今の所、世界の命運は俺にかかっている   作:流石ユユシタ

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大学が最近忙しい……。法の論述問題が難しい。まぁ、今期はレポートとかで良いんですけど……。皆さんもコロナ気を付けてください。

私の友達がコロナなったみたいなので、私は地方に居るので移る可能性は皆無なのですが、油断せずに行動します。

長々失礼しました


36話

 痛い、痛い、痛い。怖い、怖い、怖い。

 

 ただ、その感情が僕を支配していた。蹴られた足が熱く、ジンジンと激痛が走る。

『痛いっ!!! や、ヤメテ!! お父さん!!』

 

 僕は足を抑えてその場にうずくまる。母が僕を抱いて僅かな安心感が湧くがそれでも恐怖が支配する。

 

『貴方!! もうやめて!!!』

 

 母は僕を庇うようにするが本当は自身も恐怖していることを私は知っていた。僕も母もずっと目の前男に虐待され恐怖によって支配されているからだ。何時からか分からない。でも、物心ついた時からずっと。

 

『おい、背デカいな』

『巨人の女だ』

 

 

 学校では同学年のクラスの男子に背が高いことで馬鹿にされた。それを庇ってくれたのは何時も女子生徒だった。学校では少しの間安心感が持てるようになった。

 

だが、家に帰ると恐怖だった。

 

 あの男は外面だけは一丁前で外では仲がいい家族を演じるように仕向けられる。僕も母もそんな生活だった。

 

 だが、ある時転機が訪れた。勇気を出した母が記録を取りそれを警察に提出したのだ。それによりアイツの魔の手から解放された。あの時の安心感、幸福感は途轍もない物だった。

 

家でも学校でもようやく最高の日々が送れると思っていた。毎日のように男子が背の事で馬鹿にする中、女の子の友達が毎日庇って、遊びに誘ってくれた。この時の僕はバカだったと思う。もっと、早くあの事実に気づけばいいと思ったからだ。

 

中学に入り、初めて気になる異性が出来た。中学一年生の二学期告白しようと思って手紙に思いをつづった。背の高い二つ上の先輩。

 

 

一学期から気になっていて、思えば一目ぼれだったのかもしれない。話したことなんて殆どなかったが想いはあった。本当に僕はバカだ。男なんてクズしかいないのにその事実に気づけたはずなのに気付かなかったのだから。

 

 

 『先輩……僕と付き合ってください』

 『いいよ。付き合おうか』

 

その時は嬉しかった。思いが成就したと思ったから、でもそんなのはただの幻想。付き合って一週間、偶々廊下で話し声が聞こえた

 

『そう言えばお前あのデカい後輩と付き合ってるんだっけ?』

『ああーー。まぁ、一応』

『お前、別の子気になってるんじゃなかったけ? 一つ下の三組の……』

『そうなんだけどさ。振られちゃったんだよ』

『じゃあ、あのデカい子はキープ的な感じなのか』

『そうそう、身長高すぎてちょっとキモいけど顔とかはいいから。取りあえず付き合うだけ良いかなって』

 

 

 

ケタケタ笑い声が聞こえる。僕の体は震えていた。悲しくてやりきれない。怒りでどうにかなりそうだという気持ち。だけど、悲しさが大きく、喪失感が強く何も出来ないまま教室に戻った。中学に入っても背が高いことで弄られる事は多かった。

 

『巨人、前見えね』

 

後ろの席の男子。ふざけて言う。それに釣られて他の男子も笑いあう。それを同じクラスの女子が庇ってくれた。この時、ようやく気付いた。

遅すぎるがようやくだ。

 

これまでも人生でいつも自分に害があるのは男と言う存在。元父であるあのクソ男。そこからもずっと自分を傷つけてきたのはアイツらだ。

 

人生でいつも幸福をくれたのは女と言う存在だ。母の安心感もそうだが、何かあった時にいつも手を貸してくれた。

 

これに気づいたとき、男と言う存在に対し、最悪以外の感情は抱かなくなった。だけど、周りの女子は男が気になって仕方がない人が多かった。

 

それは、高校に入って強く感じるようになる。友達になった子、中学からの知り合い。皆悪い子じゃない、だけど全員男が気になっている。異性が気になって仕方がない子が多い。僕がおかしいのか? 男が嫌いな僕は何処か違う生き物なのか?

 

何か寂しさと言う感情が生まれた。周りに合わせて男子が好きだと言う事はどうしても出来なかった。周りの女の子は皆差別などはしないが寂しさが埋まることはない。だけど、一人面白い子を見つけた。

 

綺麗な赤のツインテール。可愛くて少し大人しさを感じる少女、自分の前の席でいつも本を読んでいる。本当にひたすら読んでいる。

 

『火原さんって好きな俳優とか居るの?』

『あ、ごめん、私そう言うの分からない』

 

『火原さんってどういう人が好きなの?』

『……強いて言うなら魔術使える人かな』

『??????』

 

彼女はあまり人と接しない。本当に最低限でずっと本を読んでる。偶にニヤニヤしたり、一人百面相したり忙しい。彼女に対して何か通じるものを何処か感じていた。僕は彼女の後ろの席の事もありよく観察できた。見れば見るほど面白くて、仲良くなりたいと思えた。

 

『火蓮ちゃん』

 

後ろから話しかける。彼女は振り返り僕を見た。

 

『何?』

『いつも何読んでるのかなって、思ってさ』

『魔術学院の出来損ない』

『面白い?』

『それ以外の感情は無いわね』

『あ、そうなんだ』

『もしかして、興味ある?』

『ちょっと、だけ、有るかも』

『そう! だったら教えてあげる!!!!』

 

そこからはマシンガントーク。後半から、いや前半からもう何を言ってるのか分からなかった。ただ、分かったのは彼女は物凄い二次元好きでそれ以外はあまり興味がない。気難しいところもあるけど、饒舌になることもある。

 

後ろの席だから少し話す機会が増えていった。二次元の話題以外は本当にどうでも良さそうで、可愛い服の話になった途端欠伸をするくらいだ。

 

 

それが可愛くてだんだんとスキンシップが増えた。彼女はビックリすることが多いが受容体質なのか嫌がる素振りは見せない。その為僕もどんどん過激なってしまった。他者とのズレを感じていた自分にとっては彼女との時間は甘美な物だった。彼女はどう思っているか分からないが僕は友達に成りたい、成れたらいいなと感じていた。

 

そんな彼女が急に変わった。ある日からお弁当の本を読んだり、ラノベ以外の本を読んだからだ。原因は直ぐに分かった。

 

好きな人が出来たのだと。寂しさを感じたが彼女が幸せになればいいとも思った。僕にはもう理解できない感情。でも、彼女は違う。

 

ズレテイルと言う感情が再び強くなる。でも、それでいい。

 

相手は恐らく、色々噂が経っている一年生だろう。入学早々病院に運ばれたちょっと怪しい。その相手は本当に良い奴か? と軽い疑惑を感じているとき……

 

 

――ある物を見つけた

 

 

そこに載っているのは……これは本当か? どうなんだ? 

 

もし、もしだ。ここに書いてあることが本当なら……

 

こんなことは許せない。僕だからこそ異常な怒りが湧いてくる。

 

確かめないと、そしてどうにかしないと。

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 体育祭が終了した翌日。俺は欠伸をしながら登校する。さて、体育祭が終わったという事は次は中間テストだ。

 

 そして、これこそが次なるバッドエンドなのだが……。今回に関してはかなり難しい。先ず第一に黄川萌黄の好感度が何故か異常に低い点。これはちょっと分からない。あれか? 美人二人と仲良くしてるからか? 

 

 それとも火原火蓮が取られたことの嫉妬か? この時間軸では『原作』でも、『バッドエンド』でも彼女達のつながりは殆どない。ただ、黄川萌黄の一方的な物だが火原火蓮への好感度はかなり高い。

 

 

 彼女は自身が男嫌いと言う事で何処か他とのズレを感じ悩みがあった。そこで火原火蓮と会い彼女に対してシンパシーと言う物を少し感じていた……らしい。この辺りはそこまで詳しく書かれていない為、絶対とは言えない。

 

 でもなぁ~、彼女は利己的な感情であそこまで酷いことは言わないんだよな。男嫌いとは言え無闇に攻撃はしないのが彼女だ。

 

 

 入学直ぐに佐々本と怒られたがあれは、本当に佐々本が悪く周りに不快を感じる生徒がいたからこそ怒ったのだ。彼女はあそこまで言うという事は何か訳ありか?

 分からない。何か訳ありな感じがするが……。

 

 

 回避方法はいつも通り俺にヘイトを向けてぶっ飛ばすという方法一択。その為に彼女の守護霊ポジに行きたいのだが、今の状態で行ったらガチで警察に突き出されそう。四人目の事もあるのにそれは困る。

 

その為に何とか協力関係的な感じにしたいのだが、現時点では難しい。何とか彼女の強く当たる原因でもわかればいいのだが、そう簡単に行くだろうか。現時点では話すら聞いてもらえるか……。

 

 

そんな事を考えているうちに教室までたどり着いた。扉を開け中に入ると、教室内は若干暗い感じだった。どうしたんだ? 

 

「おい、十六夜」

「どうした佐々本」

「もうすぐ中間テストなんだ……」

「そうだな。テストだな」

「このままだと……俺は……」

 

 

 

なるほど、それで他の男子生徒も暗い顔をしているのか。俺は前世の知識があるので多少大丈夫……ではない。

 

 

俺は勉強がまず好きではない。特に英語と数学。英語は文法が難しい。

数学は普通に難しい。それ故わからん。まぁ、今の俺には勉強は二の次だ。黄川萌黄の事だけを考えよう。

 

 

彼女は結構人気が高かったキャラである。人気投票では火原火蓮と同じく二位から五位を上下する程だ。彼女は男が嫌いなのだが、そこかが良いと言う人もいた。

ファンからの一言に……黄川萌黄に罵倒されたいだの、蔑まれたいだのちょっと危ない感想が見受けられた。それと彼女は合気道、武術を独学で学んでいる。その強さ……

 

 人間と言うカテゴリで単純な強さなら、この世界で二番目くらいに強いらしい。近接戦闘センスが桁違いなのだ。因みに一番は六道哲郎。

彼女は筋肉が全くないわけではないが、力の使い方とかそう言った事に関してプロフェッショナル。

 

前世の一部の業界では、黄川萌黄に一本背負いされたい。武道でボコボコにされたい等と言う意見がネットに書かれていてちょっとビックリした。一時期、彼女のファンはドМが多いという結論が出回るほどそう言った意見が多かったのだ。

 

 

 

 俺はドМではない為、そんなことは一切ない。まぁ、程よい罵倒ならいいかも……いや、そんなことはない。

 

 

 

そんな事を考えていると、教室のドアが開く。六道先生だ。

 

「ホームルームを始める。いきなりだがもうすぐ中間テストだ」

 

教室内に緊張が走る。険しい顔をしているのは俺の席の近くの男子。銀堂コハクの近くにいる人は涼しい顔をしている。あそこらへんは頭のスペックが次元が違うためノー勉でも高得点が取れるのだろう。

 

「分かっていると思うが赤点を取ったら補修だ。約二週間後にテストが始まる。それまでにしっかり勉強しておくように」

 

こちらをちらっと彼は見た。教師は俺の席の近くには頭がヤバい奴が集まっているのは知っているから無意識のうちに見てしまったのだろう。

 

佐々本を筆頭にした男子生徒達は青い顔をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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