問題児RTA - アジ=ダカーハ討伐チャート   作:チルドレン

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第10話

はい、よーいスタート。

前回は九十九ちゃんがお風呂に入り、のんびりした所からですね。

取りあえずこれから急いで図書室に向かい、知識を深めようとしたのですが…これは駄目みたいですね。

全員が九十九ちゃんから手を離してくれませんでした。このままベッドに直行ですね。

此処まで来たらしょうがねぇ!大人しく寝ましょう。

と言うか此処まで好感度が上がってると不味い気がしますね。飛鳥ちゃんに逃げてと指示しても逃げない気がします。

…一緒に戦うと言われるとタイムがロスするので勘弁願いたいのですが…ま、一度上がった好感度何で大事に取っておきましょう。

三毛猫が悪さした時に春日部ちゃんの少し下がりますから、そのフォローをする為に好感度を犠牲にします。

 

女三人寄れば姦しいと言うが、四人の場合は何だろう▽

…逆にうるさくならないのだろうか?▽

 

考え事をしているから実際三人の集まり。三人は、どういう集まりなんだっけ?

…っと、そんな事を考えている間に九十九ちゃんが寝落ちして暗転しましたね。

良く寝れた場合、翌日の朝はすっきりと目覚めます。

余り寝れなかった場合、判定に-補正が掛かります。因みにこのマイナス補正は身体の強さで決まります。

なので一徹した程度の十六夜君では、特に気にしない…と言うより気に出来ないレベルの減りしかないです。

 

…え?九十九ちゃんは?知らん、そんな事は俺の管轄外だ。

という訳で早速やっていきましょう。おう姉ちゃん!戦うから見とけよ見とけよ~?

 

「…あ、あの。あの時はごめんなさい。そしてありがとう…!そんなに弱そうな身体なのに頑張って庇ってくれて…」

 

(貴女を庇っては)無いです。

久遠ちゃんを守る為に庇った筈なんですけど、どうしてそんな曲解に……ああ、成程。

久遠ちゃん自体は自分で守れるから庇ったと判定されなかったんですね。そして位置的にも、店員さんを庇ったと言えなくもない位置だと…

 

「応援してます!でも絶対無理はしないで下さい!もしそんなことしたら…あ、あっつあつの珈琲を飲ませちゃいますからね!」

 

好感度と位置設定ガバガバじゃないか!(憤怒)

…まま、純モブ程度の好感度を上げた所で別に意味ありませんから。

後九十九ちゃんは普通に猫舌なのでダメージを食らいます。止めて下さい。

 

「ふふ。それが嫌なら無理しちゃだめですよ?」

 

そんな応援を聞きながら、フォレス・ガロの本拠地にやってきました。

…はい。想定通り鬼化されてますね。

今まで走った中で一度だけ、(21)吸血鬼が鬼化するのをうっかり忘れ、そのまま力任せの勝負で戦った事があります。

その時は普通に春日部ちゃんにフルボッコにされ、可哀想な目に遭ってました。

さて、ギフトゲームの契約書類(ギアスロール)を一通り読んでから、取り敢えず驚いておきましょう。

ワーシテイノブグデトウバツナンテタイヘンダナァー。

 

…はい。此処までは予想通り、随分チャートに沿った動きしてくれるじゃないか。(困惑)

空前絶後のデレを見せてくれた今回の走りなら、自己ベスト超えられるのでは…?

取り敢えず場所を移動しながら、ガルド=ガスパー君が居る住居に行くとしましょう。

あっ、因みに人数は九十九ちゃん、飛鳥ちゃん、ジン=ラッセルの三人です。

三人に勝てる訳ないだろ!

因みにこのまま行くと三人で戦う事になりますが、これはロスです。

なのでガルド=ガスパーが居る家の前に辿り着いたら、速攻で外と中部隊を編成しましょう。

 

もしかしたら彼は、別の場所に居る可能性がある。▽

だからこそ此処は、私達は一旦分かれて外と中でばらけるべきだ▽

 

さて、飛鳥ちゃんへの説得フェイズです。

此処でミスすると大幅ロスするので…おっ、ジン=ラッセルが賛同した事によって確定成功になりましたね。そんなんだから御チビとか言われるんですよ。(嘲笑)

 

「…そうね。それなら私とジン君で外の…まだ探索していない所を探してみるわ。」

「はい!指定の武具があった場合、直ぐに合流しましょう。合流地点はこの扉の前で良いですよね?」

 

おっそうだな(適当)

取り敢えず説得には成功したので、一直線でガルド=ガスパーに向かいましょう。

…はい。OKです。

後はちょちょいと武器を取って、殺せば終わり!閉廷!解散!

…正直此処のガルド=ガスパーは知能デバフが掛かった野獣先輩なので、楽勝なんですよね。

代わりに速度と力が上がって…あっぶえ?!

今掠って右腕から血が溢れましたね。出来て良かった両手利き。

…はい、所詮こんなもんです。ガルド=ガスパー如きノーミスで倒せるんだよなぁ!

という事で、鬼化したガルド=ガスパー君…工事完了です。

次からペス…の前にペルセウスだった。という訳でペルセウス退治に、イクゾー!

デッ!デッ!デデデデ!(カーン)デデデデ!

 

---------------

 

運が悪いと、私は思う。

…分かれた直後にガルド=ガスパーが現れ、指定武具は彼の前に置いてあった。

取り敢えず片手で振り回し、ゆっくりと彼の方を見つめると…彼は瞬時に床を蹴り、私に一撃を喰らわせようとしてくる。

 

「っ…」

 

それを避け、地面に当てて無理矢理ダメージを入れようとするが、彼は痛み等感じないのかもう一度こちらに突っ込んできた。

恐らくは指定武具以外で傷付ける事が不可能と言う所からだろう。それとも、猫だから落下しても大丈夫と言うオチか。

…それに今の彼に理性は無い。獣の様な雄叫びに、得物を見つけた様な野生の獣の様な眼光。

 

「…」

 

小さく息を吸って、脳に酸素を回す。

二秒息を止め、ゆっくりと彼の行動パターンを読み…そして一撃を入れようと私は剣を振るう。

…それと同時に、彼の顔に小さく傷が付いた。

 

「GEEEEEYAAAAAaaaa!!!」

 

彼の声が、悲鳴の様な物に変わっていく。

…けれど私に対して襲い掛かってくる姿は、此処で私を倒せれば仲間がやってくるからと言う事だろうか?

……させない。私一人で絶対片付けてやる。

そんな事を考えながら、私は彼に着実に傷を与える。

…このペースなら倒せる。そう思いながら剣を振るのと同時に…後ろの扉が開き、其処から二人が現れた。

しまった。と思うのと同時に、先程まで息絶え絶えだった獣が小さく笑った…気がした。

彼は私を飛び越え、扉の方に向かって走る。

…ジン=ラッセルは恐怖に呑まれて動けない、飛鳥は此処から最適な命令が出せない。

 

「…っ!」

 

全力で走りながら、私は左右の壁を見る。

…右の方が少しだけ長い。

二人の前に立ち、私は剣を見せる様に左側に寄せ…それを見た獣が天井を蹴って、フェイントをかけるべく右に飛ぶ。

単純に飛んだら私に斬られるという恐怖が、彼をそうさせたのだろう。

だからこそ私はその数秒の隙を使って二人を思いきり弾き飛ばし、扉を閉める…が、防御が間に合わずに右腕が犠牲になった。

爪が私の右腕を貫通し、それによって力が入らなくなった為剣が落ちる。

それを見た彼が、私に見せつける様にゆっくりと私の右腕から爪を引き抜こうとし…

 

「…そんなんだから、貴方は此処で終わりなんだ。ガルド=ガスパー」

 

左手に持った剣を振り下ろし、彼の首を両断した。

絶命し、灰となって消えた彼を見て…私は少しだけ目を伏せる。

 

「…」

 

手で十字架を切る事は、先程の彼には逆効果だろう。

…なら私に出来るのは…

 

「今度は普通の虎として、短命でありますように」

 

道具でさえ長生きをすれば、面白半分で神が入り込む。

…だから、なるべく短命で居て欲しい。今度こそ…獣としての生を終えて欲しいと…そう願った。

……そして、ゆっくりと扉を開けようとするのと同時に…

 

正座しなさい(、、、、、、)

 

飛鳥の言葉と同時に、私の身体は勝手に正座をしだす。

…それを見てジン=ラッセルが慌てて飛鳥を見るが…飛鳥は気にせずに私に笑いかけた。

 

「私がどうして怒ってるか分かるわよね?」

 

目は一切笑っていない。

それ所か怒りで血管が浮き出ているのを見て…私はしらばっくれようとする。

 

「わ、わから…」

「そう。じゃあ後でたっぷりと分からせてあげるわ。傷を治したら、三人でたっぷりと…ね?」

「え、遠慮…」

 

その言葉と同時に、窓が割れて私達はそちらを見つめる。

…新手かと首を傾げれば…完全に怒った耀がこちらに対して一歩ずつ歩きながらやってきた。

 

「…お姉ちゃん。無茶しないんだよね?」

「あ、あれくらいは無茶じゃ…」

「へぇ。私達を追い出して右腕を貫かれたのは、無茶じゃないのね」

「飛鳥?!」

「……後で黒ウサギも一緒にお話し」

「あや!?どうしてですか?!」

「いや、正確に状況を教えなかったからだろ」

 

そう言いながら十六夜君がジン=ラッセルを連れて何処かに歩いていく。

…それを見て私も立ち上がろうとするが…未だに飛鳥のギフトが聞いているのか身体が動かなかった。

 

「…出血が思ったより多い…取り敢えずお説教は後で今は治療をさせて頂きます」

「……此処で出来るの?」

「いえ。コミュニティの工房に運びます。あそこなら治療器が揃っていますから」

「…じゃあ、私が…」

「いえ。工房に置いてある治療用のギフトは、扱いが難しいので…此処は一つ、黒ウサギにお任せ下さいな!」

 

そう言いながら私を抱きしめ、お姫様抱っこの状態で私を運ぶ。

…優雅に跳んでいる姿は、まさしく兎と言う名に違わなかった。

 

「…早く終わらせすぎちゃったな。…まだ太陽が眩しいから、上に昇るとクラクラしちゃう」

「……っ…なるべく急いで向かいます」

「それは困るよ。腕に風穴があいてるから、涼しくて困っちゃうんだ」

 

痛みを噛み殺しながら、私は苦笑する。

…それを見た黒ウサギは歯噛みしながら…出来るだけ急いで向かった。

私達が歩いた道に、点々と血痕が続いていく。

……けれどその等間隔の距離は、黒ウサギがどれだけ速いかを表していた。

 

「…もう少しで辿り着きます……も…さん?…っ!」

 

ずっと地面を見てたからだろうか。

視界が眩んで、黒ウサギの声が遠くなる。…乗り物酔いみたいだと、少しだけ苦笑した。

 

「ご、め…ん」

 

小さく謝った一言が聞こえているかどうか分からないが…それでも良いと、私は目を瞑って…意識を途切れさせた。

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