問題児RTA - アジ=ダカーハ討伐チャート   作:チルドレン

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前回失踪しますと言い忘れたので初投稿です。


十六夜

はい、よーいスタート。

 

さて…どうしようかと考えていると、私の妹はしゅんとした。▽

貴女は妹が持ってきたゲームを嬉しそうにやっても良いし乗り気じゃない状態でやっても良い▽

 

正直リセットしたいけど、此処でリセットしたらもう一年使うからしないRTA、はーじまーるよー!

…正直見ている兄貴達の中には「再送して♡」と考えている兄貴達も居ますが、此処ではリセットしません。

理由としては、金糸雀の施設に送られなければ万々歳だからですね。

何故かというと…

 

「お姉ちゃん?」

 

ああハイハイ。やりますやります!

やればいいんダルルォ!?

あー、これから色々したいんだけどどうすっかな~?

 

「本当?嬉しい…この為に今日は一番古いお金を用意したんだ」

そう言いながら彼女が取り出したのは、一番作られた年が古い十円玉だった。▽

どうやら今日この日の為に昔の十円玉を用意してくれたらしい▽

 

その労力をもう少し別の所にして欲しかったんですけどね。

…という訳で妹である春日部ちゃんと一緒にこっくりさんごっこで遊んでいるのを倍速している間に、これからの事を説明していきます。

まず初めに、箱庭に呼ばれるまで何をするかなんですが…生憎と何時呼ばれるかわからないんですよね。

はっ?と思った兄貴も居るでしょうが、これには深い訳があるのです。

 

実はこのゲーム、どんな時間軸でも手紙を送られるかランダムなんですよね。

本当は条件がある筈なんですが、(自分一人だけ何で条件がわから)ないです。

…と言うか、今思ったんですけど春日部ちゃん…主人公の事をお姉ちゃん呼びしてませんでした?

……義理の姉である事を願いましょう。流石にギフトでノーフォーマー付いてたら本格的な再送案件ですし。

メガトンコイン!するのはbiim兄貴だけでいいんだ。ガバは嫌だガバは嫌だ…って、

 

「こっくりさんこっくりさん。お姉ちゃんの身体は何時治りますか」

 

どうして等速に戻す必要があるんですかねぇ?

…ああ、今までは九十九ちゃんが動かしていたけど、この質問は余りに重かったんですか。

……と言うか、お姉ちゃんの身体って言っている時点で九十九ちゃんノーフォーマー確定じゃないですか。

こんなん(リセットポイント)毎日続いてたらもう、やめたくなりますよ~RTA。

まぁこれは選択肢の中から選びましょうか。

 

貴女は十円玉を動かし、次の満月にまで治ると答えた▽

「…凄い!それならお父さんと一緒に旅できるね!私も沢山の動物と友達になったんだ!」

その言葉を聞いて、漸く妹が狐狗狸さんを選んだ理由が分かった。▽

友達になった動物達に頼る為にも、色々調べて…そして思いついたのがこの狐狗狸さんだったのだろう▽

 

そんな事考えなくて良いから(諦め)

それよりも、どうやってノーフォーマーを活かすかを考えないといけませんね。

基本的にデメリットなノーフォーマーですが、実はとある権能(ギフト)達と合わせればメリットにもなります。

…例えば、今も春日部ちゃんの首に掛かっている生命の目録(ゲノム・ツリー)もそうですね。

ノーフォーマーである事が幸いして、春日部ちゃんは生命の目録(ゲノム・ツリー)を使えるのですから。

仮にこれを黒うさぎに渡したら兎のキメラが出来上がります。と言うか実際にホモ君でしました。

通しに使ったホモ君には色々して貰いましたね。(小並感)

 

さて。ノーフォーマーを抑える、若しくは治療する方法ですが…ナオキです。

いえ、実際に治療する方法はありますが現実的ではありません。

簡単に言えば、“永久機関の正しい知識を全て持ち”“自分の身体に永久機関を付与し”“自分の存在価値を箱庭に見せつけられれば”ノーフォーマーは消えます。

はい、無理ゲーですね。ですが…この九十九ちゃんおかしいよなぁ?

 

「明日、本当に治るんだよね?」

当たり前。なんて言いながら微笑んだ私は、ゆっくりと立ち上がってマッスルポーズをしだした▽

それを見た妹は嬉しそうに微笑みながら…辛そうな表情を浮かべる▽

 

はい。会話は(RTAに)不要ら!という訳で倍速倍速ゥ!

そうこの九十九ちゃん、ノーフォーマーで霊格損傷している筈なのにかなり動けるんです。春日部ちゃんは(・・・・・・・)来もしない満月を(・・・・・・・・)待っているのに(・・・・・・・)

理由としては幾つかある筈なんですが…全くと言って思いつきませんね。

…はぁーつっかえ。ほんま使えんわ。止めたら?このRTA。

取り敢えず分かっている事は九十九ちゃんはノーフォーマーであるにも関わらず、普通の人間と同じくらい動けるという事です。

 

……まま、ええわ。許したる。

実はノーフォーマーじゃない可能性もあるし、全部間違いだったりする可能性もありますね。

後はノーフォーマーが遺伝してなかったりとか義理のお姉ちゃんだったり色々考えられます。

その場合は病弱の女の子で売っていきましょう。

それでは今日は一緒に満月を見ようという春日部ちゃんの会話を聞きながら終わりにしたいと思います。

 

では諸君、サラダバ!

 

------------------

 

私のお姉ちゃんは、元気で、優しくて…大好きな最高のお姉ちゃんだ。

私の身体が元気な頃は何時も一緒に遊んでくれたし、勉強から逃げてた時も少しだけ苦笑しながら私を逃がしてくれた。

……勿論、後でちゃんと怒られたけど。

そんな毎日幸せな出来事も、お互いが小学校に入ってからは減ってきて…そして、私の身体が悪くなって、その時間は余計減ってしまった。

 

「…ごめんなさい。お姉ちゃん」

「……どうしたの?」

「昔、酷い事言っちゃったから」

「ああ。気にしなくてもいいよ。あの時は耀も辛かっただろうしね」

 

その言葉と同時に私は溜め息を吐いて…ゆっくりと過去を思い出す。

…私が入院した時、お姉ちゃんを一時期怨んでいた。

どうしてお姉ちゃんの身体は動けて、私の身体は動けないんだ。

どうしてお姉ちゃんは遊べるのに、私は遊べないんだ。

どうして、どうして、どうして…何時しか疑問は怨嗟になり、好意は憎悪に変わっていく。

何時しか選んでいた言葉の基準は、どうしたら傷付くかと言う照準に映り変わっていて。

斬れたナイフの様な言葉を喰らっても、お姉ちゃんは笑顔のまま…

 

「そんな言葉覚えちゃったんだね。私以外に使っちゃ駄目だよ?」

「…えーっと……まってもう一回言って?!今度はちゃんと聞き取るから!その後ちゃんと調べるから!」

「……?えっと、それは褒めてる?…あれ?あれ?」

 

時に困った様に、時に焦った様に、そして時に嬉しそうな声で喋るお姉ちゃんを見て、私の苛々はどんどん募らせた。

…お姉ちゃんもこうなればよいのに、そう思って…

 

あの日の事件が起きてしまった。

お姉ちゃんがこうなってしまう、最悪の事件が。

詳細は省くが、三毛猫を助けた時に、お姉ちゃんは今まで動いていた身体が上手く動かなくなってしまったらしい。

それでも私の症状に比べたら軽い物だが…入院はしないといけないと言われる位には、お姉ちゃんの身体は限界を迎えていた。

…そして入院した時、私は初めて神様と言う存在に感謝してしまった。

お姉ちゃんを私と同じ位置に堕としてくれてありがとうございますと。これでお姉ちゃんに暴言を言わなくて良くなりました。

 

だからこれからは、今までの分の暴言を聞こうと張り切っていたのに…お姉ちゃんは変わらなかった。

私の調子が悪くなれば即ナースコールするし、私の嫌いな野菜は勝手に食べるし、偶にくるナースさんに優しくするし…その日は嫌に苛々したからお姉ちゃんを殴ろうとした…。

お姉ちゃんは暴言を吐かなかった。お姉ちゃんは私と同じ所に堕ちたのに…それなのに私とは違って、輝いていた。

それがどうしようもなく嫌で、もしかしたら失望されるのかもしれない…そう考えた私は、お父さんに理不尽なお願いをしてしまった。

 

「…お姉ちゃんの身体、治さなくていいから…私の身体を、治して…」

 

その言葉を聞いたお父さんの反応は、凄く悲しそうで…考え直せと言われたけど、幼い頃の私にはそれが如何しようも無く嫌だった。

…だけど、次の日にはお父さんは覚悟を決めた様な表情でこちらを見つめ…そして、お姉ちゃんが居ない時を見計らっていった。

 

「…あの言葉に、嘘は無いんだな?」

「……うん」

 

その声は、小さかった。

けれどそれを聞いたお父さんは…本当に悲しそうな顔をして…お前は俺にそっくりだなと一言だけ喋った。

…その後に私はお父さんに木彫りのペンダントを貰い……そして歩ける様になった。

その時の優越感は、きっと相当な物だった…今は勿論、罪悪感で一杯だけど…気がする。

私は歩ける。お父さんと一緒に旅できる。それが嬉しくて自慢して…そして…

 

「…耀は……少しだけ、悪い子だね」

 

辛そうな表情で喋ったお姉ちゃんのその言葉が、胸に突き刺さったのを覚えている。

…今まで感じた優越感が全部消え、私は唯お姉ちゃんに怒りを覚え睨み付ける。

だけど…

 

「…ごめん。違うの…」

 

言った張本人のお姉ちゃんは、自分が言った言葉を直ぐ撤回した。

唯ひたすらに泣いて、ごめんなさいと言って。血を吐いても止めなかったお姉ちゃんを見て…私はナースコールを押す事すら出来ず呆然と立ち尽くしていた。

意識を失う最後まで、お姉ちゃんは謝り続け……そして、お姉ちゃんが目を覚ます事は、暫く無かった。

 

「……私、最低だ」

 

お姉ちゃんが居なくなった事によって、一人の時間は増えた。

…そして、私はその時になって漸く…自分の罪を認める事が出来た。

ごめんなさいと言いながら、泣いていても…慰めてくれる人はいない。

……私は気付けば、家族以外の繋がりが消えていた。

…それが如何しようも無く嫌で、どうしようと考えた時に…私はお姉ちゃんが中庭で勝手に飼っている三毛猫に会いに行った。

 

「…それで、どうすれば良いかな…」

『そんなもん、謝ったらいいんちゃう?お嬢は優しいから、きっと許してくれるで?』

「……っ!?」

『何を驚いてるんや?』

 

お姉ちゃんが助けた三毛猫は喋るのか。そんな事を考えながら目の前の三毛猫と会話をしていると……中庭にやってきた先生が何か紙に記入した後に…

 

「…大丈夫ですよ。タイミングが悪かっただけですから、そんなに自分を責めないで下さい」

「……はい」

 

そう言って先生は、私の頭を優しく頭を撫でてくれた。

でも今思えば、あの時の行動は私が現実逃避をして幻聴を聞いている…そんな事を考えていたんだろう。

…だって、あの後見た紙に精神崩壊の兆しありって書いてあったし。

 

…一週間後、お姉ちゃんは目を覚ましたという報告を聞いた。

私は急いでお姉ちゃんの元に向かい、最初に謝ろうとしたが…

 

「ごめん。あの時は少しだけ病んでて…って、言い訳ならないよね。お姉ちゃんなのに暴言を言ってごめんなさい」

 

お姉ちゃんに先に謝られ、ベッドから降りて床の上で土下座までされた。

…それを見たナース達は大慌てでお姉ちゃんをベッドまで運ぶ。

だけど一歩も動かず、困った様にこちらを見るナースを見て…

 

「…うん。大丈夫だよ」

 

私は謝罪の言葉を飲み込んで、小さく頷いてしまった。

…それによって謝罪の言葉は消えてしまい…私の心の中で燻ぶる事になってしまったのだ。

 

「…そうだ!今日お姉ちゃんが助けた三毛猫と会話したの!」

「おー…どんな事話したの?やっぱり猫だから一番美味しい魚の部位とか?それとも日向ぼっこのおすすめの場所?」

「……そんな事は話してない」

「あれっ?!」

 

お姉ちゃんの一言に少しだけむすっとしながら返すと、お姉ちゃんは慌てた様な表情を浮かべて周囲を見渡した。

…そして、お姉ちゃんが個室で入院すると聞いて…私は少しだけ寂しくなってしまった。

 

「…という訳で、ちゃんと嫌いな野菜も食べるんだよ?私はもう食べられないからね?」

「……今までも、ちゃんと食べてた」

 

そう言って目を逸らせば、少しだけ嬉しそうに微笑んだお姉ちゃんが…二枚の紙を差し出した。

…其処には動物園と水族館と言う文字が書かれていて…少しだけ寂しそうに微笑んだお姉ちゃんが私の頭を撫でながら説明をする。

 

「此処が色んな動物が居ると噂の動物園で、こっちがペンギンとかが居る水族館なんだよ?ぜひ、どんな事を話してたか教えて欲しいなって」

 

その言葉を聞いて、私は首を傾げた。

…お姉ちゃんは、一緒に行ってくれないの?そんな思いが伝わったのか、お姉ちゃんは少しだけ申し訳なさそうな表情を浮かべながら喋る。

 

「残念ながら外に出る事すら禁止されちゃってて…今までの無理がバレちゃったんだ。なので…良ければ三毛猫の三毛次郎の世話もお願いできる?」

 

そう言いながら私達の年齢じゃ作れない筈の通帳を渡したお姉ちゃんは、少しだけ辛そうな表情で…気付けば私は、小さく頷いていた。

それを見たお姉ちゃんは嬉しそうに微笑んでから喋り…

 

「…ふふ、目指せ友達百種類!」

「……流石に、数が足りないと思う」

 

私の突っ込みに対してそれもそっかと笑ったお姉ちゃんを見て…私も何時の間にか笑顔になっていた。

だからその時…お姉ちゃんのベッドの横にお姉ちゃんそっくりの小さな人形があったのを…当時の私は見逃していた。

 

「…耀?どうしたの?」

 

昔のお姉ちゃんの事を考えていると、少しだけ首を傾げたお姉ちゃんが今の私を呼んだ。

…思わず目を開いてお姉ちゃんを見て、傍に置いてある人形を見てから…暗くなってしまった空を見つめる。

 

「……何でもないよ?ちょっと今日は…疲れただけ」

「そっか…じゃあ少しくらい休む?私のベッド使っても良いよ?」

「…駄目。今日はお父さんを待つから」

 

そう言いながら空をゆっくりと見ようとして…お姉ちゃんが困った様な表情を浮かべて私を抱きしめた。

…その動きに思わず頬を染めるが…お姉ちゃんは小さく…

 

「…そうだね。今日は綺麗な…満月になる筈だもんね…」

 

その言葉を聞いて、私はお姉ちゃんの肩の向こうに映った月を見つめた。

…其処には…

 

「…お姉ちゃん…」

「……私が、満月にしてあげられたら…良かったのに…」

 

満月なんて程遠い、十六夜の月が宙に浮かんでいた。




RTAよりも過去の方が長くなってしまったので失踪します。
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