昨日は、特に何事もなく彼女は帰宅することが出来た。送った後は直ぐに別れ、俺も帰宅した
現在は、授業中だ。カリカリと板書をする音が響く。眠そうにしている生徒や寝てしまっている生徒もいる。
「え~ここは」
教師は、授業を説明していく。その途中で、キーンコーンカーンコーン
授業終了の合図が鳴る。
「今日はここまで、復習をしとくように」
教師が教室を出て行くと、一気に開放感が広がる。この後は昼休みなので浮足も経っていた。
「十六夜。昼どうするんだ?」
「学食に、行こうと思ってる」
「俺も行っていいか?」
「いいぞ」
佐々本と、一緒に教室を出て行く。学食は、原作でも描写があったのを覚えている
カレーが絶品で美味しそうに食べるキャラたちが描かれていた。
食堂に着くと、既に生徒達が多く見受けられた。俺たちは食券を買い受付に提出した
「この学校美人多いな!」
「声が大きいぞ」
少し視線が集まる、俺は気まずいので目線を逸らした。
カレーを貰うと、佐々本と席を探す。彼もカレーを頼んでいた。
席はチラホラと空いているので適当に席に着く。
「頂きます」
「いだたきます」
カレーを二人して、食べ続ける。
・・・・・・美味い。星三つくらい、の美味しさ。
原作で、美味しそうに食べていたので気になっていたが、ここまでとは
折角幸せの気持ちで食べているのに、佐々本が水を差す
「なぁ、あそこにいる人超可愛くね?」
「カレー食えよ」
そう言いつつも、超が付くと気になってしまう。後ろを示唆していたので後ろを振り返る。
目を向けた場所に居たのは、炎のような少女だった
――火原火蓮、か
この世界の運命を背負った、魔装少女の一人。紅蓮のような長髪をツインテールにしている。瞳も綺麗な紅い色。
確かに、超が付くほどの美人という名が似合う。
「お! お前も見惚れたか」
「見惚れたって、訳じゃないけど」
「嘘つくなよ! あんなに見てたのに!」
かなりの大声で、言うので再び視線が集まる。
「おい、声がデカい」
「そうか?」
多分周りには、ガッツリ聞こえていたであろう。二回も大声で変な事を発したのでいきなり変なイメージが絶対ついたと確信した
二人で話していると、バンっと机が誰かに手を置いた。かなり大きめの音なのでびっくりして、手の持ち主を見る。
綺麗な黄金とも呼べる、ショートヘアーと瞳。顔立ちもとんでもなく整っている
そして、身長が凄く高い。
180センチ近くあるだろう。
彼女は、ただ不快そうにこちらを見ていた。ごみを見るような目で・・・・・・
「ねぇ、さっきからうるさいんだけど」
「あ、ええーと」
「・・・・・・」
佐々本は、彼女に言われたことにびっくりしているようで上手く言葉が出てこない。
俺は、うるさくしてないので黙って知らないふりをした。
彼女は、火蓮同様、超が付くほどの美人だ。
それもそのはず、彼女も魔装少女の一人。
黄川萌黄
彼女は、男嫌い女好きという性格。理由は、過去に色々あるのだが・・・・・・
彼女は、佐々本がうるさいと言うだけでなく、不快な男が馬鹿みたいに大好きな女の子の容姿だけを語っていることに苛立ちを覚えたのだろう
「皆、君たちのせいで不快になってるんだよ。まわりの迷惑を考えたら?」
たち?俺も入っているのか?
飛んだとばっちりだな。それにしても、美人が怒るとこんなに怖いんだな。
迫力がとんでもない・・・・・・
「すいません」
佐々本が項垂れながら、謝罪を口にする。佐々本が謝罪すると、黄川萌黄は今度は俺単体を睨みつける
「君は?」
「すいませんでした・・・・・・」
「気を付けてね。ほんっとうに、不快でしかないから」
顔を不快染めたまま、彼女はその場を去って行った。彼女の友達と思われる女子生徒の元に戻り、俺たちの事を愚痴っているように見える。
佐々本と俺は。カレーを食べた後黙って食堂を逃げるように出て行った
超が付くほどの美人である、黄川萌黄にあそこまで言われた佐々本は、そこから大分元気がなかった。
授業も、心ここにあらずと言った感じだった。まぁ、どうでもいいのだが
放課後になると、銀堂コハクは真っ先に用事を理由に帰って行く。俺は、急いで彼女を追う。
佐々本は落ち込んだままだが、明日には元に戻るだろう。
彼女は、昨日とは違う道で帰っている。これなら普通は、大丈夫と思うかもしれないが不運にも人通りの少ない場所で鉢合わせるのだ
ここから、エグイ話になって行く。先ずは不良二人組に無理やり路地裏に連れていかれ屈辱を受ける。心身に多大な影響を受けた彼女は、誰にもこんなことは話せない。
その次の日の朝。噂を聞いた不良仲間達十人ほどにも、集団でエグイ目に合う。
ここから、ドンドン人数が増えたり写真にとられたりするが、彼女は誰にも相談しない。
親には、迷惑をかけられない、という理由。年頃であるという理由もあるだろう。
なら、学校の友達、教師には?と思うが
教師にこんなことを相談はしにくい。そして、学校の友達には、彼女は絶対に相談しない。
友達という存在を彼女は信用しない。
その理由は、彼女の中学時代にある。彼女は中学の時ある親友がいた。
仲が良く、毎日話したり、一緒に登下校したり絆を深めていた。
だが、ある時転機が訪れる。
彼女の親友がいじめられていたのだ。同学年のスクールカーストトップに。
彼女はそれを知り立ち向かった。誰かの為に自分の為ではなく。
勇気を振り絞って、恐怖にぶつかって行った・・・・・・
それにより、いじめはなくなった。ゼロになったのだ。
だが、今度は彼女が標的になった。前から気に食わないのも理由に合ったのだが、
生意気な銀堂コハクに、非難が集まる。スクールカーストトップ達が徹底的に
彼女に嫌がらせを始めた。
必然的に周りもいじめっ子たちに見方をする。彼女を庇ったら今度は・・・・・・
その風潮が広がり誰も彼女を庇わない
いじめはエスカレートし、根も葉もない噂もたつ
彼女は、男好きで誰でも簡単に股を開く、援行をしているなど
彼女は苦しくて親友に救いの手を伸ばした。
助けてほしい。と
だが、手は握られなかった。苛めっ子達は、彼女の親友も取り込んだ
彼女の味方は誰一人いなくなった。助けたのに、手を取ってもらえなかった
あの時、私は勇気を出したのに親友を助けたのに。
見返りが欲しかったわけじゃない
でも、親友ではなかったのか?
なんで、一緒になって私をいじめるのか?
その葛藤の末、彼女はある考えに至る。
親友なんて、友達なんてあてにならない。信用できない
自分が不利な時だけ都合よく、助けを求める信用できない存在
私が、馬鹿だった。
変な正義感を出すべきではなかった。
誰かの為に行動すると、自分が傷つく。あの時は、無意味な事をした。
もうあんなことはしない。打算で生きていこう
私は、友達なんて、親友なんて二度と信用しない
彼女は、心の扉を閉ざしてしまい、あくまで外面だけで行動するようになった。
笑顔を振りまくが、誰にも心は許さない。
このことが解決するのは、大分先。
彼女を取り巻く現状と、過去が最悪ルートに向かってしまう。
誰かに助けを、求めない、求められない。
彼女の悲しい結末。
俺は、何とかしてこの物語を変えないといけない。
その為には・・・・・・
俺は、作戦を考えた。