問題児RTA - アジ=ダカーハ討伐チャート   作:チルドレン

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もう少しだけ続くので初投稿です。


エピローグ-2

一週間が経過し、私は“監視付き”の状態で外に出れる様になった。

気分は極悪犯罪者だなぁ…なんて考えながらも、私はゆっくりと黒ウサギを見つめる。

…今日は審判の依頼だったそうで、それを聞いた私が無理を言って付いてきたのだ。

 

「それでは!第二試合を始めたいと思います♪第二試合の参加者は…」

 

黒ウサギが楽しそうに話しているのを見ながら、私はゆっくりと周囲に視線を向ける。

…最近、何処かから視線を感じる気がする。けれど周囲を見てもそれらしい人は居ない。

本拠地に居る間は視線を感じないので、私が逃げない様に耀が監視してるのか…そう思っては居たのだが、どうにもそうではないらしい。

今日は耀はギフトゲームに参加している筈だ。未だに農場が無いから、ギフトゲームで稼がないといけない。

 

「……むぅ」

 

今まで貯めてきたへそくりを出すべきかどうか。

ギフトゲームをして報酬の一部をへそくりに回している為、私自身はかなり潤っている。

…それを使って境界門(アストラルゲート)に行けば…とも思ったのだが…

 

-「残念ながら、個人での使用は無理ですね」

 

黒ウサギに言われた事を思い出し、思わずがっくりと項垂れた。

けれど黒ウサギに、「白夜叉様に頼ろうとせず、自分の力で行こうとするのは偉いです!」と言われたのは遺憾だ。

私は其処まで我儘な問題児ではない…筈だ。

 

「…?」

 

そんな事を考えていた時、私の視界に綺麗な髪が一瞬だけ映り込んだ。

…それはまるで…

 

「…飛鳥?」

 

小さく口に出しながら、私はチラリと黒ウサギの方を見つめる。

…黒ウサギが小さく頷いたのを確認してから、私は急いでそちらの方に向かい…

 

「…わっ!?」

「……?」

 

仮面の女性とぶつかった。

思わずごめんなさいと謝りつつも…私は周囲を見渡し…飛鳥を見失った事に小さくため息を吐いた。

それを見た彼女が少しだけ首を傾げつつも…何かを思いついた様に、私に問いかけた。

 

「その。ここら辺で魂を視ませんでしたか?」

「…」

 

彼女はとても電波な様だ。

ここら辺で魂を視ませんでしたか?なんて質問、この瞬間以外で絶対に聞かないだろう。

 

「…ど、どういう魂?」

「え…っと……詩人を名乗りながら黒人ラッパーで、しかも名前がホモで金糸雀を目指してそうな魂です」

「………見なかった、かな」

「それじゃあホモと名乗りながら部屋の前でソーラン節を踊ったりとかは…」

「…しらない。かな」

 

その一言に少しだけガックリとしながら、彼女は去ろうとする。

それを見て私は慌てて引き止めつつ…ゆっくりと話を聞き続けた。

 

「えっと、どうしてそんな魂?を探そうとしてるの?」

「…とある御方に頼まれまして…下位のコミュニティ…それも“ジン=ラッセル率いるノーネーム”のみに話を聞きなさいと言われましてね…」

「た、大変だね?」

「……いえ。こちらも失礼しました」

 

その言葉と同時に立ち去っていく彼女を見つめながら…綺麗な銀髪を見つめた。

…とても綺麗な銀髪だが、シャンプーとかは使っているのだろうか?

 

「…また今度、お話してみたいな」

 

今度は不思議な魂の他にも、色々話そうと考えつつ…私は黒ウサギの居る場所に戻っていった。

…それと同時に、白夜叉が小さく頷いてから試合を見つめる。

どうやら試合は順調に進んでいるらしい。それを見て少しだけ安堵しつつ…ゆっくりとため息を吐いた。

 

「…やっぱり、一人で歩きたかったな…」

「あら。どうしてそう思ったのかしら?」

 

その言葉を聞いて、私の身体が跳ねた。

私がゆっくりと後ろを振り向くと…其処には青筋を立てた飛鳥の姿があった。

 

「ふふふ。おかしいと思ったのよ。突然貴女が黒ウサギに付いていきたい!なんて言い出したしね?そしたらほら見なさい!やっぱり一人の方が楽とか考えてた!」

「いや、それは違くて…でも一人の方が楽なのはほんと…」

 

私のその一言を聞いて、飛鳥が不機嫌そうに頬を抓る。

…その痛みに耐えつつも、私はゆっくりと頬を膨らませた。

 

「…飛鳥のばか」

「あら?何が馬鹿だったのかしら?」

「……一緒に居る方が幸せって、言えなかった」

 

その言葉を聞いて、飛鳥が頬から手を放して…少しだけ苦笑する。

そしてそのまま嬉しそうに私の頭を撫でた後に…ごめんなさいと謝ってくれた。

 

「…所で、ならどうして一人で歩いていたのかしら?」

 

私は飛鳥の言葉に喉を詰まらせ…少しだけ周囲を見つめる。

…そして他にコミュニティのメンバーや子供達が居ないのを見た後に…ゆっくりと喋りだした。

 

「……農場、皆でしようとしてるでしょ?」

「えぇ。そうね」

「…私、農場に何も貢献出来てないから」

「そんな事ないわよ?暇な時間、子供達と一緒に土を弄ってるって黒ウサギから愚痴を言われたしね?」

「…だって、子供達が大変そうだったから」

「その子供達にも、仕事を奪われそうだ!なんて言われてたけどね」

 

その言葉を聞いて私は小さく口を歪める。

…確かに子供達は仕事に生きがいを感じる子達だ。それは私だってわかっている。

けれど、私だってそうなのだ。

何かに役立たないと、少しだけ不安に思ってしまう。

 

「…九十九さんは、凄い皆の役に立っているわよ。あの虎を倒して、十六夜君と一緒にボンボンの下に言って、一人で謎を解いてステンドグラスを割って、春日部さんと一緒に“造物主達の決闘”であの“ジャック・オー・ランタン”と戦って…」

 

他にもいっぱいあるわよ?なんて微笑みながら飛鳥が言うのを見て、私は小さく首を横に振った。

…確かにそれは、他の人から見たら功績かもしれない。でも…

 

「…私が居なくても、皆は勝てたから…」

 

そう言いながら微笑めば、飛鳥は少しだけ困った様にこちらを見つめた。

そして優しく私を抱きしめ…ゆっくりと耳元で囁く。

 

「あれは十六夜君が強すぎるのよ。彼が居たら普通のゲーム。楽しむ前に終わっちゃうわ?」

「…そうかも」

 

私がそう言って小さく微笑むと、これは十六夜君には内緒ね?と言って私にもう一度耳打ちをし始める。

 

「…彼、余りにも強すぎてゲームを出禁にされる所が増えてきたらしいのよ」

「……そうなの?」

 

小さく首を傾げながら聞いたが、私も出禁にされているゲームは結構ある。

…其処まで名声は高くないと思っていたが、出禁にされたのは吃驚だ。

 

「えぇ。唯それでも九十九さんよりは少ないけどね」

「…知ってたんだ」

「えぇ。ゲームをするって言いながら毎回“サウザンド・アイズ”に向っていれば嫌でも気付くわ」

「そっか」

 

小さく首を傾げながら、私は少しだけ微笑んだ。

私がやるのは基本的に知識系のギフトゲームだ。何を知っているか、知らないかを判別しながらやる為、其処までちゃんとした事はやっていないが…

 

-「彼女、良いですね。未来予知系のギフトを渡せば、もっと化けそうです」

 

そんな事を姿無き誰かに言われ、少しだけ嬉しかったのを思い出す。

…それを聞いていた白夜叉は少しだけ困っていたが…私は特に気にしなかった記憶がある。

 

「あら?黒ウサギのお仕事がもう終わったみたいね」

「…本当だ。もう勝者が決まってる」

「ふふ、お話してると何時もより早く時間が過ぎちゃうわね」

「うん。やっぱり皆と居る方が幸せ」

 

そう言いながら微笑めば、飛鳥も嬉しそうに微笑み返してくれた。

…そしてゆっくりと、私に一つのご飯を差し出してくる。

 

「?」

 

小さく首を傾げて見れば、飛鳥は少しだけ可笑しそうに微笑んでから…ゆっくりとあーんをしてくれた。

…小さくぱくりと食べて見れば…

 

「…美味しい」

 

思わず感想を漏らすと、少しだけ嬉しそうに微笑んだ飛鳥が喋りだした。

 

「えぇ。そうでしょう?子供達が必死に作ってくれたのよ」

「…そうなの?」

「そうよ?本当はリリが持っていこうとしていたのだけど…その前に黒ウサギに連れていかれちゃったでしょう?」

「うん」

「それでそれを頼まれてね。味の感想とかはリリに言って頂戴?」

 

その言葉を聞いて私は小さく頷く。

それを見た飛鳥は優しく微笑んだ後に…

 

「という訳で、九十九さんはこの後一緒に私と行くわ。其処で物陰に隠れてるウサギさんがどうしても!というなら考えるけど…どう?」

 

私の後ろの物陰に向かって喋りかける。

すると見たことのある黒ウサギの耳が見えて…私は少しだけ目を瞬かせた。

 

「…黒ウサギ、居たの?」

「え、えぇ…まぁ…試合が終わって直ぐに居ましたデスよ?」

「…そうなんだ。ごめん。気付かなかった」

「い、いえ!九十九さんはそのままで居てください!……追跡するとき、大変ですので」

 

ぼそっと聞こえた言葉に首を傾げつつも、私はゆっくりと喋り続ける。

 

「…そうなの?」

「えぇ!ギフトゲームでは確かに察知をする事も大事ですが…それでも今の九十九さんには余り関係ないお話です」

「…?」

「最近は知識を問われるギフトゲームで戦っておられますよね?」

「何で知ってるの?」

「そりゃあもう!色んな所で九十九さんの武勇伝ならぬ知勇伝を聞いてますから!」

「…そう…なんだ」

 

その言葉に少しだけ私は視線を逸らした。

…あまり活躍した記憶もないが、武勇伝が語り継がれる程度には活躍しているらしい。

その事に少しだけ安堵の息を漏らしつつ…私は首を傾げた。

 

「そういえば今日、耀は居ないんだっけ?」

「あ、ああ…そうね。今日は用があるとかないとか言ってた気がするわね」

「そ、そうですね…特に気にされない方が良いと思います!えぇ!」

 

二人が焦りながら喋るのを見て、私はもう一度首を傾げ…そしてコクリと頷いた。

…どうやら何かがあるらしい。

耀に限って犯罪的な事をやらないと思うが、それでも何時かは知らないといけないだろう。

……でももしかしたら内緒にしたい事をしてるのかもしれないし、やっぱり知らなくても良いだろう。

 

「…それじゃ、行きましょうか」

「行くって、何処に?」

「白夜叉様が後で来て欲しいって言ってましたよ。何か用事でもあるんですかね?」

 

二人と話しながら、私は少しだけ微笑む。

白夜叉との会話に心を躍らせながら、私はゆっくりと足を運び…

 

「…?」

「あら、どうかしたの?」

「ううん。誰かに見られた様な気がして……気の所為だったかも」

「らしいけど、黒ウサギはどう?」

「私も特に何も感じなかったですね。誰かに狙われているかもしれませんし、後で白夜叉様に話しましょうか」

 

そんな事を話し合いながら、私達はゆっくりと白夜叉の下に向かって歩き出す。

先程の視線を思い出しながら、私は小さく息を呑んだ。




日常編は基本的に走者が寝てたりご飯食べてたりするので失踪します。
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