真紅と翠星石は、おやつを賭けて争っていました。
「いいけど、勝負内容はどうするのだわ?」
「JUMの上着を脱がせた方を勝ちとするですぅ」
「よくわからないけど面白そうなのだわ」
「JUMが部屋に戻ってきたらスタートですぅ」
雛苺が読んでいた絵本「北風と太陽」を一緒に見ていた翠星石には十分に勝算があった。勝負か開始から5分後勝負対象となっていることなど微塵も思っていないJUMが部屋に戻ってくる
「JUMよく戻ってきたですぅ。暑くないですかぁ?」
「なんだよ、藪から棒に。夏なんだから暑いに決まってるだろ」
「そういうと思ったですぅ。えーい!」
予想通りの返答が帰ってきたのを見計らい、いきなりJUMの上着を強引に脱がしにかかる翠星石。しかし、当然抵抗するJUM。
「どうして抵抗するですかぁ!大人しく上着を脱げですぅ」
「ふざけるな!なんで脱がないといけないんだよ。これ1枚しか着てないんだぞ」
「そんなの知らねぇですぅ。おやつが賭かってるですぅ、北風と太陽ですぅ」
「やめろっていってるだろ!」
翠星石の努力もむなしく、JUMに振りほどかされ。ターン終了
「どうして、ゆうことをきいてくれないですかぁ!このちび人間」
「いきなり、上着を脱げっていわれて脱ぐやつがいるわけないだろ!」
二人が言い争っている間に、床に落ちている「北風と太陽」を発見した真紅。
翠星石が勝負を仕掛けてきた理由を全て理解する。そして満面のどや顔でこういい放つ。
「全て理解できたのだわ。今度は私が正解を見せるからよく見ておくのだわ」
「このバカちび人間。」
「いつもいってるけど、そのちび人間ってやめろよ。」
「うるせぇですぅ。お前のせいで真紅にターンが回ってきたですぅ」
「なんだよ、真紅のターンって・・・」
言い争いをしているJUMに突然、今淹れられたばかりの熱々の紅茶をぶっかける真紅。見事その紅茶はJUMの上着にぶちまけられた
「あっつ!なにしてるんだよ」
「あー、脱いだらだめですぅ。翠星石のおやつが」
「離せよ、こんなの着てたら火傷しちゃうだろ」
「離さないですぅ。脱いだらだめですぅ」
「見苦しいわね翠星石、負けを認めるのだわ」
「あー!どうして脱いじゃったですぅ。翠星石のおやつがおやつがぁ」
「私のほうが1枚上手だったのだわ」
「いい加減にしろよお前ら。きっちり理由を説明してもらうからなー!!」
この後得意げに事情を説明する真紅と翠星石。
理由を知ったJUMの罵倒が二人に飛んだのは想像に堅くないであろう。
めでたしめでたし
PS:この話は、原作では人に何かをさせるには、力ずくでやるよりも、あいてがその気になるようによく説明するほうが、ききめがあることがおおい、ということをおしえています。
今回の執筆終了してから、思いましたがこの展開だと真紅、翠星石両方が力技で解決していますね。
原作とは大きく異なりますが、あの二人ならこのお題にはこうやるであろうとおもいますね