ローゼンメイデンアラカルト   作:ぴちかー党

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 巻きますか?巻きませんか?突如あの電話と共にやってきた翠星石との波乱万丈な共同生活が幕をあける。

 今回もまたまた一人称視点です




いつの間にか翠星石のミーディアムにされたので徹底的にデレさせてみた

 ある日のこと何時もの様に週に1度の貴重な休日、この日を逃がしてはならないとばかりに惰眠を貪っていると不意にリビングの黒電話がアラームのごとく鳴り響く。

 たまらず、起きて時計を確認するとまだ0700i普段の休日ならばまだ夢の中である。無視していればそのうち鳴りやむだろう、そう思い再び眠りにつこうとしてもTELLコールは鳴りやまない。3分、5分、8分一向に鳴りやまない電話についに根負けし重い体を引きずり電話に出る。

 

「もしもし?」

「巻きますか?巻きませんか?いまなr・・・」

 

 即座に受話器を置く。どうやら、いたずら電話のようだ。まったくこんな朝っぱらかけてくるとは、とんだ暇人か根性曲がりのどちらかであろう。気を取り直してもう一度寝る準備に取り掛かるため布団に向かおうとすると、間髪おかずにTELLがなる。

 

「はー。もしもし?」

「このへっぽこ人間!!よくも途中で翠星石のスカウト電話を切ったですねー」

 

「セールス電話は受けつけておりません」

「はぁっ!?」

 

 何か抗議の声を上げていたようだが気にしない。こちらは眠いのだ、今はくだらない電話にかまっていられない。しかし再度TELLが鳴る、いい加減うっとうしくなってきた。

受話器を取ると少し語尾を荒げこう叫ぶ。

 

「まったく非常識だなー。」

「何を言いやがるですか!人の話は最後まで聞きやがれですぅ」

 

「嫌です」

 

 そう言って、再び受話器を置こうとしたとき翠星石という相手方が少しあせった声で静止してくる。

 

「待ってほしいですぅ!翠星石と契約してミーディアムになってほしいですぅ」

「・・・」

 

 ミーディアムというものが何かわからないが、ふと、とある意地の悪い考えが頭の中で浮かび上がった。

 

「よし、わかった。そのミーディアムになってやる」

「本当ですかぁ!!」

 

「但し、30秒以内にここにたどりつけたらな!」

「そんなの簡単ですぅ。ちょっとまちやがれですぅ」

 

 来れるはずがない。どうやって電話帳からこの番号を探したかは不明だが電話帳だけでこの場所がわかるはずがない。万が一分かったとしてどうやって30秒でたどり着けるというのか?我ながらなかなか意地の悪い条件だ。しかし、休日の至福の時間を2度も奪ったのだ、このぐらいの意地悪は許されるであろう。

 

 あの小うるさい迷惑電話も鳴りやみようやく眠りにつける、そう思い再び寝室に戻ろうと思い移動しようとした矢先、突然リビングのガラスが割れる。そして、勢いよくかなり大きめのトランクが自分めがけてやってくる。

 

 無念よけきれずダイレクトトランクアタックを受け力なく崩れ落ちる。そして、トランクが開くと中から人形が自力ではい出てくる。それは正にあのアメリカのホラー映画チャイルド・プレイを彷彿とさせる。非科学的な出来事であった。

 

「さあ、お望み通り来てやったですぅ。約束通り契約するですぅ!」

 

 その人形の声を注意して聞いてみると、先ほどの受話器越しの相手である。それにその姿かたちを観察すると、印象的なエメラルドとルビー色のオッドアイ、服装は目にやしい緑を主体としたドレス、髪は床に届く程の茶色のロングヘアで後ろで二つに分かれてカールと黙っていればなかなかにかわいい。 ただ、某ルイー〇を思わせるツンデレ口調が若干のマイナス点であろう。

 

「契約ってどうすればいいんだ?」

 

 その疑問に黙って指輪を差し出す翠星石。

 

「こ、この指輪に口付けすれば契約完了ですぅ」

「なんで、若干照れてるんだ?」

 

「て、照れてなんていねぇですぅ!さっさと契約するですぅ」

「わかった、わかったからそんなに執拗にたたくな」

 

 照れ隠しなのか、何度も何度もたたいてくる翠星石とよばれるこのドール。もとが人形のそれなので、まったく威力はない寧ろ小動物がじゃれあっているようで見ていて和むくらいだ。

 翠星石との契約も完了すると、間髪入れず翠星石のお願いが飛んでくる。

 

「契約したですねぇ。早速お願いをきいてもらですぅ」

「お願い?」

 

「そうですぅ、蒼星石を一緒に探してほしいですぅ」

 

 話を聞くと、蒼星石とは翠星石にとってなくてはならない双子の妹。翠星石同様ミーディアムを探して行動していたが、途中ではぐれてしまったらしい。性格は翠星石とは真逆で冷静沈着かつ冷徹。そして契約者に極めて忠実で一人称を僕と表現するらしい。

 

「んーそれだけの情報でさがすのか」

「そうです!ぐずぐずせずにとっとと準備しやがれですぅ」

 

 そう言い終わる矢先、どこかからとても大きな腹の虫がなく音が聞こえた。恐らくその音の発生源であろう翠星石は火がでそうなほど顔を赤らめている。

 

「もしかして、お腹すいてる?」

「・・・・」

 

「昨日の残り物だけどよかったr」

「しゃーねーなーですぅ。そんなにどうしてもというなら、食べてやるですぅ」

 

 うん、可愛い。憎まれ口をたたきながらも満足そうに食事を楽しむ翠星石。彼女のツンデレは、きっと照れ隠しのために自然と出てしまうのだろう。そんなことを考えながらふと時刻を確認する。時刻は0900iであった。

いけない、もうスーパーの開店時間である。休日朝の開店時間といえば生鮮食品の半額展示会の時間であり、週に一度の冷凍庫ストック補充dayである。

 

 翠星石をわき目に慌てて出発準備を始める。事情を説明し彼女を残しいざ戦場へ!

 

「行ってらっしゃいですぅー」

 

 そんな声援をうけ、決戦の地よー〇べに〇へと赴く。

 

ーー30分後ーー

 

 戦果は上々。両手に大量の戦利品をぶら下げ帰路へと急ぐ途中、とある公園でふとあるものが目に付く。近づいて確認するとそれは、翠星石が持っていたものと同じとても大きなトランクであった。中身を確認すると翠星石と同じくらいの背丈の少女が眠っていた。この娘が蒼星石だなと直感する。

 

 持ち主はいるのか?いないのか?この落ち葉の落ち具合や周りの状況から判断すると恐らくいないのであろう。

いそいそ戦利品を片手に寄せ、右手には戦利品。左手にはくそでかトランクという何ともへんてこな格好で帰路につく。

 

「おかえりですぅー」

 

 食事も終わったのか、呑気にソファにくつろぎTV鑑賞に勤しむ翠星石に先ほどの出来事を報告する。

 

「本当ですかぁ!ナイスですぅ」

 

 こんなに喜んでもらえると自分もうれしい。早速一緒に先ほどの少女を確認してもらう、すると先ほどの喜びようからは一変彼女の声が徐々に曇っていった

 

「お、おまえはぁ。す、すいぎんとぉですぅ」

 

 自分が蒼星石と思っていたドールはどうやら人違いだったようだ。はてさて、この物語ここからどうなってしまうのか、翠星石の運命は

 




 また、気が向けば続編

そういえば、ローゼンはツンデレ属性が多すぎますね。

真紅、水銀燈、翠星石。3/8がツンデレ属性。
そして、常識人枠が蒼星石のみ。蒼星石過労死しちゃーう

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