と行動しており、同等の割合で戦闘訓練を受ける事になった。

 

 

 

 

 

 

 そして僕はというと………絶賛迷走中だったりする。

 なにせ僕が所有する技能で用途が解っているのは、"言語理解"を除けば"魔力操作"と"魔力変換"だけだ。そして先述したとおり、これらの技能は本来魔物が持っており、普通の人間には無いモノだ。

 即ち、使える者がいない故に、指導の仕様がないということだ。

 それでも、教官役の魔法師やメルドさん、他の魔法職の人のアドバイスを聞いたりして鍛練した結果、1週間前に何となくだが魔力を感じ取り、ぎこちなくはあったが魔力の操作に成功した。

 …だが

 

 (…まさか魔法適正が無いとはなぁ…)

 

 僕達三人には魔法適正が無い事が解ったのだ。

 トータスの魔法のプロセスは、体内の魔力を詠唱により魔法陣に注ぎ込むことにより、魔法陣に組み込まれた式通りの魔法が発動する。無論、高等な魔法程、詠唱時間が長くなり、魔法陣に組み込む式も多くなる。

 だが、適正があればその系統の魔法を使うのに対して、ある程度式をイメージで補完して、省略することができる。

 僕の場合、魔力操作で詠唱が不要にはなるが、適正が無いので初級の魔法を使うにも、大型(直径2メートル程)の魔法陣が必要になる。しかも注ぎ込む速度がまだ遅いので、普通に詠唱するのと対して変わらない為、とてもじゃないが戦闘では役には立たない。

 かといって魔力以外のステータスは0なので、前衛にも出せない。そのため現在は、ハジメ君と同じく、裏方の仕事をしている。

 この二週間で周りから僕達三人はすっかり役立たずの烙印(レッテル)を押されていた。だがそのお陰と言うべきか、今では二人とは名前で呼び合う位には親しい関係になっている。……無論光ちゃんには内緒だ。

 

 「まぁ、今のところは自分にできる事をしていこうかと思います」

 

メルド

 「ウム!そうだな!その意気だ!俺も出来る限り協力は惜しまないぞ!」

 

 「…ありがとうございます。メルドさん」

 

 メルドさんの激励の言葉に感謝しながら、僕は頭を下げて礼を述べた。

 

 「ルー、お疲れ様」

 

 そこへシズちゃんが名前を呼びながらこちらに近づいてくる。

 

 「あっ、シズちゃん。模擬戦お疲れ様。さっきは惜しかったね」

 

 「えぇ。正直勝てる自信はあったんだけど……私もまだまだねぇ」

 

 「そんな事無いよ。さっき光ちゃんが言ってたとおり、純粋な剣術ではシズちゃんの方が上だったよ」

 

 光ちゃんが勝てたのは、単純にステータスの差と、自身が言ってたとおり"聖剣"の性能のお陰だ。聞いた話だと、剣自体から発する光に入る敵を弱体化させて、同時に所有者自身の身体能力を自動で強化するらしい。

 もちろん光ちゃんの実力も勝因の一つであるのは間違い無い。

 だけど……

 

 「相変わらず見事な太刀筋だったねシズちゃん。あれからずっと頑張ってきたでしょ?更に腕が上ったよね?」

 

 まだ八重樫流の剣術道場に通っていた頃、彼女の剣技をずっと見てきたから、今のシズちゃんがどれだけ強くなったかよく分かる。当時から元々才能があり、そこに日々の努力の積み重ねのお陰で、あの頃より更に洗練されたものとなっていた。

 

 「そっ、そんな事無いわよ。ただいつもの日課をずっとこなしていただけよ…」

 

 「謙遜しなくても良いよ。模擬戦の時のシズちゃん、綺麗だったよ」

 

 「ッ?!!きききき、綺麗ィ!?」

 

 「うん、()()()()()()だったよ」

 

 「…………アァ、ウン。アリガトウ。………紛らわしいわよ……もうっ

 

 「っ?何か言った?」

 

 「……何でもない」

 

 何故か不機嫌になってそっぽを向くシズちゃん。……というかちょっと顔が赤いな?

 

 「っ?……シズちゃん、ちょっとゴメン」

 

 「…えっ?」

 

 先に断ってから彼女の額に自分の()を当てる。

 

 「……………ひょぇええっ?!!」

 

 最初シズちゃんは大人しく、っというか硬直していたけど、顔が更に真っ赤になった途端に、奇声を上げて後ろにおもいっきり飛び退いた。

 

 「ななななにゃにゃにゃに?!」

 

 「……あぁ~、ゴメン。顔が赤かったから熱でもあるのかなって思ったんだけど……驚かせちゃったかな?」

 

 「おおおっ驚くわよ!!っていうか普通手を当てるんでしょ!?何で直に額なのよ!?」

 

 「っ?昔僕が風邪気味だった時、シズちゃんもこうやって測ってたよね?」

 「それ小2の時ぃいいいいいい!!!」

 

 ……まぁ、言われて観れば高校生にもなってアレは恥ずかしいか…。

 

 「本当にごめんって…。まぁ、熱は無いみたいだけど、身体は大事にしてね?シズちゃん前衛なんだし」

 

 「………あなた、ここ最近光輝に似てきてない?」

 

 「えっ?それ凄く複雑なんだけど!?」

 

 思えばこの二週間で、シズちゃんとはかなり打ち解けた気がする。再会直後に比べれば、会話がスムーズになったし、向こうから話し掛けてる事も増えた。

 ……何故かたまに挙動不審になったりするけど。

 

 「っというか、『身体を大事に』って言ったらルー、あなたこそどうなのよ?」

 

 「えっ?僕?」

 

 「……あなた最近働き詰めじゃない。今だって休憩中なのに……」

 

晴彦

 「……言っておくが八重樫、俺は別に強要はしていないぞ?」

 

 「あぁ…ごめんなさい、そう言う意味じゃないの。……ホラ、この子、昔から身体が弱いって言ったでしょ?一応体力付ける為に(ウチ)の道場に通っていたけど、それでも大して変わらなかったから、ちょっと心配で……」

 

 ……まぁ、正直に言えば"体力作り"は嘘、というか建前で道場に通っていた理由は別にあるんだけどね。……あんまり人に気軽に話せる内容じゃないけど…

 

 

 

 「大丈夫だよシズちゃん。…むしろ最近は体の調子が良いくらいだよ」

 

 

 これは嘘でなく本当だ。ここ最近、僕は()()()()()()()()のだ。

 薬の効果が切れる寸前になると、その前兆としてある()()()()()が起こる。この世界に来て初めの頃は、薬の節約の為に出来るだけそれを目安に服用していた。

 だけど一週間前、魔力操作に成功して以降、何故かその前兆がいっこうに起きないのだ。

 一応成功した際にステータスを確認したが…

 

 

================

霧原 透 17歳 男

レベル3

天職:虚使

筋力:0

体力:0

耐性:0

敏捷:0

魔力:3000

魔耐:0

技能:■虚■・虚■■・魔力操作・魔力変換[+■■]・言語理解

================

 

 …このとおり、何故か魔力がレベルに比例して倍になっている以外に大きな変化は無い。

 …まぁ体調が良好な事自体は悪いことではないけど、理由が分からない以上、安心は出来ないので、今も薬は肌身離さす持ち歩いている。

 

 「……本当に?無理してないわよね?」

 

 「嘘じゃないよ……シズちゃん心配し過ぎだって」

 

 「………心配にもなるわよ。…()()()()があったんだから」

 

 そう言ってシズちゃんは、少し悲しげな目で真っ直ぐこちらを見つめながら僕の()()()に手を触れる。

 

 「……ねぇルー、約束して?『何かあっても一人で抱え込まない』って」

 

 「…………シズちゃん」

 

 「……私、もう嫌よ……あんな思いをするのは……もう…」

 

 「………………」

 

 泣くのを堪えているのか、俯きながら絞り出す様な声で懇願するシズちゃん。普段からは想像できないその弱々しいその姿に、僕は何も言えななかった。

 

 

 

 …いや、()()()()ができなかった。

 

 

 「……分かったよ。約束する。…だからそんな顔しないで?」

 

 「………うん」

 

 まだ不安が残っている様だが、とりあえずは納得してもらえたみたいだ。

 

 (とはいえ、出来れば()()()は最後まで隠しておきたいなぁ)

 

 

 

 

 

 

メルド

 「………あ~ゴホンッ!」

 

透・雫

 「っ?!」

 

 突如聴こえてきたメルドさんの咳の音で我に還って周りを見ると…

 

 

晴彦

 「………ハァ」

 

 …頭を押さえながらため息を吐く七彩路君…

 

メルド

 「あぁ~~、ははは…」

 

 …バツが悪そうに苦笑いするメルドさん…

 

信良

 「………………」((〃´д`〃))

 

 …『見てるこっちが恥ずかしい』と言った感じで若干頬を赤くしている華山君…

 

香織

 「ほぉわああ~~」

 

 …そして目をキラキラさせながら僕らを見つめる香ちゃんが立たずんでいた。

 

 

 …ザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワ…

 

 

 

 いや、他にも周りから様々な視線を感じてくるな。

 

 

 

 「っ?!!~~~~っ!!!」

 「……………………………」

 

 さっきより更に顔を真っ赤にするシズちゃん。それに釣られてなのか、僕も顔が熱くなるのを感じた。

 

香織

 「あっ!私達の事は気にしなくていいから、どうぞどうぞ続けて?」

 

 「出来るかぁ!!っていうか香織、あなた何時からいたの!?」

 

香織

 「えぇ~っと、ルーくんが雫ちゃんの熱を測ってるところからかな?」

 「よりによってそこからぁああああ?!!」

 

 頭を抱えながら絶叫するシズちゃん。

 ………本当にごめん。

 

 

 

 

 

 「……さて、そろそろ失礼するね」

 

メルド

 「っ?何処に行くんだ透?」

 

 「ちょっと王立図書館に。ハジメ君達と約束しているんです」

 

 今日はこの後二人も訓練に参加するのだが、その前のこの休憩時間に一緒に情報収集をすることになっている。帰還方法が無いか探すのが目的だが、僕とハジメ君の場合、戦闘で役に立てない分、知識でカバーするためにというのも含まれている。

 

メルド

 「そうか。…さっき雫が言ってたが、無理はするなよ?」

 

 「はい!それではこれで…」

 

メルド

 「オウ!………あっ!いや、待った透!」

 

 「っ?どうかしました?」

 

メルド

 「丁度いい。ちょっと頼みがあるんだ」

 

 

 透サイドout

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 Noサイド

 

 

 「……えぇ、分かりました。では失礼しますね」

 

 メルド団長の頼みを聞いた透はそのまま訓練場を後にする。

 

光輝

 「っ?透?」

 

 そこへ光輝と龍太郎が入れ替わりにやって来た。

 

メルド

 「オウ!光輝、龍太郎お疲れさん!」

 

龍太郎

 「ウス!お疲れッス!」

 

光輝

 「お疲れ様です。…あの、メルドさん、透は何処に?」

 

メルド

 「…あぁ~、ちょっと王立図書館に用があるそうだ」

 

 …あえてハジメや暁の名前を出さなかったのは、メルド団長、ファインプレーである。

 

光輝

 「そうですか………ところで、あれは……?」

 

 やや困惑気味な光輝の視線の先では…

 

 

 「香織のバカァアアア~~~!!」

香織

 「あはははは、痛い痛い、ごめんって~」

 

 

 …顔を真っ赤にした雫が香織に対して、所謂"ポカポカパンチ"をしている、という光景が繰り広げられていた。

 

光輝

 「………何で香織と雫が喧嘩しているんですか?」

龍太郎

 「いや、ジャレ合ってるだけじゃねぇか、アレ?」

 

メルド

 「あぁ、気にするな。……いやぁ~若いって良いモンだなぁ~」

 

晴彦

 「……『緊張感の欠片も無い』って言葉が適切じゃないですか?」

 

信良

 「……………」( ̄▽ ̄;)

 

光輝・龍太郎

 「………っ??」

 

 『どういうこっちゃ?』といった感じで、お互いの顔を見合せる二人を尻目に、穏やかな時間が過ぎていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「………オイ、さっきの聞いたか?」

 「あぁ……コイツはチャンスだ」

 「でも見つかったらヤバくねぇ?」

 「バレなきゃ良いんだよ!しくじるなよ?」

 

 …その裏で卑劣な計画が立てられていると知らずに…

 




以上になります。
今回は透と雫の掛け合い(イチャコラ)をメインに書いてみましたが……敢えて自分で言わせてもらいます。


………何この三文芝居?

…すみません。自分にはこれが限界でした。
次回もよろしくお願いいたします。

オリ主二人はハーレムにするか?

  • 両方ハーレム
  • 両方シングル
  • 暁がハーレム
  • 透がハーレム
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