矛盾だったり、感想を見ているとネタを思いついたり本当に感謝です。まだまだ、評価は低いですが書籍化目指して頑張って行きます。
いつもありがとうございます。
よーし、よーし。何とか誤解が解けたぞ!!! クックック……。
これでストーカーしても通報されないな。本当に安心した。あの後、六道先生に報告をして先ずはそこで区切りをつけた。これから色々調査をしてくれるらしい。ネットの犯人は……まぁ、他クラス男子だと思う。美女二人と一緒に居たら面白く思わない者も出てくるだろう。それか、普通に面白がって行為に及んだかの二択だろう。
具体的な犯人は恐らく……特定できないと思うがそればっかり気にしておくわけにもいかない。今は誤解が解けただけで満足。満足。
現在は六時限目を聞き流しながら一人思考している。皆真面目に、いや、男子寝てる奴がいるな。そんなことはどうでも良い、うん。
中間試験の最終日まで時間はある。それまでは無理に接する必要はないかな? 無害な事が黄川萌黄に伝わったはずだ。
――キーンコーンカーンコーン
「授業はここまで。復習を忘れないように」
毎回、同じような事を言っている先生だが生徒を本当に心配しているように感じる。俺もそこそこ点数取っておいた方が良いな
「ああー、やべ、寝てた……」
佐々本が授業終了チャイムで眠りから目を覚ます。
「赤点は取らない方がいいぞ」
「そうだな……ま、一夜漬けでいいか」
そう言うと眠気が取れないのか、再び眠りについた。赤点常習の典型的な奴だな。
帰りのホームルームが終わると全員が早々に帰りの準備を始める。中にはこの後一緒に勉強しようと生徒同士で相談している者も見受けられる。俺は帰る。まだ、大丈夫。
「十六夜君」
「どうかしましたか?」
「えっと、色々気にしているかなと思いまして……」
「あんまり、気にしてないですよ。ネットなんてそんなものですし。真実もあれば嘘もあるでしょう」
「そうですか……」
「銀堂さんのせいとかではないので気にしないでください」
「え!?」
「いつもと顔が違いますし、銀堂さんは優しい人ですからそんなことを考えてるかなと思いまして」
「そう、ですか」
彼女からは気にしてるという感じがヒシヒシと伝わってきた。悪いのはネットに書いた奴で彼女ではない。
「本当に気にしなくていいです。ネットなんてそんなものですよ。真実もあれば嘘もある。そんなの一々振り回されてたら人生が窮屈になっちゃいますよ。所詮噂ですから、大丈夫です」
「……ありがとうございます」
「お礼を言われるほどでもないと思うのですが……どういたしまして?」
「……十六夜君は本当に優しくて、凄い人ですね……」
「銀堂さんの方が五億倍凄いと思いますが?」
「そ、それは違うかと……」
「そうですよね。ゼロが三つくらい足りないですよね」
「……フフフ、ジョークもお上手ですね」
割と本気で五千億倍以上凄いと思っているがそれが通じる事は無いだろう。彼女もジョークと取っているが。まぁ、いいか、元気が出た感じがするし
「それじゃあ、俺は帰りますのでまた明日」
「はい、また明日」
俺は教室を出ていく。今日はまっすぐ家に帰ろう
◆◆◆
十六夜君。ああ、もう、どうしましょう?
好感度が留まらない。益々上がってしまう。普通なら私に攻めの言葉位言ってもいいのに、あんな優しいことを言って。元気づけの為にジョークも言ってくれて。
そして、私の顔の変化を読み取るなんて熟年夫婦見たい。正直、前半で罪悪感のような物を払拭され、後半からはニヤニヤを抑えるので精一杯だった。
あんなに言われたら、その内我慢できなく……。いやいやいや。流石にそれはダメです。節操のない女と思われるのは最悪。気品のある乙女をこれからも演じなくては。今の所、全く、これっぽちも、変なミスとか言動とかはしていない。
大丈夫、私がこのままいけば結ばれると夏子さんからもお墨付きを貰っている。純真な乙女。乙女だ。このまま、完璧な優雅で気品のある乙女キャラで頑張って行こう。
でも、いつになったら? あんまり長く待てそうにない。早く欲しい。彼が。欲しい。
もし、付き合ったらどうしよう? 先ずはGPS? それともスマホのパスワード把握? 手料理以外食べる事禁止令? 他の女の子との関係性制限?
……まぁ、今は考えても仕方ない。追々考えていこう。そう言えば、私、結局連絡先交換できていない。恥ずかしくて聞けていないのだ。それに比べてあの女は……
あっさりと十六夜君の連絡先をゲットして……妬ましい。嫌いに近い感情。だけど、嫌いではないような感じも……いや、嫌い。私より先に連絡先を貰ったのが納得いかない。でも、今の私に聞く度胸は……ない。
恥ずかしいのだ。十六夜君の連絡先を聞こうとするとどうしても恥ずかくなってしまう。連絡先を教えて欲しいとか、どうにもできない。
何故? 彼女は出来た? 敵から学べって夏子さんも言っていた。彼女から学ぶ……。最近分かったが彼女みたいなキャラクターは『ツンデレ』と言うらしい。やってみる価値はあるか? 『ツンデレ』。
大体、行動パターンは把握している。最近、二次元の知識を蓄えつつあり、それとなく十六夜君と話せるようになってきている。やって、みよう、『ツンデレ』何か彼に効果があるかもしれない。連絡先も手に入るかもしれない
◆◆◆
「十六夜」
「お疲れ様です、火原先輩」
校門から出ると、火原火蓮が声をかけてきた。彼女もいつもより元気がない気がする。彼女もか。二人して、優しいというか、何と言うか。あっさり解決してやろう!!!
「あのさ……」
「気にしないでください。ネットなんて真実もあれば嘘もある物です。そんなの一々振り回されてたら人生が窮屈になっちゃいます。所詮噂ですからそんなことを気にするほど俺の器は小さくないですし、火原先輩のせいでは全く、これっぽちも無いので気にしないでください。逆にこれ以上気にする素振りを見せたら逆に怒ります!!!!」
「あの、まだ、なにも言ってないんだけど……」
「大体、分かります。先輩は顔に出やすいですから」
「あ、うん、そう? 何か、なんて言っていいか分からなくなっちゃった……えっと、ありが……」
「どういたしまして!!!!」
「だから、私殆ど会話できてないんだけど!? 何で被せてきたの!? RTA!? 早すぎるんだけど!?」
「その位、元気の方がいいですよ」
「も、もしかして、私を元気づけるために?」
「え? あ、まぁ、はい」
「嘘つき。ちょっと、面白がってたでしょ?」
「そ、そんなことないです」
「もう……でも、嬉しい、ありが……」
「どういたしまして!!」
「だから、最後まで言わせなさいよ!!!!!!!」
よし、元気が出たな。暗い雰囲気をぶち壊し、高度なギャグ空間にする事で、彼女をいつもの状態に戻すという高度な作戦は成功したな。銀堂さんはこういうメタな感じは把握できない。火原火蓮だからこそできるのだ。
「いい? 私は年上? からかうなんて百年早いわ」
「すいません」
「ま、いいけど……十六夜って、やっぱり面白いわね」
「そうですかね? 俺程平凡な奴はいないと思いますけど?」
「それは無理あるわね」
「そうですか?」
「うん、無理」
「まぁ、頭のねじは多少ぶっ飛んでるかもしれませんね」
「ぶっ飛んでるって言うより、優しすぎるって感じじゃない? 善人おっさん並みだから、将来変な奴に騙されないかちょっと、心配になるくらいよ」
「優しすぎるですか?」
「うん」
「それは、違いますね」
「え? 何処が?」
俺が一番優しくするのは彼女達だけ。善人おっさんは誰でも優しくするが俺は人を選ぶ。誰かれ構わず優しくするというわけではない。俺はそんな大した人物ではない。
「秘密です」
「はぁ!? そこは言いなさいよ!」
「すいません、これは流石に言えません」
「私、そう言う謎的な奴、滅茶苦茶気になるんだけど」
「まぁ、大したものではないですから」
「う~、気になる」
「すいません」
「いつか聞ける? その秘密?」
「それは無理かもしれません」
「ええ? 益々気になるじゃない」
言えるはずない。実は貴方に前世から憧れて大好きで、貴方の為なら何でもするつもりだって。恩返しがしたいって。
恥ずかしい。そして、頭おかしい奴認定間違いなし。
「大したことじゃないので」
「そればっかりね……あ!」
「どうかしましたか?」
「パパとママが……十六夜を家に連れて来いって……言ってたんだ」
「パスでお願いします」
「もう、毎日言われてるの……毎回、躱してるんだけど。私も結構辛いっていうか……その、圧が凄いって言うか……一回は連れて行かないとその内学校に直接車とかで向かいに来るかも……」
「ええ? それは、流石に……」
「じゃあ、来てよ」
「娘に冗談とは言えキスしようとしたので気まずいから行けません」
「そ、それはそうだけど。もう、両親公認だから」
「それは、それでダメでは?」
「私もそう思うけど、ね? 一回だけ? 良いでしょ? パパとママの圧が日に日に強くなってるの。一回だけだから。ね?」
「またの機会にお願いします」
「そこをなんとか」
「真面目に気まずいのでパスでお願いします」
気まずい以外の何者でもない。娘にキスをしようとしたんだ。どう考えても、ヤバい奴だろ。恐らく、好感があると言っておいて家に呼び、俺を殺す気だ。絶対いかん。
「はぁー。もう、あんまり、こういうのは恥ずかしいからやりたくないんだけど……」
彼女はちょっと、上目遣いで媚びるように俺を見つめた。
――お願い、来て?
「ッ!!」
そ、それは……そんな言い方されたら、クソ、顔が良い奴じゃないと出来ない高等テクニックをここで駆使するか。しかも、俺みたいな男子には効果的、やるじゃないか。
だが、残念。普段から銀堂コハクと火原火蓮自身とずっと接している俺は、美女に耐性が付いてしまった。申し訳ないが断らせてもらおう
「行きます」
「やった! じゃあ、早速行くわよ!」
「え? あれ?」
あれ? 断るつもりだったのに。口が勝手に……。彼女はスマホにパパっと入力して、すぐにポケットにしまった。
「もたもたしないで行くわよ」
「あ、あの、やっぱり」
「行くって言ったわよね?」
「あ、はい」
どうやら、俺に美女への耐性は全く付いていなかったらしい。
◆◆◆
ああ、もう、やっぱり優しいじゃない。この善人おっさんが!!!
十六夜はネタのノリ具合、そして気遣い等も出来る最高過ぎる、もう運命としか思えない程。私が十六夜に絡んだから変な噂がたったかもしれないのに、それを気にせず、場の空気を良くしようと面白い事言って。
もう、最高じゃない!! 最高過ぎるわよ!!! メインヒロインになりたい!! まぁ、直ぐに特別な関係は無理があるわよね、でも……
ククク、どうやら上目遣いは効果的の様ね。まぁ、私って結構顔が良いから。何と言ってもパパとママの子だもん。二人の子である私が可愛いくないはずがない。
でも、ああいうのって自分がやると物凄く恥ずかしいのよね。十六夜はかなり意識してたみたいだし良いんだけど……。今後はああいうのやった方がいいのかな?
恥ずかしいけど。効果ありなら……やろう。恥ずかしいけど。何故か分からないが最近異常に焦りが湧いてくる。今後、この修羅場が加速するのではないかと言う焦りが。萌黄は誤解だったけど、十六夜ならもしかしたら、本当に落とすかもしれない。
萌黄はスタイル抜群のモデル体型、そして僕っ娘。魅力はバッチリ兼ね備えている。万が一に備えて、今のうちに色々やっておかないと。
十六夜も男の子。若い男子。そして、恐らく女子に耐性がない。なら今度はあの手で行こう。貴方だけに秘密の私を見せる作戦。本来なら見せない面を見せることで男子は喜ぶって本に書いて買った。
見せない面……なんだろう? クーデレとか? ヤンデレとか?
ヤンデレ…………
ヤンデレと言えば何故かアイツを思い浮かべてしまう。銀堂コハクだ。まだ確定ではない、でも、もしかしたらヤンデレの兆しがあるかもしれない。もし、ヤンデレに覚醒して、そして十六夜がヤンデレ好きだったらどうしよう!?
練習しておくか? 普段見せない面。そして、先を見越してのヤンデレ属性の獲得。やっておいて損はない。
十六夜もどんどん突き進む感じ。私も見習わなきゃ。
でも、その前に今日の夕食ね……。お願いだからパパとママ。暴走だけはしないで!!!
十六夜に変な風に思われたくないの。だから、お願い。そう思って、先ほど連絡を入れた。家族全員が見れるグループに。
『今日、十六夜が家に来るって』
流石に、パパとママも大人だ。十六夜が来ると言っても、落ち着いた対応を……その時、携帯が鳴った。見ると……
『何でもっと早く言わないの!? 尾頭付きで鯛買ってくるわ!!!!』
『赤飯焚いておくよ。おめでとう』
ああ、不安だ……。胃が痛くなってきた。