鬼に転生 作:たこやき鍋
水の呼吸 拾弐ノ型 流転飛沫・乱:拾ノ型 生生流転と玖ノ型 水流飛沫・乱を組み合わせた型
水の呼吸 拾参ノ型 落滝・斬:滝のように重く、威力の高い斬撃を降らせる範囲攻撃(鬼だからできる型)
水の呼吸 拾肆ノ型 爆水衝刃:衝撃と共に斬撃を津波のように広く飛ばす型
たしか那田蜘蛛山はここらへんだったかな。
原作では、ここで主人公が日の呼吸を使うはずだからね。
今のところは、山に鬼の気配はあるけど鬼殺隊は集まってないみたいだね。
近くで鍛錬でもして待つとするか。
水柱から得た呼吸は血鬼術でさらに強力に進化できたというのも最近の良い成果だ。
鬼が使う月と雷の呼吸もいずれ習得するつもりだけど、どこにいるかわからないからな。
鬼殺隊は勝手に来てくれるからありがたい。
最近になってやっと血鬼術の範囲が全身になったところだ。
自分でも成長が早いとは思うけど、昔があるからね。
想定の範囲内だ。
血鬼術を使いこなせているというのもある。
まぁ、使用者に大きく左右される血鬼術だから組み合わせというやつだね。
数週間もすると山から鬼と人の両方の気配を感じるようになった。
やっと主人公らしい。
俺もそろそろ行きますか。
新術のテストにうってつけだ。
——那田蜘蛛山—-
山に入ると戦闘が行われてる箇所がいくつあると感じるけど、一番気配が強い所が下弦がいる所かな。
さっさと行った方がいいかもね。
戦闘が行われている箇所についたね。
これ以上近寄るとバレてしまいそうだ。
ちょうど水面斬りが失敗した所みたいだね。
妹が糸で拘束されているけど、今はまだ太陽を克服してないから後にするか。
いや、血鬼術は珍しいから調律をかけるか。
太陽を克服するのは、半天狗との戦いでだったかな。
半天狗は正直進化の余地が大きい鬼だから生かしておきたい所だな。
壺のやつは別だがな。
刀鍛冶を殺すのは戦略的に良いが、技術を失うことになってしまう。
昔にはなかった興味深いものだ。失うには惜しい。
そんな考えごとをしていると日の呼吸をやっと使ったようだな。
首を切るまで後少し。
よし、下弦の首をきったようだな。
ぼちぼち行きますか。
「失礼するよ」
下弦の頸を斬り、日の呼吸の使用で動けなくなった炭治郎は妹のもとへと向かうおうとしていた。
その時、仮面を付けた別の鬼が現れ頸を斬った下弦の体と頭を掴み何かをし始めた。
人を大量に食べてきた鬼の匂いに不快感を覚えながらも、そこにいるのにまるでいないかのような異質な鬼に体が震えだしていた。
まだ死んではいないが、水柱に始末されるくらいなら取り込む方が俺のためになる。
無惨が差し向けて来た雑魚は何回か吸収してきたが、下弦ともなると血の量、濃度ともに圧倒的だな。
全体的に強化されたようだし、うまくいったな。
さてあとは倒れている2人だね。
「鬼が鬼を取り込んだ…….. 」
目の前の事態を飲み込めず呆然としていた炭治郎だったが、異質な鬼が突然消え妹をもって自身の前に現れことでようやくかなりマズイ状況にあることを理解した。
「妹を離せ!!!!!!!!!!!! 何をするつもりだ」
最早目の前の鬼を倒す力も残っていない炭治郎だったが、何もしなければ妹がどうなるか分からない。
兄として、たったひとりの家族を守るため、無理やり日の呼吸を使おうとした。
鬼は体の一部を針にして飛ばし炭治郎を動けなくした。
炭治郎は息を吸い呼吸を使おうとした瞬間に鬼が何かをし、体が動かなくなり技も出せなくなってしまった。
「鬼が言っても説得力はないけど、殺さないから」
そう言って鬼は炭治郎の首も妹と同じようにつかみ、なにやら目を瞑って集中し始めた。
【血鬼術 調律・深】
そろそろ水柱が来るから終わらせたいが、調律・深は時間がかかるな。
ただの記憶ならば調律でいいが、それ以上になると調律では力不足だ。
それに脳の処理能力が足りないな。
情報が普通のやつよりも多い。
鬼の適性が高いだけはある。
「一体何をした!!!??? 答えろ!!!!」
炭治郎は鬼に問いかけるが、鬼は何も話すことはなく落ちていた木の枝から刀を作った。
ついに殺されると覚悟をしたが、鬼はこちらに向くことはなく自分に背を向けて刀を構えた。
鬼が刀を構えた方向から義勇が現れた。
来る方向がわかっていたのがという疑問が生まれたが、信頼する柱が来てくれたことで炭治郎は安心をしてしまった。
「炭治郎!!??、 お前はあの時の!!??」
「この鬼は下弦を取り込んで、体が痺れる血鬼術を使います気をつけてください!!!」
「血鬼術ではないのですけどね、お久しぶりです。 元気でしたか? 水柱さん」
「あれから私も呼吸を練習してみたんです、お手合わせお願いします」
「言われなくても、今回こそお前はここで斬る」
「炭治郎、つらいだろうが今すぐ妹を連れてここから逃げろ」
「俺はこの鬼を相打ちになってでも倒さなければいけない、少しでも情報を持って帰れ」
「そんな!!??」
炭治郎は義勇がまるで自分が負けるかのような言葉に動揺を隠せなかった。
加えて鬼が呼吸を使えるかのような発言も動揺をさらに高めたのだった。
常識から考えられないようなことが起こりすぎていたのだ。
「お話は終わりましたか?では行きますよ」
【水の呼吸 拾弐ノ型 流転飛沫・乱】
「!!!!!!」
「!!!!!」
【水の呼吸 拾壱ノ型 凪】
義勇は突然繰り出された知らない型に驚きを隠せなかった。
鬼は間違いなく水の呼吸を使用し、さらに新しい型を使ってきたのだ。
それもとても洗練されていて、本当の水の呼吸の使い手のようであったのだ。
炭治郎は目の前の光景を信じることが出来なかった。
鬼が水の呼吸の未知の方を使い、義勇もまた自分にとって未知の型を使っていたのだ。
自分のレベルとは何もかもが違っていたのだ。
鬼は最早地面に接していなのではないかという速度で、攻撃を仕掛けて来る。
龍があらゆる方向から仕掛けてくるような攻撃で、義勇はそれを間合いに入った瞬間に全て凪いでいた。
【水の呼吸 拾参ノ型 落滝・斬】
【水の呼吸 参ノ型 流流舞い】
鬼が頭上からの斬撃を滝のように重く落として来るのを流流舞いで避けつつ、義勇はさらに強くなっている鬼に柱1人では勝てないとわかりながらも戦っていた。
蟲柱が来るまでどうにか持ちこたえなければまた負けてしまいそうだった。
【水の呼吸 拾肆ノ型 爆水衝刃】
【水の呼吸 拾壱ノ型 凪】
鬼がさらなる呼吸を使用し、今までのよりもさらに威力が高いものになっていた。
一撃一撃が重く、そして鋭い。
鬼の方はというとすでに飽きていた。
柱との戦いに備えて呼吸を血鬼術と合わせて強化した技も準備していたが、使う必要がないと感じていた。
下弦を吸収したことで大幅に強くなったのもあって完全にやりすぎ状態になっていた。
「そろそろ終わりにしようか、なんだか疲きてしまいました」
「それじゃあね、今度戦う時までにもっと強くなっていてくださいね」
鬼は突然距離をとってそういうと、塵となって消えてしまった。
その動作だけでも義勇は前回よりもさらに手に負えなくなっていることを受け入れざるを得なかった。
——とある山奥ーーーー
張り切りすぎたかな?
蟲柱も来るはずだけど、水柱よりも強いとは思えないしもういいかな。
柱よりも上弦と戦いたい。
まずいですよ!!