お正月。各ミーディアム達はお正月特有の「あれ」の処分に頭を悩ませていた
桜田宅
「みんなー。ご飯ができたわよ」
「お腹すいたのー♪」
「はーい。ほら真紅もいくぞ」
「もう少し読書をしていたいけど仕方ないわね」
いつもと変わらぬやり取り
食卓にはいつもと変わらぬ「あれ」が鎮座していた
「今日も餅か・・・」
「もうお餅は飽きたなのー」
「流石にそろそろご飯が食べたいのだわ」
「うぅ・・ゴメンね皆。でも鏡餅がまだまだあるから処理しないとカビが生えちゃうの。暫くはお餅で我慢してね」
「うにゅー。ん?のりそれはもしかして」
「あ!気付いちゃった?今回はちょっと変わったお餅料理を作ってみたの」
「この形、この食感!これはいちご大福なの♪」
「大正解、お餅を柔らかくなるまで暖めて、その中つぶ餡と苺を入れた自家製いちご大福♪冷たくなるとすぐに固くなっちゃうから、冷めないうちに召し上がれ」
「これは、市販のいちご大福じゃ絶対味わえないの!のびーのびーで甘くてあったくて酸っぱくて美味しいなの。お代わり」
「気に入ってもらえて嬉しいわ」
のりは中だるみしてきたお餅料理に変化を加えていたのだ
いつものような、雑煮・きな粉・納豆・こし餡という餅+単品調味料出はなくお餅を使った身近な創作料理が食卓に彩られていた
「これは、おかき?鏡餅を砕いて油で揚げたんだ」
「そうなの!ちょっと力はいるし金槌で割るから不格好になっちゃうけど美味しいでしょ。」
「うん。餅をそのままあげてるから煎餅のおかきとは全然違った美味しさだね」
「のり。こっちのピザのようなものもお餅なのだわ?」
「そうよそれはもちピザって言うの。お餅をピザ生地みたいに薄く伸ばしてそこにケチャップとか好きな具材を載せてオーブンで焼いてみたの」
「なるほど。このパリパリの食感にお餅のかみごたえ。普通のピザだと1切れじゃ物足りないけどこれなら十分満足できるボリュームなのだわ」
「そういって貰えると作ったかいがあったわ♪まだまだあるから遠慮せず食べてね」
「い、いや・・流石にあと1切れが限界なのだわ」
「そんなこと言わないで、あと3ホールも残ってるの」
「無理なのだわ」
「だってだって町内の餅つき大会でお餅が余ったからって薔薇水晶ちゃんから貰っちゃったんだもん。流石に無下には断れないじゃない」
「槐ってそういう行事に参加するんだ。かなり以外だな。」
「そうね。まあ、あのマスターも自分を変えようとしていると言うことなのだわ」
「あ!そうだわ♪」
「どうしたなの?のりー」
「このお餅料理薔薇水晶ちゃん達にもお裾分けに行きましょう」
「行ってらっしゃいなのー」
「いってらっしゃいなのだわ」
「雪道には気を付けろよな」
「ええー・・皆も一緒に行きましょうよ~。ほらほら」
「やだよ。う、腕を引っ張るなって!!真紅、雛苺ボーッと見てないで助けろよ」
「そうなったのりは止められないのだわ。観念するのだわ」
「雛苺たちも一緒にいってあげるからなのー」
「・・・私は遠慮したいけどまぁ仕方がないのだわ」
こうして、桜田一家はお裾分けを届けに槐宅に足を進めることとなった
次回はお正月回第2段予定