問題児RTA - アジ=ダカーハ討伐チャート 作:チルドレン
目が覚めると、コミュニティの仲間が勢揃いしていた。
「…素晴らしく運が無いな。私は…」
考える事をやめて、私は眠ろうとするが…その前に私の身体に重力が掛かり…私に馬乗りになったレティシアが面白そうな表情を浮かべた。
「…レティシア?」
「……分かってるな?」
「あ、あんまりわからないかなぁ?」
「…ほう?此処まで全員が居てもわからないか?」
その言葉を聞いて小さく頷くと…レティシアが少しだけ困った様にこちらを見つめた。
それを見た私が首を傾げると…近くにいた十六夜君が私に対して話しかけてきた。
「お前が突然居なくなって、そして見つけたら血だらけで倒れてたんだぞ?」
「…あ、ごめん」
「…別に、無事なら良い。でも無茶しないでって言った直ぐに倒れたのは……少しだけ悲しかった」
「……耀」
耀のその一言を聞いて、私は小さく目を伏せた。
…確かに耀と何度も無茶しないという約束をしたのにも関わらず、私は無茶ばっかりをしていた…気がする。
だけど…そうしないと私が強くなれない。
「…今、強くなれないって考えていたでしょ」
その言葉を聞いて、私は驚いた。
…どうしてわかったんだろう?そんな事を考えながら首を傾げようとすると…それを優しくレティシアが撫でてくれた。
「…あ」
「……一週間外に出る事を禁ずる。これはコミュニティの仲間達…子供達も合わせて全員一致した意見だ」
「……はい」
「…それと、それと同時に一切の自傷行為を禁ずる。こちらは既に
私はその言葉に対して小さく頷いた。
それを見たレティシアが少しだけ嬉しそうに微笑んだのを見て…私は小さく目を伏せた。
…それを見て少しだけ苛立ちを覚えたのか…レティシアが私の身体に乗ったまま…
「…それはそれとして、後でしっかりとお仕置きはするからな」
私の耳元に、優しく囁き掛けてきた。
その事に少しだけピクリと身体を跳ねさせながらも…私はゆっくりと息を呑んだ。
それを見て耀が少しだけ怒ったように私に近づく。
「…お姉ちゃん。何メイドさんとイチャイチャしているの?」
「耀?」
私が目を開くと…
「……私の方が心配したのに。私の方がいっぱい……いっぱい…」
疲れから目にハイライトが無かった。
小さく何かを呟き続ける耀を見続けながら、私は小さく首を傾げた。
それを見たレティシアが慌てた様にこちらを見つめ…そしてゆっくりと首を傾げた。
「…そういえば、お前の近くにいた狐は何処だ?」
「…狐…若藻の事?」
「若藻?…まて、それって…」
「十六夜君は言っちゃ駄目ですよ?」
その言葉と同時に、十六夜君が警戒しながら振り向く。
それを見た若藻が少しだけ面白そうに微笑んだ後に…私の下にゆっくりと歩いてきた。
…十六夜君の警戒の仕方に全員が小さく頷き、若藻の方を見つめ…それを見た若藻は小さく首を傾げた。
「おや。私に牙を剥いて良いのですか?ご主人様から嫌われちゃいますよ?」
「馬鹿いえ。お前にご主人様とやらが居るのか?」
「今貴方達が喋っていたでしょう?」
「冗談も休み休み言えよ玉藻前。お前は礼儀は尽くすが忠義は一切ない関係しか作らなかっただろう?」
「それはどうでしょう?私は心を入れ替え、忠義を尽くしているかもしれませんよ?」
その言葉を聞いて鼻で笑った十六夜君を見て、私は小さく首を傾げた。
…それを見た十六夜君は少しだけ訝しげにこちらを見た後…小さくため息を吐いた後に若藻の方を見つめた。
「…おい」
「何でしょうか?」
「もしお前が本当に忠義の塊の様な狐だとして……もし俺らのコミュニティを抜けたがっていたらどうする心算だったんだ?」
その言葉を聞いた若藻の耳が、小さくピクリと揺れる。
…それを見逃さなかった十六夜君が少しだけ笑った後に…
「そうですね。そうだったらいっそ、コミュニティ“百鬼夜行”の再来と行きますかね?」
若藻の言葉を聞いて、真剣な表情に変えた。
…そして、小さく黒ウサギが辛そうに目を伏せるのを見て…十六夜君が何かを察したのか黒ウサギに喋りかける。
「…黒ウサギ、知っているか?」
「知ってるも何も!“百鬼夜行”と言えば悪名高き魔王のコミュニティです!…ですが、今はもうなくなっている筈です」
「そう。だから再来と言ったんです。今度の“百鬼夜行”は違う。あの“
「どうだかな。案外同じ相手に負けるんじゃねぇか?」
その言葉を聞いた若藻が、少しだけ面白そうに微笑んだ。
…それを見た十六夜君が首を傾げるが…若藻は特に気にせずに私の方に寄ってきた。
「…ですけど。そんな事はご主人様が望んでないんですよ」
「うん。魔王としても楽しそうだけど、今はやっぱり…こういう風に皆と一緒に居たい」
「…いや、魔王は決して楽しくはないぞ?寧ろ箱庭中から追われるから大変なんだ」
「そうなの?」
私の疑問を聞いて仕舞ったという様な表情を見せたレティシアを見て、私は小さく首を傾げる。
それを見た耀が少しだけ呆れた様にレティシアを見た後に…小さく耳打ちで何かを話し始めた。
「…まぁ、そうだな。人伝で聞いたんだ」
「そうなんだ。魔王とお友達なんて、レティシアって凄いんだね!」
「ぅ……そ、そうだろ?」
私の一言を聞いて少しだけうめき声を出したレティシアが、少しだけ苦しそうに微笑んだ。
…何か違ったのかなと思いながらも、私は小さく身動ぎをしようとして…耀とレティシアに抑え付けられた。どうやらこのまま暫くはこうするらしい。
「…なぁ。もし私が…」
「……?」
私がxxxxの汚名を被っていたとしても、ご主人はそのままで居てくれるのか?
…そんな声と同時に、私の身体に少しだけ違和感を感じる。
その違和感を見てみると…其処にはレティシアが寂しそうな表情で私の腕を抱きしめていた。
「…何でもない」
「本当に?」
「あぁ…本当に何でも…」
「…二人共、私達を無視して楽しそうね?」
その言葉と同時に、耀とレティシアが振り返る。
それに倣って私も飛鳥の方を見つめると…飛鳥と黒ウサギが私達の方を笑顔で見つめていた。
…勿論、目は笑っていなかった。
「…えぇ。えぇ。耀さんは流石にしょうがないと思っていました。だって家族が気絶してたら誰だって心配になるものです。
…ですがレティシア様。貴女は何時仲良くなったのですか?それもかなり気にかけているご様子ですし?」
「いや黒ウサギ、私はな…」
「メイドでありながら主人を先置いて仲良くお話とは、良いご身分ね?」
「あう…」
飛鳥達が話しているのを見ながら、私は視線を若藻と十六夜君の方へ向ける。
二人は未だに煽り合いながらも、それでも情報交換をしているようだ。
「…待て。という事は、そっちの世界での付喪神は…」
「其処まで考えられたら、どうしてあの子に教えちゃ駄目か…其処までもわかりますよね?」
「……それを俺に伝えてどうする心算だ?」
「一番最初に情報を手に入れそうなのは貴方でしたから。それだったら先に正解を言っておいて、そして口封じをする…これが私にも貴方にもメリットである…そう考えました」
「…」
二人の会話を聞きながら、私は小さく体を動かす。
…私の身体には四種類の熱がじんわりと浸透していき…私は小さく息を吐いた。
それを見た四人が小さく首を傾げるのを見て…私は小さく呟く。
「…うん。皆とくっついてるの、傷つけて安心するより…少しだけ良いかも」
私の本心からの言葉は、お説教の時間が一日増えるだけだった。
後輩兄貴達が星を使ってて羨ましいので失踪します。