樹海に入れる特殊体質の少年(前世持ち)が愛する三ノ輪銀のためにいろいろ頑張る話   作:exemoon

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誓い

取引の結果、俺はようやく過去の戦闘記録を閲覧した。

しかし、その内容は、俺の想像をはるかに超えていた。

 

過去の勇者の戦闘記録、その内容は凄惨の一言であった。

文字通り、身を削り戦い続けた勇者達の死闘は、これまで考えていた楽観論を崩壊させるには十分すぎた。

過去存在した星屑、進化体、完成体の三種のバーテックス。

現在、来襲しているバーテックスは完成体と同型らしいが、現状、一体相手でも勇者たちは苦戦している。

だが、記録に残っている最後の戦いでは、七体もの完成体バーテックスが同時に侵攻していた。

この眼で見てきたから分かる。 

 

―――無理だ。

 

それほどの相手が同時に侵攻してきた場合、間違いなく今のままでは勝てない。

にも、関わらず大赦はこの情報を伏せ、ほとんど何も知らない少女たちを戦わせている。

………吐き気がする。

大方、老人たちは現状の結果だけを見て満足しているのだろう。

確かに、過去の勇者システムに比べて、現状のそれは大幅に強化されている。

だが今後、バーテックスが複数体、同時出現する可能性を考えたら性能が足らなさすぎる。

もとより現状の勇者システムが力不足だという認識はあり、先日の「お願い」をしたわけだが、事態は想像以上に深刻だった。

本当に…まだ11や12の少女には、過酷すぎる運命だ……。

 

戦闘記録により、能力が分かった完成体バーテックスは六体。確認された完成体は九体であったが、うち三体は一人の勇者が命と引き換えに打倒したため、詳しい情報はなかった。

だが、能力が分かった六体のうち、水球を放ったものと、四本角は特徴が一致したため、それ以外の四体の情報は、これからの戦闘で大いに役立つと思われる。

この記録におけるバーテックスの情報は、本当に綿密に記載されており俺は一つの確かな遺志を感じた。

 

―――これは、願いだ。

 

この記録を遺したものたちの、真摯で、尊く、強き願い。

記録を見ればわかる。

これは、いつかまた勇者がバーテックスと戦うときに役立ててほしいという想いが形になったものだ。

読めば嫌でも理解してしまう。

人類は奪われたのだ。

世界を、自由を。

未だ、確たる証拠はない。

だが、俺の中で確信が生まれた。

仮説は正しかったと。

 

―――あなたたちの想い、無駄にはしません。

 

心の中でそう誓う。

おそらく、大赦の連中にはこれを只の戦闘記録としか思わなかったのだろう。

そうでなければ、これほどの想いが詰まった記録を見せられるはずもない。

これは、直に戦場にいたものにしか伝わらないだろう。

たった一度の戦闘の、これほど詳細な情報を纏めることの難しさを知らないのだろう。

分からないから、こうも簡単に握りつぶせたのだろう。

 

この時、俺は確信した。

現状の大赦では、この先のバーテックスとの戦いは必ず破綻する。

事が起こってからでしか対応しない悪癖を、過去からそのまま引きずっている。

家柄にとらわれて、勇者を三名しか用意できていない時点で全てを勘違いしている。

これは戦争だ。

間違いなく、死力を尽くさねばならない戦いだ。

家柄なんぞを考えている余裕は人類にはないのだ。

やはり、大赦は構造的に腐敗している。

パワーゲームに明け暮れてきた結果がこれだ。

恐ろしいことに、それに疑問を持っている人間が殆どいない。

常識がそのように定まってしまっている。

数百年もの間、平穏な時が流れたせいか、大赦はものの見事に平和ボケしている。

このままではだれか死ぬ。

 

早急に大赦を改革しなければならない。

可能な限り穏便に済ませるべきだ。

だが、場合によっては、外科的な処置も必要になるかもしれない。

無論、現状俺にはそこまでの力はないし、今はバーテックスとの戦いに集中すべきである。

だから、今は土台を作る…

 

これ以後、俺は今まで積み重ねてきた人脈を余すことなく使い始めた。

まず、俺が行ったのは信頼できる味方を作ること。

本格的に権力闘争をするとなると、一人ではほとんど何もできないからだ。

最初に安芸先生や、今まで俺についていてくれた使用人である秋隆に可能な限り事情を話し、俺の味方になるように頼んだ。

これは本当に綱渡りだった。

何故なら、俺の頼みはある種の裏切りを頼んでいるようなものだったからだ。

安芸先生は大赦に、使用人は俺にではなく赤嶺の家にそれぞれ忠を置いているのだ。

彼らがその忠を貫けば、俺の立場は地に堕ちる。

だが、彼らから協力を得られなければ、俺の計画が成功するはずもない。

これは絶対に必要な条件であった。

 

果たして、俺は賭けに勝った。

これにより、俺は安芸先生の持つ情報や、両親が持つ情報を秋隆を通じてある程度得られるようになった。

そして、赤嶺全体の弱みを探ってもらい、そのほかの使用人の篭絡も同時に行っていった。

勿論、表立って動き回ればすぐに気付かれ、面倒なことになる。

しかし、赤嶺の次期当主とその使用人がグルになってしまえば、大抵のことは気付かれずに行うことができた。

安芸先生には、大赦の動向について注意を払っておいてもらった。

赤嶺の掌握に必要なものが着々とそろっていく。

 

そして、俺は人生最大の挑戦を行う。

赤嶺の当主である父親に、協力を求めたのだ。

ここまで来るのは本当に大変だった。

父を説得できるだけの材料の確保、相互理解のための長きにわたる対話、万一拒否された場合のための用意。

揃えるため労力は並大抵のものではなかった。

 

しかし、それでも説得は非常に難航した。

当然だろう。どれほど言葉を尽くしても、どれほど材料を作っても、結局のところ12の子供が親に大赦を裏切れと言っているのだ。

普通の神経ではまず、受け入れられないだろう。

だから、俺は禁じ手を使った。

俺自身を使ったのだ。

要求が受け入れられなければ、俺は自害すると伝える。

無論、これだけでは只の子供の駄々だ。

秋隆に拳銃を用意させ、その拳銃が本物であることを確認させた後、父の目の前でロシアンルーレットを行う。

俺か大赦か選ばせたわけだ。

赤嶺がその性質上、治安組織にも太いパイプがあったのは幸運だった。

おかげで、拳銃はたやすく手に入った。

こうなると、父も俺が本気であると思い、俺の頼みを受け入れてしまう。

これで事実上、赤嶺の掌握は完了した。

 

もっとも、これは半ば詐欺のようなもので、俺は事前にシリンダーの回転を目で見ずともコントロールできるように訓練していた。

それでもリスクはあったが、結果的に、無事に俺は狙いを果たせた。 

しかし、親の愛すら利用するとは何て醜い存在なのだろうか。

俺のような奴をおそらく、人でなしというんだろう。

だが、それでも俺は止まれない。

銀の、みんなの未来がかかっているのだ。

 

 

それから少し経ち、俺は安芸先生と共に勇者の訓練に立ち会っていた。

戦力把握のための視察だ。定期的に行っているモノであるが、今日は視察の周期から外れていた。

安芸先生によると、今日で一旦訓練は中断し、しばらく三人に休養を取らせるとのこと。

次に訓練が行われるまで間があるため、俺も臨時で視察を行いに来たのだ。

 

無論、休暇といっても勇者だけの話であり、俺には関係のない話だ。

むしろ、先日の一件から得た膨大な情報の処理や、情報を基にした研究などのため俺は今までよりはるかに忙しくなっている。

放課後や休日に三ノ輪家に行くこともままならなくなっており、俺のメンタルダメージは中々ひどいことになっている。まぁ、それは大した問題ではないが。

 

それにしても―――

合宿を行った時に比べ、彼女たちは格段に腕を上げている。

三人とも、技のキレや素早さ、正確さが段違いに向上しており、また以前に比べ一挙手一投足に落ち着きが見られる。

前回の四本角戦以降、三人の距離も縮まっており、それに付随するように連携能力にも著しい向上が見られる。

安芸先生が休暇を許可するのも納得できる完成度だ。

三人も着実に自信を深めている。

これで休みを取れば、まさしくベストコンディションとなるだろう。

それでも、まるで安心できないのだが…

 

しばらくして訓練が終わり、安芸先生が三人にしばらく休養をとるようにと告げた。

それを聞き、ほころぶ三人の顔を見て改めて思う。

この子たちは絶対に死なせてはならないと…

 

 

その日の夜、園子からメッセージがとんできた。

曰く、今度の休日うちで遊ぼうぜ!とのことだった。

それならグループチャットの方で全員に話せばいいのではと思ったが、どうやら銀と須美にはサプライズで家に押し掛ける腹積もりだが、俺は最近忙しそうだったので、事前に連絡しておいたらしい。

正直、そんな暇はないので断ろうかと思ったが……

そこであることを思いついた。

 

 

 

 

そうして、休日。

 

「園子様。この御恩は必ずやお返しします。」

 

「ふふふー。よきにはからえー」

 

俺は園子に跪いていた。

理由は、目の前にいる銀だ。

珍しくフリフリの服を着ている。

乃木家で臨時のファッションショーをしているのだ。

それにしても…

可愛い。超かわいい。べらぼうにカワイイ!!

こんないいものを拝謁できるとは園子様万歳!

 

まず髪につけた花飾りはその美しさで、より一層銀自身の可愛さを際立たせている。

胸元のリボンや服の至る所に見られるフリルは見るものに柔らかな印象を与え、普段見られない銀の魅力を最大限にまで引き出している。

特に普段と比べ弱々しい銀の雰囲気も相まって、可愛らしいスカート姿はたまらなく庇護欲を感じさせる。

控えめに言って最の高である。

はぁ………好き…………。

 

「とても、似合ってるわ…銀!」

 

須美も銀の可愛らしい格好に鼻血を出して喜んでいる。

しかも、なかなかいいカメラで銀の姿を収めている。

くそっ。こんなコンパクトなデジカメじゃなくて俺も一眼レフを持ってくればよかった!

 

「須美様、後程そのデータをお借りしてもよろしいでしょうか。引き換えに昔の銀の写真を差し上げます故」

 

「勿論いいわよ、取引成立ね!」

 

須美とがっちり握手する。

ああ、俺はなんていい友人を持てたのだろう。

こんな同胞を得られるなんて、思いもしなかった。

 

「やめろぉ、二人とも!アタシの写真を勝手に取引するなぁ!」

 

銀が真っ赤になって叫ぶ。

その姿すら愛らしい。

 

「安心しろ銀!お前は世界で一番かわいい!」

 

「そうよ、銀!もうこれは…金よ!」

 

「わけわかんないぞぉ!?」

 

「打点高いよー?」

 

様々な服を着せ替え、三人で銀を愛でる愛でる。

そうか…ここが極楽浄土だったのか…。

本当に今日来ておいてよかった。

最近のメンタルダメージが見る見るうちに回復していく。

今日のことは一生忘れないだろう。

 

 

 

ファッションショーも一段落し、彼女らが着替えるようなので俺は部屋を出た。

もう少し一緒にいたかったけど仕方あるまい。

頭を切り替える。

 

「お待たせしました。それでは、お願いします」

 

部屋の外で待ってくれていた乃木家の使用人に声をかける。

そう。

今日乃木家に来た本当の理由は、他にある。

乃木家の昔の資料を見せてもらいに来たのだ。

昔、園子に乃木家には古い本が多くある、という話を聞いていたので、その中に勇者に関する資料がないかを確かめに来た。ちなみに持ってきていたデジカメも資料の撮影のためのものだ。

そのことについて、園子から使用人に伝えてくれており、自分を案内するため、彼らは今まで部屋の外で待ってくれていたという訳だ。勿論、乃木の当主にも話は通している。

思っていたより待たせてしまった。

 

そうして、書庫にたどり着いたわけであったが…思ったより膨大な数だった。

とりあえず、勇者に関係するモノだけを探すことにする。

何人か家の使用人も連れてきているので、手分けすればそれなりに手早く済ませられるはずだ。

 

探し始めて早一時間。ようやく一つだけ手掛かりらしきものを手に入れた。

「勇者御記」と題された本。

どうやら、勇者の日記のようだ

中を見てみると、ほとんどの文が黒線と赤線で塗りつぶされている。これは検閲が二回あったということか。

すると、大赦の隠蔽体質は徐々に強くなっていったということか。

 

だがそれでも、人名など一部の表記は検閲を免れていたらしく、残っていた。

乃木若葉…土居球子…伊予島杏…高嶋友奈…。

そして、名前は消されているが、もう一人勇者がいたのだろう。

過去の戦闘記録を見たときに感じた違和感。過去存在した勇者は四人だとされていたが、記録の節々にもう一人いたように感じされる点があった。

その違和感が今、解決した。全文消されているのに、名前だけ残されているページがあるのが証拠だ。

本来、名前だけは消さなくてもいいはずなのに、名前まで消してあるページがあるのは、意図的に隠されている人がいたという事実を示している。

間違いなく、過去に勇者は、最低五人はいた。

おそらく、何らかの理由で彼女は記録から消されたのだろう。だけど、彼女が悪い人間であったとは思えない。

そうでなければ、戦闘記録においても、もっと徹底的にその存在は隠蔽されていたはずだ。

ならば、彼女は大赦にとって都合の悪い人間であったのだろうか。

分からない。

だが、その人のことは調べるべきだと思う。

数少ない、消されていない文章を見て思った。

彼女たちは、本当に苦しい中で戦い続けてくれていたのだ。

その想いをなかったことにはしたくない。

 

………感傷に流されてるな。

深呼吸する。

ともかく、乃木家には悪いがこの資料は持ち帰らせてもらおう。

分析によっては、検閲されたページの内容を知ることができるかもしれない。

そう考えながら、最後のページをめくる。

そこには、綺麗な女の子の写真が貼られていた。

これが初代勇者、乃木若葉さんか…

手を合わせて呟く。

 

「この世界を守りたかった、あなた方の想いは引き継ぎます」

 

さて、撤収準備だ。

これは大赦に対する有効なカードになるかもしれない。

十分な収穫だったといえるだろう。

とはいえ、こんな本を真正面から下さいなどといえるはずもない。

 

「秋隆」

 

「はい、若」

 

「この本のコピーを作ってくれ。見た目を最優先で頼む。その間、俺は注意をひいておく。どれだけあればできる?」

 

重要な書物を発見した場合のために、写本を作る機材は用意しておいてきた。

実際、中身だけの写本は既に何冊かこの部屋で作っている。

だが、今回は原書を拝借する必要があるため、見た目も気付かれないモノにしなければならない。

 

「見かけだけでいいのでしたら、三十分もあれば。持ち帰るのは原書の方で?」

 

「そうだ、頼む。他の者には引き続き、資料探しをさせる。必要なら使え」

 

「かしこまりました」

 

小声で素早く伝え、部屋で作業を手伝ってくれている乃木の使用人に声をかける。

好意で手伝ってくれているのだろうが、今は少し邪魔だ。

少しの間だけ、書庫にいるのを赤嶺の人間だけにする。

園子たちにお菓子を作ってあげたいので、台所をお借りしたいと頼む。

乃木の使用人達は少し戸惑ったが、許してくれた。

ついでに少し手伝ってほしいといえば、彼らは簡単に釘付けになる。

ちなみに作ったのは蒸しパンとスイートポテト。

彼らの分もお礼として作ってあげると、なぜだか甚く喜ばれた。

 

「わーい!ライ君のお菓子だー!おいしー!」

 

「スイートポテト…美味ね…」

 

「めっさ美味しいな!頼人、今度うちでも作ってくれ!」

 

三人にも結構喜ばれたので、悪くない策であったと思う。

ふむ…少し多めに作っておいたので今日は三ノ輪家にいくつか持っていこうかしら。

 

書庫へ戻ると、秋隆は期待通りの働きをしていてくれた。

少し全体の様子をうかがった後、平静を装い作業の終わりを使用人たちに告げた。

途端に、皆素早く撤収作業を行っていく。

終わり次第、戻っておくように告げる。礼代わりに余剰分のお菓子を皆で食べてくれと渡しておく。

さて、今日くらいは、俺も三ノ輪家で過ごしていいだろう。そろそろ顔を見せないと心配かけてしまう。

銀たちのところに戻ろう。

 

 

夕方。

俺は三ノ輪家の縁側で、銀が拾った猫と戯れていた。

お前も、かわいいのぉ……

三ノ輪家にはかわいい奴しかいないのか?

あぁ~肉球が柔らかいな~。

疲れた頭は中々馬鹿なことしか考えない。

 

「よーりと」

 

と、後ろから銀に抱き着かれる。

銀からこういうことをされるのは少し珍しい。

甘く優しい、良い匂いがしてきて鼓動が早くなる。

 

「どーした銀?今日はお前が甘えん坊さんか?」

 

少し茶化して尋ねてみる。

 

「まぁ、そんなとこ。……なぁ、最近どうしたんだ?頼人がここまで、うちに来てなかったのは初めてじゃないか?」

 

流石に気付かれるか…。当然だわな。

もっとも、全てを語るわけにもいかない。

 

「なに、ちょっと野暮用でね。もうしばらく忙しいままだろうけど、じきに元通りになるよ」

 

隠し事はしたくないけど、こんなドロドロした世界のことを銀には知ってほしくない。

今は取引のこともあるし、伝えられない。

 

「……アタシたちのためか?頼人がそんなに頑張ってるのは…」

 

「…いや、ただ自分のやりたいことをやってるだけだよ。だから、銀が気に病む必要はないぞ」

 

そうだ。結局俺は、ただ銀が、俺の好きな人たちが幸せになってほしいから動いているだけだ。だから、これは俺の願望からくる行動。偉そうに銀のために、だなんていうことはできない。

 

「そー言うと思ったよ。……なぁ…もう少し頼ってくれよ。アタシも頼人の力になりたいんだ」

 

銀の言葉は嬉しい。本当に嬉しい。こういう奴だから、俺はここまでいかれちまったんだろう。

だけど、だからこそ、ここでだけは甘える訳にはいかない。

今甘えてしまったら、俺は俺を貫けなくなる。

 

「ありがとう、銀。その言葉だけで、俺は十分救われてるんだ。だから、大丈夫。そう心配しなくても、もう少ししたら頼りまくってやるんだから」

 

「……そっか、分かった。仕方がないから信じてやるよ。だけどほんとにヤバそーだったら勝手に助けちゃうからな!」

 

「銀のそーいうとこ、好きだよ」

 

体をひねって銀を抱きしめる。

温かい。

 

「わっ!不意打ちはやめろぉ!」

 

赤くなった銀にポカポカ叩かれる。

そうだ、大丈夫。この日常がある限り、俺はどんな道でも歩いていける。

銀が笑っていられるなら、どんなことでもできる気がする。

銀はきっと、俺がどれほど銀に救われたのかを知らない。

 

自分で自分をだましていたあの頃。辛くて、苦しくて、本当は誰かに助けてほしかったのに、大丈夫だと自分に言い聞かせていたあの時、君だけが俺を見つけてくれた。君だけが俺を救ってくれた。

俺が初めて人を頼った瞬間。

君が俺を変えてくれたんだ。

君が俺の人生に意味を与えてくれた。

だから、必ず君を幸せにする。

 

それが、赤嶺頼人の誓いなのだから。

 

 

 

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