幼馴染がVTuberを始めたら友人Aちゃんと呼ばれるようになった私の恋愛事情 作:yosshy3304
「俺と付き合ってください!」
「ごめんなさい!」
中学3年冬休み明け。
卒業式間近、期末テストも終わってバレンタインまで数日の、ここ数日。
何故か私は告白をよくされるようになった。
まぁ、お兄さんに懸想している私は、いつもきまって好きな人が居ると断り続けているが。
「ねぇ、あーちゃん、本当に断ってよかったの? 美高くんテニス部のエースで付き合いたいって子いっぱい居るよね?」
「いいのよ、私にだって好きな人が居るんだから。」
「いつもそれだよね。いい加減誰か教えてよー」
「嫌よ。もし私が告白して振られたら教えてあげるわよ。」
「ぶぅー、その時はあーちゃん泣いてるじゃん!」
「でしょうね。だから胸貸してね?」
「当然、私の胸でよければいつでも!」
屋上からの階段を小夜と他愛無い会話をしながら降りる。
もし万が一振られた腹いせに襲われたらと、すでに私より体格の良くなった小夜にボディーガードをこっそり頼んでいたのだ。
まぁ、流石にモテる連中なだけあって無理やりって人は居なかったが。
「でも、あーちゃんって好きな人の理想高そうだよね。」
「いきなり何よ。」
「なんていうかさ、マンガやアニメみたいな恋愛したいっ! って感じだけど現実も見ててイケメン、高収入、優しいって揃ってないと無理っ! みたいな?」
「どこの国の王子様よ、それ!!」
「あっはっは、でもあーちゃんならどっかから見つけてきそうだよね。」
小夜の勝手なイメージだが、そういえばと思い出す。
お兄さんってそれに当て嵌まらないだろうかと。
パンこそ咥えてなかったけど、曲がり角で衝突しての出会い。
まだまだ持ち出しが多いが、徐々に周知されていくから収入も徐々に上がっていく新興会社の社長。
未だに帰りは送って貰えてるし、顔も決して悪くない。
体を要求されることもないし、と考えた所でちょっともやもやするも、まぁ、それはいい。
「うん? 小夜ちょっと待って、ライン?」
「どうしたのあーちゃん?」
「あー…、ごめん小夜、今日用事入っちゃった。」
「ああ、バイト?」
「うん。 まぁ夜になるぐらいには終わるから。」
「わかった。」
お兄さんからの連絡で急遽、今日から新シリーズの動画を撮る連絡が来る。
本来なら今日は小夜の家に泊まってゲームしようという話だったのだが。
小夜も無事、同じ高校に受かり、(自分は推薦でさっさと決めた。小夜は一般入試の為日程別。)受験が終わってからの久々の休日だったからだ。
細かい内容は伏せて、一応、前々からお兄さんとの動画撮影はバイトと告げてあったのだが、本当の事を言った方がいいのかなと迷う。
「ちゃんと鍵閉めといてね、着いたらラインで連絡するから。」
「りょうーかい! 行ってらっしゃーい、バイト頑張ってねー!」
笑顔で送り出してくれた小夜だったが、その笑顔は少し曇っていた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「春夏秋冬ファイト―! って、私だけかいっ!」
「失敬な! ちゃんと言ったよ、夕日ちゃんの声真似で!」
「それ、結局私の声だけしか聞こえない奴じゃん!!」
2次STARS1期生の秋乃夕日ちゃんがリーダーとなって進めるマイクラ、通称ファイクラ、それがお兄さんの言っていた新シリーズの動画だそうだ。
夕日ちゃんの掛け声に、聞こえて来たのは夕日ちゃんの声だけで、その事に夕日ちゃんがツッコミを入れるも、黄色やオレンジをメインカラーとしたJKキャラの夏乃真昼のボケに大げさにツッコミ返す。
「私だってちゃんと口パクで言いましたよ?」
「声出して、声!!」
同じく黒や濃い青をメインカラーにしたJKキャラ冬乃夜中の言葉に忙しそうにツッコミを入れて。
「朝日ちゃんはー?」
「うん? 羊狩ってるから、ちょっと待ってー」
「挨拶ぐらいしてよーっ!!」
新衣装の私、黄緑や桜色をメインカラーにした同じくJKキャラの春乃朝日のマイペースなゲーム進行に半泣きになる。
春乃朝日、夏乃真昼、秋乃夕日、冬乃夜中、お兄さんがキャラデザインした姉妹扱いのキャラクター。
夕日ちゃんが音頭をとるのも、夕日ちゃんだけ2次STARS1期生だったりする。
私と真昼ちゃん、夜中ちゃんは外部協力者という扱いで、会社ではなく、お兄さんに直接雇われているという扱いだ。
「もう、全員集合!!!」
ピィ―と笛を吹く様な甲高い大声で私達を呼び集める夕日ちゃん。
その時後ろの洞、オークの木に隠れて分り辛いが、ぽっかり空いた洞窟の入口。
そこから緑色のあいつが!
「これが初めての動画撮影なんだよ! ちゃんと最初の挨拶ぐらいしようよ!」
怒る夕日ちゃん、ごもっともですが、今あんたの後ろにクリーパーが。
「ほえ?」
シュー……という音の後にボンと爆発。地面をえぐり、木々を吹き飛ばし、その威力は夕日ちゃんのキャラを呑み込んで消し飛ばした。
「「「あはははははははっ!!」」」
「教えてよぉ……」
まだ始めたばかりで初期スポーン地点から離れていない事もあって泣き言を言いながら復活してくる夕日ちゃん。
笑う私達。
「取りあえず木を集めましょうか。素手でも取れて、視界も開けるから。」
「「はーい!」」
「リーダーは私だってばっ!!」
私の号令に素直に返事を返す真昼ちゃんと夜中ちゃん。
弄られる夕日ちゃんの叫びに再び笑いが起きた。
「そう言えば、朝日ちゃんって告白されたんでしょう?」
「ええ、そうなの? で返事は?」
「断ったわよ。」
「うわ、ばっさり断ってそう!」
木を切って原木を集めている最中、作業動画の間を持たせるためだろう夜中ちゃんが恋バナを振ってきた。
内容は近頃の私への告白騒動のようだ。
ほんの僅かだがお兄さんが動揺したかのように体を揺らす。
もし嫉妬だとしたら嬉しいな。
「取りあえず、今日はここまで!」
「広くなったねぇ。」
「まだ初日だけどね。」
「ここからどんどん発展していくんですね。」
木を切るだけだけど最初だからツールもしょぼく、木を切ってちょっと整地したら時間が来てしまった。
夕日ちゃんの合図に夕日ちゃんのキャラクターの周りに集まり中腰でうろうろする。
「最初だからグダグダだったけど、また見てねー。」
「「「季節は巡る、毎日ちょっとずつ」」」
「ちょっ、その挨拶っ! 私知らないんだけどっ!!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「朝陽ちゃん、ちょっといいかい?」
「はい?」
お兄さんがいつぞやと同じく声を掛けて来た。
ひょいひょいついていく私。
「あの?」
「うん。」
何時もの部屋、だけどお兄さんは立ったまま私の両肩に両手を置いた。
「えっと、その……」
「出会ったのは春先だったよね。」
「あ、はい。私の逆ナンで……」
「あははは、そうだよね。ぶつかってきた女の子がいきなり今時間ありますかってさ!」
「あう……」
両肩に置かれた手はほとんど力を入れていないにも関わらず、まるで私を逃がさないかのように拘束している。
いつもと様子の違うお兄さんに少し恐怖を感じながら、私は何があったのかと問いかけようとしたが、それを遮るようにフッと笑ったお兄さんが話しかけて来た。
出会った当初の話。
前世の知識でうっかりVTuberという言葉を浸透させてしまった時の話だ。
「やりたい事やろうと親と喧嘩してさ、バカみたいに飛び出してさ」
「あの、お兄さん?」
「まだまだガキだから全然上手く行かなくて喧嘩して、会社も飛び出して朝陽ちゃんに出会って」
まるでお兄さんは私との思い出を振り返るように話す。
「2次STARSが始動して、会社が軌道に乗って、今までとは違って持ち出しが無くなって」
「何が言いたいんです?」
お兄さんは私の問いかけに真剣な目をして、肩に置いていた手をズボンのポケットに入れた。
「まだ中学生、でもあと数か月で高校生の朝陽ちゃんに言う事ではないかもしれないけど」
出て来たのは四角い指輪のアクセサリケース
「俺と結婚を前提にお付き合いしてください。」
「えっ!?」
TS物が嫌いという意見はあちこちで見るんだが、正確には精神的BLに嫌悪感を示しているぽい。
肉体的には間違いなく男女関係なんだからいいじゃねぇかと思うんだがなぁ。
そういう人にとって、オカマがTSして女になった場合はどうすんの? と問いかけたい。
オカマの場合、心は『女』肉体は『男』からTSして心は『女』肉体も『女』になるんだけど……
書くかどうかわからんが、次の為に意見を参考にさせて貰いますww