今の所、世界の命運は俺にかかっている   作:流石ユユシタ

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19話

 今度はあちら側、一単色高校の自己紹介。淡々と自己紹介する中一人の教師の番になる。生徒だけでやるはずの自己紹介だが合同会議であると言う事でもしかしたら中々意見の食い違いなどから会議が円滑に進まない場合教師が手を貸すと言う事で配置されているのだが・・・。

 

 この教師、名前を坂本典礼。かなりのイケメンであり、この一単色高校では物凄い人気のある教師だ。年は結構取っているがイケメンであるので女子人気高め、男子からもノリがいいので人気がある化学を専門にする教師。

 

 

 

 ただ、過去に少し火原火蓮の両親と因縁ともいえる物がある。嘗て高校時代を同じクラスメイトとして二人と過ごしていたのだ。そして、火蓮の母である火原孤火奈。旧姓赤井孤火奈に好意を持っていた。高校時代の赤井孤火奈は物凄いモテた。

 

 誰もが彼女に見とれてしまうのだ。そして坂本典礼もその内の一人だった。他の物と違う点は彼は自身に物凄い自信があった、プライドがあったと言うところだろう。

 

生まれた時からなんでもうまくいってほしいものは何でも手に入れて欲望という物に際限がなかった。その彼が唯一手に入れられなかった物ともいえるのが赤井孤火奈。自信満々で告白したら玉砕してその告白した場所で無理やり自分のものにしようとしたところを火原炎羅によって阻止された。

 

孤火奈はこの時に炎羅に好意を持っており、炎羅も元から孤火奈の事は気になっていたので付き合うことになったのだ。

 

これが坂本典礼には許せない。火原炎羅は勉強もできない、運動も出来ない、ドジでマヌケでよく馬鹿にされていた、自身でもしており完全に下に見ていた生徒でもあった。だからなんとか仕返しをしようとするがそれが成功しない。

 

二人は常に一緒にいてほとんど一人でいない。そして、ダメダメだった炎羅が付き合う事をきっかけに今まで以上に様々な事を頑張るのだ。

 

 

それにより、周りが徐々に認め始める。そして今まで自分と一緒に馬鹿にしてきた連中も彼と仲良くし始めた。しかし坂本典礼はプライドと屈辱でそんなことはしない。そのうち、孤立をして高校を卒業した。

 

 

 

 恨みを抱えながらも復讐する機会など無く恨みは彼の中で残り続けた。だが、もう昔の事だからと気にしないことにしたが教師となり一単色高校で教師をしているときに合同体育祭が行われそこで火原火蓮を見つける。

 

彼は一目で確信する。嘗ての赤井孤火奈そっくりなのだから。そして火原と言う苗字で結婚してできた子供という事も簡単に予測ができる。

 

 

ここで昔の恨みが沸々と彼にわいてきた。先ずは合同会議が終了した後学校の見学を進められるだがその中で彼は火原火蓮に話しかける。昔君の両親とクラスメイトだったと・・・

 

話に興味を持った彼女は見学をしながら聞くことにした。最初は普通に見学をするのだが理科準備室を見学するときに鍵を閉め急に彼女に襲い掛かる。

 

そこには人などいないし男の力に勝てるはずもなくなされるがまま・・・。写真を取られ彼女は脅される。最初は娘に多少の汚点を残せればこれくらいでいいかと思っていた。しかし、彼の恨みと何かがここで枷が外れてしまう。

 

写真による脅しはかなり彼女にとって有効手段で何度も行為に及ぶうちに倫理観が壊れ火原火蓮を殺してしまう。もちろん坂本典礼は警察に捕まったが火原火蓮の命はそこで終わりを告げる。

 

 

 坂本典礼と言う人物は元から狂気的な何かを持っておりそれが火原火蓮を好き勝手しているうちに完全に表に出てしまった。

 

 

 『魔装少女のif』の小説では特に坂本典礼の恨みと嫉妬が書かれていた。恐らくだが彼女を実行委員にしなくても合同体育祭で彼女の顔を見たら恨みを思い出すだろう。

 

火原火蓮と言う人物を見つけたら彼の中にある狂気的な物が出てきて行為に及ぼうとする。それなら今すぐにでも解決した方がいい。

 

 

 

 

 合同会議は実行委員長である福本成美と金子太一が適当に進めてるので他の実行委員は何もしなくてもいいとまでは行かないが殆ど聞き流し状態。そんな中坂本典礼は何度も火原火蓮へと目線を向けていた。これはもう今すぐにでも豚箱にぶち込みたいが・・・流石にそれは出来ない。

 

 

 

 銀堂コハクの時と同じようにヘイトを俺に持っていくか・・・。ちょっと煽ればすぐに手を出してきそうなやつだ。煽って俺に敵意を向けさせそして・・・ぶっ飛ばす。警察に連行。これで完璧だ。

 

 

「それでは以上で会議は終了と言う事で何か質問や意見がある方はいらっしゃいますか?」

 

あちらの実行委員長である福本成美がぐるりと周囲を見回す。特に誰も言う事も聞くこともないようだ。さて、普通ならここで解散になるはずだが・・・

 

「では、これにて合同会議は終了と言う事でよろしいでしょうか?」

 

確認して会議を終了と言う形とする。皆ノ色高校の実行委員はここで帰るのだが・・・

 

「ちょっとまってもらえるかな?」

 

全員が坂本典礼に視線を注ぐ。ここで適当な理由をつけて学校見学を勧めるんだよな。この時火原火蓮を陥れようと考えているが一対一を作る為なんだよな。そして、出来なくても皆ノ色高校を尾行でもすればいいと思っている。

 

 

「せっかくだから皆ノ色高校の皆さんに校内を見学してもらいたいんだよ。自分たちの校内と見比べてここが良いとか、改善した方が良いとか意見を聞きたいんだけどどうだろう」

 

 

「確かにいいかもしれませんね。大分予定より早く会議も終わっていますから。皆はどう思う?」

 

金子太一が実行委員たちに質問を投げかけた。他の実行委員も特に異論はなく全員が軽く頷くことで見学が決まることになる。

 

 

やっぱりこうなるか。坂本は火原火蓮に目線を向けている。俺が知っているという事による錯覚かもしれないが何処か狂気的な視線に見える。

 

俺が取りあえず火原火蓮と一緒にずっと周ることで牽制と同時に挑発にもなるだろう。過去の中で一番恨んでいるのは俺の予想だが赤井孤火奈より火原炎羅だと俺は思っている。

 

火原炎羅と言う人物は下に見ていた男でそれなのに自分より最後は友達に囲まれ自身の好きな彼女を奪ったという意識があった。赤井孤火奈にも恨みはあるのかもしれないが本命は火原炎羅。

 

ここで俺のすることは火原火蓮を坂本から守るようにすることで、それは嘗ての彼が最も嫌う火原炎羅の影を俺に見る可能性があると言う事。

 

もちろん火原炎羅はイケメンであり顔は全くにていない。身長も俺の方が低い。

あくまで影である。

 

 

嘗ての赤井孤火奈を守った姿を俺に見ればヘイトは俺に向く可能性はある。そうすれば銀堂コハクのストーカーの時みたいに一対一で激辛水鉄砲をぶっぱしてその後警察に通報。これで解決。

 

 

 

 

「それじゃあ、自由に見ていって」

 

 

坂本の言葉をスタートに実行委員は動き出す。俺は火原火蓮と一緒に取りあえず図書室に行くことにした。校内ではあまり多くないが多少の生徒とすれ違い珍しい他校の生徒がいるのでちらちら見られる。

 

「何か見られるわね」

「珍しいんでしょうね。他校の生徒が校内にいるなんて普通はありませんから」

 

なんてことない話ながらも後ろに意識を向ける。坂本は校内だから堂々と俺たちの後をつけてる。俺と言うより火原火蓮の方なのだが俺がいることで手は出せないだろう後は俺に火原炎羅の影でも見てくれればいいんだが。

 

 

図書室に入るとそこには当たり前だが途轍もない数の本が置いてあった。彼女は最初にぐるりと全体と見まわしてあるものを見つける。

 

「あ!! 『魔術学院の出来損ない』置いてある!!」

 

嬉しそうに彼女が寄って行った場所はラノベが置いてあるラノベコーナー。図書室にラノベを置くとは結構斬新だな。だがこういうのには俺は賛成だ。

 

「こういうの嫌いじゃないわ!!」

「そうですね」

 

二人で話していると坂本が俺たちに近づいてくる足音が聞こえる。

 

「なにか気になることありましたか?」

「え? あ、いえ、特には・・・」

 

急に引っ込みの彼女が出たな。ほぼ初対面の相手には中々心の開かないのが彼女の特徴だがこの相手にはそれでいい。

 

俺は彼女を庇うように前に出た。僅かに坂本が反応をする。俺の行動が何か刺激したようだ。

 

「えーと、確か坂本先生でしたよね?」

「・・・覚えていてくれたんですね。黒田君」

 

お前も覚えてるのか。別に覚えられてもうれしくもないし、得も一切ないから覚えなくていいんだが。

 

「君は火原火蓮さんだね」

「はい・・・」

 

火原火蓮は軽く一礼すると目を逸らした。彼女を背中に坂本と向かい合う。相手は笑顔だが何処か冷めていて狂気的に見えた。

 

「どうだい? うちの高校は?」

「綺麗で大きくてラノベが図書室に置いてあり良いと思います」

「・・・私も同じです」

 

少し控えめに彼女は返事をする。相手は笑って接しているが俺は特に無表情で接し続けた。

 

「そろそろ次の場所に行きましょうか。先輩先に行ってください。俺は先生に少し話があるので・・・」

「あ、うん」

 

火原火蓮を先に行かした。坂本典礼と一対一になる。

 

「黒田君は話ってなんだい?」

「一言だけ単刀直入に言いますね・・・・・・火原火蓮に手出したらぶっ飛ばす」

「!!」

 

僅かに坂本典礼の表情が笑顔が崩れてあとずさった。

 

「例え手を出すにしても俺を倒してからにしないと・・・上手くいきませんよ」

 

俺はそのまま通り過ぎて図書室から出て行った。後ろから強い視線を感じたが特に気にしないことにした

 

 

「何話してたの?」

「あの人化学の教師らしいので化学的な質問をしたんです」

「どんな?」

「・・・シュレディンガーの猫について」

 

いや、恥ずかしい。坂本典礼に言ったセリフも結構厨二っぽいし、今ついた嘘も質問がシュレディンガーって・・・

 

「あ・・・そう・・・」

 

何とも言えない気まずい感じを出したその後小さく呟いた。

 

「やっぱり厨二病って本当だったんだ・・・」

 

 

シュレディンガーの猫を厨二野郎が好きっていうのはなんかジンクスがあるようにかんじるから勘違いされて仕方ないのかもしれない。

 

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