第零世代神機使いが行く!   作:さくさくルミナ

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前回のあらすじ


門番「か、可愛い・・・くんかくんか」

主「キモっ、死ね!」

ツバキ「大遅刻だ。貴様が死ね」

主「申し訳ございませんでしたぁぁあぁぁ!」

アリサ「ふん、私の上官がこんなにマヌケなわけがない」


こんな感じ。


乱入はしょうがないよね、だって極東だもの

 

「目標のアラガミは何なんですか、リンドウさん?」

 

訓練も始まり、既に警戒体制に入っているというのに私は今更そんな質問をする。

しょうがないよね、だってブリーディングに遅れたんだもの。

 

「ん?ああ、そういえばいなかったな。敵はオウガテイルが3体だ。訓練だし、一人1体づつって感じだな」

「じゃー、安心ですねー・・・でもならなんでこんなに過剰戦力なんです?」

 

極東は常に人数が足りない状況じゃなかったのだろうか。

1体1体のアラガミ自体強いというのに、アラガミ総数も全支部1位と噂されている。だから私が元いた支部では地獄の地域と聞かされていた。

 

「あー、突然の乱入があるからなー極東は」

「あっ、ハイ」

 

極東クオリティですね、わかります。

 

「けどそんな頻繁にあるようなもんじゃないし、安心しな。それにヒバリもいるからすぐ教えてくれるさ」

『はい、レーダーにアラガミ反応があり次第すぐ報告させて頂きます!』

 

それなら安心だ。ゴッドイーターの死因で最も高いのはアラガミの奇襲である。それもレーダーに映っていたが、オペレーターが気づけなかったという理由でだ。オペレーターも人間なのだから見逃すのはしょうがない1面もある。ただそのせいで自身が死んでしまうのはごめんであるため、真面目そうなヒバリさんは当たりだろう。

 

『あ、標的のオーガテイルが3体、目標地点に進み始めました!』

「お、それじゃあ行こうや」

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

「──甘い!これで最後です!」

 

ザックリと赤い神機で両断されたオウガテイルは悲鳴をあげる間もなく地面にひれ伏す。

 

「流石新型だな、やっぱり両方使えると便利そうだ」

うん、と頷いたリンドウさんは少し羨ましそうにアリサの神機を見ていた。

 

「それだけじゃないですよ、アリサは性格は難アリなとこありますけど、戦い方は新人にしては文句なしですね。慣れてるって感じがします」

「そりゃあ、アリサは少ないが実践経験もあるからな。頭ん中じゃ今更オウガテイル(笑)とか思ってるんじゃないのか?」

 

やめてください、性格上違和感無さすぎですから信じてしまいます。

 

「ふん、今更オウガテイルとか相手にもなりません」

「「・・・プッ」」

 

流石アリサ、期待を裏切らない。今後良いネタキャラになりそうで楽しみだ。

 

「ちょ、なんで2人して笑うんですか!何もおかしいことは言ってないでしょう!」

「いや、アリサはやっぱりアリサだなって」

「会って数分の貴女に何がわかるんですか!?それに良いように聞こえますけど悪口ですよね!?」

 

そんなことなかよー。

 

「まぁまぁ、アリサ。お前が1番上手い戦い方だったぜ。悪口だって気のせいさ」

「・・・むぅ、リンドウさんがそう言うならそう思うことにしますが」

 

口を少しぷっくりさせて拗ねる表情をするアリサ。

え、何この可愛い生き物。性格直せば絶対ヤバイと思う。よし、私がなでなでしてあげよう。

というのは流石に嘘で行動には移さなかったのだが、代わりにというかリンドウさんが頭を撫でようとしていた。最も、悲鳴をあげられながら引かれてしまっていたが。

いけないよう、リンドウさん。年頃な女の子を撫でようとしたら。なでなでされても大丈夫な私でも流石に急は驚くよ。

当の本人は気を紛らわすためか、単に話題を広げるためか、動物に似た雲を探すんだとかなんとか言ってた。うん、全部わたがしだ。

 

「リンドウさん、そろそろ帰投しましょうよー。ユウさんとかコウタさんとか暇そうにしてますしー」

「おー?わかった、わかった。今からヘリ呼ぶから──」

 

『レーダーに強力なアラガミ反応!?それもリンドウさんの所・・・いけない、リンドウさん離れて!アラガミが地面から現れます!』

 

「なっ・・・サクヤぁ!後方支援頼む!ソーマもこっち来てくれ!新入りどもは後方で待機だ!」

 

それ、一緒にいる私も避けないといけないやつじゃん!ていうか流石極東クオリティ!期待を裏切らない!

しかし急な戦闘でも体制を整えるのが早いのも極東クオリティという所だろうか。キッチリ前衛、中衛、後衛が完成されていた。・・・アリサだけが戦おうと前に出ようとしていたが。

 

『大型アラガミ、2体来ます!』

 

しかも大型が2体も!と叫ぶ暇もなく、それは現れた。

 

「「キシャアァァ!!」」

 

ボルグカムラン通常種。硬い殻に覆われていて耐久力に定評があるアラガミが地面から生えてくる。

そんなアラガミが自慢の尻尾の槍を構えながら突進してくる。

 

「ソーマ片方頼んだ!亜花梨はサクヤと同じく後方支援を頼む!」

 

・・・げ。後方支援苦手なんだけど。

しかしそんなことは言ってられないので仕方なく私は2丁の拳銃を構える。

そして狙いを定め、打とうとした瞬間。

 

「──んな!?」

 

短くソーマさんが驚きを声をあげた。

それもそのはず、片方のボルグカムランは追撃しようとしていたソーマさんを飛び越え、こちらに向かってきたからだ。

──否。それも正しくない。ボルグカムランは私をも超えて更にその後方。

 

「おい、嘘だろこっちに来るぞ!?」

コウタさん達がいる所へ。

 

「クソッ!」

身を翻してこちらに走るソーマさん。しかし流石に遠すぎる。このままだと間に合わない。

守れるとしたら1番近くにいる私。

ボルグカムランは既にその槍を突き刺そうとしている。

アリサは少ないものの実践経験が役に立っていて装甲を展開している。しかし、装甲を出せないコウタさんは逃げれずにその場で固まり、ユウさんはそんなコウタさんに覆いかぶさって守ろうとしていた。

 

「──ユウさん、立派だけど装甲で守ろうとすれば完璧だったかな!」

 

コウタさん、ユウさん、そして装甲を出しているアリサよりも前に滑り込み、ボルグカムランと対峙する。

砂埃を巻き上げ視覚が多少悪くなるが、目線は鋭利な尻尾は逃さないように睨めつける。

 

「亜花梨さん!?装甲も出せない人がなんで・・・!」

 

ボルグカムランはその通りだと嘲笑うかのようにけたたましく雄叫びあげ、その尻尾を僅かに引き・・・。

 

「いい?アリサ。この部隊が掲げているのは『死ぬな』。それを導いてあげるのが先輩であり、上官の私。だから・・・」

 

尾の槍が空気を貫く。

一気に砂埃が舞い、視界が悪くなり2つのカタチが姿を暗ます。しかし片方は大型故の地響きを鳴らし、雄叫びが聞こえる。

 

「亜花梨さん・・・、なんで・・・。」

 

装甲を出せない零世代神機使いが荒神の直撃を喰らえばどうなるかなんて容易に想像ができる。

なぜ。なぜなのか。守るような関係でもないだろうに。

ただその思考が頭の中で回り続ける。

 

 

「──ゔぇっふ!砂埃ひど!目に入りそうなんだけど!」

「・・・え?」

 

アリサがなんか呟いてたけど何て言っているかはよく聞こえない。とりあえず砂埃が酷いから除けたい。()()()()()()()()()()なんでこんなに舞ったのか謎すぎる。

 

「亜花梨さん、なんで生きて・・・」

「ちょ、勝手に殺さないで!?」

 

さっきよく聞こえてなかったけど、死んだとか言われてたんですかね?流石に私だって防ぐ方法なかったら前なんか出ないからね!?

そうこうしているうちに風で砂埃が流れ、視界が晴れる。それにより先程の攻撃を防いだ物の正体が現れた。

 

「透明なシールド・・・。あんなの見たことない」

 

私の唯一の防御手段であり最強の盾、オラクルシールド。持っている2丁拳銃で互いに違う種類の弾をぶつけ合わせ、効果を発揮するそのバレットは交ざりあった瞬間に半透明の壁をその場に生成する。

世界で唯一2丁装備出来る私の、私だけのバレット。

 

「ま、まぁ、そんな教訓掲げてるんだから安心して上官の動きでも見ときなさいな」

「キシャアァァ!」

「──っと、じゃあやりましょーかね。ソーマさん、フォロー頼みます」

 

どうやらあちらは自慢の攻撃を防がれて怒り心頭って感じだ。

 

「・・・フォローって、基本遠距離型がするもんじゃ・・・」

 

そう言いながらもバスターソードで牽制攻撃するソーマさん好きだ。きっとツンデレ枠だろう。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

その隙に私は私の仕事をしよう。

30cm未満だったサイズの拳銃はその形を変貌する。捕食形態時に現れる黒い物体が銃を包み、寸胴だった神機は銃口に向かうほど幅広になり、サイズも1.5倍まで膨れ上がる。

 

「ソーマさんありがと!」

 

仕事ぶりを労るようにニコりと笑い掛け、戦闘に参戦する。

アラガミへ向かって突進し、遠距離型の適切距離を超え、更に近接型のソーマさんよりも更に近づく。

 

「っておい!近づき過ぎだ!」

「大丈夫。これが私のスタイルだから」

 

ボルグカムランが絶好のチャンスとばかりに尻尾で突き刺そうとするが、身体を捻りながらジャンプしその攻撃を避ける。尻尾を地面に突き刺してしまい、抜こうと躍起になっているその姿は隙があるなんてレベルではない。

勿論、それを見逃してあげるほど慈悲深くはない。

空中で銃を構え、無防備となっているその頭へ銃口がコツリと当たり。

 

「とりあえず勝手に出てきた迷惑料だし。貰っとけ!」

 

ズドンッ!

 

「ギシャァアァア!!?」

 

零距離で放たれた2つのそれは相手の頭をぐちゃぐちゃに変形させた。

まだ物足りないと、着地するや否、私は更に強力な武器である尻尾の槍をこれまた零距離で攻撃する。

地面に刺さったまま半ばからちぎれる尻尾。これでボルグカムランに勝機はない。

勝てないと悟ったか、短くなった尻尾を振り回しながら一目散に撤退していた。

 

ふはははは!任務を邪魔した挙句に私を砂まみれにした貴様を逃がすわけなかろう!

 

「ショットガンからスナイパーに移行!」

 

心の器が小さい私は危害を負わせた相手をみすみす見逃すほど甘くはない。

神機を包む黒い物体が外へ外へと放出されていき、ずんぐりとしていた神機はシャープな形状へと変貌する。

ブラスト時よりも2倍ほど長くなったそれが向いている方向は勿論、ボルグカムラン。

無様にさらけ出しているその後ろ姿に2丁の銃を構え、引き金に指を置く。

 

「──ファイヤ!」

 

一瞬敵のスピードが緩んだその隙間を縫って、2つの銃弾がボルグカムランを貫いた。

 

「・・・めちゃくちゃだな、おい・・・」

 

コアを見事に射抜かれ、絶命しているであろうボルグカムランを見ながら呟くソーマさん。

・・・何がめちゃくちゃなのだろうか。攻撃を防いだり回避するのは当たり前だし、その隙を狙って攻撃し返すのも戦闘を有利に進めるための必須スキルだ。──はっ!もしかして最後コアを破壊してしまったのがいけなかんたんだろうか。いくらありふれたコアと言っても無いよりかは持ち帰った方がいいだろう。それを破壊していまい、コアがめちゃくちゃだな・・・と、そういうことか!

 

「──すみません、ソーマさん。めちゃくちゃでしたよね。次から気をつけます、こんなのでも大切な資源ですもんね」

「・・・自覚はしていたのかよ。それより、こんなのとか言うな。もっと大事しろよ。替えはいるのかもしれないが、同じやつは絶対にいないんだ」

 

ヤバ・・・、極東はそこまで資源にこだわっていたんだ。最前線と呼ばれるくらいだし少しの資源も無駄にできなかったのかもしれない。・・・もしかして取り返しのつかないことをしてしまったのだろうか。

 

「申し訳ございませんでした!気をつけますから初日から見捨てないでくださいぃ!」

「する訳ないだろ!引っ付くな!・・・チッ、話しすぎた。戻るぞ」

 

た、助かった。初日部隊脱退させられるとか絶対に良い噂が流れないからそれだけは回避したかった。心の器の広いソーマさんに感謝だ。

 

「了解です!」

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

「ふん、戦い方は独創的すぎるし、ソーマさんに何やら怒られてますし、やっぱり全然上官ぽくありませんね!」

 

隣でそう言い切っているのはアリサさん。訓練では凄い成績だったらしいけど上官相手にそれは失礼だと思う。

 

「いやいや!亜花梨さんがいなかったら俺達死んでたから!」

 

そうそう、コウタさんの言う通りだ。私もコウタさんを庇おうとしてたけど正直あれ無意味だった。もし刺されてたら絶対コウタさんまで貫通してる。

 

「私は大丈夫でしたけどね、貴方達が弱いせいじゃないですか?」

「なっ、俺には装甲がないから防げないんだよ!それにそこまで言うなら俺達も一緒に守ってくれてもいいだろ!」

「え、あっ・・・わ、私がどうして雑魚の貴方達を守らないといけないんですか!(守る余裕がなかったとかでは断じてない!)」

 

コウタさん、アリサさんがいくら優秀だとしてもそれは求め過ぎだと思います。だってアリサさんも一応新人な訳ですし。いきなりの大型相手に装甲張れただけでも凄いと思います。

 

「──なぁ、ユウ!お前からもなんか言ってくれよ!」

 

えっ、私からですか?そうですね、特に2人に関して言うことはありませんが・・・。

 

 

「とりあえず、亜花梨さんカッコよかったですね!」

 

 

「「・・・・・・え゛?」」

「あ、カッコよかったとは女の子相手に失礼ですね、ではカッコ可愛いと言った所かな、でもあのお姿はカッコ可愛いなどという言葉では言い表し切れません、ああ、あの時のお言葉を聞きました?華麗に私達を守りながらアドバイスまで頂けるあの余裕さ、立ち回り!見えた背中は頼もしく威厳溢れる佇まい!そこから始まる圧倒的な蹂躙!普通ならあそこまで滅多打ちにする必要はないです、オーバーキルです!でも、それを為さったということは新人である私達を殺そうとした相手に対し怒りを現したということです!ああ、会ってまだ僅かな私達の関係だと言うのになんて温情溢れる御方!もう亜花梨さんなんて呼べません!お姉様です、もうお姉様です!それ以外有り得ません!大好きです、お姉様!一生このユウは付き添っていきます!」

 

何やら驚いた表情で私を見ていますが気にしません。問題ありません、ノープロブレムです。

 

「え、ちょ、ユウ?」

 

ああ、他人の声なんて聞こえません、私はお姉様に今すぐにでも逢いに行きたい!

 

「──お姉様ぁぁああ!」

 

 

結局、酷く驚いてユウから逃げ回ったのちにお姉様は却下されたそうな。(コウタ談)

 

 

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