ローゼンメイデンアラカルト   作:ぴちかー党

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 美味しい料理にだらだら生活
お正月後の恒例行事を描いてみました


お正月のあれ2

「きゃあー」

「っ!どうしたんだよ真紅」

 

 三が日も終わった年明けのある日桜田宅に真紅の絶叫が響き渡る

 

「こんなっ!こんな姿お父様に見せられない。私はもうアリスになれなくなってしまったのだわ」

「何があったんだよ」

「元気出すの真紅」

「ジュン・・雛苺」

 

 今にも泣き出しそうに涙を浮かべる真紅

彼女はひねり出すようにかすれた声で弱々しく言葉を紡ぐ

 

「見てほしいのだわこの悪魔の機械による現実を。私はもう・・アリスには成れないのだわ!!」

「ん?体重計?ああ。」

「???体重計これがどうかしたなの?」

 

 合点がいったように、ジュンは頷き噴き出すのを必死に押さえながら、雛苺に解説する

 

「このお正月こいつ、食べてばかりでゴロゴロしていただろ?だから来ちゃったんだよ」

 

「来た?何が来たなの?」

 

「正月太りだよ。しっかし人形なのにそれだけ体重が増えるってどれだけ喰っちゃ寝生活してたんだよ。ここ三が日ほぼ動かずに3食、酷いときにはおやつに夜食も含めて5食食べてたときもあったしなー」

 

「それ以上はやめなさいジュン。レディに失礼なのだわ」

 

「失礼って自分で話題を降ったのにそれはないだろ。僕も少しは増えたけど流石にこれはないなー。はっはっはっ・・いてっ」

 

「天誅なのだわ」

 

「なにも殴ることはないだろ。しかも辞書で。」

 

「ジューンヒナもその機械使いたいなの」

 

「ん?ああ。じゃあそこに立って。はいその姿勢を10秒キープ・・はいオッケー」

 

「どう?どうなのー」

 

「うん。誰かさんみたいに増減なし。流石雛苺毎日無駄に走り回ってるだけあって摂取したcalをすぐ消費してるんだろうな」

 

「よくわからないけどやったなの」

 

「悔しい。不公平なのだわ」

 

「痩せたいなら、雛苺と一緒に行動すればいいんじゃないか?」

 

「雛と一緒に・・それはちょっと」

 

「じゃあ、諦めるんだな」

 

「うっ・・それは。背に腹は変えられないのだわ」

 

「やったなのー。じゃあ早速、薔薇しーの所に走って出発なの」

 

「はぁ走る?nのフィールドからいけば5分で着くじゃない」

 

「真紅それは、最寄りのコンビニにわざわざ車を使うパパさんの典型的いいわけだぞ」

 

「わ、わかったのだわ。」

 

そんなこんなで

「真紅遅いの。置いてっちゃうのー」

 

「ちょっと待ちなさい。呼吸が苦しい、脇腹が・・死ぬのだわ」

 

「もぉ速く速く♪」

 

「引っ張らないで、自分のペースで・・歩くのだわ」

 

「ついたのー♪薔薇水晶遊びましょう♪」

 

「明けましておめでとう雛苺。それに真紅?珍しい」

 

「お、おめでとうなのだわ」

 

「大丈夫?苦しそう」

 

「大丈夫じゃないのだわ」

 

「薔薇水晶早速遊びましょう♪」

 

「うん。今日は何をするの?」

 

「出来れば室内でできる遊びがいいのだわ・・」

 

「雪ダルマをつくるなの」

 

「うん。わかった」

 

「・・・見学しとくのだわ」

 

「雛。頭の方は完成したよ」

 

「こっちも出来上がりなの。じゃあ合体なの!!せーのっ」

 

「えい」

 

「あとは、バケツと箒と石ころを集めて」

 

「取ってくる・・はい」

 

「ありがとうなの♪こうしてああして完成なの」

 

「可愛い」

 

「作ってワクワク大成功なのー」

 

「やっと終わったのだわ。じゃあ帰りましょうか」

 

「次は金糸雀の所にいくの。薔薇しーもいくなの」

 

「わかった」

 

「ふぁっ!まだ遊びにいくのだわ。私はもうかえるのだわっ・・薔薇水晶?」

 

「真紅も一緒」

 

「そんな、お母さんと一緒みたいに言われても・・薔薇水晶?その手を放すのだわ!!」

 

「金糸雀♪遊びましょう」

 

「あら、雛苺ちゃんに薔薇水晶ちゃん・・それに真紅ちゃんも一緒なんて珍しい♪明けましておめでとう。カナー雛ちゃん達よー」

 

「あけおめことよろかしらー」

 

「あけおめなのー」

 

「明けましておめでとう。金糸雀」

 

「あ、あけ、おめなの・だわ」

 

「真紅?死にそうだけど、どうしたのかしら?」

 

「死にそうではなく。このままでは死んでしまうのだわ」

 

「それより金糸雀、遊びましょう雪合戦なの」

 

「・・・私はミッチャンと一緒に中にいるから3人で楽しんでくるのだわ」

 

「なにいってるの、真紅ちゃん♪」

 

「へ?」

 

「私も参戦するわよ。真紅ちゃんも混ぜて丁度5人バトルロワイヤルよー」

 

「負けないかしらー」

 

「今日こそ一位をとるの」

 

「頑張る」

 

「・・・くっ殺せなのだわ」

 

そんなこんなで雪合戦が開始され、待たして真紅は強制的に運動することを余儀なくされた

 

「やったかしら雛苺」

 

「これでも食らえなの薔薇水晶」

 

「ミッチャン!!流石にワインドアップは大人げないかしら」

 

「帰る!もうお家に帰るのだわ!!」

 

「ただいまなのー」

 

「ただいまなのだわ」

 

「2人とも遅いですぅ」

 

「翠星石に蒼星石なの」

 

「明けましておめでとう。二人とも」

 

「あら、新年早々どうしたのだわ?」

 

「ふっふっふっ。これをみるですぅ」

 

「んーなんなの?それー」

 

「お爺さんに貰ったんだけど、凧って言うものらしいよ。これを翔ばしていかに長時間、高く揚げることが出来るかを競う遊び何だって」

 

「嫌な予感がするのだわ」

 

「面白そうなの。早速遊びましょうなの」

 

「勿論ですぅ。そのために来たですよぉ♪蒼星石、真紅も速くいくですぅ」

 

「そんな!もう正月肥りなんて懲り懲りなのだわ!来年は絶対こんな思いはしないのだわ」

 

 2度とこんな苦しい思いはしない。そう心に誓った深紅。

しかし、たった1日の運動で蓄積した「業」は消えるはずもなく。彼女の苦労は更に続くことになるのであった




 朝バナナダイエット、リンゴダイエット。
星の数ほどある様々なダイエット方法。しかし、一番効くのは普段通り食べて普段以上に運動する。これに勝るダイエットはなし(あくまでも投稿者の持論です)

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