ということで、今回はクンクングッズで真紅を釣り色々(意味深)とお願いしてみることにしました。
「ただいまー」
「あら、お帰りなさい。今日は少し遅いのだわ」
玄関のドアを開けると、リビングでくつろぐ真紅。視線はテレビから離さず声だけで迎え入れてくれる。独り身の時にはなかった新鮮なシチュエーションに不思議な感動を覚えつつ、靴を脱ぐ。
そしてリビングに移動し真紅に買ってきた「あるもの」をさりげなく彼女の傍においてみた。
「この包みはなんなのだわ?」
「真紅にプレゼント。中身はあけてのお楽しみ」
「あら、気が利くじゃない。いったい何が入って・・・」
「どう?気に入ってもらえt・・・」
そう、最後の台詞を言おうとするも黄色い悲鳴により言葉はかき消されてしまった。
「きゃー♪くんくーん!」
クンクン、それは真紅の大好きな番組「クンクン探偵」の主人公。
ハスキー犬ともサモエド犬とも言えるような顔と探偵帽が特徴の探偵だ。このキャラを前にするとあの普段クールで知的な彼女が突如その容姿相応のお子様へと変貌するのだから面白い。
そして、そんな無邪気な真紅を観ていると仕事の疲れなど一瞬で吹き飛んでしまう
「マスター。どこで手にいれたのだわ?」
「インターネットで予約しといたんだ。丁度今日コンビニに届いたんだよ」
「ああ、限定版クンクン等身大人形♪本当にありがとう」
「そんなに喜んでくれると、こっちも嬉しいよ」
「マスター。お礼をしたいのだけど何かお願いはないかしら?」
「んー特にはないかな。真紅の笑顔が見れただけで十分だよ」
「それじゃあ私の気がすまないのだわ。なんでもいいのよ」
「ん?今なんでもするって?」
「ええ♪なんでも聞いて上げるわ」
ということで、これを機会に是非ともやってみたかった事をおもむろに実行することにした。
「よーしよしよしよし♪」
「何をしているのかしら・・・」
「真紅とのスキンシップ」
普段なら絶対に出来ないであろうスキンシップ。しかし、今ならできる。
既に真紅からの言質もとっているのだ、構うことはない。
「はえー、人形なのに人間みたいなさわり心地」
「くすぐったいのだわ」
「よーしよしよしよし♪」
「どうして集中的に喉をなでるのだわ」
「いや、喉がなるかなーって」
「猫じゃないのだわ!!」
「いたーい」
流石にやり過ぎたようだ、真紅の真骨頂伝説の右を食らってしまった。さっきまでのご機嫌な様子が一転完全にご機嫌ななめになってしまった
「もう寝るのだわ。寝室まで連れていって」
「はいはい」
そそくさと、食器の片付けを済ませ寝室へと連れていく。勿論彼女の手にはクンクン等身大人形が大事そうにかかえられていた。
「そんな・・入らないのだわ!」
トランクに等身大人形を入れようと悪戦苦闘中の真紅。どうやらクンクンの方がサイズが多きいらしく入りきらないようだ。いや、強引に頭や足をおり曲げていれれば入らないことはないが「そんなクンクンを傷付けること出来るわけないのだわ」らしい。
「うーどうやっても入らないのだわ!」
「マスターのここ空いてますよ」
そっと布団をめくり中に入るよう促してみる。これも一度はやってみたかったのだ
「レディはそんなはしたない真似をしないのだわ!」
「でもそのトランクじゃあクンクンと添い寝できないと思うんだけど」
「それは、確かにそうなのだわ・・・」
「ね?ほらほらマスターのここ空いてますよ」
「うう、今日だけ今日だけ付き合ってあげるのだわ。」
「そうこなくっちゃ♪」
「でも明日の夜迄には何か解決策を考えなさい」
「そんな無茶な」
「無茶でもなんでもやるのだわ!!」
とんでもない難題を突きつけられてしまった。
さてどうしよう、キャリーケースでも購入しようか?それとも日曜大工で工作しようか?
まあそれは明日考えるとして、今日はこの至福の一時を大いに楽しもう。
明日にゃ明日の風が吹くとはよくいったものである。
小説のような妄想のような何か
クンクン等身大人形のイメージとしてはローゼンアニメ1期、第4話?
の翠星石と雛苺の時にJUM君が釣糸で垂らしていた人形をイメージして作ってみました。
あのときの真紅の表情はストライクですね