ローゼンメイデンアラカルト   作:ぴちかー党

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気が付いたらシリーズ第5段

今回は薔薇水晶、いつものごとく槐は一切登場しません


薔薇水晶は感情表現が苦手なようです

「おはようございます。お父様」

「出来れば、そのお父様呼びはやめてほしいな」

 

 薔薇水晶それが、この娘の名前である。

 見た目は大方5才程度の少女、銀髪の美しいツインテールに左目の眼帯が特徴的な無口な娘であった。

 

 少女との出会いは、とあるトランクが送られてきたところから始まった。

 そのトランクはキャリーケース程の大きさがあり、中を確認するとこの娘が入っていたのだから、驚いた。更に呼吸もしてないとくれば最早軽いパニックである

 

 警察に連絡しようか?いやこの状況はあらぬ誤解を受けるのでは?そう考えていた矢先、トランクに添えられた手紙を見つけネジを回し今に至る。

 彼女の言葉からも分かる通りどうやら自分をお父さんと勘違いしているようだった。

 

「うーんどうしたものかなー?」

 

 この状況を先ずは落ち着いて整理するため、トイレへと向かう。これは自分だけの癖かもしれないが、何か大事な考えごとをするときトイレだと凄く捗るのだ。環境・空間よく説明はできないがトイレほど捗る場所は自宅でも職場でも私はしらない。

 

「お父様どこにいくの?」

「ちょっと、トイレ。すぐ戻るからまっててね」

 

「・・・」

「薔薇水晶?出来ればそこで、まってて欲しいんだけど」

 

 ひたすら自分の後ろをヒヨコのように付いてくる薔薇水晶。その姿は何か小動物のようで見ていてとても癒されるのだが、トイレの中までついてこられるのはまずい。強制的にリビングまで抱き抱え移動させる。

 

 移動中ずっと「どうして?」とでも言いたげに見つめられてしまったのには驚いた。

 

 そして、ひとまずは持ち主が見つかるまで預かる方向性がきまりトイレから出るとドアの正面に薔薇水晶は立っていた。

 

「薔薇水晶!いつからそこにいたの?」

「お父様にリビングに戻されたあとから」

 

 この調子だと職場にまで付いてきそうな雰囲気である。今日が4連休で本当によかった。何とかこの行動だけは直さねば。

 そう思いつつも今日は連休1日目まだまだ時間はある。ひとまずスキンシップだ

 

「・・・」

「薔薇水晶?嫌じゃない?」

 

 頬っぺたをつついたり、髪や衣装に触れてみたり何をしても全く無表情の薔薇水晶。その表情から感情を読み取ることは至難の技である。

 

「くすぐったいです、お父様」

「あ、うん。何かごめんね・・・」

 

 流石にくすぐってみれば、笑ってくれるだろうと思ったが真顔で拒否されるとなかなか来るものがある。ひとまずここら辺でスキンシップは一時中断しずっと気になっていたことを聞いてみた。

 

「薔薇水晶、ずっと眼帯をしてるけど片眼はもしかして見えていないの?」

 

その質問に彼女は静かに首を横に降る

 

「その眼帯はずしてもらう事ってできる?」

 

今度は首をたてに降り眼帯を外す彼女。

 

「かわいい・・」

 

 てっきり片眼は視力がないのかそれとも片眼自体がないのかと予想していたがそんなことはなかった。なぜ、眼帯を着けていたのか?彼女なりのファッションなのだろうか?理由はよくわからないがそんことはどうでもいい。

 

 眼帯を外した彼女の姿はまさに「かわいい」の一言につきる。むしろ眼帯が邪魔まである。(眼帯薔薇水晶好きの方には誠にごめんなさい)

 

「そっちの方がかわいいよ!今後眼帯禁止ね」

「・・・解りましたお父様」

 

 少し不満げな顔で見つめられたが、拒否はされない。何だろうこの娘はお願いすれば文字通り何でもやってくれそうな雰囲気がある。勿論良心がそんなことを許すまでもないのはゆうまでもない

 

「きつねさん・・・」

「ん?ああ、あれね」

 

 彼女が指差す先には「ゴンぎつね」の絵本があった。なぜ独り身の家にゴンぎつねがあるのか?それ以上はいけないご都合主義である

 

「・・・きつねさん」

「あれは絵本。就寝にはまだ時間も在るし読んでみる?」

 

 黙って首をたてに降る彼女に読み聞かせを行ってみる。絵本の読み聞かせなど何年ぶりであろう?それこそ大学で参加した保育所のインターンシップ以来だから実に8年ぶりか。上手く出来るか心配であるがとにかくやってみよう。

 

「ごん・・お前だったのか」

「・・・きつねさん」

「え?薔薇水晶もしかして泣いてる?」

 

 つっかえながらのぐだぐだな読み聞かせも終盤、ふと薔薇水晶に視線を落とすと彼女の瞳からは溢れんばかりの滴が溢れていた。

 お世辞にも上手いとは言えない読み聞かせでのまさかの事態にかなり面食らってしまった。

 

「お父様、続きを聞かせてださい」

「いや、物語はこれでおしまい・・・あとは兵十の手から火縄銃が落て、筒口から青い煙が出ているところで終了なんだ。」

 

「きつねさん」

「薔薇水晶もしかして狐さん好き?」

 

静かに首をたてに降る彼女にふと名案が思いつく

 

「よし!薔薇水晶。あした狐さんに会いに行こう」

「狐さんに会えるの?」

 

「うん。あそこにいけば絶対会えるよ」

「きつねさん・・」

 

どこか微笑んでいるように見える彼女。明日の予定は決まった。

 

目指すは宮城の狐村、どうせなら2泊3日の宮城旅行と洒落こもうではないか!

 そうと決まればこうしてはいられない。宿の予約に新幹線の予約とやることは山積みだ。早速コンビニに予約しにいくもやはりついてきてしまう薔薇水晶。

 

 仕方がないので、彼女の思うようにさせることにした。

 遠目から見れば、親子に見えないこともないし幸い間接部分は服装で隠れているしばれることはないだろう。少し肌寒さが残る夜道、コンビニ向かう1人と1体。

 

自分達の物語はここから始まる。




 アニメオリジナルキャラ薔薇水晶に視点を充ててみた今作品いかがでしたでしょうか?

 気が付いたらシリーズは、取り敢えず全ドール作成予定ですのでお付き合い頂けるととても嬉しいです。

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